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    オーストラリアのスーパーアニュエーション払い戻し完全ガイド|DASP申請方法・65%の税金・帰国後の手続き

    オーストラリアでワーキングホリデーを終え、日本へ帰国する際に忘れずに確認しておきたいのが、スーパーアニュエーションの払い戻しです。

    オーストラリアで働いていた方は、給料とは別に、雇用主がスーパーアニュエーション(Superannuation)と呼ばれる退職年金を積み立てている場合があります。

    2026年10月現在、雇用主の法定拠出率は原則12%です。

    この退職年金は通常、一定の退職年齢などに達するまで引き出せません。しかし、ワーキングホリデーや学生ビザなどで一時的にオーストラリアに滞在していた外国人には、帰国後に払い戻しを受けられる制度があります。

    それが、DASP(Departing Australia Superannuation Payment)です。

    対象となる方は、オーストラリアを出国し、ビザが失効するなどの条件を満たせば、積み立てた退職年金を一括で受け取ることができます。

    ただし、ここで気になるのが税金です。

    ワーキングホリデー渡航者のDASPには、課税対象となる部分に原則65%という高い税率が適用されます。

    例えば、DASPの支払対象額がA$4,000で、その全額が65%の課税対象であれば、税引後に受け取れるのはA$1,400です。

    積み立てられた金額が、そのまま全額戻ってくるわけではありません。

    また、DASPはオーストラリア滞在中に申請を完了できるものではなく、帰国後もビザが有効な場合には、期限まで待つか、所定のビザ取消手続きを検討する必要があります。

    この記事では、ワーキングホリデーや留学などでオーストラリアに滞在した方を対象に、DASPの申請条件、準備する情報、ATOのオンライン申請方法、65%の税金、銀行口座への受け取り、申請後の確認方法まで詳しく説明します。

    2026年10月時点のオーストラリア税務局の公式情報をもとに、実際に申請する際に役立つ内容をまとめました。

    来月ワーホリを終えて日本へ帰国します。スーパーの残高がA$5,000くらいあるのですが、帰国する前に払い戻しを申請できますか?
    帰国前に申請内容を入力して保存することはできますが、正式な申請の送信は、オーストラリアを出国し、対象となるビザが失効または取り消されてからです。また、ワーホリのDASPには原則65%の税金がかかるので、実際の受取額も確認しておきましょう。




    DASPとは?スーパーアニュエーションの払い戻し制度

    DASPは、デパーティング・オーストラリア・スーパーアニュエーション・ペイメント(Departing Australia Superannuation Payment)の略です。

    オーストラリアで一時滞在ビザを持って働いた人が、一定の条件を満たして出国した後、積み立てられたスーパーアニュエーションを受け取る制度です。

    スーパーアニュエーションの基本的な仕組みについては、前記事「オーストラリアのスーパーアニュエーションとは?ワーホリ・留学生の退職年金12%と残高確認・帰国時の注意点」で詳しく説明しています。

    ここでは、払い戻し手続きに必要な内容を中心に説明します。

    通常は退職するだけでは引き出せない

    オーストラリア人や永住者が仕事を退職しても、それだけでスーパーアニュエーションを自由に引き出せるわけではありません。

    通常は、退職年齢など法律で定められた条件を満たす必要があります。

    一方、一定の一時滞在ビザで働いていた外国人については、オーストラリアを出国してビザが失効するなどの条件を満たせば、DASPを申請できます。

    DASPは年金の全額返金制度ではない

    払い戻されるのは、スーパー基金に残っている資金から所定の税金を差し引いた金額です。

    基金では、雇用主の拠出金に対する税金、管理手数料、保険料、運用損益などが反映されます。

    そのため、雇用主が過去に支払ったスーパー拠出金の合計額と、DASPの申請時の口座残高は一致しない場合があります。

    さらに、DASPの支払時には別途税金が源泉徴収されます。

    DASPの申請は無料でできる

    オーストラリア税務局(Australian Taxation Office/ATO)が提供している公式オンライン申請システムは無料で利用できます。

    民間の申請代行会社へ依頼する必要はありません。

    ただし、書面申請で必要な移民関連の証明書や、スーパー基金が求める本人確認書類の認証などには、別途費用が発生する場合があります。

    DASPを申請できる人・できない人

    DASPは、オーストラリアで働いたすべての外国人が利用できる制度ではありません。

    主に、一定の一時滞在ビザで働き、その後オーストラリアを出国した人を対象としています。

    DASPを申請するための主な条件

    • 対象となるオーストラリアの一時滞在ビザを保有していた
    • オーストラリアを出国している
    • 対象となるビザが失効、または取り消されている
    • 現在、有効なオーストラリアのビザを保有していない
    • オーストラリア国籍や永住権など、対象外となる資格を持っていない
    • DASPの対象となるスーパーアニュエーションが残っている

    ワーキングホリデービザ417、ワーク・アンド・ホリデービザ462の渡航者は、条件を満たせばDASPの対象になります。

    また、学生ビザ500など、対象となる一時滞在ビザで働いていた人も申請できる場合があります。

    滞在・ビザの状況 DASPの一般的な取り扱い
    417ビザで働き、帰国後にビザが失効 条件を満たせば申請可能
    462ビザで働き、帰国後にビザが失効 条件を満たせば申請可能
    学生ビザで働き、帰国後にビザが失効 条件を満たせば申請可能
    帰国したが、ビザがまだ有効 通常、まだ正式申請できない
    まだオーストラリアに滞在中 準備・保存は可能だが正式申請できない
    オーストラリアの永住者 通常DASP対象外
    オーストラリア国籍者 DASP対象外
    ニュージーランド国籍者 原則DASP対象外

    ※現在のビザの有無や、過去に保有したビザの種類などによって個別の判断が必要になります。

    税務上の居住者区分とは別

    日本人ワーホリ渡航者の中には、所得税のタックスリターンで、税務上のオーストラリア居住者に該当する人もいます。

    しかし、所得税における居住者判定と、DASPの申請資格は別の仕組みです。

    所得税で居住者として申告したからといって、それだけでDASPの対象外になるわけではありません。

    DASPは、主に移民法上のビザや出国状況などに基づいて判定されます。

    いつ申請できる?帰国とビザ失効の関係

    DASPで最も間違えやすいのが、申請できるタイミングです。

    重要なのは、オーストラリアから出国していることと、対象ビザがすでに失効または取り消されていることの両方が必要という点です。

    帰国しただけでは申請できない場合がある

    例えば、ワーキングホリデービザが2027年6月30日まで有効で、2027年3月31日に日本へ帰国したとします。

    この場合、日本へ帰国した時点では、まだビザが有効です。

    そのため、通常はDASPを正式に申請できません。

    一方、ビザが2027年6月30日に失効し、その時点でオーストラリア国外にいて、ほかの申請条件も満たしていれば、DASPの正式申請を行えるようになります。

    日付 状況 申請
    2027年3月31日 日本へ帰国。ビザはまだ有効 通常、正式申請不可
    2027年6月30日 ビザの有効期間終了 失効の確認が必要
    ビザ失効が確認された後 オーストラリア国外に滞在 ほかの条件を満たせば申請可能

    帰国前に申請書を作成しておくことはできる

    ATOのDASPオンライン申請システムでは、オーストラリアを出国する前から申請情報を入力し、保存することができます。

    ただし、出国前やビザが有効な間は、正式に申請を送信できません。

    帰国後、申請資格を満たした時点で、保存していた申請を再開して送信します。

    申請に必要な情報を現地にいる間に準備しておけば、帰国後の手続きが楽になるでしょう。

    ビザの有効期間が長く残っている場合

    すでにオーストラリアを出国していて、ビザがまだ有効な場合は、オーストラリア内務省(Department of Home Affairs)へビザの取消しを申し出る方法もあります。

    ただし、ビザを取り消すと、そのビザで再入国することはできなくなります。

    また、セカンド・サードワーホリや、ほかのビザを申請する予定がある方は、取消しが今後の渡航計画に与える影響を確認してください。

    DASPを早く受け取りたいという理由だけで、十分に確認せずビザを取り消すことはおすすめしません。

    公式情報:オーストラリア内務省:ビザの取消手続き

    帰国前に準備しておきたい情報と書類

    DASPは日本に帰国してからでも申請できます。

    ただし、必要な情報が手元になかったり、スーパー基金へログインできなくなったりすると、手続きに時間がかかることがあります。

    帰国前に、次の情報を確認して保存しておきましょう。

    準備するもの 確認内容
    パスポート 氏名、生年月日、パスポート番号
    TFN オーストラリアの税務番号
    ビザ情報 ビザの種類、有効期限など
    スーパー基金名 加入している基金の正式名称
    Member Number スーパー基金の会員番号
    基金のABN スーパー基金の事業者番号
    スーパー残高 現在の口座残高と拠出状況
    給与明細 最終給与、スーパーの拠出記録
    メールアドレス 日本帰国後も受信できるもの
    銀行口座情報 払い戻し金の受取先

    TFNが分からなくても申請できる?

    ATOのDASPオンライン申請では、TFNの入力は任意です。

    ただし、TFNを入力すると、本人のスーパー基金を検索しやすくなるなどのメリットがあります。

    そのため、TFNが分かる場合は準備しておくことをおすすめします。

    パスポートを更新している場合

    ワーキングホリデーで入国した際と、DASP申請時のパスポートが異なる場合は注意してください。

    ATOのオンラインシステムは、内務省の情報を利用して出国状況やビザの履歴を確認します。

    過去のパスポート番号と現在の登録情報が一致しない場合などは、追加確認が必要になることがあります。

    可能であれば、オーストラリア入国時に使用したパスポートの情報も保存しておきましょう。

    日本のメールアドレスを登録しておこう

    オーストラリアの携帯電話番号や、現地で取得したメールアドレスを帰国時に解約する方もいるかもしれません。

    しかし、スーパー基金からの連絡や追加書類の依頼が届かなくなると、手続きが進まなくなる可能性があります。

    帰国後も利用できるメールアドレスと連絡先を登録しておきましょう。



    自分のスーパー基金と残高を確認する方法

    ワーキングホリデー中に複数の職場で働いた場合、スーパー口座が複数作られていることがあります。

    例えば、最初にシドニー(Sydney)のカフェ、次にクイーンズランド州(Queensland)の農場、最後にメルボルン(Melbourne)のホテルで働いた場合です。

    それぞれの雇用主が異なる基金へスーパーを拠出している可能性があります。

    DASPを申請する前に、すべてのスーパー口座を確認しておきましょう。

    myGovから確認する

    オーストラリア政府のマイガブ(myGov)とATOのオンラインサービスを連携している場合、登録されているスーパー口座を確認できます。

    1. myGovへログインする
    2. Australian Taxation Officeを選択する
    3. Superのメニューへ進む
    4. 登録されているスーパー基金の一覧を確認する
    5. 必要に応じて基金名、会員番号、残高などを確認する

    ただし、ATOに表示される情報には更新の時間差があります。

    最新の残高や取引履歴を確認するには、スーパー基金の公式サイトも利用してください。

    DASPオンライン申請システムでも検索できる

    DASPの公式オンライン申請システムでは、TFNを入力すると、ATOに報告されているスーパー基金を検索できます。

    また、基金の名前やABNなどが分かっている場合には、検索結果に表示されていない基金を追加して申請できる場合があります。

    給与明細に書かれている基金名も確認

    スーパー基金のログイン情報が分からない場合は、以前の給与明細を確認してみましょう。

    基金名やスーパーの拠出額が記載されていることがあります。

    必要なら、以前の雇用主へどの基金へ拠出したのか問い合わせる方法もあります。

    複数の基金がある場合

    DASPは、複数のスーパー基金について申請できます。

    ただし、各基金がそれぞれ申請内容を確認し、払い戻し手続きを行います。

    そのため、すべての基金から同じ日に送金されるとは限りません。

    また、基金によって必要な本人確認書類や送金方法が異なる場合があります。

    DASPのオンライン申請方法を順番に解説

    ここからは、ATOの公式オンライン申請システムを利用する方法を説明します。

    政府のオンライン申請システムを利用すれば、申請代行会社へ料金を支払う必要はありません。

    公式申請サイト

    ATO公式:DASP Online Application System

    申請画面は基本的に英語ですが、必要な情報を事前に準備しておけば、自分で申請を進めることも可能です。

    STEP 1.公式申請システムへアクセスする

    ATOのDASPオンライン申請ページを開きます。

    個人で申請する場合は、本人用の申請手続きを選びます。

    登録税理士などの代理人向けとは異なる手続きなので、注意してください。

    STEP 2.個人情報を入力する

    申請システムでは、次のような情報を入力します。

    • 氏名
    • 生年月日
    • パスポートの発行国
    • パスポート番号
    • TFN(分かる場合)
    • メールアドレス

    情報は、パスポートやATOに登録されている内容と一致するように入力してください。

    STEP 3.本人確認と申請資格の確認

    入力した情報は、オーストラリア内務省のデータと照合されます。

    ここで、オーストラリアを出国しているか、ビザが失効しているか、ワーキングホリデービザを保有していたかなどが確認されます。

    申請資格が確認されると、次の手続きへ進めます。

    まだオーストラリア国内にいる場合や、ビザが有効な場合は、申請を保存することはできますが、正式に送信できません。

    STEP 4.再ログイン用の秘密の質問を設定する

    申請システムでは、再びアクセスする際の本人確認のため、秘密の質問と回答を設定します。

    一度申請を保存し、帰国後に再開する予定がある場合は、この回答を忘れないようにしましょう。

    また、再ログインの際には、最初に入力した氏名、生年月日、パスポート番号などを同じ形式で入力する必要があります。

    STEP 5.スーパー基金を検索する

    TFNを入力している場合、ATOに報告されているスーパー基金を検索できます。

    表示された基金名が、自分の加入していた基金と一致するか確認してください。

    検索結果に基金が表示されない場合でも、加入先が分かっていれば、基金のABNなどを使って追加できる場合があります。

    STEP 6.連絡先とスーパー口座情報を入力する

    申請では、日本の住所やメールアドレス、基金の会員番号などを入力します。

    基金から追加の確認が必要になった場合、この連絡先に問い合わせが届くことがあります。

    日本へ帰国後も確実に連絡を受けられる情報を入力してください。

    STEP 7.申請先と受取方法を確認する

    スーパーの資金が、現在どこで管理されているかによって、申請先が異なります。

    • スーパー基金が資金を管理している場合:そのスーパー基金
    • すでにATOへ移管されている場合:ATO

    オンライン申請システムでは、両方の申請に対応しています。

    ただし、受取方法や必要な確認手続きは、基金とATOで異なる場合があります。

    STEP 8.申請内容を確認する

    氏名、パスポート情報、連絡先、スーパー基金、会員番号などに誤りがないか確認します。

    正式に申請を送信した後は、入力内容をオンラインで自由に変更できないため、送信前の確認が重要です。

    STEP 9.申請を送信する

    オーストラリアを出国し、ビザが失効または取り消され、その他の資格を満たしていれば、正式に申請を送信できます。

    送信すると、申請内容を確認するメールが届きます。

    また、該当するスーパー基金やATOにも、申請が通知されます。

    STEP 10.必要な追加書類を提出する

    申請後、基金によっては追加の本人確認書類や、銀行口座の証明などを求める場合があります。

    追加資料が必要な場合は、基金からの案内に従って提出してください。

    公式オンライン申請は無料ですが、こうした証明書類の取得や認証に費用がかかる場合があります。

    申請時間の目安

    ATOの申請システムでは、オンライン申請の所要時間を約30分と案内しています。

    ただし、すべての人が30分以内に手続きを終えられるという意味ではありません。

    基金が複数ある場合や、本人確認に問題がある場合は、さらに時間がかかることがあります。

    オンラインで申請できない場合・書面申請の注意点

    DASPのオンライン申請システムで本人確認ができない場合や、特定のスーパー基金へ直接申請したい場合には、書面による申請方法もあります。

    ただし、オンライン申請と書面申請では、必要になる証明書類が異なります。

    スーパー基金への書面申請

    ATOには、スーパー基金へ提出するDASP申請書が用意されています。

    この申請書には、本人の情報、基金の情報、過去の雇用先、受取方法などを記入します。

    書面申請では、基金へ直接書類を提出します。ATOの書式を使用した場合でも、資金を管理している基金に提出する点に注意してください。

    残高A$5,000以上の場合

    スーパー基金へ書面で申請する場合、払い戻し対象額がA$5,000以上であれば、通常、内務省が発行する移民資格証明(Certification of Immigration Status)が必要です。

    この証明書は、内務省が申請者のビザや出国状況などを確認し、スーパー基金へ情報を提供するものです。

    発行に料金がかかる場合があります。

    一方、オンライン申請システムでは、内務省の情報を電子的に照合する仕組みがあるため、書面申請とは手続きが異なります。

    残高A$5,000未満の場合

    書面申請で払い戻し対象額がA$5,000未満の場合には、所定の認証済み書類などを提出する方法が認められる場合があります。

    ただし、実際に必要な書類は基金によって異なります。

    パスポートの認証コピーや過去のビザ情報などを求められることもあります。

    書面申請は帰国前に提出できる?

    原則として、正式なDASP申請はオーストラリアから出国した後に行います。

    帰国前に書類を準備することはできますが、申請資格を満たす前に送付しても、処理できない場合があります。

    書面による申請を考えている場合は、必ず基金の公式案内を確認してください。

    公式情報:ATO:スーパー基金へ提出するDASP申請書

    DASPの税金はなぜ65%?通常の税率との違い

    ワーキングホリデー渡航者のDASPで、特に気になるのが税率です。

    2017年7月1日以降に行われるDASPでは、ワーキングホリデー渡航者に対し、通常の一時滞在者とは異なる税率が設けられています。

    ワーキングホリデーのDASP税率は、課税対象部分について65%です。

    一般の一時滞在者との比較

    DASPの構成部分 一般の対象一時滞在者 ワーホリ対象者
    非課税部分(Tax-free Component) 0% 0%
    課税対象・課税済み部分(Taxed Element) 35% 65%
    課税対象・未課税部分(Untaxed Element) 45% 65%

    ここでいうTaxed Elementは、スーパー基金内ですでに一定の税務処理を受けている部分などを意味します。

    一般的な雇用主のスーパー拠出金から形成された残高は、通常、この課税対象のTaxed Elementに含まれます。

    一方、本人が税引後の資金から拠出した一定の金額など、法律上の非課税部分がある場合には、DASP税はかかりません。

    ただし、ワーキングホリデーで短期間働いただけの一般的なケースでは、口座残高の大部分が課税対象部分となっていることが多いでしょう。

    65%は所得税の15%と別の税金

    オーストラリアのワーキングホリデーでは、給与所得について最初のA$45,000に15%の基本税率が適用される制度があります。

    しかし、これはスーパーアニュエーションのDASP税率とは別です。

    給与から15%の所得税が引かれていたからといって、DASPの65%が15%に減額されるわけではありません。

    また、日本国籍のワーホリ渡航者が、日豪租税条約によって通常の居住者向け所得税率を適用された場合でも、それだけでDASPの税率が変わるわけではありません。

    税金は誰が支払う?

    DASPの税金は、通常、払い戻しを行うスーパー基金またはATOが源泉徴収します。

    つまり、申請者は、税金を差し引いた後の金額を受け取ります。

    原則として、DASPについて別途65%分の税金を振り込む必要はありません。

    また、払い戻しを行った機関は、所定のDASP支払明細(DASP Payment Summary)を発行します。

    その明細で、支払総額や源泉徴収された税金を確認できます。

    65%という税率は高いものですが、ATOの通常のタックスリターンで払い過ぎた所得税として取り戻せる性質のものではありません。

    実際にいくら戻る?残高別の手取り額を計算

    それでは、DASPで実際にいくら受け取れるのか計算してみましょう。

    ここでは、払い戻し対象額の全額が65%課税の対象であると仮定します。

    DASP支払対象額 65%の税金 税引後受取額
    A$1,000 A$650 A$350
    A$2,000 A$1,300 A$700
    A$3,000 A$1,950 A$1,050
    A$4,000 A$2,600 A$1,400
    A$5,000 A$3,250 A$1,750
    A$8,000 A$5,200 A$2,800
    A$10,000 A$6,500 A$3,500

    ※すべての支払対象額が65%課税部分であるという仮定です。非課税部分がある場合、実際の受取額は異なります。また、送金手数料や為替換算費用などは含めていません。

    最初に雇用主が支払った金額からも税金が引かれている

    ここで、もうひとつ注意したい点があります。

    雇用主がスーパー基金へ拠出する際、通常の課税対象拠出金には基金内で15%の拠出金税がかかります。

    その後、DASPで払い戻しを受ける際には、課税対象の残高へさらに65%のDASP税が適用されます。

    例えば、雇用主がA$1,000を拠出した場合を考えてみましょう。

    項目 金額
    雇用主のスーパー拠出金 A$1,000.00
    拠出金税15% -A$150.00
    基金内に残る金額 A$850.00
    DASP税65% -A$552.50
    最終的な受取額 A$297.50

    これは、運用損益、手数料、保険料などが一切ないと仮定した単純な計算です。

    実際の口座残高は基金の運用によって増減し、別途管理手数料などが差し引かれる場合があります。

    ただ、この例を見ると、最初の雇用主拠出金A$1,000に対して、最終的な受取額がA$297.50になる可能性があることが分かります。

    つまり、通常の課税対象拠出金については、単に最初の拠出金の35%が手元に残るという計算ではありません。

    申請時の残高で判断する

    DASPの受取額を試算するときは、給与明細に書かれた過去のスーパー拠出金の合計ではなく、基金の現在の残高と支払対象部分を確認してください。

    そのうえで、実際に適用されるDASP税率を計算する必要があります。



    払い戻し金は日本の銀行口座で受け取れる?

    ワーキングホリデーを終えて日本へ帰国する場合、DASPの払い戻し金をどの銀行口座で受け取るかも重要です。

    この点は、スーパー基金が資金を管理している場合と、ATOが資金を管理している場合で異なります。

    スーパー基金が資金を管理している場合

    スーパー基金によっては、海外の銀行口座への送金に対応している場合があります。

    ただし、すべての基金が日本の銀行口座への送金に対応しているわけではありません。

    例えば、次のような受取方法が考えられます。

    • 本人名義のオーストラリア国内銀行口座への振込
    • 基金が対応している場合の海外銀行口座への送金
    • 小切手など、基金が提供している受取方法

    実際に利用できる方法は基金の規則によって異なります。

    ATOが資金を管理している場合

    すでにスーパー基金からATOへ資金が移管されている場合、DASPの受取方法に制限があります。

    ATOが管理しているスーパーのDASPでは、基本的に次の方法が案内されています。

    • 本人名義のオーストラリア国内銀行口座への振込
    • 小切手による支払い

    ATOが管理するスーパーでは、日本の銀行口座への直接の電子送金が、通常のDASP受取方法として提供されているわけではありません。

    友人のオーストラリア銀行口座でもよい?

    原則として、自分と無関係な友人の口座を振込先に指定することはできません。

    ATOから銀行振込で受け取る場合は、通常、本人名義のオーストラリア国内銀行口座が必要です。

    そのため、帰国前に銀行口座を閉鎖する予定の方は注意してください。

    日本円への両替にも費用がかかる

    DASPをオーストラリアの銀行口座で受け取った後、日本へ送金する場合には、送金手数料や為替換算コストなどが発生することがあります。

    また、海外送金に対応するサービスによって、最終的に日本円で受け取れる金額は異なります。

    DASPの65%の税金だけでなく、銀行手数料や送金費用についても考えておくとよいでしょう。

    帰国前に銀行口座を解約しない方がよい?

    DASPをオーストラリアの銀行口座で受け取る予定があるなら、払い戻しが完了するまで口座を残しておく方が便利な場合があります。

    ただし、帰国後の口座維持が可能か、海外居住者の取り扱いや月額手数料がどうなるかは銀行によって異なります。

    帰国前に銀行へ確認しておきましょう。

    申請から入金まで何日かかる?進捗の確認方法

    DASPを申請した後、どのくらいで払い戻し金が届くのでしょうか。

    ATOの公式オンライン申請システムでは、一般的に、スーパー基金またはATOが申請処理に必要な情報をすべて受け取ってから28日以内に支払いを受けられると案内しています。

    ただし、これは通常の処理期間の目安です。

    申請から必ず28日以内に入金されるという保証ではありません。

    処理が遅れる主な理由

    • 本人確認書類が不足している
    • パスポートの情報と登録内容が一致しない
    • 内務省のビザ情報が確認できない
    • スーパー基金の会員番号が誤っている
    • 銀行口座情報に問題がある
    • 追加の書類が必要になっている
    • 申請時点ではビザがまだ有効だった

    申請状況はどこで確認できる?

    DASPのオンライン申請システムに再びログインすると、過去に提出した申請情報を確認できます。

    ただし、公式システムの案内では、提出済みの申請が実際に処理完了したかどうかは表示されません。

    進捗状況を確認したい場合は、申請先へ直接問い合わせる必要があります。

    申請先 問い合わせ先
    スーパー基金が管理する資金 該当するスーパー基金
    ATOが管理する資金 ATO

    追加書類の依頼が来ていないか確認する

    申請後は、登録したメールアドレスに基金から連絡が届いていないか確認してください。

    迷惑メールフォルダーに入っている可能性もあります。

    必要な書類が提出されていない場合、処理が進まないことがあります。

    DASP Payment Summaryを保存する

    払い戻しが完了すると、基金またはATOから支払明細が発行されます。

    DASPの支払明細には、支払額や源泉徴収された税金などが記載されます。

    払い戻し金額が正しいか確認するためにも、明細は保存しておきましょう。

    帰国後6か月以上放置するとどうなる?

    ワーキングホリデーを終えて帰国したものの、スーパーアニュエーションの存在を忘れていたという方もいるでしょう。

    あるいは、ビザが失効してから何年も経っている場合もあるかもしれません。

    そのような場合でも、通常、払い戻しの権利がすぐになくなるわけではありません。

    未請求のスーパーはATOへ移管される場合がある

    オーストラリアでは、対象となる一時滞在者が出国し、ビザが失効した後もスーパーを請求しなかった場合、基金がその資金をATOへ移管する仕組みがあります。

    法律上、出国とビザ失効の遅い方から少なくとも6か月が経過し、その他の条件を満たす元一時滞在者のスーパーが対象になります。

    ただし、6か月経ったその日に必ず資金が移管されるという意味ではありません。

    ATOが対象者の情報を確認し、基金への通知や資金移管の手続きが行われます。

    ATOへ移管されるとどうなる?

    スーパー基金ではなく、ATOが未請求のスーパーを管理することになります。

    この場合、DASPの申請先はATOになります。

    また、ATOが管理している資金については、受取方法も基金が直接支払う場合とは異なります。

    何年も経っていても請求できる?

    はい。申請資格を満たしていれば、帰国から長期間が経過していても請求できる場合があります。

    ただし、以前のパスポート、ビザ、スーパー基金などの情報が必要になることがあります。

    また、古い記録の場合、オンラインだけでは情報を確認できず、追加の手続きが必要になることもあります。

    スーパー基金が分からない場合

    ATOのDASPオンライン申請システムでは、TFNなどを使って、スーパー基金やATOが保有する資金を検索できる場合があります。

    基金名や会員番号が分からない場合でも、まず公式システムで確認してみるとよいでしょう。

    ただし、すべての過去の口座を自動的に発見できるとは限りません。

    以前の給与明細や雇用先の情報が残っている場合は、あわせて確認してください。

    学生ビザや別のビザでも働いた場合の65%税率

    DASPの税率について、特に注意が必要なのが、ワーキングホリデー以外のビザでも働いた経験がある方です。

    例えば、次のようなケースです。

    • 最初は学生ビザで働き、その後ワーキングホリデーへ変更した
    • ワーキングホリデーを終えて、別の就労ビザで働いた
    • ワーキングホリデーと学生ビザの両方で働いた
    • 複数のスーパー基金へ拠出されていた

    こうした場合、単に最後に保有していたビザだけで、DASP税率が決まるわけではありません。

    ワーホリ中の拠出金が含まれているかが重要

    ATOの公式案内によると、ワーキングホリデービザ417または462を保有していた場合、DASPの税率は、基金ごとに判断されます。

    そして、DASPの支払額に、ワーキングホリデー期間中のスーパー拠出金に由来する金額が含まれている場合、原則として、その基金からのDASP全体の課税対象部分に65%が適用されます。

    例えば、同じスーパー基金に次のような拠出金が入っていたとします。

    勤務時のビザ スーパー拠出金の例
    ワーキングホリデー417 A$2,000
    その後の別の一時就労ビザ A$4,000
    拠出金合計 A$6,000

    この基金のDASPに、ワーキングホリデー期間中の拠出金に由来する資金が含まれている場合、原則としてDASP全体の課税対象部分に65%の税率が適用されます。

    ワーホリ期間中の拠出分だけ65%、別のビザで働いた期間の分だけ35%というように、同じ基金の支払額を単純に期間で分けるわけではありません。

    ※上記のA$6,000は拠出金の例であり、基金の実際の支払残高ではありません。

    別の基金にワーホリの拠出金がない場合

    一方、ワーキングホリデービザを過去に保有していたとしても、あるスーパー基金のDASPにワーホリ期間中の拠出金に由来する資金が含まれていなければ、その基金については通常のDASP税率が適用される場合があります。

    例えば、ワーホリを経験した後に別のビザへ変更し、その後に新しく加入した基金が、ワーホリ期間中の拠出金を一切含んでいない場合です。

    ただし、過去にほかの基金から資金を移管している場合などは、取り扱いが複雑になることがあります。

    最終的な税率は、それぞれのスーパー基金が保有する情報とATOの規則に基づいて判断します。

    複数のビザやスーパー基金を利用していた方は、DASPの申請前に各基金の加入履歴と拠出金の履歴を確認しておきましょう。

    DASPとタックスリターンは別の手続き

    DASPの申請と混同されやすいのが、オーストラリアのタックスリターンです。

    しかし、この2つは別の手続きです。

    項目 タックスリターン DASP
    目的 所得税の精算 退職年金の払い戻し
    主な対象 給与・事業所得など スーパー基金の資金
    申請時期 原則税務年度終了後 出国後、ビザ失効などの条件を満たしてから
    主な手続き先 ATO スーパー基金またはATO
    税金 所得に応じた所得税率 DASP独自の源泉徴収税率

    DASPは個人所得税の申告書へ記載する?

    通常、DASPとして受け取った金額と、その支払時に源泉徴収されたDASP税は、オーストラリアの個人所得税のタックスリターンには記載しません。

    DASPには独自の源泉徴収税制があり、一般の給与所得などとは別に取り扱われるためです。

    DASPの65%をタックスリターンで取り戻せる?

    通常、取り戻せません。

    ただし、スーパー基金やATOが誤った税率を適用していた場合には、別途、DASPの税金について返還・訂正を求める手続きがあります。

    例えば、本来は通常のDASP税率が適用される基金に対して、誤ってワーホリの65%税率が適用された場合などです。

    その場合は、支払いを行った基金やATOへ確認してください。

    日本での税務申告は別途確認する

    日本へ帰国し、日本の税務上の居住者としてDASPを受け取る場合には、日本側での所得区分や申告義務についても確認が必要です。

    オーストラリアで65%のDASP税が源泉徴収されたからといって、日本で必ず非課税になるという意味ではありません。

    日本側の課税関係は、受け取った資金の性質、受取時の居住者区分などによって判断が必要です。

    金額が大きい場合などは、国際税務に詳しい税理士へ確認しておくと安心です。

    オーストラリアのタックスリターンについては、関連記事「オーストラリアのワーホリ・留学生のタックスリターン|申告時期・方法・税金の還付を解説」を参考にしてください。

    申請時によくあるトラブルと対処方法

    DASPの申請では、本人確認やスーパー基金の情報に関するトラブルが起こることがあります。

    よくある問題と確認方法を整理しました。

    1.申請システムでビザが有効と表示される

    オーストラリアを出国していても、まだビザが有効な場合には、正式申請を送信できません。

    ビザの失効を待つか、今後の渡航予定を確認したうえで、必要に応じて内務省へ相談してください。

    2.パスポート情報が一致しない

    入国時からパスポートを更新している場合や、入力した氏名が登録情報と異なる場合があります。

    パスポート番号、氏名、生年月日などを確認してください。

    内務省の記録に問題がある場合は、必要な登録情報の更新について確認しましょう。

    3.スーパー基金が検索結果に表示されない

    TFNを入力しても、すべての基金が必ず検索結果に表示されるわけではありません。

    以前の給与明細や基金の会員番号を確認し、必要に応じて基金を追加して申請してください。

    4.スーパー基金の会員番号が分からない

    基金から送られたメールや過去の年次報告書、給与明細などを確認しましょう。

    それでも分からない場合は、本人確認を行ったうえで、基金へ問い合わせる方法があります。

    5.最終給与のスーパーがまだ入金されていない

    2026年7月1日からPayday Super制度が導入され、雇用主は原則として給与支払日ごとにスーパーを拠出する必要があります。

    ただし、一般的には給与支払日から7営業日以内に基金へ到達すればよく、新規従業員の最初の拠出などには例外があります。

    給与明細に金額が書かれていても、基金への入金がまだ反映されていない場合があります。

    帰国直前には、最後の給与とスーパーの入金状況を確認しておきましょう。

    6.申請しても28日以内に入金されない

    まず、基金から追加書類の依頼が届いていないか確認します。

    必要な情報をすべて提出しているのに処理が進まない場合は、申請先の基金またはATOへ直接問い合わせてください。

    7.税引後の受取額が予想より少ない

    基金のDASP Payment Summaryを確認してください。

    65%の税金のほか、基金内の手数料、運用損益、銀行送金費用などが関係している場合があります。

    また、以前の給与明細に記載されたスーパーの合計額と、現在の基金残高が一致するとは限りません。

    8.代行業者から高額な手数料を請求された

    ATOの公式オンライン申請システムは無料です。

    代行会社へ依頼する場合でも、その会社が行う業務と手数料を確認してください。

    また、代理申請を行う業者には、登録税理士など所定の資格や登録が必要になる場合があります。

    DASPの申請を代行すると称する業者へ、パスポート情報や銀行口座情報を安易に送らないようにしましょう。

    DASPの申請と税金に関するよくある質問

    DASPとは何ですか?

    DASPはDeparting Australia Superannuation Paymentの略で、一定の一時滞在ビザでオーストラリアに滞在して働いた人が、帰国後にスーパーアニュエーションの払い戻しを申請できる制度です。出国やビザ失効などの条件を満たす必要があります。
    ワーホリのスーパーアニュエーションは帰国前に返金申請できますか?

    帰国前にオンライン申請の情報を入力して保存することはできますが、正式な申請は通常、オーストラリアを出国し、対象となるビザが失効または取り消されてから行います。
    日本へ帰国してもワーホリビザが有効な場合はどうなりますか?

    帰国後もビザが有効な場合、通常はDASPを正式に申請できません。ビザの失効を待つか、今後の渡航計画に問題がないことを確認したうえで、内務省へのビザ取消申請を検討することになります。
    DASPの申請料金はいくらですか?

    ATOの公式オンライン申請システムは無料で利用できます。ただし、書面申請で必要になる移民資格証明や、本人確認書類の認証などには費用が発生する場合があります。民間の申請代行業者を利用する場合は、別途サービス料金がかかることがあります。
    ワーキングホリデーのDASP税率は何%ですか?

    ワーキングホリデー渡航者のDASPは、課税対象部分に原則65%の税率が適用されます。一方、法律上の非課税部分にはDASP税はかかりません。税金は通常、支払う基金またはATOが源泉徴収します。
    スーパーの残高がA$5,000なら、いくら受け取れますか?

    A$5,000の全額が65%のDASP課税対象であれば、税額はA$3,250、税引後の受取額はA$1,750です。ただし、非課税部分の有無や実際の基金残高、送金費用などによって受取額は異なります。
    DASPの65%の税金はタックスリターンで戻ってきますか?

    通常、戻りません。DASPは給与所得などのタックスリターンとは別の源泉徴収税制です。誤った税率でDASP税が源泉徴収された場合には、別途、基金やATOへ訂正・返還を求める手続きがあります。
    DASPは日本の銀行口座へ振り込んでもらえますか?

    スーパー基金が資金を管理している場合は、基金によって海外送金に対応していることがあります。一方、ATOが管理するスーパーの場合は、基本的に本人名義のオーストラリア国内銀行口座への振込か小切手による支払いとなります。
    DASPの払い戻しには何日かかりますか?

    ATOの公式案内では、スーパー基金またはATOが申請処理に必要な情報をすべて受け取ってから、通常28日以内の支払いが目安です。追加の本人確認などが必要な場合には、さらに時間がかかることがあります。
    帰国後6か月以上スーパーを請求しなかった場合はどうなりますか?

    出国とビザ失効から所定の期間が経過し、その他の条件を満たすと、未請求のスーパーが基金からATOへ移管される場合があります。ATOへ移管された後でも、DASPの申請資格を満たせば請求できることがあります。
    学生ビザで働いた期間のスーパーにも65%の税金がかかりますか?

    過去にワーキングホリデービザを持っていた人で、ある基金のDASPにワーホリ期間中の拠出金に由来する資金が含まれていれば、その基金からのDASP全体の課税対象部分に原則65%が適用されます。一方、ワーホリ期間中の拠出金に由来する資金が含まれていない基金では、通常のDASP税率が適用される場合があります。
    DASPの申請にTFNは必須ですか?

    ATOのDASPオンライン申請では、TFNの入力は任意です。ただし、TFNを入力すると、ATOが保有するスーパー基金の情報を検索しやすくなるため、分かる場合は用意しておくことをおすすめします。



    まとめ|DASPは帰国前の準備とビザ失効の確認が重要

    オーストラリアのDASPは、ワーキングホリデーや留学などで働いた人が、帰国後にスーパーアニュエーションの払い戻しを受けるための制度です。

    対象となる方は、オーストラリアを出国し、ビザが失効または取り消されるなどの条件を満たせば申請できます。

    ATOの公式オンライン申請システムを利用すれば、自分で無料で申請を進められます。

    ただし、帰国しただけでは申請できず、ビザがまだ有効な場合には、失効を待つか、必要に応じて内務省の取消手続きを検討することになります。

    また、ワーキングホリデー渡航者のDASPには、課税対象部分に原則65%という税率が適用されます。

    そのため、口座残高がそのまま全額戻るわけではありません。

    さらに、スーパー基金が管理する資金と、ATOへ移管された資金では、申請先や受取方法が異なる場合があります。

    特に、日本の銀行口座への送金を希望する方は、資金がどこで管理されているかを確認してください。

    帰国前には、スーパー基金名、会員番号、TFN、パスポート情報、銀行口座、最終給与に対応するスーパーの入金状況などを整理しておくと安心です。

    申請後は、基金やATOから届く連絡を確認し、追加の書類が必要な場合は速やかに対応しましょう。

    また、DASPの税金は通常のタックスリターンとは別の制度です。給与所得の還付手続きと混同しないようにしてください。

    DASPをスムーズに申請するためには、帰国前にスーパーの口座情報を確認し、出国後のビザの状態と受取方法を把握しておくことが大切です。

    ワーキングホリデーを終えてから何年も経っている場合でも、条件を満たせば請求できることがあります。

    以前オーストラリアで働いていた方も、スーパーアニュエーションが残っていないか、一度確認してみてはいかがでしょうか。

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  • オーストラリアのスーパーアニュエーションとは?ワーホリ・留学生の退職年金12%と残高確認・帰国時の注意点

    オーストラリアのスーパーアニュエーションとは?ワーホリ・留学生の退職年金12%と残高確認・帰国時の注意点

    オーストラリアでワーキングホリデーや留学中にアルバイトをすると、給与明細に「Super」や「Superannuation」という項目が表示されることがあります。

    これは、スーパーアニュエーション(Superannuation)と呼ばれる、オーストラリアの退職年金制度です。

    オーストラリアでは、雇用主が従業員のために、給与とは別に一定額を退職年金口座へ拠出する制度があります。

    2026年10月現在、その法定拠出率は原則12%です。

    例えば、対象となる給与が週A$1,000なら、雇用主は通常、その12%に相当するA$120をスーパーアニュエーションの口座へ拠出します。

    この制度は、オーストラリア人だけのものではありません。日本からワーキングホリデーや留学で渡航し、現地で働いている人も、条件を満たせば対象になります。

    また、カジュアルとしてレストランやホテル、農場などで働いている人にも、原則として同じ制度が適用されます。

    ここで知っておきたいのが、2026年7月1日に始まった新しいPayday Super制度です。

    それまでは雇用主が原則として四半期ごとに退職年金を支払う仕組みでしたが、現在は給料の支払日に合わせて拠出する制度へ変わっています。

    そのため、これからオーストラリアで働く方は、給与明細だけでなく、スーパーアニュエーションの口座にも実際にお金が入っているか確認しておくことが大切です。

    また、ワーキングホリデーを終えて日本へ帰国する場合には、条件を満たすと積み立てられた退職年金を払い戻してもらえる制度があります。

    ただし、ワーキングホリデー渡航者の払い戻しには高い税率が適用されるため、積み立て額がそのまま全額返金されるわけではありません。

    この記事では、スーパーアニュエーションの仕組み、12%の計算方法、口座の作り方、基金の選び方、未払いの確認方法、帰国時の注意点まで、オーストラリア政府の公式情報をもとに詳しく解説します。

    内容は2026年10月時点の制度に基づいています。

    ワーホリでカフェの仕事が決まりました。時給A$33で、スーパーアニュエーションは12%と言われたのですが、この12%は給料から引かれるのでしょうか?
    通常、法律で義務付けられている12%のスーパーアニュエーションは、給与とは別に雇用主が拠出します。時給A$33にスーパーが加算される契約なら、対象給与1時間分に対してA$3.96が退職年金口座へ支払われる計算です。ただし、提示された給与がスーパー込みなのかは、契約前に確認しましょう。




    スーパーアニュエーションとは?日本の年金との違い

    スーパーアニュエーションは、オーストラリアの退職年金制度です。

    通常は「スーパー(Super)」と略して呼ばれています。

    オーストラリアで働く人のために、雇用主が一定額を専用の退職年金口座へ拠出し、その資金を長期間運用する仕組みです。

    日本の年金制度と似ている部分もありますが、重要な違いがあります。

    日本の国民年金や厚生年金は公的年金制度ですが、オーストラリアのスーパーアニュエーションでは、通常、民間などの年金基金が個人ごとの資金を管理・運用します。

    オーストラリアには別に、一定の年齢や居住条件、資産・所得などに応じて支給される公的な老齢年金制度もあります。

    スーパーアニュエーションは、その公的年金とは異なる仕組みです。

    スーパーアニュエーションの基本的な流れ

    1. オーストラリアで従業員として働く
    2. 雇用主が対象給与をもとに退職年金の拠出額を計算する
    3. 雇用主がスーパー基金の本人名義口座へ拠出する
    4. スーパー基金が資金を管理・運用する
    5. 退職時など、法律で認められた条件を満たすと引き出せる

    ワーキングホリデー渡航者の場合は、オーストラリアを出国し、ビザが失効するなどの条件を満たすと、通常の退職年齢になる前に払い戻しを申請できる制度があります。

    銀行口座とは別のもの

    スーパーアニュエーションは、普段の買い物や家賃支払いに使用する銀行口座とは異なります。

    例えば、コモンウェルス銀行(Commonwealth Bank)に給与振込用の口座があっても、それだけでスーパーアニュエーションの口座を持っていることにはなりません。

    退職年金を管理するスーパー基金の口座が別に必要です。

    また、給与が銀行口座に振り込まれる日と、スーパー基金の口座へ拠出金が反映される日は、必ずしも一致しません。

    スーパーアニュエーションは自分のお金?

    はい。原則として、本人の退職後の生活資金として積み立てられるものです。

    ただし、銀行預金のように自由に引き出せるわけではありません。

    また、基金が運用するため、投資収益、手数料、保険料、税金などによって口座残高は増減します。

    ワーホリ・留学生・カジュアルも対象になる?

    オーストラリアのスーパーアニュエーションは、オーストラリア国籍者だけの制度ではありません。

    就労できるビザを持つ外国人でも、条件を満たしていれば雇用主による拠出を受けられます。

    ワーキングホリデーや学生ビザで働く日本人も対象です。

    また、フルタイム、パートタイム、カジュアルという雇用形態によって、スーパーの対象から一律に除外されることはありません。

    スーパーアニュエーションの主な対象条件

    労働者 基本的な取り扱い
    18歳以上のフルタイム従業員 原則対象
    18歳以上のパートタイム従業員 原則対象
    18歳以上のカジュアル従業員 原則対象
    18歳以上のワーホリ・留学生 原則対象
    18歳未満で週30時間を超えて働く従業員 原則対象
    18歳未満で週30時間以下の従業員 通常は対象外
    個人事業主・請負契約者 契約内容によって異なる

    ※一般的なスーパー・ギャランティー(Super Guarantee/SG)の対象条件です。仕事の種類や特別な雇用関係などによって例外があります。

    カジュアルでもスーパーを受け取れる

    例えば、シドニー(Sydney)のカフェで週20時間だけ働くカジュアル従業員も、18歳以上であれば通常、スーパーの対象になります。

    カジュアルは有給年次休暇が原則ない雇用形態ですが、スーパーアニュエーションまで対象外になるわけではありません。

    また、以前は一定の少額給与についてスーパーの拠出義務が発生しない規則がありましたが、月A$450という最低収入基準は2022年7月1日に廃止されています。

    そのため、現在は月の給与がA$450未満だからといって、それだけでスーパーの対象外になることはありません。

    ファームの仕事も対象?

    はい。農場で果物や野菜の収穫、選別、梱包などの仕事をする場合でも、条件を満たす従業員には原則としてスーパーが拠出されます。

    仕事が短期間だったり、歩合給だったりしても、自動的に対象外になるわけではありません。

    特にセカンド・サードワーホリの取得を目指して農場で働いている方は、給与明細とスーパーの拠出状況を確認しておきましょう。

    現金払いならスーパーは不要?

    いいえ。

    給料が銀行振込か現金払いかによって、スーパーの拠出義務がなくなるわけではありません。

    法律上の対象となる従業員であれば、雇用主には必要な拠出義務があります。

    公式情報:フェアワーク・オンブズマン(Fair Work Ombudsman):税金とスーパーアニュエーション

    スーパーアニュエーション12%の計算方法

    2026年10月現在、スーパーアニュエーションの法定拠出率は12%です。

    2025年7月1日に11.5%から12%へ引き上げられ、その後も12%が適用されています。

    ただし、厳密には、給料として受け取った金額すべてに単純に12%を掛ければよいとは限りません。

    2026年7月からは、クオリファイイング・アーニングス(Qualifying Earnings/QE)という拠出額計算上の所得区分が導入されています。

    通常勤務に対する給与に加えて、一定のコミッションや給与からの自主拠出なども含まれます。

    残業代や手当などの取り扱いは支給内容によって異なるため、実際の給与明細や雇用条件を確認する必要があります。

    時給A$33で週25時間働いた場合

    分かりやすく、すべてがスーパーの対象となる通常勤務だった場合で計算してみます。

    項目 金額
    時給 A$33.00
    週の勤務時間 25時間
    税引前の週給 A$825.00
    スーパー拠出率 12%
    雇用主の週当たり拠出額 A$99.00

    この場合、給与A$825に対し、雇用主がA$99をスーパー基金へ拠出します。

    つまり、雇用主が負担する基本的な金額は、給与とスーパーを合わせてA$924となります。

    なお、給与A$825については、別途所得税の源泉徴収が行われる場合があります。

    勤務時間別のスーパー拠出額

    次は、対象となる時給をA$33として、勤務時間別に計算した例です。

    週の勤務時間 税引前の週給 スーパー12%
    15時間 A$495.00 A$59.40
    20時間 A$660.00 A$79.20
    25時間 A$825.00 A$99.00
    30時間 A$990.00 A$118.80
    38時間 A$1,254.00 A$150.48

    ※通常勤務時間の給与がすべて対象となる場合の計算例です。実際の仕事の最低時給や給与総額を示すものではありません。

    給料から12%を引かれるわけではない

    スーパーについて最も誤解されやすいのが、この点です。

    例えば、税引前の給与がA$1,000で、雇用主がスーパーとしてA$120を拠出する場合です。

    通常、このA$120を給与A$1,000から差し引いて、従業員の給与をA$880にするわけではありません。

    法定のスーパー拠出は、原則として給与とは別に雇用主が負担します。

    「Plus Super」と「Including Super」の違い

    求人広告には、次のような表現が使われることがあります。

    求人広告の表現 一般的な意味
    A$30 per hour + Super 時給A$30にスーパーを別途加算
    A$30 per hour plus Super 時給A$30にスーパーを別途加算
    A$30 per hour including Super スーパーを含めた総報酬としてA$30を提示
    A$70,000 package including Super スーパーを含む年間報酬総額A$70,000

    スーパー込みの契約でも、法定最低賃金を下回る基本給与にしてよいわけではありません。

    仕事を始める前に、提示された金額が基本給与なのか、スーパーを含む総報酬なのかを確認しましょう。

    年収A$60,000の場合

    税引前の基本年収がA$60,000で、その全額がスーパーの対象となると仮定すると、雇用主の年間拠出額はA$7,200になります。

    一方、スーパー込みで年間総報酬がA$60,000という契約なら、計算は異なります。

    こうした違いによって実際に受け取る給与額が変わるため、年収で契約する場合も条件を確認してください。

    2026年7月開始のPayday Superとは?

    2026年7月1日から、オーストラリアのスーパーアニュエーション制度に大きな変更がありました。

    新しく導入されたのが、ペイデイ・スーパー(Payday Super)です。

    これは、雇用主が従業員へ給与を支払うたびに、スーパーアニュエーションも拠出する制度です。

    以前は原則3か月ごとの支払いだった

    従来の制度では、雇用主は原則として四半期ごとにスーパーを基金へ支払えばよい仕組みでした。

    例えば、7月から9月までの給与に対するスーパーを、10月28日までに支払うといった方法です。

    給与は毎週受け取っていても、スーパー基金への入金は数か月後ということもありました。

    現在は給与支払日ごとに拠出する

    2026年7月1日からは、原則として給与支払日に合わせてスーパーを拠出する必要があります。

    例えば、給料が毎週金曜日に支払われる場合、雇用主はその支払いに対応するスーパーの拠出も行います。

    ただし、基金にその日のうちに必ず反映されなければならないという意味ではありません。

    一般的な規則では、拠出金が給与支払日から7営業日以内に対象の基金へ到達する必要があります。

    また、新しく雇用された従業員への最初の拠出など、一部のケースでは20営業日以内という例外もあります。

    項目 2026年6月以前 2026年7月以降
    法定拠出率 12%(2025年7月以降) 12%
    拠出のタイミング 原則四半期ごと 給与支払日ごと
    通常の支払期限 四半期終了後の指定期日 原則給与支払日から7営業日以内に基金へ到達
    計算の基礎 Ordinary Time Earnings Qualifying Earnings

    ※2026年6月以前の説明は制度変更直前の取り扱いです。2026年7月の移行期や一部の例外には別の規則があります。

    ワーホリ渡航者には何が変わる?

    スーパーの法定拠出率そのものは変わっていません。

    大きく変わったのは、雇用主が拠出するタイミングです。

    給与を受け取るたびにスーパーの拠出が行われることで、以前より未払いに気付きやすくなります。

    また、基金に資金が届くまでの期間も短くなります。

    ただし、給与明細に金額が記載されていても、基金側への反映には時間差があります。

    給与明細と基金の記録の両方を確認することをおすすめします。

    ATO公式:Payday Superの新しい規則

    フェアワーク:2026年7月からの制度変更



    スーパーアニュエーションの口座はどう作る?

    初めてオーストラリアで働く方は、スーパー基金の口座を持っていないことが多いと思います。

    スーパーアニュエーションの拠出を受けるには、通常、基金の口座が必要です。

    口座の作り方には、主に2つの方法があります。

    自分でスーパー基金を選ぶ方法

    オーストラリアでは、通常、従業員が自分のスーパー基金を選ぶことができます。

    例えば、オーストラリアンスーパー(AustralianSuper)、ホストプラス(Hostplus)、アウェア・スーパー(Aware Super)などの基金があります。

    それぞれ運用商品、手数料、保険、オンラインサービスなどが異なります。

    自分で基金を選ぶ場合は、公式サイトから口座開設の手続きを行い、雇用主へ必要な口座情報を伝えます。

    ただし、すべての基金がすべての人を無条件に受け入れているわけではありません。

    渡航者の年齢や本人確認、口座開設条件などを確認してください。

    雇用主のデフォルト基金を利用する方法

    自分でスーパー基金を選ばない場合、雇用主が利用しているデフォルト基金へ拠出されることがあります。

    デフォルト基金は、雇用主が従業員のために用意している基金です。

    ただし、以前の職場でスーパー口座を持っている人については、雇用主が勝手に新しい基金を選ぶのではなく、既存の口座を確認する仕組みがあります。

    これはステープルド・スーパー・ファンド(Stapled Super Fund)と呼ばれます。

    口座開設時に必要になる主な情報

    情報・書類 内容
    氏名 正式な氏名
    生年月日 本人確認用
    住所 オーストラリア国内の連絡先など
    電話番号・メール 連絡・ログイン用
    TFN 本人の税務番号
    本人確認書類 パスポートなど、基金が求めるもの
    雇用先情報 必要に応じて入力

    TFNを登録しておこう

    タックス・ファイル・ナンバー(Tax File Number/TFN)は、スーパー基金が本人の口座を識別し、税務処理を行う際にも利用されます。

    TFNが登録されていないと、税務上の取り扱いや口座の管理で不都合が生じる場合があります。

    TFNを取得済みの方は、必要に応じて基金へ登録しておきましょう。

    ただし、TFNを知らせる際は、基金の公式サイトや雇用主の正式な書類など、安全な方法を利用してください。

    スーパー基金はどこを選ぶ?比較するポイント

    オーストラリアには多くのスーパー基金があり、どこを選べばよいか迷うかもしれません。

    ワーキングホリデーのように、比較的短期間の滞在を予定している場合は、手数料や口座の使いやすさを特に確認しておきたいところです。

    1.管理手数料

    スーパー基金には、口座の管理に関する手数料があります。

    例えば、毎週一定額が引かれるものや、口座残高に対して一定割合がかかるものなどです。

    金額は基金や商品によって異なります。

    ワーキングホリデーでは、短期間しか拠出しない人もいます。

    そのため、少額の残高に対して固定手数料が高い商品を選ぶと、費用の負担が大きくなる場合があります。

    2.投資・運用手数料

    スーパー基金は、集めた資金を株式や債券などに投資して運用します。

    そのため、口座管理手数料とは別に、投資運用に関する費用がかかる場合があります。

    運用手数料は、基金や投資商品によって異なります。

    3.投資先の違い

    スーパー基金では、次のような運用タイプが用意されている場合があります。

    運用タイプ 一般的な特徴
    Conservative 比較的値動きの小さい資産を重視
    Balanced 株式・債券などを組み合わせる
    Growth 株式など成長性の高い資産の比率が大きめ
    Cash 現金・短期金融商品を中心とする場合がある

    これらは一般的な分類であり、実際の投資内容は基金によって異なります。

    また、運用成績が良い年もあれば、マイナスになる年もあります。

    過去の運用実績が、将来の運用成績を保証するものではありません。

    4.保険の有無と保険料

    スーパー基金によっては、生命保険、所得補償保険、障害に関する保険などが付帯する場合があります。

    ただし、保険が付いている場合、その保険料がスーパー口座の残高から差し引かれます。

    短期間のワーキングホリデーでは、保険の必要性や補償条件も確認しておきたいところです。

    外国人の一時滞在者では、補償対象や保険金の請求条件が異なる場合があります。

    5.オンラインサービス

    海外からでも残高や取引履歴を確認できるかは、重要なポイントです。

    日本へ帰国した後に、本人確認や払い戻し手続きを行う可能性があるためです。

    メールアドレスや海外の携帯電話番号を登録できるか、オンラインで住所変更できるかなども確認しておくと便利です。

    政府のYourSuper比較ツール

    オーストラリア税務局では、ユア・スーパー比較ツール(YourSuper Comparison Tool)を無料で提供しています。

    このツールでは、マイ・スーパー(MySuper)商品について、手数料や運用成績などを比較できます。

    ただし、すべてのスーパー商品を網羅した比較ではありません。

    基金の公式資料で、実際に加入する商品の条件も確認しましょう。

    ATO公式:YourSuper Comparison Tool

    マネースマート(Moneysmart):スーパー基金の選び方

    スーパー基金の口座情報を雇用主へ提出する方法

    スーパー基金の口座を開設したら、次は雇用主に口座情報を伝えます。

    銀行口座とは異なり、スーパー基金への拠出には専用の識別番号などを使用します。

    雇用主へ伝える主な情報

    項目 内容
    Super Fund Name スーパー基金名
    Member Number 本人の会員・口座番号
    Fund ABN 基金の事業者番号
    USI 基金の商品を識別する番号
    TFN 必要に応じて登録する税務番号

    USIは、ユニーク・スーパーアニュエーション・アイデンティファイアー(Unique Superannuation Identifier)の略です。

    スーパー基金が提供する商品などを識別するために使用されます。

    Superannuation Standard Choice Form

    スーパー基金の選択には、スーパーアニュエーション・スタンダード・チョイス・フォーム(Superannuation Standard Choice Form)という書類が使用されることがあります。

    雇用主から渡される場合もあれば、給与システムを通じてオンラインで情報を登録する場合もあります。

    この書類では、従業員が選んだ基金や、雇用主のデフォルト基金などを指定します。

    自分で選んだ基金に拠出してもらいたい場合は、その基金の情報を正確に入力してください。

    銀行のBSB番号は必要?

    通常の給与振込先に使うBSB番号や銀行口座番号と、スーパー基金の会員番号は別です。

    給与用の銀行口座情報を伝えただけでは、スーパー基金の指定が完了するわけではありません。

    スーパー基金の登録が済んでいるか、雇用主へ確認しておきましょう。

    公式情報:ATO:Superannuation Standard Choice Form

    転職したらスーパー口座を作り直す?

    ワーキングホリデーでは、数か月ごとに仕事を変えることも珍しくありません。

    例えば、最初はメルボルン(Melbourne)のレストランで働き、その後は農場、最後はケアンズ(Cairns)のホテルで働くといったケースです。

    そのたびに新しいスーパー口座を作る必要があるのでしょうか。

    答えは、通常、必要ありません。

    すでにスーパー基金の口座を持っている場合は、新しい雇用主にもその口座情報を伝えることができます。

    Stapled Super Fundとは?

    オーストラリアでは、転職のたびに別のスーパー口座が増えることを防ぐため、ステープルド・スーパーという仕組みがあります。

    すでにスーパー口座を持っている従業員が、新しい職場で基金を指定しなかった場合、雇用主はATOへ既存の基金情報を照会する必要があることがあります。

    その結果、既存の基金へ拠出される仕組みです。

    複数のスーパー口座を持つデメリット

    複数の基金に口座が分かれている場合、それぞれで管理手数料や保険料が差し引かれることがあります。

    例えば、3つの職場で働き、それぞれ別のスーパー口座を作ってしまった場合です。

    口座残高が少額でも、それぞれに費用がかかると、退職年金の残高が目減りする可能性があります。

    また、帰国後に払い戻し手続きをする際も、複数の基金に分かれていると確認や申請が複雑になります。

    口座をまとめることもできる

    複数のスーパー口座を持っている場合は、ひとつにまとめる手続きができることがあります。

    myGovからATOのオンラインサービスにログインし、スーパー口座の情報を確認して移管手続きを進める方法があります。

    ただし、統合前に、現在の基金で加入している保険が失われないか、手数料や運用条件が変わらないかを確認してください。

    ワーキングホリデー中に何度か転職する予定がある方は、最初に開設したスーパー口座を、次の職場でも引き続き使用するという方法を検討するとよいでしょう。



    myGovでスーパーの残高を確認する方法

    スーパーアニュエーションは、自分の口座へ実際にどのくらい積み立てられているか確認できます。

    その方法のひとつが、オーストラリア政府のマイガブ(myGov)です。

    myGovのアカウントにATOのオンラインサービスを連携していれば、スーパー基金の情報を確認できます。

    myGovで確認する基本的な流れ

    1. myGov公式サイトへログインする
    2. Australian Taxation Officeを選択する
    3. ATOのオンラインサービスへ進む
    4. Superというメニューを選択する
    5. InformationやFund detailsなどの項目を確認する
    6. スーパー基金の情報や報告されている残高を確認する

    実際の画面表示やメニュー名は変更される場合があります。

    また、ATOのオンラインサービスに表示される残高と、スーパー基金の現在の残高が一致しない場合があります。

    情報が報告・更新されるまでに時間差があるためです。

    基金の公式サイトでも確認する

    スーパー基金に口座を持っている場合は、その基金の公式サイトやアプリから、取引履歴と残高を確認できることがあります。

    毎回の給与に対応した拠出金が入っているかを調べたいときは、基金側の取引履歴を確認するとよいでしょう。

    また、運用損益や管理手数料なども確認できます。

    スーパー口座が見つからない場合

    以前の職場でどの基金に加入していたか分からない場合や、転職を繰り返して複数の口座ができている場合もあるでしょう。

    そのようなときは、myGovからATOのオンラインサービスを利用して、失念したスーパー口座を探すことができます。

    該当する口座が見つからない場合は、以前の雇用主やスーパー基金へ問い合わせる方法もあります。

    オーストラリア政府:スーパーの残高確認・口座管理

    給与明細にSuperと書かれていれば入金済み?

    スーパーアニュエーションの支払いを確認する際、注意したいことがあります。

    それは、給与明細にスーパーの金額が記載されていても、基金へ実際に入金済みとは限らないということです。

    オーストラリアの給与明細(Payslip)には、通常、給与総額、源泉徴収税額、手当などとともに、スーパーに関する情報も記載されます。

    ただし、給与明細には、すでに拠出した金額のほか、拠出予定額が表示される場合があります。

    そのため、給与明細だけでは実際の入金状況を完全には確認できません。

    給与明細で確認する主な項目

    英語 意味
    Gross Pay 税引前給与
    Net Pay 手取り給与
    PAYG Withholding 源泉徴収された所得税
    Superannuation スーパー拠出額
    Super Guarantee 法定スーパー拠出
    Super Fund 拠出先の基金
    Employer Contribution 雇用主による拠出

    実際の給与明細では、これらの言葉がすべて表示されるとは限りません。

    給与システムによって表記が異なる場合があります。

    確認方法は2段階

    まず、給与明細にスーパーの拠出額が適切に計算されているか確認します。

    次に、スーパー基金の口座で実際の入金履歴を確認します。

    Payday Superの制度では、通常、給与支払日から7営業日以内に基金へ拠出金が到達する必要がありますが、最初の拠出などは例外があります。

    また、基金のシステム上で会員口座に表示されるまで、さらに処理時間がかかる場合もあります。

    そのため、給与支払日当日に基金の残高が増えていないだけで、直ちに未払いと判断する必要はありません。

    ただし、支払期限を過ぎても記録が確認できない場合は、雇用主や基金へ問い合わせてください。

    給与明細は保存しておこう

    もしスーパーが未払いだった場合、給与明細や銀行への給与振込記録は、勤務状況を確認するための資料になります。

    特にワーキングホリデーでは、帰国後に以前の職場へ問い合わせることが難しくなる場合があります。

    勤務中から保存しておくことをおすすめします。

    フェアワーク:給与明細に記載すべき情報

    スーパーが支払われていない場合の対処方法

    スーパー基金の口座を確認したところ、雇用主からの拠出が見当たらない場合は、どうすればよいのでしょうか。

    まずは、支払期限や基金の処理状況を確認してください。

    そのうえで、次の順番で対応するとよいでしょう。

    STEP 1.自分が対象となるか確認する

    年齢、雇用形態、働いた時間などを確認します。

    例えば18歳以上の一般的な従業員であれば、通常はスーパーの対象です。

    自分の契約形態が不明な場合は、ATOの公式案内を確認してください。

    STEP 2.給与明細を確認する

    スーパーの拠出額が記載されているか、計算が正しいか確認します。

    また、勤務した期間と給与支払日を整理しておきましょう。

    STEP 3.スーパー基金へ確認する

    登録されている口座が正しいか、入金履歴があるか確認します。

    雇用主が誤った会員番号や基金へ支払っている可能性もあります。

    STEP 4.雇用主へ問い合わせる

    給与担当者などに、スーパーの支払状況を確認してください。

    英語では、次のように伝えることができます。

    I’ve checked my super account, but I can’t see the contributions for my recent pay periods. Could you please confirm when they were paid and which fund they were sent to?

    「スーパー口座を確認しましたが、最近の給与に対応する拠出が見つかりません。いつ、どの基金へ支払われたか確認していただけますか?」という意味です。

    STEP 5.ATOへ未払いを報告する

    雇用主へ確認しても問題が解決しない場合は、ATOへ未払いのスーパーを報告できます。

    ATOには、雇用主がスーパーを支払っていない、支払いが遅れている、誤った基金へ拠出しているといった問題を報告するためのオンライン手続きがあります。

    報告する際には、雇用主の名前、勤務期間、給与情報、スーパー基金の情報などが必要になる場合があります。

    ワーホリでも申告できる?

    はい。

    ワーキングホリデー渡航者や留学生も、法律上の対象となる従業員であれば、スーパーの拠出を受ける権利があります。

    雇用主が「短期滞在者にはスーパーを払わない」と説明したとしても、それが正しいとは限りません。

    また、スーパーの未払いは所得税のタックスリターンとは別の問題です。

    タックスリターンを提出しただけで、未払いのスーパーが自動的に支払われるわけではありません。

    ATO公式:未払いスーパーの報告

    スーパーの税金・手数料・保険料に注意

    スーパーアニュエーションについて、もうひとつ理解しておきたいことがあります。

    それは、雇用主が拠出した金額が、そのまま全額口座残高として残るわけではないということです。

    スーパー基金では、税金、管理手数料、投資運用費用、保険料などが差し引かれる場合があります。

    雇用主の拠出金には通常15%の税金がかかる

    一般的に、雇用主による法定スーパー拠出金には、基金内で15%の拠出金税(Contributions Tax)が課されます。

    例えば、雇用主がA$1,000をスーパー基金へ拠出した場合です。

    項目 金額
    雇用主の拠出金 A$1,000.00
    拠出金税15% A$150.00
    税引後の金額 A$850.00

    これは通常の課税対象拠出金の単純な計算例です。

    実際の残高には、運用損益、手数料、保険料なども影響します。

    運用によって残高が増減する

    銀行預金とは異なり、スーパー基金では資金が運用されます。

    投資先によっては、残高が増える場合もあれば、減る場合もあります。

    特に株式への投資割合が高い商品では、短期間の値動きが大きくなることがあります。

    ワーキングホリデーを1年程度で終了し、その後に払い戻しを考えている方は、長期間の退職年金運用を前提とした商品と、自分の利用予定が合っているか確認しておきたいところです。

    保険料が引かれる場合がある

    基金によっては、生命保険や障害に関する保険などが付帯する場合があります。

    ただし、保険料はスーパー口座の残高から差し引かれることがあります。

    また、オーストラリアでは原則として、25歳未満の新規加入者や残高A$6,000未満の口座について、自動的な保険加入に制限があります。

    本人が加入を希望した場合や、一定の危険な仕事に従事する場合などには例外があります。

    保険が付いているかどうか、どのような補償があるか、保険料はいくらかを確認してください。

    短期滞在では手数料の割合にも注意

    例えば、スーパー口座の残高がA$2,000しかない場合です。

    仮に年間A$100の固定管理手数料がかかれば、それだけで残高の5%に相当します。

    これは実際の基金料金ではなく、手数料の影響を示す計算例です。

    スーパー基金を比較する際には、運用成績だけでなく、少額残高に対する固定手数料や保険料にも注意しましょう。

    マネースマート:スーパー口座の保険

    ABNで働く個人事業主にもスーパーはある?

    オーストラリアでは、ABNを取得して個人事業主として働く方もいます。

    例えば、独立したフードデリバリー配達員や、フリーランスのデザイナー、清掃業者などです。

    一般的な個人事業主の場合、自分自身の事業から自分へスーパーを拠出する義務は、通常ありません。

    ただし、ABNを持っている人でも、取引先にスーパーの拠出義務が発生する場合があります。

    主に労働力を提供する請負契約の場合

    ATOは、独立した請負契約であっても、主に本人の労働力や技能に対して報酬が支払われ、本人が直接仕事を行うなどの条件を満たす場合、スーパーの目的では従業員として扱われることがあると案内しています。

    例えば、単にABNを使って請求書を発行しているからといって、スーパーの拠出義務が必ずなくなるわけではありません。

    一方、本当に独立した事業者として成果物を提供し、事業上の責任を負っている場合などは、扱いが異なることがあります。

    ABNを取得しただけで判断しない

    スーパーの対象となるかどうかは、ABNの有無だけでなく、契約の目的や報酬の計算方法、実際の働き方などを考慮して判断します。

    また、雇用主が従業員を形式上だけ個人事業主として扱う偽装請負が問題となる場合もあります。

    詳しくは、関連記事「オーストラリアのABNとは?個人事業主・Uber・配達員などで必要になる番号を解説」も参考にしてください。

    自分の契約にスーパーの拠出義務があるか分からない場合は、ATOの公式案内で確認することをおすすめします。



    日本へ帰国するとき、スーパーは払い戻してもらえる?

    ワーキングホリデーを終えて日本へ帰国する方にとって、気になるのが積み立てられたスーパーアニュエーションの取り扱いです。

    日本へ帰国する場合、一定の条件を満たせば、オーストラリアで積み立てたスーパーを払い戻してもらえる制度があります。

    これは、デパーティング・オーストラリア・スーパーアニュエーション・ペイメント(Departing Australia Superannuation Payment/DASP)と呼ばれています。

    DASPを申請できる主な条件

    通常、次の条件を満たす必要があります。

    • 対象となる一時滞在ビザでオーストラリアに滞在していた
    • オーストラリアを出国している
    • 保有していた対象ビザが失効または取り消されている
    • オーストラリア市民、永住者など、対象外の資格を持っていない
    • スーパー基金に本人の資金が残っている

    ワーキングホリデーの417ビザや462ビザで働いていた人も、条件を満たせば対象になります。

    ただし、オーストラリアに滞在中で、ビザがまだ有効な場合は、通常、この制度で引き出すことはできません。

    帰国しただけで自動的に返金される?

    いいえ。

    スーパー基金に資金が積み立てられていても、航空機で日本へ帰国しただけで、自動的に銀行口座へ送金されるわけではありません。

    DASPの申請手続きを行う必要があります。

    また、一定期間申請されなかった元一時滞在者のスーパーについては、基金からATOへ移管される制度があります。

    そのため、帰国後に長期間放置するより、基金名や会員番号、残高を把握したうえで、申請可能な時期を確認しておくとよいでしょう。

    ワーキングホリデーのDASP税率は65%

    ここは特に重要です。

    ワーキングホリデー渡航者がDASPを受け取る場合、払い戻し金の課税対象部分には原則65%のDASP税率が適用されます。

    ただし、法律上の非課税部分には、この65%は適用されません。

    一般的な雇用主の拠出金から形成された残高は、通常、DASPの課税対象部分に含まれます。

    例えば、払い戻し対象のA$3,000がすべてDASPの課税対象部分だった場合、次のようになります。

    項目 金額
    DASPの課税対象部分 A$3,000
    DASP税65% A$1,950
    税引後の受取額 A$1,050

    つまり、スーパー基金の残高がA$3,000あっても、この条件なら手取りはA$1,050です。

    ただし、実際のDASPには課税対象部分と非課税部分があり、個別の状況によって計算が異なります。

    また、基金内では拠出金に対する税金や手数料なども発生します。

    最初に雇用主が拠出した金額と、DASPとして最終的に受け取れる金額は同じではありません。

    タックスリターンとは別の制度

    DASPは、給与所得のタックスリターンとは別の手続きです。

    一般的なタックスリターンでは、給与所得などに対する所得税を精算します。

    一方、DASPはスーパーアニュエーションの払い戻しであり、独自の源泉徴収税率が適用されます。

    通常、DASPとして受け取った金額を、給与などと合わせてオーストラリアの個人所得税申告書へ記載する必要はありません。

    帰国前にしておきたいこと

    • スーパー基金名と会員番号を控える
    • 基金に登録されている氏名・生年月日を確認する
    • TFNを確認する
    • 最新の口座残高と拠出履歴を確認する
    • 最後の雇用主による拠出が反映されているか確認する
    • 日本帰国後も使用できるメールアドレスを登録する
    • 基金へのログイン方法を確認する
    • DASPの申請条件と受取方法を確認する

    特に最後の給与に対応するスーパーが未入金のまま、DASPの申請を進めてしまうことがないように注意してください。

    また、セカンド・サードワーホリで再びオーストラリアへ戻る予定がある場合は、現在のビザの状態や再渡航予定を考慮して、申請条件を確認しましょう。

    スーパーを日本の年金へ移すことはできる?

    オーストラリアのスーパーアニュエーションは、日本の国民年金や厚生年金へそのまま移管できる制度ではありません。

    また、日本とオーストラリアの社会保障協定による年金加入期間の通算制度と、スーパー基金の残高の払い戻しは別の仕組みです。

    帰国時には、まずDASPの対象となるか確認してください。

    なお、DASPの具体的な申請方法、必要書類、税金、受取方法については、次の記事で詳しく解説します。

    公式情報:ATO公式:Departing Australia Superannuation Payment(DASP)

    スーパーアニュエーションに関するよくある質問

    オーストラリアのスーパーアニュエーションとは何ですか?

    スーパーアニュエーションは、オーストラリアの退職年金制度です。雇用主が対象となる従業員のために、給与とは別に一定額をスーパー基金へ拠出します。資金は基金によって管理・運用され、原則として退職時などの条件を満たした場合に引き出せます。
    2026年のスーパーアニュエーションの拠出率はいくらですか?

    2026年10月現在、スーパーアニュエーションの法定拠出率は原則12%です。2025年7月1日に11.5%から12%へ引き上げられました。2026年7月1日からはPayday Super制度が始まり、原則として給与支払日ごとに拠出する仕組みになっています。
    ワーキングホリデーや留学生でもスーパーを受け取れますか?

    はい。ワーキングホリデーや学生ビザで働く日本人でも、法律上の対象となる従業員であればスーパーの拠出を受けられます。18歳以上の場合、カジュアル、パートタイム、フルタイムのいずれも原則対象です。
    スーパーアニュエーションの12%は給料から引かれますか?

    通常、法定のスーパー拠出は給与とは別に雇用主が負担します。ただし、求人広告や雇用契約でスーパー込みの報酬が提示されている場合もあります。契約前に基本給与とスーパーの金額を確認してください。法定最低賃金を下回る基本給与にしてよいわけではありません。
    Payday Superとは何ですか?

    2026年7月1日に始まった制度で、雇用主が給与を支払うたびにスーパーアニュエーションも拠出します。一般的には給与支払日から7営業日以内に拠出金が基金へ到達する必要があります。新しい従業員の最初の拠出など、一部には例外があります。
    仕事を変えるたびに新しいスーパー口座が必要ですか?

    通常、新しい口座を作る必要はありません。すでに持っているスーパー基金の口座を、別の雇用主でも使用できます。また、既存の基金を引き続き利用するStapled Super Fundという制度があります。
    スーパーの残高はどこで確認できますか?

    スーパー基金の公式サイトやアプリのほか、myGovからATOのオンラインサービスにログインして確認できます。myGovでは複数の基金の情報や、失念したスーパー口座も検索できます。ただし、ATOの情報には反映まで時間差がある場合があります。
    給与明細にスーパーが記載されていれば入金されていますか?

    必ずしもそうではありません。給与明細には拠出予定額が表示される場合があります。実際に基金へ入金されているかは、スーパー基金の取引履歴などで確認してください。2026年7月からはPayday Superの支払期限が適用されています。
    雇用主がスーパーを支払っていない場合はどうすればよいですか?

    まず給与明細とスーパー基金の入金履歴を確認し、支払期限が過ぎている場合は雇用主へ問い合わせてください。解決しない場合は、ATOの公式オンライン手続きを通じて未払いのスーパーを報告できます。ワーキングホリデー渡航者も対象です。
    日本へ帰国したらスーパーを返金してもらえますか?

    ワーキングホリデーなどの対象となる一時滞在ビザを持っていた人は、オーストラリア出国後、ビザが失効するなどの条件を満たせば、DASPという制度で払い戻しを申請できる場合があります。ただし、自動的に返金されるわけではありません。
    ワーホリのスーパー払い戻しには65%の税金がかかりますか?

    ワーキングホリデー渡航者がDASPを受け取る場合、払い戻しの課税対象部分には原則65%の税率が適用されます。一方、法律上の非課税部分にこの税率は適用されません。また、基金内では拠出金税や手数料などが発生するため、雇用主の拠出額がそのまま返金されるわけではありません。



    まとめ|スーパーアニュエーションは働き始めたら確認しておこう

    オーストラリアのスーパーアニュエーションは、従業員のために雇用主が一定額を拠出する退職年金制度です。

    2026年10月現在、法定拠出率は原則12%で、ワーキングホリデー渡航者や留学生も、対象となる従業員であれば拠出を受けることができます。

    フルタイムやパートタイムだけでなく、カジュアルとして働く場合も原則対象です。

    また、2026年7月1日からPayday Super制度が始まり、従来の四半期ごとの支払いから、原則として給与支払日ごとの拠出へ変更されました。

    これにより、スーパーの支払い状況を以前より早く確認しやすくなっています。

    ただし、給与明細にスーパーの金額が記載されていても、実際に基金へ拠出済みとは限りません。

    働き始めたら、スーパー基金名と会員番号を確認し、基金の公式サイトやmyGovで入金状況を確認しておきましょう。

    また、転職する場合は、以前のスーパー口座を引き続き使用することもできます。

    複数の口座を作ると、それぞれで管理手数料などが発生する可能性があるため、口座を整理することも大切です。

    ワーキングホリデーを終えて日本へ帰国する場合には、条件を満たせばDASPという制度で払い戻しを申請できます。

    ただし、ワーキングホリデー渡航者のDASPには、課税対象部分に原則65%という高い税率が適用されるため、積み立てられた金額がそのまま全額戻るわけではありません。

    オーストラリアで仕事を始めたら、給与だけでなく、スーパーアニュエーションが正しく拠出されているか確認する習慣を付けておきましょう。

    帰国直前になって口座を探したり、未払いに気付いたりすることがないよう、基金名、会員番号、ログイン方法、給与明細などを保存しておくことをおすすめします。

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