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  • マカダミアナッツはオーストラリア原産?産地・歴史・お土産を解説

    マカダミアナッツはオーストラリア原産?産地・歴史・お土産を解説

    オーストラリアのスーパーやファーマーズマーケットへ行くと、驚くほど多くのはちみつが並んでいます。

    日本では「アカシア」「レンゲ」などのはちみつがよく知られていますが、オーストラリアではユーカリをはじめとするオーストラリア固有の植物から採れるはちみつが大きな特徴です。

    イエロー・ボックス(Yellow Box)、ブルー・ガム(Blue Gum)、ストリンギー・バーク(Stringybark)、レッド・ガム(Red Gum)、グレー・ボックス(Grey Box)、西オーストラリア州のジャラ(Jarrah)、タスマニア州のレザーウッド(Leatherwood)など、蜜源となる植物が違えば、色、香り、甘さ、口当たりも大きく変わります。

    さらに近年では、オーストラリアにも数多く自生するレプトスペルマム属(Leptospermum)の花から採れるオーストラリア産マヌカハニーも注目されています。

    オーストラリア連邦農業省によると、国内で生産されるはちみつの約70%はオーストラリア固有の植物を蜜源としており、年間生産量は約37,000トン。ニュー・サウス・ウェールズ州(New South Wales)が国内最大の商業的なはちみつ生産州とされています。

    旅行者にとっても、はちみつはスーパーで簡単に購入でき、プラスチック容器やチューブ式の容器を選べば、日本への食品土産として比較的持ち運びやすい商品です。

    この記事では、日本からオーストラリアを訪れる旅行者向けに、オーストラリア産はちみつの特徴、代表的な種類、産地、マヌカハニーのMGO表示、生はちみつやクリーム状はちみつとの違い、スーパーでの選び方、お土産として購入する際のポイントまで詳しく紹介します。




    オーストラリアのはちみつの特徴

    オーストラリアのはちみつは、日本のはちみつと何が違いますか?
    オーストラリアではユーカリをはじめとする固有植物から採れるはちみつが豊富です。地域や蜜源植物によって驚くほど香りや味が違います。

    オーストラリアのはちみつを特徴付けているのは、何といっても広大な国土と多様な自然環境です。

    熱帯雨林、ユーカリの森、乾燥した森林、温帯林など、地域によって植生が大きく異なります。

    そのため、同じ「オーストラリア産はちみつ」でも、淡い色で軽い甘さのものから、濃い琥珀色で香りの強いもの、カラメルのような深みを感じるものまでさまざまです。

    約70%が固有植物由来

    オーストラリア連邦農業省によると、国内で生産されるはちみつの約70%はオーストラリア固有の植物から採蜜されています。

    その中でも特に重要なのがユーカリと、その近縁の樹木です。

    同じユーカリでも種類によって開花時期や蜜の性質が異なるため、できあがるはちみつの味や香りにも大きな差が生まれます。

    ユーカリ系はちみつが豊富

    オーストラリアには数百種類のユーカリが生育しています。

    代表的なユーカリ系はちみつには、イエロー・ボックス、ブルー・ガム、レッド・ガム、グレー・ボックス、ストリンギー・バーク、アイアンバークなどがあります。

    ワインをブドウ品種や産地で選ぶように、はちみつも蜜源となる植物の名前で選ぶと楽しみが広がります。

    色が違うと味も違う?

    はちみつの色は、蜜源となる植物によって大きく異なります。

    淡い麦わら色から黄金色、琥珀色、濃い褐色までさまざまです。

    一般的には、淡い色のはちみつは軽く穏やかな味、濃い色のものは香りやコクが強い傾向がありますが、必ずしも色だけで味を判断できるわけではありません。

    イエロー・ボックス(Yellow Box)

    イエロー・ボックスは、オーストラリアを代表するユーカリ系はちみつの一つです。

    蜜源となる木はEucalyptus melliodora。ニュー・サウス・ウェールズ州、ビクトリア州、クイーンズランド州などに分布します。

    比較的淡い色で甘さが穏やかなため、初めてオーストラリア産はちみつを試す人にもおすすめです。

    トースト、ヨーグルト、紅茶など幅広く使えます。

    ブルー・ガム(Blue Gum)

    ブルー・ガムも、オーストラリアを代表するユーカリ系はちみつです。

    産地や樹種によって違いがありますが、やや琥珀色で、ユーカリらしい爽やかな香りを感じるものもあります。

    ストリンギー・バーク(Stringybark)

    ストリンギー・バークは、樹皮が長い繊維状にはがれるユーカリの仲間の総称です。

    はちみつは比較的しっかりとした風味を持つものが多く、イエロー・ボックスより力強い味を好む人に向いています。

    レッド・ガム(Red Gum)

    レッド・ガムと呼ばれるユーカリには複数の種類があり、産地によってはちみつの味も異なります。

    商品を見つけたら、蜜源となった樹木だけでなく、採蜜された地域も確認してみるとよいでしょう。

    グレー・ボックス(Grey Box)

    グレー・ボックスもオーストラリアの森林地帯で採れる代表的なはちみつです。

    比較的しっかりした味のものがあり、淡いはちみつと食べ比べると違いがよく分かります。

    カリ(Karri)

    西オーストラリア州南西部を代表する巨大なユーカリの一種がカリです。

    カリの森から採れるはちみつは、西オーストラリア州らしい地域色のある商品として販売されています。

    ジャラ(Jarrah)

    西オーストラリア州で特に有名なのがジャラはちみつです。

    ジャラの森から採れる濃厚なはちみつで、高級品として販売されることもあります。

    商品によっては抗菌活性の目安として「TA」などの数値が表示されています。

    ただし、一般食品として販売されるはちみつを医療目的で使用することとは別の話です。

    マリ(Marri)

    マリも西オーストラリア州を代表する固有樹木の一つです。

    ジャラ、カリと並び、パース周辺や西オーストラリア州のお土産店で地域性のあるはちみつとして見かけることがあります。



    レザーウッド(Leatherwood)

    タスマニア州を代表するはちみつがレザーウッドはちみつです。

    蜜源となるレザーウッドの学名はEucryphia lucida。タスマニア島の湿潤な森林や原生林に生育する固有植物です。

    はちみつは非常に香りが強く、花のような華やかさに加え、香辛料やハーブを思わせる複雑な風味を感じる人もいます。

    クセの少ないはちみつとはかなり性格が違うため、個性的なはちみつを探している人におすすめです。

    タスマニアのはちみつ

    タスマニア州ではレザーウッドが特に有名ですが、そのほかクローバー、マヌカ、ブッシュハニーなども生産されています。

    タスマニア旅行では、ワインやチーズだけでなく、地域のはちみつもぜひ探してみてください。

    オーストラリアにもマヌカハニーがある

    マヌカハニーというとニュージーランドを思い浮かべる人が多いでしょう。

    しかしオーストラリアにもマヌカハニーがあります。

    マヌカハニーは、レプトスペルマム属の植物の花からミツバチが集めた蜜を原料とします。

    オーストラリアには80種類以上のレプトスペルマム属の植物が自生しており、その多様性は非常に豊富です。

    MGOとは?

    マヌカハニーの容器で、

    • MGO 100+
    • MGO 250+
    • MGO 550+

    などの表示を見かけることがあります。

    MGOはメチルグリオキサール(Methylglyoxal)の含有量を示す指標です。

    数字が大きいほどMGOの濃度が高いことを意味します。

    ただし、普段トーストやヨーグルトに使う目的であれば、必ずしも高い数値の商品を選ぶ必要はありません。

    カンガルー島のはちみつ

    南オーストラリア州のカンガルー島(Kangaroo Island)も、はちみつで有名です。

    島では固有植物から採れるはちみつに加え、リグリアン種のミツバチの歴史が大きな特徴となっています。

    養蜂場の直売所では、はちみつの試食や、はちみつを使った食品、蜜ろう製品などを購入できるところもあります。

    リグリアン種のミツバチ

    カンガルー島は、リグリアン種と呼ばれるミツバチを保護する重要な地域です。

    島のミツバチを病気や害虫から守るため、南オーストラリア州本土などからはちみつや養蜂関連品をカンガルー島へ持ち込むことは禁止されています。

    カンガルー島を旅行する場合は、本土で購入したはちみつを島へ持ち込まないよう注意してください。

    オーストラリアの養蜂産業

    オーストラリアには数多くの養蜂家がおり、年間約37,000トンのはちみつが生産されています。

    ただし生産量は、雨量、干ばつ、山火事、樹木の開花状況など自然条件に大きく左右されます。

    養蜂家が巣箱を移動する理由

    オーストラリアでは、養蜂家が一年中同じ場所に巣箱を置くとは限りません。

    花の開花時期に合わせて、トラックで巣箱を移動させることがあります。

    例えば、ある時期にはイエロー・ボックス、次はアイアンバーク、その後は農作物の受粉、といったように、蜜や花粉が豊富な場所を追って移動します。

    広大な国土を生かした移動養蜂は、オーストラリアの養蜂業の大きな特徴です。

    農業を支えるミツバチ

    ミツバチの役割は、はちみつを作ることだけではありません。

    アーモンド、リンゴ、アボカド、ブルーベリー、サクランボ、マカダミアナッツなど、多くの農作物で受粉を助けています。

    オーストラリア農業にとって、ミツバチは欠かせない存在です。

    単花蜜とは?

    単花蜜とは、主に一種類の植物の花から蜜を集めて作られたはちみつです。

    イエロー・ボックス、レザーウッド、ジャラ、マヌカなどが代表例です。

    産地や蜜源植物それぞれの個性を楽しみたい人に向いています。

    百花蜜・ブッシュハニー

    複数の植物から集められた蜜で作られるものは百花蜜と呼ばれます。

    オーストラリアでは「Bush Honey」「Wildflower Honey」などの名称で販売されることもあります。

    単花蜜より品質が低いという意味ではなく、その地域、その季節に咲くさまざまな花の特徴を映したはちみつです。

    生はちみつとは?

    ファーマーズマーケットや自然食品店ではRaw Honey(生はちみつ)という表示を見かけることがあります。

    一般には、加熱や細かなろ過などの加工をできるだけ抑えたはちみつという意味で使われます。

    ただし「Raw」の具体的な加工条件は生産者によって異なるため、表示だけで品質を判断せず、生産者の説明を確認するとよいでしょう。

    クリーム状はちみつとは?

    Creamed Honeyは、生クリームを混ぜたはちみつではありません。

    はちみつの結晶を細かく調整し、なめらかで塗りやすい状態にしたものです。

    液体状のはちみつより垂れにくく、トーストに塗るのに便利です。

    巣蜜

    巣蜜は、ミツバチの巣に入ったままの状態ではちみつを切り分けたものです。

    巣の部分である蜜ろうもそのまま食べることができ、チーズ、ヨーグルト、デザートなどと合わせて楽しめます。

    結晶したはちみつは大丈夫?

    はちみつを保存していると、白っぽくなったり、砂糖の粒のような結晶ができたりすることがあります。

    これは自然な結晶化で、腐ったという意味ではありません。

    液体に戻したい場合は、容器をぬるま湯につけてゆっくり温めます。

    ラベルで確認したいポイント

    はちみつを選ぶ際には、容器の裏面も確認してみましょう。

    • 原産国
    • 蜜源植物
    • 採蜜地域
    • 原材料
    • 生産者
    • 内容量
    • 賞味期限
    • マヌカハニーならMGO表示

    などを確認すると商品選びがしやすくなります。

    オーストラリア土産として購入するなら、「Product of Australia」「100% Australian Honey」などの原産国表示を確認することをおすすめします。

    スーパーで買う

    はちみつはウールワース、コールズ、IGA、アルディなどのスーパーで簡単に購入できます。

    一般的なはちみつから、単花蜜、生はちみつ、マヌカハニー、高級品まで価格帯も幅広くあります。

    複数の商品を比較したい旅行者には、大型スーパーが便利です。

    ファーマーズマーケットで買う

    ファーマーズマーケットでは、地域の養蜂家が直接販売していることがあります。

    スーパーでは見つからない小規模生産のはちみつや、特定地域だけのもの、季節限定品、巣蜜などに出会えることもあります。

    試食ができる場合は、淡い味のものから濃い味のものへ順番に試すと、違いを感じやすくなります。

    おすすめの食べ方

    はちみつはトーストだけでなく、ヨーグルト、オートミール、パンケーキ、サラダのドレッシング、肉料理のたれなどにも使えます。

    ギリシャヨーグルトに果物とオーストラリア産はちみつをかければ、ホテルやサービスアパートメントでも簡単に楽しめます。

    チーズとの組み合わせ

    はちみつはチーズともよく合います。

    ブリーチーズ、カマンベール、ブルーチーズ、ヤギのチーズなどへ少量かけると、塩気と甘味の組み合わせを楽しめます。

    レザーウッドやジャラのような個性的なはちみつを、チーズと食べ比べるのもおすすめです。

    お土産におすすめの種類

    種類 特徴
    イエロー・ボックス クセが少なく、幅広い人におすすめ
    レザーウッド タスマニアらしい強い香り
    ジャラ 西オーストラリア州らしい高級はちみつ
    オーストラリア産マヌカ 高級感のあるお土産向け
    カンガルー島産 旅行先の物語を感じられる
    巣蜜 見た目にも珍しい

    持ち運びを考えるなら、ガラス瓶よりもプラスチック容器がおすすめです。

    航空機では、はちみつは液体・ジェルに近い扱いになるため、大きな容器は基本的に受託手荷物へ入れる方が安心です。

    1歳未満の乳児には与えない

    12か月未満の乳児には、はちみつを与えてはいけません。

    乳児ボツリヌス症の原因となる菌の芽胞が含まれている可能性があるためです。

    これはオーストラリア産に限らず、すべてのはちみつに共通する注意事項です。

    はちみつ売場で使える英語

    英語 意味
    Honey はちみつ
    Raw Honey 生はちみつ
    Creamed Honey クリーム状はちみつ
    Honeycomb / Comb Honey 巣蜜
    Floral Source 蜜源植物
    Country of Origin 原産国
    Is this 100% Australian honey? これは100%オーストラリア産のはちみつですか?
    What flowers is this honey from? これは何の花から採れたはちみつですか?
    Which one has a mild flavour? どれが一番まろやかな味ですか?
    Can I taste this honey? このはちみつを試食できますか?

    オーストラリアのはちみつの魅力は、単に「自然豊かな国のはちみつ」というだけではありません。

    イエロー・ボックス、ストリンギー・バーク、ジャラ、レザーウッド、マヌカなど、どの植物から蜜を集めたかによって、味も香りも大きく変わります。

    ワインを産地やブドウ品種で選ぶように、はちみつも産地や蜜源植物で選んでみると、オーストラリア旅行の楽しみが一つ増えるでしょう。

    オーストラリアのはちみつに関するよくある質問

    オーストラリアのはちみつにはどんな特徴がありますか?

    ユーカリなどオーストラリア固有の植物から採れるはちみつが多いことが特徴です。植物や地域によって色、香り、味が大きく異なります。

    初めて買うならどれがおすすめですか?

    クセの少ないものならイエロー・ボックスがおすすめです。個性的なものならタスマニア州のレザーウッド、西オーストラリア州のジャラなどを試してみてください。

    オーストラリアにもマヌカハニーがありますか?

    はい。オーストラリアには多数のレプトスペルマム属の植物が自生しており、オーストラリア産マヌカハニーが生産されています。

    結晶したはちみつは腐っていますか?

    いいえ。結晶化は自然な現象です。容器をぬるま湯でゆっくり温めると液体に戻すことができます。

    1歳未満の赤ちゃんも食べられますか?

    いいえ。乳児ボツリヌス症の危険があるため、12か月未満の乳児にははちみつを与えないでください。



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    マカダミアナッツというと、ハワイのお土産を思い浮かべる人も多いかもしれません。

    しかし、マカダミアの原産地はハワイではなくオーストラリアです。

    野生のマカダミアは、現在のクイーンズランド州南東部からニュー・サウス・ウェールズ州北東部を中心とする亜熱帯雨林で進化し、オーストラリア先住民はヨーロッパ人が入植するはるか以前から、その実を食用として利用してきました。

    19世紀になると植物学者や農業関係者がマカダミアに注目し、オーストラリアで栽培が始まります。その後1880年代には種がハワイへ持ち込まれました。

    20世紀にハワイで大規模栽培、品種改良、加工、販売が大きく発展したため、世界では「マカダミア=ハワイ」というイメージが広がりました。

    現在のオーストラリアでは、クイーンズランド州とニュー・サウス・ウェールズ州を中心に大規模なマカダミア農園が広がり、世界各国へ輸出される重要な農産物となっています。

    旅行者にとっても、ローストしたマカダミア、塩味のマカダミア、チョコレートがけ、マカダミアオイルなどは、オーストラリアらしい食品土産としておすすめです。

    この記事では、マカダミアナッツの原産地、歴史、ハワイとの関係、主な産地、収穫方法、食べ方、スーパーでの選び方、日本へのお土産にする際の注意点まで詳しく紹介します。




    マカダミアナッツとは?

    マカダミアナッツはハワイのお土産だと思っていました。
    実はマカダミアはオーストラリア原産です。19世紀にオーストラリアからハワイへ持ち込まれ、そこで大規模な商業栽培が発展しました。

    マカダミアは、ヤマモガシ科に属する常緑樹です。

    食用となる白っぽい実は、非常に硬い茶色の殻の中に入っています。

    味はまろやかでクリーミー。脂肪分が多いため、バターのようなコクを感じるのが特徴です。

    そのまま食べるだけでなく、チョコレート、ビスケット、ケーキ、アイスクリーム、サラダ、ソース、オイルなど幅広い食品に使われています。

    原産地はオーストラリア

    マカダミアはオーストラリア固有の植物です。

    主にクイーンズランド州南東部からニュー・サウス・ウェールズ州北東部にかけての亜熱帯雨林を原産地とします。

    現在では世界各地で栽培されていますが、自然状態の野生マカダミアが育ってきた故郷はオーストラリアです。

    なぜハワイのイメージが強い?

    世界的に「マカダミア=ハワイ」という印象が強いのは、20世紀にハワイで大規模栽培と品種改良、加工、販売が大きく発展したためです。

    特にチョコレートで包んだマカダミアナッツがハワイ土産として世界的に有名になったことで、その印象が定着しました。

    しかし、植物としての原産地はオーストラリアです。

    先住民とマカダミア

    オーストラリア先住民は、ヨーロッパ人が入植するはるか以前からマカダミアを食用として利用してきました。

    地面へ落ちた実を集め、非常に硬い殻を石で割り、中の実を生のまま、または火であぶって食べていたとされています。

    地域によっては貴重な食材として扱われ、交易や贈り物にも利用されました。

    マカダミアには地域によって異なる先住民言語の呼び名があり、カビ・カビ族などでは「Kindal Kindal」、バンジャラング族の地域では「Gumbar」などの名称が伝えられています。

    マカダミアという名前の由来

    19世紀、植物学者フェルディナント・フォン・ミュラー(Ferdinand von Mueller)らがマカダミアを植物学的に研究しました。

    「Macadamia」という属名は、ミュラーの友人だった化学者・医師ジョン・マカダム(John Macadam)にちなんで付けられたとされています。

    マカダミアには4種類ある

    学名 特徴
    Macadamia integrifolia なめらかな殻を持ち、商業栽培の中心となる種類
    Macadamia tetraphylla やや粗い殻を持つ食用種
    Macadamia ternifolia 野生種の一つ
    Macadamia jansenii 非常に希少な野生種

    現在、食用として商業栽培されている中心はMacadamia integrifoliaとMacadamia tetraphylla、およびその交雑種です。



    19世紀の栽培の始まり

    ヨーロッパ系入植者がマカダミアの食用価値に注目するようになったのは19世紀です。

    1860年代頃から農場や家庭の庭へ植えられるようになり、1880年代にはニュー・サウス・ウェールズ州リズモア周辺などで初期の農園が作られました。

    1880年代にハワイへ

    1880年代、オーストラリアからマカダミアの種がハワイへ持ち込まれました。

    当初は食用作物としてではなく、サトウキビ農園の防風林や観賞用として植えられたものもありました。

    ハワイで商業化が進む

    20世紀に入ると、ハワイでは優良な木の選抜、接ぎ木、品種改良、栽培管理、加工技術などの研究が進みました。

    その結果、ハワイは世界に先駆けてマカダミアの大規模な商業生産を発展させました。

    つまり、原産地はオーストラリア、商業化の歴史ではハワイも非常に重要という関係です。

    オーストラリアで産業化

    オーストラリアでも接ぎ木技術や機械化が進み、1960年代頃から本格的な商業栽培が拡大しました。

    現在では世界有数のマカダミア生産国です。

    現在の主な産地

    オーストラリアのマカダミア栽培は、主にクイーンズランド州とニュー・サウス・ウェールズ州で行われています。

    代表的な産地には、

    • アサートン・テーブルランズ
    • マッカイ
    • ロックハンプトン
    • バンダバーグ
    • メアリーバラ
    • ギンピー
    • グラス・ハウス・マウンテンズ
    • ニュー・サウス・ウェールズ州ノーザン・リバーズ
    • クラレンス・バレー
    • ミッド・ノース・コースト

    などがあります。

    バンダバーグ

    クイーンズランド州のバンダバーグ(Bundaberg)は、現在オーストラリア最大級のマカダミア産地です。

    温暖な気候と広い農地を背景に、大規模なマカダミア農園が広がっています。

    バンダバーグというとラム酒やジンジャービールが有名ですが、実はマカダミアの一大産地でもあります。

    ノーザン・リバーズ

    ニュー・サウス・ウェールズ州のノーザン・リバーズ(Northern Rivers)は、マカダミアの歴史を考えるうえで特に重要な地域です。

    リズモア、バリナ、バイロン・ベイ周辺は野生マカダミアの本来の分布地域に近く、オーストラリア初期のマカダミア農園もこの地域で作られました。




    マカダミアの木

    マカダミアは一年中葉を付ける常緑樹で、自然状態ではかなり大きな木になります。

    農園では収穫や管理をしやすくするため、枝を剪定して高さや樹形を整えます。

    植えてすぐに大量の実が採れるわけではなく、実が付き始めるまで数年、本格的な生産までにはさらに時間がかかります。

    どうやって収穫する?

    マカダミアは、成熟した実が木から自然に地面へ落ちてから収穫するのが一般的です。

    大規模農園では専用の収穫機を使い、地面に落ちた実を集めます。

    その後、外側の緑色の果皮を取り除き、乾燥、選別、殻割りなどの工程へ進みます。

    非常に硬い殻

    マカダミアの殻は非常に硬いことで知られています。

    一般的なくるみ割り器では簡単に割れないこともあります。

    オーストラリア先住民がマカダミアを割るために専用の石を使っていたのも、この硬い殻が理由です。

    現在の加工工場では専用機械を使い、中の実をなるべく壊さずに殻を割ります。

    商品になるまで

    1. 成熟した実が木から落ちる
    2. 地面から収穫する
    3. 外側の果皮を取り除く
    4. 殻付きの状態で乾燥させる
    5. 硬い殻を割る
    6. 中の実を選別する
    7. 生、ロースト、味付きなどに加工する
    8. 包装して出荷する

    丸ごとの実は商品価値が高く、割れたものもお菓子、マカダミアバター、料理など幅広く利用されます。

    どんな味?

    マカダミアの魅力は、ほかのナッツにはないまろやかでバターのような味わいです。

    生でも食べられますが、ローストすると香ばしさと甘味が増します。

    カシューナッツよりコクが強く、アーモンドほど硬くないのも特徴です。

    栄養の特徴

    マカダミアは脂質を多く含むナッツですが、その多くは一価不飽和脂肪酸です。

    ビタミンB1、マンガン、マグネシウムなどの栄養素も含まれています。

    一方、エネルギー量は高いため、健康によいからと大量に食べるのではなく、適量を楽しむのがおすすめです。

    ローストしたマカダミア

    最もシンプルでおすすめなのがローストしたマカダミアです。

    香ばしさが増し、マカダミアそのものの味を楽しめます。

    オーストラリア土産として初めて買うなら、まずは味付けのないローストタイプがおすすめです。

    塩味のマカダミア

    ローストして塩味を付けたものも定番です。

    マカダミアのまろやかな甘味に塩気が加わり、ビールやワインのおつまみにもよく合います。

    海塩、チリ、はちみつ、わさび、燻製風味など、さまざまな味付けの商品があります。

    チョコレートがけ

    お土産として特に人気なのがチョコレートで包んだマカダミアナッツです。

    ミルクチョコレート、ダークチョコレート、ホワイトチョコレートなどがあります。

    万人受けしやすい一方、夏場は溶けやすいため、車内など高温になる場所へ長時間置かないようにしてください。

    料理にも使える

    マカダミアはお菓子だけでなく、料理にも使えます。

    • サラダ
    • パスタソース
    • 魚料理の衣
    • 鶏肉料理
    • グラノーラ
    • ビスケット
    • ケーキ
    • アイスクリーム

    など、使い方はさまざまです。

    マカダミアオイル

    マカダミアの実から搾ったマカダミアオイルも販売されています。

    サラダのドレッシング、焼き料理、お菓子作りなどに使えます。

    料理用だけでなく、化粧品やスキンケア用品に使われることもあります。

    マカダミアバター

    マカダミアを細かくすりつぶしてペースト状にしたマカダミアバターもあります。

    ピーナッツバターのようにトーストへ塗ったり、スムージーやソース、お菓子作りに使ったりできます。

    マカダミアミルク

    マカダミアを使った植物性飲料も販売されています。

    コーヒー、シリアル、スムージーなどに使用できます。

    オーストラリアのすべてのカフェで用意されているわけではありませんが、スーパーの植物性ミルク売場で見つけることがあります。



    どこで買える?

    オーストラリアでは、マカダミアを簡単に購入できます。

    ウールワース、コールズ、IGA、アルディなどのスーパーのほか、自然食品店、ファーマーズマーケット、農園直売所、お土産店などでも販売されています。

    普通のスーパーでも十分品ぞろえがあるため、お土産店だけでなくスーパーも確認してみましょう。

    オーストラリア産の見分け方

    「オーストラリアで買ったマカダミア=オーストラリア産」とは限りません。

    マカダミアは現在、南アフリカ、ケニア、中国、ハワイなどでも生産されています。

    オーストラリア産を選びたい場合は、容器の原産国表示を確認してください。

    • Product of Australia
    • Australian Grown
    • Country of Origin表示

    などが目安です。

    「Packed in Australia」はオーストラリア国内で包装したという意味であり、マカダミア自体の原産地がオーストラリアとは限りません。

    お土産におすすめ

    種類 特徴
    無塩ロースト マカダミア本来の味を楽しめる
    塩味 お酒のおつまみに向く
    はちみつ味 甘く食べやすい
    チョコレートがけ 幅広い人へのお土産に向く
    チリ・わさびなど味付き 少し変わったお土産
    マカダミアオイル 料理好きの人へのお土産
    マカダミアバター 少し珍しい食品土産

    職場などへ配るなら小分け包装、家族向けならチャック付きの大袋が便利です。

    日本へ持ち帰る時の植物検疫

    マカダミアナッツを日本へ持ち帰る場合は、商品の加工状態によって植物検疫の扱いが変わるので注意が必要です。

    日本の植物防疫所では、オーストラリアから持ち込む乾燥マカダミアナッツについて、入国時の植物検疫が必要となるものがあります。

    一方、十分に加熱・加工され、病害虫が生存する可能性がない商品は植物検疫の対象外になる場合があります。

    生、乾燥、殻付き、ロースト、チョコレートがけなど加工状態によって異なるため、判断に迷う場合は日本到着時に植物検疫カウンターで確認してください。

    商品の包装は捨てず、原材料や加工状態が分かる状態で持ち帰るのがおすすめです。

    ナッツアレルギーに注意

    マカダミアは木の実の一種です。

    ナッツアレルギーがある人は、マカダミアそのものだけでなく、チョコレート、ビスケット、アイスクリーム、ソースなどにも注意してください。

    売場で使える英語

    英語 意味
    Macadamia Nut マカダミアナッツ
    Raw 生・未ロースト
    Roasted ローストした
    Roasted & Salted ローストして塩味を付けたもの
    Unsalted 無塩
    Australian Grown オーストラリア産
    Macadamia Oil マカダミアオイル
    Are these Australian macadamias? これはオーストラリア産のマカダミアですか?
    Are these roasted or raw? これはローストですか、生ですか?
    Do these contain added salt? 塩は加えられていますか?

    マカダミアナッツは現在では世界各地で生産されていますが、その物語の始まりはオーストラリア東海岸の亜熱帯雨林です。

    先住民が長く利用してきたオーストラリア固有の食材が、19世紀にハワイへ渡り、そこで世界的な商品として発展しました。

    現在は再びオーストラリアでも大規模な産業が形成され、バンダバーグやノーザン・リバーズなどの広大な農園から、日本を含む世界各地へ輸出されています。

    旅行中にスーパーでマカダミアを見つけたら、「ハワイでも有名なナッツ」ではなく、「実はオーストラリア原産の食材」という背景も思い出してみてください。

    マカダミアナッツに関するよくある質問

    マカダミアナッツはオーストラリア原産ですか?

    はい。マカダミアはオーストラリア固有の植物で、主にクイーンズランド州南東部からニュー・サウス・ウェールズ州北東部の亜熱帯雨林を原産地とします。

    なぜハワイのナッツとして有名なのですか?

    19世紀にオーストラリアからハワイへ持ち込まれ、20世紀にハワイで品種改良、大規模栽培、加工、販売が大きく発展したためです。

    オーストラリアの主な産地はどこですか?

    クイーンズランド州とニュー・サウス・ウェールズ州が中心です。特にバンダバーグ、ノーザン・リバーズ、ギンピー、メアリーバラ、グラス・ハウス・マウンテンズなどが主要産地です。

    オーストラリア産マカダミアはどう見分けますか?

    容器の原産国表示を確認してください。「Product of Australia」「Australian Grown」などが目安です。「Packed in Australia」だけでは原料のマカダミアまでオーストラリア産とは限りません。

    日本へのお土産にはどれがおすすめですか?

    マカダミア本来の味を楽しむなら無塩ロースト、食べやすさなら塩味、お菓子として渡すならチョコレートがけがおすすめです。オーストラリア産にこだわる場合は原産国表示も確認しましょう。



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  • ラミントンとは?オーストラリアを代表するケーキの歴史と食べ方

    ラミントンとは?オーストラリアを代表するケーキの歴史と食べ方

    オーストラリアを代表するお菓子の一つがラミントン(Lamington)です。

    四角く切ったスポンジケーキをチョコレートアイシングで覆い、その表面に細かく乾燥させたココナッツをたっぷりまぶした、見た目にも分かりやすいケーキです。

    オーストラリア政府観光局もラミントンを代表的なオーストラリア料理の一つとして紹介しており、多くの人から「オーストラリアを代表するケーキ」と考えられています。

    街のベーカリー、カフェ、スーパーマーケットなどで気軽に買うことができ、昔ながらのシンプルなタイプだけでなく、中央にジャムや生クリームを挟んだもの、チョコレート味のスポンジを使ったもの、現代風にアレンジした高級ラミントンまであります。

    一方、ラミントンの「発祥」については、よく知られた物語がいくつも存在します。

    クイーンズランド州知事だったロード・ラミントン(Lord Lamington)の名前に由来することは広く知られていますが、「誰が最初に作ったのか」「ブリスベンだったのか、トゥーンバだったのか」については、現在も確定していません。

    この記事では、日本からオーストラリアを訪れる旅行者向けに、ラミントンとはどんなケーキなのか、味や食べ方、歴史、発祥をめぐる諸説、どこで買えるのかまで詳しく紹介します。




    ラミントンとは?

    ラミントンはチョコレートケーキですか?
    基本はプレーンのスポンジケーキです。その外側をチョコレートアイシングで覆い、細かく乾燥させたココナッツをまぶします。

    ラミントンの基本形は、とてもシンプルです。

    • スポンジケーキ
    • チョコレートアイシング
    • 細かく乾燥させたココナッツ

    この3つが基本です。

    四角い形が一般的で、一人分ずつ手で持って食べられる大きさに切られています。

    オーストラリアでは家庭のお菓子、お茶の時間、学校や地域の募金活動など、さまざまな場面で長く親しまれてきました。

    基本の作り

    まずプレーンのスポンジケーキを焼き、十分に冷ましてから四角く切ります。

    その一つ一つを薄いチョコレートアイシングに浸し、表面全体をチョコレートで覆います。

    最後に、チョコレートが乾く前に細かく乾燥させたココナッツを全面にまぶします。

    チョコレートアイシングがスポンジの表面に少し染み込み、その上のココナッツが独特の食感を作ります。

    どんな味?

    ラミントンは、見た目ほど重たいチョコレートケーキではありません。

    中は軽いスポンジケーキなので、チョコレートの甘さとココナッツの香りを楽しむケーキです。

    味の印象は、

    • 中は軽いスポンジ
    • 外側は甘いチョコレート
    • ココナッツの香りと食感

    という組み合わせです。

    ジャムや生クリームを挟んだタイプは、さらに甘味とコクが加わります。

    表面のココナッツ

    ラミントンの表面に付いている白いものは、Desiccated Coconutと呼ばれる細かく乾燥させたココナッツです。

    ココナッツの果肉を細かく削り、水分を減らしたもので、お菓子作りによく使われます。

    ラミントンでは、この細かなココナッツがチョコレートアイシングに付着することで、表面が白くふんわりしたように見えます。

    シンプルなラミントン

    最も基本的なのが、中央に何も挟まないシンプルなラミントンです。

    スポンジ、チョコレート、ココナッツだけで作られます。

    初めて食べるなら、このタイプがラミントン本来の味を最も分かりやすく感じられます。

    ジャム入りラミントン

    スポンジを横に切り、中央へジャムを挟んだものも人気があります。

    ラズベリーやイチゴなど、赤い果実のジャムがよく使われます。

    チョコレートとココナッツに果物の酸味が加わるため、シンプルなタイプより味に変化があります。

    生クリーム入りラミントン

    泡立てた生クリームを中央へ挟んだタイプもあります。

    生クリームによってスポンジの乾いた感じが和らぎ、よりデザートらしい味になります。

    ただし、生クリーム入りは要冷蔵なので、ベーカリーやカフェで買った場合は保存方法に注意してください。

    ジャム&生クリーム入り

    さらに豪華なのがジャムと生クリームの両方を挟んだラミントンです。

    スポンジの中央にジャムと泡立てた生クリームを挟みます。

    オーストラリア政府観光局も、ラミントンにはジャムや生クリームを挟んだタイプがあると紹介しています。

    シンプルなタイプよりボリュームがあるため、コーヒーと一緒に一個食べればかなり満足感があります。



    ラミントンの歴史

    ラミントンはオーストラリアを代表するケーキですが、その誕生については意外なほど謎が多く残っています。

    複数の地域、複数の人物に「発明者」とする説があり、現在も決定的な証拠はありません。

    ただし、1900年前後のクイーンズランド州で広まり始めたことを示す史料は残っています。

    ロード・ラミントンとは?

    ケーキの名前と最も強く結び付いているのが、第2代ラミントン男爵チャールズ・コクラン=ベイリー(Charles Cochrane-Baillie, 2nd Baron Lamington)です。

    一般にはロード・ラミントンと呼ばれます。

    1896年から1901年まで、クイーンズランド州の第8代総督を務めました。

    現在のラミントン国立公園(Lamington National Park)も、同じロード・ラミントンにちなんで名付けられています。

    名前はロード・ラミントンに由来?

    ラミントンというケーキの名称は、ロード・ラミントンにちなんだものとする説が広く受け入れられています。

    クイーンズランド州総督公邸でも、ロード・ラミントンはオーストラリアを代表するケーキに名前を残した人物として紹介されています。

    ただし、ロード・ラミントン本人がケーキを考案したわけではありません。

    彼の家で働いていた料理人、使用人、または彼と関係のある人物が作ったとする説があります。

    最古の記録は1900年

    ラミントンの歴史を考えるうえで重要なのが、新聞に残るレシピです。

    クイーンズランド州立図書館(State Library of Queensland)の調査によると、現在確認されている最初期のレシピは、1900年12月17日の新聞「Queensland Country Life」に掲載された「Lamington Cakes」です。

    つまり、少なくとも1900年末までには「Lamington」という名前のケーキがクイーンズランド州で知られていたことになります。

    この記録は、後から語られるようになったさまざまな発祥説を検証するうえで重要な基準になっています。

    アーマンド・ガランド発明説

    最も有名な発祥説の一つが、ロード・ラミントンの料理長だったアーマンド・ガランド(Armand Galland)が作ったという説です。

    ガランドはフランス生まれの料理人で、ロード・ラミントン夫妻のために料理を担当していました。

    総督公邸では大規模な園遊会が開かれ、多くの招待客へ料理を用意する必要がありました。

    そこで、手元にあったスポンジケーキをチョコレートに浸し、ココナッツをまぶして人数分を用意したのではないか、という説があります。

    ココナッツは当時としては少し珍しい材料でしたが、ガランドが海外で得た料理知識を生かした可能性も指摘されています。

    ただし、ガランドが発明者だったことを直接証明する資料は見つかっていません。

    総督公邸のメイド説

    別の有名な物語では、総督公邸で働くメイドが、少し古くなったスポンジケーキを再利用するために、チョコレートへ浸してココナッツをまぶしたとされています。

    また、「スポンジケーキを誤ってチョコレートへ落としてしまい、手で持ちやすくするためにココナッツを付けた」という話もあります。

    非常に分かりやすい誕生物語ですが、こちらも確実な一次資料はありません。

    現在は有名な伝説の一つとして理解するのがよいでしょう。

    トゥーンバ発祥説

    もう一つ有力な舞台として語られるのが、クイーンズランド州のトゥーンバ(Toowoomba)です。

    ロード・ラミントン夫妻は、ブリスベンの暑さを避けるため、1900年末から1901年初めにかけてトゥーンバのハーラクストン・ハウス(Harlaxton House)を利用していました。

    地元に伝わる話では、突然の来客へケーキを用意する必要が生じ、料理人が大きなプレーンケーキを切り、チョコレートアイシングとココナッツで仕上げたとされています。

    このケーキを招待客が気に入り、「ロード・ラミントンのケーキ」と呼んだという話です。

    興味深い説ですが、こちらも確定した史実ではありません。

    イプスウィッチ発祥説

    ブリスベン近郊のイプスウィッチ(Ipswich)にも発祥説があります。

    よく語られる話では、イプスウィッチ技術学校の開校式でラミントンが作られたとされています。

    しかしクイーンズランド州立図書館は、学校の開校が1901年だった一方、すでに1900年12月のラミントンのレシピが確認されているため、この説には年代上の問題があると指摘しています。

    ロード・ラミントンが1900年に同施設の礎石を置いたことは確認されていますが、そこでラミントンが提供された証拠は確認されていません。

    エイミー・シャウアーとの関係

    ラミントンの歴史でもう一人重要な人物がエイミー・シャウアー(Amy Schauer)です。

    彼女はブリスベン技術学校の料理学校で主任教師を務め、後にクイーンズランド州で大きな影響を与える料理本を出版しました。

    クイーンズランド州立図書館によると、1904年の「The Queenslander」に掲載されたラミントンのレシピでは、シャウアーの名前がレシピと結び付いています。

    ロード・ラミントン夫人も同校と関係があり、アーマンド・ガランドも後に同校で試験官を務めました。

    こうした人々の間でレシピが伝わった可能性はありますが、誰が最初に作ったのかは分かっていません。

    結局、誰が発明したの?

    現在確認されている史料から、特定の一人を「ラミントンの発明者」と断定することは難しい状況です。

    分かっていることを整理すると、

    • 1900年12月にはラミントンのレシピが新聞に掲載されていた
    • 名称はロード・ラミントンと強く関係している
    • 総督公邸周辺で誕生したとする説が有力
    • アーマンド・ガランドが関わった可能性がある
    • トゥーンバなど別の発祥説もある

    となります。

    「ロード・ラミントンの料理人が偶然作った」と断定している記事もありますが、歴史的には有力な説の一つとして理解するのが正確です。




    ニュージーランド発祥説は?

    ラミントンがニュージーランドで生まれ、「Wellington」と呼ばれていたという話を見たことがあるかもしれません。

    しかし、クイーンズランド州立図書館によると、2014年に広まった有名な「ニュージーランド発祥説」はエイプリルフールの作り話でした。

    1888年の絵に「Wellington Cake」が描かれていたという設定も架空のものです。

    パブロバのようなオーストラリアとニュージーランドの本格的な発祥論争とは事情が異なります。

    オーストラリアを代表するケーキ

    ラミントンを法律などで正式に「国を代表するケーキ」と定めた制度があるわけではありません。

    しかしオーストラリア政府観光局も、ラミントンを多くの人からオーストラリアを代表するケーキと考えられている名物として紹介しています。

    その知名度と歴史を考えれば、「オーストラリアを代表するケーキ」と呼んでも違和感はありません。

    地域行事・募金とラミントン

    ラミントンは家庭のお菓子だけでなく、地域の募金活動とも結び付いてきました。

    大量のラミントンを作って販売し、学校、教会、地域団体などの資金を集める「Lamington Drive」という言葉も使われます。

    オーストラリア戦争記念館の資料にも、20世紀初頭にケーキ作りやラミントン販売が募金活動へ使われた記録があります。

    一個ずつ作りやすく、箱へ並べて販売しやすいことから、地域行事に向いていたのでしょう。

    ベーカリーで買う

    旅行中に一番簡単なのは、街のベーカリーで買う方法です。

    特に地方の昔ながらのベーカリーでは、

    • シンプルなラミントン
    • ジャム入り
    • ジャム&生クリーム入り

    などがショーケースに並ぶことがあります。

    同じ店でも大きさや生クリームの量がかなり違うため、見た目で選んでみるのもよいでしょう。

    カフェで食べる

    ラミントンはカフェでも提供されます。

    昔ながらのシンプルなものだけでなく、現代的なカフェでは、

    • 生クリーム
    • 自家製ジャム
    • 濃厚なチョコレートクリーム
    • フルーツ
    • カスタードやクリームを使った詰め物

    などを使った豪華なラミントンもあります。

    フラットホワイトやロングブラックと合わせれば、オーストラリアらしいお茶の時間になります。

    スーパーでも買える

    ウールワースやコールズなどの大型スーパーでは、ベーカリー売場や袋入りケーキ売場でラミントンを販売することがあります。

    複数個入りの商品は、サービスアパートメントで家族やグループで食べる時にも便利です。

    ただし、商品の種類や在庫は店舗や時期によって異なります。

    おいしいラミントンの選び方

    おいしいラミントンを選ぶポイントは、スポンジが乾燥し過ぎていないことです。

    チョコレートアイシングが適度にスポンジへ染み込み、中が柔らかいものは食べやすくなります。

    ジャム&生クリーム入りなら、生クリームが新鮮であることも重要です。

    地元のベーカリーなら、その日のおすすめを店員へ聞いてみてもよいでしょう。

    食べ方

    特別な食べ方はありません。

    手で持ってそのまま食べても、皿に置いてフォークを使っても構いません。

    ジャム&生クリーム入りの大きなものは、生クリームが飛び出しやすいため、フォークで食べる方が食べやすい場合があります。

    コーヒー・紅茶と相性がよい

    ラミントンは甘いケーキなので、

    • フラットホワイト
    • ロングブラック
    • 紅茶
    • 牛乳

    などとよく合います。

    特にコーヒーの苦味と、チョコレート、ココナッツの甘さは相性のよい組み合わせです。

    ココナッツがこぼれやすい

    ラミントンを食べる時に覚えておきたいのが、細かなココナッツがかなり落ちることです。

    車の中や歩きながら食べると、服や座席に細かなココナッツが付くことがあります。

    ベーカリーで買ったら、紙袋やナプキンの上で食べると安心です。

    現代風ラミントン

    現在では、昔ながらのチョコレートとココナッツだけでなく、さまざまな現代風ラミントンが作られています。

    例えば、

    • ダークチョコレート
    • ホワイトチョコレート
    • 塩キャラメル
    • パッションフルーツ
    • レモンカード
    • ピスタチオ
    • ベリー類

    などを使ったものがあります。

    高級洋菓子店では、見た目はラミントンでも、中身はかなり手の込んだデザートに進化していることがあります。

    ピンク・ラミントン

    チョコレートではなく、ピンク色のアイシングで覆ったピンク・ラミントンもあります。

    イチゴやラズベリー系の風味が使われることがあり、白いココナッツとの組み合わせで非常に華やかです。

    伝統的なチョコレートラミントンとは別のアレンジとして、ベーカリーやイベントで見かけることがあります。

    家庭で作れる?

    材料そのものは非常にシンプルなので、家庭でも作れます。

    基本的な手順は、

    1. スポンジケーキを焼く
    2. 十分に冷ます
    3. 四角く切る
    4. チョコレートアイシングへ浸す
    5. 細かなココナッツをまぶす
    6. 表面を乾かす

    です。

    少し乾いたスポンジの方がチョコレートへ浸した時に崩れにくいため、前日にケーキを焼くレシピもあります。

    作業中はチョコレートとココナッツが飛び散りやすく、台所がかなり散らかりやすいケーキでもあります。

    日本へのお土産には?

    出来立てのラミントンは日本へ持ち帰るお土産にはあまり向きません。

    スポンジが崩れやすく、チョコレートが溶けたり、生クリーム入りなら冷蔵も必要だからです。

    旅行中に現地で食べるのがおすすめです。

    どうしても持ち帰りたい場合は、個包装され、保存条件の分かりやすい市販商品を選ぶ方がよいでしょう。



    ラミントンで使う英語

    英語 意味
    Lamington ラミントン
    Sponge Cake スポンジケーキ
    Chocolate Icing チョコレートアイシング
    Desiccated Coconut 細かく乾燥させたココナッツ
    Plain Lamington ジャムや生クリームを挟まない基本タイプ
    Jam-filled ジャム入り
    Cream-filled 生クリーム入り
    Jam & Cream ジャムと生クリーム入り
    Do you have lamingtons? ラミントンはありますか?
    Does this one have cream? これは生クリーム入りですか?
    Which lamington is the most popular? どのラミントンが一番人気ですか?
    Can I have one plain lamington, please? シンプルなラミントンを一つください。

    旅行者向けの楽しみ方

    • 初めてならシンプルなラミントンを試す
    • 次にジャム&生クリーム入りを食べ比べる
    • 地方のベーカリーで地元のラミントンを探す
    • カフェでは現代風のラミントンもチェックする
    • コーヒーや紅茶と一緒に食べる
    • ココナッツがこぼれやすいので注意する
    • 発祥は「アーマンド・ガランド説」と断定せず、諸説あると理解する
    • クイーンズランド旅行では歴史も意識して食べてみる
    • 出来立てのラミントンは持ち帰るより現地で食べる

    ラミントンは、材料だけを見ると非常にシンプルなケーキです。

    しかし、スポンジ、チョコレート、ココナッツという組み合わせは100年以上にわたりオーストラリアで親しまれ、今ではこの国を象徴するお菓子の一つになっています。

    さらに面白いのは、その発祥が完全には解明されていないことです。

    ロード・ラミントン、アーマンド・ガランド、総督公邸の使用人、トゥーンバ、イプスウィッチ、エイミー・シャウアー――さまざまな人物と場所が一つのケーキをめぐって結び付いています。

    旅行中にベーカリーのショーケースでラミントンを見つけたら、単に「チョコレートとココナッツのケーキ」として食べるだけでなく、100年以上続くオーストラリアの食文化も一緒に味わってみてください。




    ラミントンに関するよくある質問(FAQ)

    ラミントンとはどんなケーキですか?

    四角く切ったスポンジケーキをチョコレートアイシングで覆い、細かく乾燥させたココナッツをまぶしたオーストラリアの定番ケーキです。

    ラミントンには生クリームが入っていますか?

    基本のシンプルなラミントンには入りません。ただし、ジャム、生クリーム、または両方を中央へ挟んだタイプも広く販売されています。

    ラミントンは誰が発明しましたか?

    確定していません。ロード・ラミントンの料理長だったアーマンド・ガランド説が有名ですが、総督公邸の使用人、トゥーンバの料理人など複数の説があります。現在の史料では一人を発明者と断定することは困難です。

    最初のラミントンのレシピはいつですか?

    クイーンズランド州立図書館によると、現在確認されている最初期のレシピは1900年12月17日の「Queensland Country Life」に掲載された「Lamington Cakes」です。

    ラミントンはロード・ラミントンの名前から付いたのですか?

    ロード・ラミントンにちなんだ名称とする説が広く受け入れられています。ロード・ラミントンは1896年から1901年までクイーンズランド州総督を務めました。

    ラミントンはニュージーランド発祥ですか?

    2014年に広まった「ニュージーランドのWellingtonが起源」という有名な話は、エイプリルフールの作り話でした。歴史資料では1900年前後のクイーンズランド州とラミントンの関係が確認されています。

    オーストラリアではどこでラミントンを買えますか?

    街のベーカリー、カフェ、ウールワースやコールズなどのスーパーで見つけることができます。地元のベーカリーでは、店独自のジャム&生クリーム入りなどもあります。

    ラミントンはオーストラリアを代表するケーキですか?

    法律などで正式に「国を代表するケーキ」と指定されているわけではありませんが、オーストラリア政府観光局も、ラミントンを多くの人からオーストラリアを代表するケーキと考えられている名物として紹介しています。

    日本へのお土産にできますか?

    出来立てのラミントンは崩れやすく、生クリーム入りでは冷蔵も必要なため、基本的には現地で食べるのがおすすめです。持ち帰る場合は、保存条件の分かりやすい個包装の商品を選ぶとよいでしょう。



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