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  • オーストラリアのABNとは?個人事業主・Uber・配達員などで必要になる番号を解説

    オーストラリアのABNとは?個人事業主・Uber・配達員などで必要になる番号を解説

    オーストラリアで仕事を探していると、「ABNを持っていますか?」と聞かれることがあります。

    特に、ウーバーイーツ(Uber Eats)などのフードデリバリー、建設現場の仕事、清掃、フリーランスの仕事などを考えている方は、ABNという言葉を見かける機会が多いのではないでしょうか。

    「ABNとは何?」「TFNとは違うの?」「ワーキングホリデーでも取得できる?」「ABNを持っていれば税金が安くなる?」など、初めてオーストラリアで働く方には分かりにくい点もあると思います。

    ABNは、オーストラリアで事業を行う個人や会社などに発行される番号です。

    例えば、自分で仕事を請け負う個人事業主や、独立した配達事業者、フリーランスなどが利用します。

    日本人のワーキングホリデー渡航者でも、条件を満たしていればABNを取得できます。また、オーストラリア政府の公式サイトから申請すれば、取得料金は無料です。

    ただし、注意したいことがあります。

    ABNは、取得すれば誰でも自由に働ける許可証ではありません。また、ABNで仕事をする場合には、通常のアルバイトとは税金や契約の取り扱いが異なります。

    特に、雇用主から「ABNを取れば最低賃金は関係ない」「ABNなら退職年金を払わなくてよい」と説明された場合は、その内容が正しいとは限りません。

    この記事では、オーストラリアのABNについて、TFNとの違い、申請方法、ウーバーや配達員の仕事、GST、税金、経費、労働者としての権利まで、2026年10月時点の公式情報をもとに詳しく解説します。

    オーストラリアでフードデリバリーの仕事を始めたいのですが、ABNが必要と言われました。すでにTFNは持っていますが、別に取得する必要があるのでしょうか?
    独立した個人事業主として配達の仕事を行う場合は、通常ABNが必要です。TFNは個人の税務番号、ABNは事業者の識別番号で、役割が異なります。ただし、会社の従業員として配達する場合は、通常その仕事のためにABNを取得する必要はありません。




    ABNとは?オーストラリアの事業者番号

    ABNは、オーストラリアン・ビジネス・ナンバー(Australian Business Number)の略です。

    オーストラリア国内で事業を行う個人や会社などを識別するための、11桁の番号です。

    ABNの登録を管理しているのは、オーストラリアン・ビジネス・レジスター(Australian Business Register/ABR)という政府機関です。

    事業者はABNを使って、取引先との契約、請求書の発行、税務登録などを行います。

    例えば、個人でウェブサイト制作の仕事を請け負う場合や、独立した配達員として仕事をする場合などです。

    ABNを持つということはどういう意味?

    個人事業主として事業を行う場合、自分自身が事業の責任者になります。

    仕事を受注し、代金を受け取り、必要な経費を支払い、収入や支出を記録して税務申告を行います。

    会社を設立する必要はなく、個人で事業を行う形をソール・トレーダー(Sole Trader)と呼びます。

    日本の個人事業主に近い仕組みです。

    ただし、個人事業主は、事業に関する債務などについて個人で責任を負います。会社を設立した場合とは、法律上の責任が異なります。

    ABNは会社だけの番号ではない

    ABNという名前から、会社を経営している人だけが使う番号と思われるかもしれません。

    しかし、個人事業主も取得できます。

    小規模な仕事であっても、継続的に商業活動を行う事業として認められれば、ABNを取得できる場合があります。

    一方、単にアルバイトをしているだけの人が、自由にABNを取得してその仕事に使用できるわけではありません。

    ABNの取得には、実際に事業を営んでいる、または事業開始のための具体的な準備を行っているなどの条件があります。

    公式情報:オーストラリアン・ビジネス・レジスター:ABNの取得資格

    ABNとTFNの違い

    ABNとよく混同されるのが、タックス・ファイル・ナンバー(Tax File Number/TFN)です。

    TFNは、オーストラリア税務局(Australian Taxation Office/ATO)が発行する税務番号です。

    一般的な会社員やアルバイトだけでなく、個人事業主も税務申告などに使用します。

    ABNとTFNは、どちらか一方を持っていればもう一方が不要になるというものではありません。

    項目 TFN ABN
    正式名称 Tax File Number Australian Business Number
    桁数 通常9桁 11桁
    主な用途 個人の税務管理 事業者の識別
    一般的なアルバイト 通常必要 通常不要
    個人事業主 税務申告などに使用 事業活動に使用
    公式申請料金 無料 無料

    例えば、レストランにカジュアル従業員として雇用される場合、通常はTFNを雇用主へ提出します。

    一方、自分でウェブサイト制作の仕事を請け負い、取引先に請求書を発行する場合は、通常ABNを使用します。

    その後、個人事業主として得た利益をタックスリターンで申告する際には、自分のTFNを使用します。

    個人事業主でもTFNは必要?

    はい。個人事業主は、個人のTFNを使って所得税を申告するのが基本です。

    会社とは異なり、ソール・トレーダーの場合、通常は事業用に別のTFNを取得する必要はありません。

    すでにワーキングホリデーでTFNを取得している方は、その番号を引き続き使用できます。

    TFNの取得方法については、関連記事「オーストラリアのTFN申請方法|ワーホリ到着後に無料で取得する手順と注意点」を参考にしてください。

    ABNが必要な仕事・不要な仕事

    ABNが必要かどうかは、仕事の種類だけでなく、従業員として雇われているのか、独立した事業者として仕事を請け負っているのかによって異なります。

    例えば、同じ配達の仕事でも、会社に雇用されている場合と、独立した事業者として配達を行う場合では扱いが違います。

    仕事の例 ABNの扱い
    レストランのカジュアル従業員 通常不要
    ホテルのパートタイム従業員 通常不要
    会社に雇用される配達ドライバー 通常不要
    独立したフードデリバリー配達員 通常必要
    独立したライドシェアドライバー 通常必要
    フリーランスのデザイナー 事業として請け負う場合は通常必要
    独立した清掃事業者 通常必要
    会社の従業員として働く建設作業員 通常不要
    独立した建設関連の請負事業者 通常必要

    ただし、業務の名称だけで判断できない場合もあります。

    例えば、建設現場で「コントラクター(Contractor)」という名称で働いていても、実際には勤務時間や仕事内容を会社が細かく管理し、従業員と同じように働いている場合があります。

    こうした場合は、単に契約書にコントラクターと書かれているだけで、独立した事業者として認められるわけではありません。

    趣味で不用品を売る場合もABNが必要?

    例えば、引っ越しのために古い家具や衣類を売却するだけなら、通常、そのためにABNを取得する必要はありません。

    一方、商品を継続的に仕入れて販売し、利益を得ることを目的とした事業を行う場合は、ABNの取得対象となる可能性があります。

    ABRは、事業性を判断する際、営利目的、継続性、事業規模、記録の管理などを考慮すると案内しています。

    単に一度だけ物を売ったという理由で、必ず事業者になるわけではありません。

    ワーキングホリデーでもABNを取得できる?

    日本のパスポートを持ち、オーストラリアのワーキングホリデービザで滞在している方でも、条件を満たせばABNを取得できます。

    重要なのは、実際にABNの取得資格がある事業を行っていることと、ビザの就労条件を守っていることです。

    ABNそのものに、オーストラリアでの就労を許可する効力はありません。

    ワーキングホリデービザ417では、原則として滞在期間中にさまざまな種類の仕事をすることができますが、同じ雇用主のもとで働く期間などに制限があります。

    個人事業主にも6か月の就労制限が関係する

    ワーキングホリデービザには、ビザ条件8547という規定があります。

    これは、原則として同じ雇用主のもとで6か月を超えて働くことを制限するものです。

    この規定は、単に雇用契約を結んでいる従業員だけでなく、個人事業主として働く場合にも関係します。

    内務省は、個人事業主の場合、実際にサービスの提供を受ける最終利用者(End User)を、6か月制限の判断対象として扱うと案内しています。

    ただし、複数の顧客へサービスを提供する場合や、対象となる例外業種で働く場合には、異なる取り扱いが認められることがあります。

    例えば、複数の顧客にサービスを提供する独立した清掃事業者と、実質的に1社だけへ継続してサービスを提供する事業者とでは、事情が異なります。

    また、2024年1月から、農業、観光・ホスピタリティー、医療、介護など一定の分野では、事前許可なしで同じ雇用主のもとで6か月を超えて働ける例外が設けられています。

    ABNを取得したからといって、こうしたビザ条件を無視してよいわけではありません。

    長期間同じ取引先で働く予定がある方は、内務省の公式案内で条件を確認してください。

    オーストラリア内務省:ワーホリの6か月就労制限と個人事業主の扱い



    ABNの申請条件と必要な情報

    ABNを取得するには、オーストラリアで事業を行う資格があることが必要です。

    すでに営業している事業だけでなく、具体的な開業準備を始めている場合も、申請の対象になることがあります。

    例えば、事業用の設備を購入する、仕事の見積もりを提出する、必要な保険を手配するなど、実際に事業開始へ向けた活動がある場合です。

    一方、特に事業を始める予定がなく、単に番号だけを取得しておきたいという場合は、取得資格を満たさない可能性があります。

    個人事業主のABN申請で準備しておきたい情報

    項目 内容
    氏名 パスポート等に記載された正式な氏名
    生年月日 本人確認のための情報
    TFN すでに取得している場合
    住所 事業所在地・連絡先住所
    電話・メール 連絡可能な情報
    事業内容 配達、清掃、デザインなどの主な活動
    事業開始日 実際に開始した日、または開始予定日
    事業形態 個人事業主の場合はSole Trader
    その他 以前のABNや事業登録など、該当する情報

    TFNがまだない場合は?

    ABNの申請にTFNを必ず入力しなければならないわけではありません。

    しかし、ABRは、TFNなどを使って本人確認ができる場合、申請処理が早くなると案内しています。

    特に外国人申請者では、TFNを入力しなかった場合、追加の本人確認書類を求められることがあります。

    ワーキングホリデーで到着した方は、まずTFNを取得してからABNを申請すると、本人確認の手続きを進めやすくなるでしょう。

    ただし、個別の状況によって必要な書類は異なります。

    オーストラリア国外にいても申請できる?

    オーストラリア国外にいる人でも、オーストラリア国内で事業を行っている、またはオーストラリアと関連する対象事業を行っている場合には、ABNの取得資格があることがあります。

    しかし、単に将来オーストラリアで働きたいというだけでは、必ず申請できるわけではありません。

    国外から申請する場合には、事業内容や本人確認に関する追加資料が必要になることもあります。

    ABR:オーストラリア国外の事業者によるABN申請

    ABNを無料で申請する方法

    ABNは、オーストラリア政府の公式ウェブサイトからオンラインで申請できます。

    取得資格を満たしていれば、申請そのものは無料です。

    個人事業主として申請する場合の基本的な流れを見てみましょう。

    STEP 1.オーストラリア政府の公式サイトへアクセスする

    まず、ABRの公式サイトにアクセスします。

    ABR公式:Applying for an ABN

    ABNの申請方法や取得資格を確認し、オンライン申請へ進みます。

    STEP 2.事業形態を選択する

    個人で独立した事業を営む場合は、Sole Traderを選びます。

    ソール・トレーダーは、日本の個人事業主に近い事業形態です。

    法人を設立するわけではありません。

    STEP 3.ABNを取得する資格があるか確認する

    申請画面では、事業の内容や活動状況について質問されます。

    実際に事業を営んでいるか、事業を始める具体的な準備があるかなどが確認されます。

    単にABNが欲しいという理由ではなく、実際の事業活動に基づいて回答してください。

    STEP 4.個人情報を入力する

    氏名、生年月日、TFNなどの情報を入力します。

    すでにオーストラリアでTFNを取得している場合は、正しい番号を入力してください。

    本人確認に使用されるため、氏名や生年月日がATOの記録と一致していることも重要です。

    STEP 5.事業の内容と開始日を入力する

    どのような事業を行うのか、事業の開始日、所在地などを入力します。

    例えば、独立したフードデリバリーの仕事を行う場合は、その実際の事業内容に対応する項目を選びます。

    申請内容を実際の活動と一致させることが重要です。

    STEP 6.必要な税務登録を確認する

    ABNを申請する際には、GSTなどの税務登録についても質問される場合があります。

    ただし、個人事業主だからといって、必ずGSTへ登録しなければならないわけではありません。

    事業の種類や売上によって条件が異なります。

    特に乗客を運ぶライドシェアの仕事をする方は、GST登録の特別な条件があるため注意してください。

    STEP 7.申請内容を確認して送信する

    最後に入力内容を確認し、オンラインで申請します。

    申請が認められると、ABNが発行されます。

    番号が表示された場合は、確認画面を保存しておきましょう。

    また、申請内容の追加確認が必要な場合には、受付番号などが発行されることがあります。

    この番号は問い合わせなどで必要になるため、忘れずに保存してください。

    申請画面の項目や手順は変更される場合がありますので、実際の画面上の説明に従ってください。

    ABNが発行されるまでの期間と申請料金

    ABNの発行にかかる時間は、申請内容や本人確認の状況によって異なります。

    ABRの公式案内では、申請が問題なく認められた場合、11桁のABNがその場で発行されます。

    一方、追加の確認が必要な場合には、ABRは通常20営業日以内に内容を確認することを目標としています。

    また、追加資料の提出を求められる場合もあります。

    申請状況 発行までの目安
    オンライン申請がその場で承認 即時に発行
    追加の確認が必要 通常20営業日以内を目標に確認
    本人確認・追加資料が必要 状況によってさらに時間がかかる場合あり

    これらは政府が案内する処理方法であり、すべての申請が必ず20営業日以内に完了するという意味ではありません。

    ABNの申請料金はいくら?

    オーストラリア政府のABRから直接申請する場合、ABNの登録料金は無料です。

    また、ABNの登録自体に毎年更新料を支払う仕組みはありません。

    ただし、ABN申請を代行する民間業者へ依頼する場合は、サービス料金が発生することがあります。

    インターネットで検索すると、有料のABN申請サービスが表示される場合がありますが、それが政府の公式申請料金という意味ではありません。

    自分で手続きできる方は、政府の公式サイトから無料で申請できます。

    事業名の登録は別料金

    ABNと、ビジネスネーム(Business Name)の登録は別の手続きです。

    例えば、自分の正式な個人名で事業を行う場合は、通常、別の事業名登録は必要ありません。

    一方、独自の店名や屋号を使って営業する場合は、オーストラリア証券投資委員会(Australian Securities and Investments Commission/ASIC)への事業名登録が必要になることがあります。

    事業名登録には別途料金がかかります。

    ワーキングホリデーで短期間フリーランスの仕事をする方は、まず自分の事業に事業名登録が必要かどうか確認するとよいでしょう。

    オーストラリア政府:ABNの無料登録について

    ウーバーとウーバーイーツではABNの扱いが違う?

    オーストラリアでABNに関する質問が多い仕事のひとつが、ウーバーを使った仕事です。

    ただし、ウーバーで乗客を運ぶ仕事と、ウーバーイーツで料理などを配達する仕事では、税金の取り扱いに違いがあります。

    ウーバーのライドシェアドライバー

    ウーバーを利用して乗客を目的地まで運ぶ仕事は、ライドシェア(Ride-sourcing)に該当します。

    独立した事業者としてこの仕事を行う場合、通常ABNが必要です。

    さらに、重要なのがGSTへの登録です。

    オーストラリア税務局では、タクシーやライドシェアの乗客輸送サービスについて、売上金額にかかわらずGST登録を必要としています。

    例えば、年間売上がA$10,000しかなくても、独立したライドシェアドライバーとして乗客を運ぶ場合は、GST登録が必要です。

    ウーバーイーツの配達員

    一方、ウーバーイーツなどのフードデリバリーは、料理や商品を配達するサービスです。

    乗客を運ぶライドシェアとは異なります。

    独立した個人事業主として配達する場合は、通常ABNが必要ですが、GST登録については、原則として一般事業と同じ売上基準が適用されます。

    年間のGST対象売上がA$75,000未満で、ほかに義務的な登録条件がなければ、通常はGST登録が義務付けられません。

    ただし、A$75,000を超える見込みがある場合や、すでに登録している場合は取り扱いが異なります。

    フードデリバリーとライドシェアを両方行う場合

    例えば、平日は料理の配達を行い、週末には乗客を運ぶライドシェアを行う場合です。

    同じ個人事業主が両方の事業を行い、ライドシェアの仕事によってGST登録義務が生じると、その登録は事業者全体に関係します。

    そのため、フードデリバリーの売上についても、GSTの取り扱いを確認する必要があります。

    仕事 ABN GST登録
    独立したウーバーの乗客輸送 通常必要 売上に関係なく必要
    独立したウーバーイーツ配達 通常必要 原則として年間GST売上A$75,000以上で必要
    独立したドアダッシュ配達 通常必要 原則として一般のGST売上基準
    会社に雇用される配達員 通常不要 雇用される本人には通常登録不要

    ドアダッシュ(DoorDash)などの仕事も、実際にどのような契約で働くのかを確認してください。

    また、各プラットフォームの登録条件、使用できる車両、保険、運転免許証などの条件は変更されることがあります。

    ABNを持っているだけで、すべての配達サービスやライドシェアに登録できるわけではありません。

    公式情報:ATO:フードデリバリー配達員のABN・GST・税務

    GSTとは?A$75,000の登録基準を解説

    ABNを取得する際に、もうひとつ知っておきたいのがGSTです。

    GSTは、グッズ・アンド・サービス・タックス(Goods and Services Tax)の略で、オーストラリアの消費税に相当する税金です。

    基本税率は10%です。

    ただし、商品やサービスによってはGSTがかからないものもあります。

    ABNを取得したら必ずGSTを払う?

    いいえ。ABNを取得しただけで、自動的にGST登録が必要になるわけではありません。

    一般的な営利事業では、年間のGST対象売上がA$75,000以上になる場合、GST登録が必要です。

    また、今後12か月の売上がその基準に達すると見込まれる場合も、登録が必要になることがあります。

    注意したいのは、A$75,000は利益ではなく、原則としてGST対象の売上高を基準として判断することです。

    例えば、次のようなケースを考えてみましょう。

    項目 例A 例B
    年間売上 A$30,000 A$90,000
    年間経費 A$8,000 A$50,000
    利益 A$22,000 A$40,000
    GST登録 一般的には義務なし 原則として必要

    上記はすべての売上がGST対象で、ライドシェアなどの特別な登録条件がない場合の単純な例です。

    例Bでは利益がA$40,000でも、売上がA$90,000あるため、GST登録の基準を超えています。

    GST登録後は何をする?

    GST登録した事業者は、GST対象となる売上についてGSTを計算し、税務局へ申告・納付します。

    例えば、GSTを含む商品やサービスの販売額がA$110の場合、そのうちGSTはA$10です。

    また、事業用の仕入れや経費に含まれるGSTについて、一定の条件で税額控除を受けられる場合があります。

    GST登録した事業者は、通常、ビジネス・アクティビティー・ステートメント(Business Activity Statement/BAS)という申告書を提出します。

    提出頻度は、事業者の条件に応じて毎月、四半期などに分かれます。

    GST未登録なのに請求書へGSTを加算してもよい?

    いいえ。GSTに登録していない事業者は、GSTとして税金を請求・徴収することはできません。

    例えば、個人事業主として清掃サービスを提供していて、GST登録の義務もなく登録していない場合、請求書に勝手に10%のGSTを加算してはいけません。

    一方、GST登録している場合には、課税対象となるサービスについて適切にGSTを計算する必要があります。

    ABNの取得とGST登録は別の手続きです。事業の種類と売上に応じて、それぞれ必要かどうか判断してください。

    公式情報:ATO:GST登録が必要になる条件



    個人事業主と従業員の違い・偽装請負に注意

    ABNで仕事をする場合に、最も注意したいのが雇用契約の問題です。

    オーストラリアでは、会社に雇用される従業員と、独立して仕事を請け負う個人事業主では、法律上の権利や義務が異なります。

    従業員と個人事業主の主な違い

    項目 従業員 独立した個人事業主
    契約関係 雇用契約 業務委託・請負契約など
    最低賃金 適用される 原則として従業員向け最低賃金は適用されない
    有給休暇 雇用形態に応じて適用 通常、従業員向けの有給休暇はない
    所得税 通常は雇用主が源泉徴収 原則として自分で管理・申告
    仕事の経費 雇用主負担または経費精算の場合あり 通常は自分で管理
    スーパーアニュエーション 原則として雇用主が拠出 契約内容によっては発注側に拠出義務あり

    個人事業主は、自分の事業として仕事を請け負います。

    仕事の条件を自分で調整したり、複数の取引先と契約したりする場合があります。

    一方、従業員の場合は、雇用主の指示のもとで仕事を行い、適用される最低賃金や労働条件の保護を受けます。

    ABNを取れば最低賃金を払わなくてもよい?

    これは正しくありません。

    例えば、レストランで従業員と同じようにシフトを組まれ、勤務時間や業務内容を細かく指定されているにもかかわらず、雇用主から「ABNで請求書を出してほしい」と言われる場合があります。

    しかし、実際には従業員に該当する人を、契約上だけ個人事業主として扱っているのであれば、法律上問題になる可能性があります。

    このような取り扱いは、シャム・コントラクティング(Sham Contracting)、日本語では偽装請負と呼ばれることがあります。

    オーストラリアでは、従業員を正当な根拠なく独立事業者として扱い、労働者の権利を回避する行為は法律で禁止されています。

    ABNを持っていても従業員と判断される場合がある

    判断に当たっては、契約書の名称だけでなく、実際の働き方や当事者間の関係などが考慮されます。

    例えば、仕事内容の管理、仕事の自由度、器具や設備の提供、報酬の仕組み、ほかの顧客へのサービス提供などです。

    これらの要素は全体として判断されるため、ひとつの条件だけで従業員か個人事業主かが決まるわけではありません。

    ワーキングホリデーだからといって、違法な労働条件を受け入れる必要はありません。

    ABNで働くよう求められた場合は、なぜその契約形態になるのか確認しましょう。

    フェアワーク・オンブズマン:偽装請負に関する公式案内

    ABNで働く場合の請求書と給与の受け取り方

    通常のアルバイトでは、雇用主が給与を計算し、税金を源泉徴収したうえで、従業員の銀行口座へ振り込みます。

    一方、個人事業主の場合は、仕事の契約に従って報酬を請求し、代金を受け取ります。

    ウーバーイーツなどのプラットフォームでは、アプリや事業者側のシステムを通じて支払いが管理される場合があります。

    一方、個人でデザインや清掃、建設関連の仕事を請け負う場合には、自分で請求書(Invoice)を発行することがあります。

    請求書に記載しておきたい項目

    • 自分の事業名または正式な氏名
    • ABN
    • 請求書番号
    • 請求書の発行日
    • 取引先の名前
    • 提供したサービスの内容
    • 料金・数量などの計算
    • 支払総額
    • 支払期限
    • 銀行振込先などの支払方法

    GST登録している場合は、GSTに関する法律上必要な情報も記載します。

    GST未登録の事業者は、GSTを加算しないようにしてください。

    請求書の計算例

    例えば、GST未登録のフリーランスが、取引先へ次のような仕事を提供した場合です。

    項目 内容
    サービス ウェブサイト画像制作
    単価 A$150
    数量 3件
    小計 A$450
    GST 未登録のため加算しない
    請求額 A$450

    これは計算例であり、実際の報酬相場を示すものではありません。

    ABNを伝えないと47%引かれる?

    オーストラリアには、事業者が取引先へABNを提示しない場合、一定の条件で支払側が代金から税金を源泉徴収する制度があります。

    通常、ABNの提示が必要な取引で番号が示されず、例外条件にも該当しない場合は、支払額の47%を源泉徴収しなければならないことがあります。

    ただし、これはすべての取引や、通常の雇用による給与に一律に適用される規則ではありません。

    個人事業主として取引先に請求書を発行する場合は、自分のABNを正確に記載しておきましょう。

    また、入金があったときには、請求額、入金額、入金日などを記録しておくと、年度末の税務申告がスムーズになります。

    ABNで得た収入の税金とタックスリターン

    ABNを使って個人事業主として働く場合、通常の従業員とは税金の管理方法が異なります。

    従業員は、通常、雇用主が給与から所得税を源泉徴収します。

    一方、個人事業主が仕事の報酬を受け取る場合、原則として自分で所得を記録し、必要な税務申告と納税を行います。

    つまり、銀行口座へ報酬が振り込まれても、その全額を自由に使ってよいとは限りません。

    後から税金の支払いが必要になる可能性があります。

    個人事業主の税金は売上全体にかかる?

    個人事業主の所得税では、通常、事業の収入から認められる事業経費を差し引いて、課税対象となる所得を計算します。

    例えば、年間の収入と経費が次のような場合です。

    項目 金額
    年間事業収入 A$30,000
    事業に必要な経費 A$8,000
    事業利益 A$22,000

    この例では、税務上認められる経費がA$8,000であれば、事業利益はA$22,000になります。

    ただし、実際の課税所得は、ほかの給与所得、税務上の調整、経費の控除条件などによって異なります。

    また、GSTに登録している場合は、売上や経費のGSTの取り扱いについても考慮する必要があります。

    ワーキングホリデーの15%税率はABNにも使える?

    ワーキングホリデーで働く方には、一定の条件でワーキングホリデー渡航者向けの所得税率が適用されます。

    ただし、ABNで得た事業収入について、請求時に自動的に15%が源泉徴収されるわけではありません。

    最終的な所得税の計算は、税務上の居住者判定、ワーキングホリデーの税制、租税条約、ほかの所得などを考慮して行われます。

    日本国籍者については、日本とオーストラリアの租税条約の関係で、税務上のオーストラリア居住者に該当する場合に、一般的な居住者税率が適用されることもあります。

    単純に「ABNだから税率15%」「ABNなら非課税」と考えないようにしてください。

    税金を支払うための資金を残しておく

    個人事業主の場合、仕事の報酬を受け取った段階では所得税が差し引かれていないことがあります。

    そのため、事業収入をすべて生活費に使ってしまうと、タックスリターンで税金を支払う際に困る可能性があります。

    必要に応じて、将来の納税に備えた資金を別の口座などで管理するとよいでしょう。

    また、所得や過去の申告状況によっては、PAYG Instalmentsという所得税の予定納付制度が適用される場合もあります。

    タックスリターンはどうする?

    オーストラリアの税務年度は、通常7月1日から翌年6月30日までです。

    ソール・トレーダーは、通常、個人のタックスリターンに事業収入と事業経費を含めて申告します。

    会社のように、個人事業主のための独立した法人税申告書を作るわけではありません。

    また、ワーキングホリデーを終えて日本へ帰国する場合も、オーストラリアで発生した所得について申告が必要になることがあります。

    申告時期や手続きは、ATOの公式サイトで確認してください。

    ATO:個人事業主の税務上の義務



    配達・フリーランスの必要経費はどこまで認められる?

    個人事業主として働く場合、収入を得るために必要な経費を、一定の条件で所得から控除できます。

    ただし、事業に関係のない私生活の支出は、通常、事業経費として認められません。

    また、事業と私生活の両方に使っているものについては、事業用の割合を合理的に計算する必要があります。

    フードデリバリーで考えられる経費

    例えば、独立したフードデリバリー事業者の場合、次のような費用が経費となる可能性があります。

    • 仕事に使用する自転車やバイクなどの費用
    • 配達用バッグ
    • 事業用の携帯電話・通信費
    • 仕事に使用する車両の燃料費
    • 車両の修理・整備費用
    • 事業用の保険料
    • 業務に必要な登録や許可に関する費用
    • 会計・税務申告に関する費用

    ただし、これらがすべて購入した年に全額控除できるという意味ではありません。

    車両や高額な設備などについては、資産の減価償却や別の税務ルールが適用される場合があります。

    自転車や車を私生活でも使う場合

    例えば、配達の仕事で使うバイクを、休日の買い物や観光にも使用している場合は、費用のすべてを事業経費にはできません。

    業務で使った割合を計算し、合理的な記録を残しておく必要があります。

    自動車については、使用状況に応じて認められる計算方法が異なります。

    仕事で走行した距離や目的を記録しておくと、経費を計算する際に役立ちます。

    携帯電話代も全額経費になる?

    携帯電話を仕事と私生活の両方で使用する場合、通常は仕事に使用した割合を区分する必要があります。

    例えば、月額A$60の通信プランを契約し、そのうち40%が業務での利用に当たると合理的に判断できる場合、事業用の通信費は月A$24という計算になります。

    ただし、実際に何%を業務で使用したかを説明できる記録が必要です。

    経費の領収書は保存する

    事業の収入と経費に関する領収書や記録は、通常5年間の保存が必要です。

    紙の領収書だけでなく、電子データで保存できる場合もあります。

    ワーキングホリデーでは、帰国後に申告や問い合わせが必要になることもあるため、書類はクラウドなどで整理しておくと便利です。

    なお、事業の性質や税務上の事情によっては、5年を超える保存が必要な記録もあります。

    スーパーアニュエーション・保険・就労上の注意点

    個人事業主として働く場合、所得税以外にも確認しておきたいことがあります。

    そのひとつが、スーパーアニュエーション(Superannuation)です。

    スーパーアニュエーションは、オーストラリアの退職年金制度です。

    通常の従業員には、条件に応じて雇用主が退職年金口座へ拠出を行います。

    一方、ソール・トレーダーは自分自身の雇用主ではないため、自分の事業から自分へスーパーアニュエーションを支払う義務は、通常ありません。

    ABNで働いていてもスーパーが支払われる場合がある

    ここは注意が必要です。

    ABNを持っている個人事業主であっても、契約内容によっては、報酬を支払う側にスーパーアニュエーションの拠出義務が発生することがあります。

    例えば、個人の労働力や技能を提供することが契約の主な目的で、本人が直接仕事を行い、労働時間に応じて報酬が支払われるような場合です。

    ATOは、契約者がABNを持っているかどうかだけで、スーパーアニュエーションの支払義務が決まるわけではないと説明しています。

    したがって、取引先から「ABNで働いているからスーパーは一切支払わない」と説明されても、それが必ず正しいとは限りません。

    ATO:個人事業主・請負契約とスーパーアニュエーション

    仕事中の事故と保険

    フードデリバリーや清掃、建設関連の仕事では、業務中の事故やけがにも注意が必要です。

    例えば、配達中に交通事故を起こしたり、取引先の物を壊してしまったりする可能性があります。

    通常の海外旅行保険では、業務中の事故や特定の職業活動が補償対象外になる場合があります。

    また、自家用車の保険が商業配達や有償の乗客輸送を補償しているとは限りません。

    事業内容に応じて、車両保険、対人・対物賠償責任保険、業務上の事故に備える保険などを確認しておきましょう。

    保険の条件は、州、事業内容、契約先によって異なります。

    最低賃金の保護はどうなる?

    本当に独立した個人事業主の場合、従業員向けの最低賃金制度がそのまま適用されるわけではありません。

    ただし、デジタルプラットフォームを通じて働く一部の労働者については、2024年以降の労働法改正により、特別な保護制度が設けられています。

    また、実態が従業員であれば、通常の労働法が適用される場合があります。

    ABNを持っているという理由だけで、自分には労働法上の権利がないと判断しないようにしましょう。

    仕事の契約条件に不安がある場合は、フェアワーク・オンブズマン(Fair Work Ombudsman)の公式情報を確認してください。

    フェアワーク:独立請負人の権利と義務

    帰国・廃業するときのABNの取り扱い

    ワーキングホリデーを終えて日本へ帰国する場合、ABNをそのまま放置してよいのか気になる方もいるでしょう。

    ABNは、取得した後も登録情報を正しく管理する必要があります。

    オーストラリア国内での事業を終了した場合や、オーストラリアと関連する事業活動を行わなくなった場合には、原則としてABNを取り消す必要があります。

    事業を終了したらABNを取り消す

    例えば、オーストラリアでフードデリバリーの仕事をしていた方が、ワーキングホリデーを終え、完全に事業を終了して帰国する場合です。

    このような場合、ABRの公式サイトからABNの取消手続きを行えます。

    また、ABRでは、事業を終了した場合など、登録内容の変更を認識してから28日以内に必要な更新・取消しを行うよう案内しています。

    ABNを取り消す前に確認すること

    • 未払いの売上や請求書がないか
    • 税務申告が必要か
    • GST登録がある場合、BASの提出が必要か
    • 未払いの税金がないか
    • 事業に関する登録を終了する必要があるか
    • 事業用の記録を保存しているか

    ABNを取り消しただけで、過去の税務申告や納税の義務がなくなるわけではありません。

    また、ABNを取り消すと、GSTなど一部の税務登録も取り消されます。

    そのため、必要な申告や納税を確認してから手続きを進めてください。

    次のセカンドワーホリで戻ってくる予定の場合

    将来オーストラリアへ戻る予定がある場合でも、現在の事業活動を終了しているのであれば、ABNの登録状況を確認する必要があります。

    事業を一時的に休止しているのか、完全に終了しているのかによって、取り扱いが異なる場合があります。

    帰国後もオーストラリアと関連する事業を継続している場合などは、個別の事情に応じた判断が必要です。

    ABNの登録を終了する必要があるか不明な場合は、ABRへ確認してください。

    ABR公式:ABNの取消方法

    オーストラリアのABNに関するよくある質問

    オーストラリアのABNとは何ですか?

    ABNはAustralian Business Numberの略で、オーストラリアの事業者を識別する11桁の番号です。会社だけでなく、個人事業主も取得できます。事業の請求書や取引、税務登録などに利用します。
    ABNの取得料金はいくらですか?

    オーストラリア政府のAustralian Business Registerから直接申請する場合、ABNの登録は無料です。民間の申請代行業者を利用するとサービス料金が発生する場合がありますが、政府の正式なABN登録料金ではありません。
    ABNとTFNの違いは何ですか?

    TFNは個人の税務番号、ABNは事業者の識別番号です。通常のアルバイトではTFNを使用します。独立した個人事業主として働く場合は、通常ABNを取得し、所得税の申告には個人のTFNを使用します。
    ワーキングホリデーでもABNを取得できますか?

    はい。日本国籍のワーキングホリデー渡航者でも、実際に対象となる事業を営むなどABNの取得資格を満たしていれば申請できます。ただし、ABNには就労許可の効力はないため、ビザの就労条件を守る必要があります。
    ウーバーイーツの配達員にはABNが必要ですか?

    独立した個人事業主としてウーバーイーツなどの配達を行う場合、通常ABNが必要です。一方、会社の従業員として配達する場合は、通常その仕事のためにABNを取得する必要はありません。
    ウーバーイーツの配達でもGST登録が必要ですか?

    フードデリバリーだけを行う一般的な独立事業者の場合、原則として年間GST売上A$75,000以上でGST登録が必要です。一方、乗客を運ぶライドシェアドライバーには、売上金額にかかわらずGST登録義務があります。両方を営む場合は事業者全体のGSTの取り扱いを確認する必要があります。
    ABNを申請すると何日で発行されますか?

    申請がその場で承認された場合は、11桁のABNが即時に発行されます。追加の本人確認などが必要な場合、ABRは通常20営業日以内の確認を目標としていますが、さらに時間がかかる場合もあります。
    ABNを取得すれば最低賃金は適用されなくなりますか?

    ABNを持っていることだけで、従業員としての権利がなくなるわけではありません。実際には従業員に該当する人を、契約上だけ個人事業主として扱う偽装請負は違法となる場合があります。契約の名称だけでなく、実際の働き方によって判断されます。
    ABNで得た収入も確定申告が必要ですか?

    通常、個人事業主として得た収入は、必要な経費などを計算し、個人のタックスリターンに含めて申告します。事業収入には自動的に所得税が源泉徴収されない場合があるため、税金の支払いに備えた資金管理が重要です。
    個人事業主でもスーパーアニュエーションを受け取れますか?

    個人事業主には、通常、自分自身の事業から自分へスーパーアニュエーションを拠出する義務はありません。ただし、主に本人の労働力を提供する契約など、一定の条件では、報酬を支払う側にスーパーアニュエーションの拠出義務が生じる場合があります。ABNの有無だけでは決まりません。
    日本へ帰国するときはABNを取り消す必要がありますか?

    オーストラリアでの事業を終了し、ABNの取得資格がなくなった場合は、原則としてABNの取消手続きが必要です。取り消す前に、必要な税務申告、GST・BAS、未払い税金などを確認してください。帰国後も事業を継続する場合は状況によって取り扱いが異なります。



    まとめ|ABNは無料で取得できるが、税金と契約の仕組みを理解しておこう

    オーストラリアのABNは、個人事業主や会社などの事業者を識別するための11桁の番号です。

    独立した事業者としてウーバーイーツの配達、フリーランス、清掃などの仕事を行う場合に利用します。

    条件を満たせば、ワーキングホリデーで滞在している日本人でも取得できます。

    ABNはオーストラリア政府の公式サイトから無料で申請でき、問題なく承認されれば、その場で番号が発行される場合もあります。

    ただし、ABNは就労許可証ではありません。ワーキングホリデーのビザ条件は引き続き守る必要があります。

    また、個人事業主として仕事をする場合は、通常のアルバイトと異なり、自分で収入や経費を管理し、必要な税務申告を行うことになります。

    GSTについても注意が必要です。通常のフードデリバリー事業と、乗客を運ぶライドシェアでは、登録条件が異なります。

    さらに、ABNを持っているからといって、必ず法律上の独立事業者になるわけではありません。実際には従業員に該当する場合は、最低賃金やスーパーアニュエーションなどの権利が認められることがあります。

    ABNを取得する前に、自分が本当に独立した事業者として働くのか、GST登録が必要か、税金と保険をどう管理するかを確認しておくことが大切です。

    ウーバーイーツやフリーランスの仕事は、働く時間や仕事の選び方に柔軟性がある一方、事業者としての責任も伴います。

    その違いを理解したうえで、自分に合ったオーストラリアでの働き方を選んでください。

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  • オーストラリアの最低賃金はいくら?カジュアル・パートタイム・フルタイムの違いと給料の計算方法

    オーストラリアの最低賃金はいくら?カジュアル・パートタイム・フルタイムの違いと給料の計算方法

    オーストラリアでワーキングホリデーやアルバイトを考えている方にとって、気になるのが給料です。

    日本と比べて時給が高いと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。実際、オーストラリアの最低賃金は日本より高い水準にあります。

    ただし、求人広告に書かれている時給だけで仕事を選ぶのは少し注意が必要です。

    オーストラリアには、カジュアル(Casual)、パートタイム(Part-time)、フルタイム(Full-time)という雇用形態があり、それぞれ給与や有給休暇などの条件が異なります。

    また、レストランやホテル、小売店などでは、土曜日、日曜日、祝日に働くと通常より高い時給が適用される場合があります。

    例えば、平日の時給がA$33程度の仕事でも、日曜日にはA$46以上、祝日にはA$66以上になるケースがあります。

    一方で、雇用主から提示された金額が、その仕事に適用される最低賃金を下回っている場合もあります。ワーキングホリデーだからといって、最低賃金より安く働かなければならないという決まりはありません。

    この記事では、オーストラリアの最低賃金、カジュアル・パートタイム・フルタイムの違い、土日祝日の割増賃金、業種別の時給、実際の給与計算方法、給与明細の確認方法まで詳しく解説します。

    2026年7月1日から適用されている最新の賃金を使用し、オーストラリア政府の労働条件に関する公式情報をもとに説明します。

    カフェの求人を見ていたら、カジュアルは時給A$33、パートタイムはA$26くらいでした。同じ仕事なのに、どうしてこんなに違うのでしょうか?
    カジュアルには、通常25%のカジュアル・ローディングという上乗せ賃金があります。その代わり、一般的な有給休暇や病気休暇はありません。また、同じ仕事でも土日や祝日には時給が変わることがありますので、求人を見るときは雇用形態と適用される賃金規則も確認しましょう。




    オーストラリアの最低賃金はいくら?

    オーストラリアの最低賃金は、原則として毎年見直されています。

    2026年7月1日から適用されている全国最低賃金(National Minimum Wage)は、次のとおりです。

    項目 最低賃金
    成人の全国最低時給 A$26.44
    成人の全国最低週給 A$1,004.90
    カジュアルの最低時給 A$33.05
    適用開始 2026年7月1日以降の最初の完全な給与計算期間から

    ここで示した金額は、いずれも税引前の金額です。

    また、A$26.44という時給は、原則としてアワードや登録された労働協約の適用を受けない成人労働者の全国最低賃金です。

    全国最低週給のA$1,004.90は、週38時間の標準的な労働時間に対する公定金額です。時給表示は小数点以下2桁に丸められているため、表示時給を単純に38倍した金額とは端数が一致しません。

    すべての仕事の最低時給がA$26.44というわけではない

    ここは非常に重要です。

    オーストラリアでは、多くの仕事にアワード(Award)と呼ばれる業種別・職種別の賃金規則が適用されます。

    そのため、レストラン、ホテル、スーパー、建設業、農業などでは、それぞれの仕事に対応する最低賃金を確認する必要があります。

    例えば、ホテルのフロントスタッフとレストランの調理補助では、適用される賃金規則や職務等級が異なる場合があります。

    また、2026年の賃金改定では、多くのアワードの最低賃金が4.75%引き上げられました。

    新しい最低賃金は、原則として2026年7月1日以降に始まる最初の完全な給与計算期間から適用されています。

    給与の締め日によっては、7月1日その日からではなく、次の給与計算期間から適用される場合があります。

    公式情報:フェアワーク・オンブズマン:2026年最低賃金改定

    最低賃金は仕事によって違う?Awardの仕組み

    オーストラリアで働く際に知っておきたいのが、アワードという制度です。

    アワードは、一定の業種や職種の労働者について、最低賃金や労働条件を定めた法的な規則です。

    正式にはモダン・アワード(Modern Award)と呼ばれています。

    アワードには、最低時給だけでなく、次のような内容も定められています。

    • 職種・経験に応じた賃金等級
    • カジュアル雇用の時給
    • 土曜日・日曜日・祝日の割増賃金
    • 早朝・深夜勤務の手当
    • 残業代
    • 最低勤務時間
    • 休憩時間
    • 各種手当

    例えば、ワーキングホリデーで働く方が多い業種には、次のようなアワードがあります。

    仕事の種類 代表的な賃金規則
    レストラン・カフェ Restaurant Industry Award
    ホテル・宿泊施設 Hospitality Industry (General) Award
    スーパー・一般小売店 General Retail Industry Award
    果物・野菜の栽培・収穫 Horticulture Award
    建設関連 仕事内容に応じた建設業等のアワード

    ただし、仕事の場所や業務内容によっては、表とは別のアワードや企業別労働協約(Enterprise Agreement)が適用される場合もあります。

    例えば、同じ接客の仕事でも、ホテル内のレストランと独立したレストランでは、賃金規則が異なることがあります。

    職務等級にも注意

    アワードには、Level 1、Level 2、Level 3などの職務等級が設けられている場合があります。

    仕事の内容、責任、必要な技能、経験などによって適用される等級が決まります。

    例えば、簡単な清掃や補助業務と、専門的な調理や接客、管理業務では、最低賃金が異なることがあります。

    雇用主から提示された時給が正しいか確認するには、どのアワードの、どの職務等級が適用されるのかを把握することが大切です。

    カジュアル・パートタイム・フルタイムの違い

    オーストラリアで仕事を探していると、求人広告にCasual、Part-time、Full-timeという雇用形態が書かれています。

    日本でもアルバイト、パート、正社員などの区分がありますが、オーストラリアの制度は少し異なります。

    特に、日本で使う「パート」と、オーストラリアのPart-timeは必ずしも同じではありません。

    フルタイム

    フルタイムは、通常、週平均38時間働く雇用形態です。

    継続的な雇用を前提とする場合が多く、有給休暇や病気休暇などの権利があります。

    ただし、仕事内容やアワードによって具体的な勤務時間や勤務日の取り扱いは異なります。

    パートタイム

    パートタイムは、通常、週38時間より短い時間で、比較的規則的に働く雇用形態です。

    例えば、毎週月曜日から木曜日まで、1日5時間勤務するような働き方です。

    フルタイムと同様に、有給休暇や病気休暇などが勤務時間に応じて付与されます。

    カジュアル

    カジュアルは、継続的な仕事の提供について確約がなく、カジュアル特有の給与条件が適用される雇用形態です。

    仕事が忙しいときには多くのシフトに入れてもらえても、閑散期には勤務時間が減ることがあります。

    その代わり、通常はカジュアル・ローディングという賃金の上乗せがあります。

    項目 フルタイム パートタイム カジュアル
    勤務時間 通常週平均38時間 通常週38時間未満 勤務状況により変動
    勤務の継続性 通常は継続的 通常は継続的 継続的な仕事の確約がない
    有給の年次休暇 あり 比例付与 通常なし
    有給の病気・介護休暇 あり 比例付与 通常なし
    カジュアル上乗せ賃金 なし なし 通常25%
    スーパーアニュエーション 対象 対象 対象

    なお、カジュアルにも、家庭内暴力に関する有給休暇など、一部の法律上の休暇権利があります。「カジュアルには一切の休暇がない」という説明は正確ではありません。

    パートタイムは必ず時給が低い?

    カジュアルと比べると、通常の時間給は低いことがあります。

    しかし、パートタイムには有給休暇などがあるため、単純に時給だけで有利・不利を判断できません。

    一定の勤務日数が保証されていることや、収入の見通しを立てやすいこともメリットです。

    一方、ワーキングホリデーでさまざまな地域を移動しながら働きたい方にとっては、カジュアルが便利な場合もあります。

    カジュアルの時給が25%高い理由

    カジュアル雇用の特徴が、カジュアル・ローディング(Casual Loading)です。

    これは、一般的な有給休暇などを受けられないことや、雇用の不安定さを考慮して基本賃金に上乗せされる金額です。

    多くのアワードでは、基本時給に25%が加算されます。

    例えば、基本時給A$26.44の場合、次のようになります。

    A$26.44 × 1.25 = A$33.05

    つまり、基本時給A$26.44の仕事でも、25%のカジュアル・ローディングが適用されれば、通常時給はA$33.05になります。

    基本時給 25%上乗せ後
    A$26.44 A$33.05
    A$28.00 A$35.00
    A$30.00 A$37.50
    A$32.00 A$40.00

    ただし、この表は25%を上乗せする計算例であり、すべての職種に一律に適用される料金表ではありません。

    アワードや企業別労働協約によって、具体的な賃金計算方法や適用条件は異なります。

    カジュアルはシフトを自由に選べる?

    カジュアル雇用では、雇用主がシフトを提示し、従業員が受けるかどうかを判断する形もあります。

    ただし、すべてのカジュアルが好きな時間に自由に働けるわけではありません。

    シフトの通知方法や変更手続きは、雇用契約やアワードによって異なります。

    また、毎週同じ曜日に働いているからといって、それだけで自動的にパートタイムになるわけでもありません。

    長期間働いたらパートタイムに変更できる?

    2024年以降の制度変更により、一定の条件を満たすカジュアル労働者には、継続雇用への変更を求める手続きが設けられています。

    例えば、通常の事業者では6か月以上、小規模事業者では12か月以上働き、その他の条件を満たす場合、フルタイムまたはパートタイムへの変更を申し出られることがあります。

    ただし、勤務期間を満たせば自動的に変更される制度ではなく、法律上の条件や手続きがあります。

    ワーキングホリデーで同じ職場に長期間勤務する方は、確認しておいてもよいでしょう。

    公式情報:フェアワーク:カジュアル雇用の条件



    レストラン・ホテル・小売店の最低時給比較

    それでは、実際にワーキングホリデーで働く方が多い仕事の時給を比較してみましょう。

    以下は2026年7月1日からの公式アワードに基づく料金例です。

    いずれも成人の該当する職務等級について、通常の時間帯に働いた場合の最低時給を示しています。

    仕事・適用アワード フル・パート時給 カジュアル時給
    レストラン Level 1 A$26.44 A$33.05
    ホテル・宿泊業 Level 1 A$26.44 A$33.05
    小売業 Level 1 A$27.81 A$34.76
    園芸・収穫業 Level 1 A$25.74 A$32.18

    ※各アワードの成人Level 1を比較したもので、すべての従業員に同じ等級が適用されるわけではありません。園芸業のLevel 1など、短期間の入門的な等級には全国最低賃金とは異なる特別な最低賃金が認められています。

    レストランとホテルでは時給が同じ?

    表ではLevel 1の通常時給が同じですが、土日祝日の割増率や勤務時間の規則などが異なる場合があります。

    例えば、日曜日のカジュアル時給は、レストランとホテルで異なるケースがあります。

    また、レストランで接客を担当する人が、必ずLevel 1になるとは限りません。

    仕事内容や技能によってLevel 2以上が適用される場合もあります。

    小売店の仕事は?

    スーパーや小売店などでは、一般小売業のアワードが適用される場合があります。

    成人Level 1の通常カジュアル時給はA$34.76です。

    ただし、勤務する店舗や仕事内容によっては、別のアワードや企業別労働協約が適用されることもあります。

    農場の仕事は?

    果物や野菜の栽培・収穫などに適用されるホーティカルチャー・アワード(Horticulture Award)では、Level 1のカジュアル最低時給がA$32.18です。

    なお、このアワードでは経験に応じた等級の変更が定められており、通常、3か月を超える経験を持つ従業員には、Level 2以上が適用されます。

    一般的な「農場の仕事」という言葉だけで、すべて同じ賃金規則になるわけではありません。

    公式情報:フェアワーク:業種別最低賃金ガイド

    土曜日・日曜日・祝日の割増賃金

    オーストラリアの仕事で知っておきたいのが、ペナルティ・レート(Penalty Rates)です。

    これは、週末や祝日、通常とは異なる時間帯に働いた場合に適用される割増賃金のことです。

    日本語ではペナルティという言葉が少し不自然に感じられるかもしれませんが、従業員が罰金を支払うという意味ではありません。

    むしろ、条件に該当する勤務に対して給与が上乗せされる制度です。

    ホテル・宿泊業の具体例

    ホスピタリティ産業一般アワード(Hospitality Industry (General) Award)の成人Level 1について、フルタイム・パートタイムとカジュアルの通常勤務時給を比較してみましょう。

    勤務日 フル・パート カジュアル
    平日の通常時間 A$26.44 A$33.05
    土曜日 A$33.05 A$39.66
    日曜日 A$39.66 A$46.27
    祝日 A$59.49 A$66.10

    いずれも2026年7月1日からの成人Level 1の通常勤務に関する料金です。深夜・早朝の追加手当や残業など、別の条件がある場合は金額が変わります。

    例えば、ホテルでカジュアルとして働く場合、平日の通常時給がA$33.05でも、日曜日はA$46.27になります。

    祝日ならA$66.10です。

    祝日に6時間働いた場合、単純な税引前給与は次のようになります。

    A$66.10 × 6時間 = A$396.60

    もちろん、毎週祝日があるわけではありませんし、祝日に必ずシフトが入るとも限りません。

    ただし、週末勤務が多い仕事では、同じ勤務時間でも収入に違いが出ることが分かります。

    レストランのカジュアルは日曜日も同じ?

    ここで少し意外なのが、独立したレストランなどに適用されるレストラン産業アワード(Restaurant Industry Award)です。

    成人Level 1のカジュアルについては、次のような料金になります。

    勤務日 カジュアルLevel 1
    平日の通常時間 A$33.05
    土曜日 A$39.66
    日曜日 A$39.66
    祝日 A$66.10

    レストラン産業アワードでは、カジュアルのIntroductory~Level 2について、土曜日と日曜日の通常勤務割増率が同じです。

    一方、Level 3以上では日曜日の割増率が高くなります。

    つまり、レストランとホテルで同じ時給A$33.05の仕事でも、日曜日の給料が異なる場合があるということです。

    祝日ならどの仕事でも時給2.5倍?

    必ずしもそうではありません。

    割増率は適用されるアワード、雇用形態、勤務条件などによって異なります。

    また、一般的にカジュアルの休日割増率には、通常のカジュアル・ローディングが含まれています。

    例えば、祝日250%という料金に、さらに25%を上乗せするという意味ではありません。

    アワードで定められた最終的な時給を確認してください。

    参考:Hospitality Industry (General) Award

    参考:Restaurant Industry Award

    実際の給料はいくら?週20時間・30時間の計算例

    それでは、具体的にどのくらいの給料を受け取れるのか、勤務時間別に計算してみましょう。

    まずは、時給A$33.05のカジュアル雇用で、平日の通常時間帯だけ働く場合です。

    週の勤務時間 税引前の週給 4週間分
    15時間 A$495.75 A$1,983.00
    20時間 A$661.00 A$2,644.00
    25時間 A$826.25 A$3,305.00
    30時間 A$991.50 A$3,966.00

    これはすべて通常時間帯で働き、時給がA$33.05であると仮定した税引前の計算です。

    税金のほか、週末勤務、残業、各種手当などは考慮していません。

    週末勤務が入った場合

    次は、ホテルの成人Level 1のカジュアル従業員として、次のように働いたケースです。

    • 平日:20時間
    • 土曜日:6時間
    • 日曜日:4時間
    勤務日 時給 勤務時間 給与
    平日 A$33.05 20時間 A$661.00
    土曜日 A$39.66 6時間 A$237.96
    日曜日 A$46.27 4時間 A$185.08
    週30時間の税引前給与 A$1,084.04

    同じ30時間でも、すべて平日に働く場合のA$991.50と比べると、週A$92.54多くなります。

    4週間続けば、差額はA$370.16です。

    ただし、この例はすべての時間が通常勤務として認められ、残業や深夜手当が発生せず、各勤務日の最低勤務時間なども満たしていると仮定しています。

    実際の給与計算では、適用されるアワードやシフトの組み方を確認する必要があります。

    週30時間働けるとは限らない

    カジュアル雇用では、毎週同じ勤務時間が保証されているとは限りません。

    例えば、観光客の多い季節には週30時間以上働けても、閑散期には週15時間程度になる可能性があります。

    時給が高くても、勤務時間が少なければ収入は減ります。

    仕事を選ぶ際には、時給だけでなく、週に何時間程度の勤務が見込めるのかを確認することも重要です。



    残業代・深夜手当・休憩時間のルール

    オーストラリアでは、長時間働いた場合や深夜に働いた場合にも、アワードに基づく追加の賃金が必要になることがあります。

    ただし、日本の残業代の仕組みと同じではありません。

    残業代(Overtime)

    アワードによっては、通常の勤務時間を超えた場合、150%や200%などの残業割増率が適用されます。

    例えば、ホテルやレストランの一部の職務等級では、残業の最初の2時間は基本時給の150%、それ以降は200%などの規則があります。

    ただし、カジュアル雇用については、通常勤務時給と残業割増時給の計算方法が異なる場合があります。

    また、残業になるかどうかは、単純に1日8時間を超えたかどうかだけで判断するものではありません。

    週の通常勤務時間、1日の勤務上限、シフトの組み方など、適用されるアワードの規則を確認する必要があります。

    深夜・早朝の追加手当

    レストラン産業アワードでは、平日の午後10時から午前0時、午前0時から午前6時など、特定の時間帯に追加手当が設定されています。

    一方、ホテル・宿泊業のアワードでは、早朝や深夜の勤務について別の割増条件が設けられています。

    そのため、夜遅くまで営業するレストランやバーなどで働く場合は、基本時給だけでなく、深夜勤務の手当も確認しましょう。

    休憩時間も給料が出る?

    オーストラリアでは、食事休憩や短い休息時間について、アワードごとに規則が定められています。

    例えば、食事休憩は無給でも、短い休息時間は有給とされる場合があります。

    また、一定時間を超えて働く場合には、指定された休憩を取らせる必要があります。

    雇用主が休憩を認めずに働かせた場合、アワードによっては追加賃金が発生することもあります。

    休憩時間は業種によって異なるため、すべての仕事に同じルールがあると考えないようにしましょう。

    研修や開店準備の時間は無給?

    必要な研修、業務ミーティング、開店準備、閉店作業など、雇用主の指示によって働く時間は、通常、賃金支払いの対象になります。

    例えば、カフェの営業開始30分前に出勤して清掃や準備をするよう指示されている場合、その時間も労働時間として扱われることがあります。

    「お店が開いていない時間だから給料は出ない」という説明が、必ずしも正しいわけではありません。

    農場の仕事と歩合給の最低賃金

    ワーキングホリデーでは、セカンド・サードビザの取得を目指して農場で働く方もいます。

    農場の仕事では、通常の時給制と、収穫した量などによって給与が決まる歩合給(Piece Rate)があります。

    時給制のファームジョブ

    果物や野菜の栽培、収穫、選別、梱包などの仕事には、ホーティカルチャー・アワードが適用される場合があります。

    2026年7月1日からの成人Level 1の最低時給は、フルタイム・パートタイムでA$25.74、カジュアルでA$32.18です。

    ただし、Level 1は経験の少ない従業員向けの等級であり、通常3か月を超える経験がある場合にはLevel 2以上への変更が必要になります。

    また、ワイン用ブドウの収穫など、別のアワードが適用される業務もあります。

    歩合給にも最低賃金保証がある

    ホーティカルチャー・アワードでは、歩合給で働く人にも最低賃金保証が設けられています。

    例えば、成人Level 1のカジュアルとして7.6時間働いた場合、最低保証額は約A$244.57です。

    収穫量から計算した給与がこの金額に達しなかった場合でも、原則として最低保証額を支払う必要があります。

    反対に、歩合による計算額が最低保証額を超えている場合は、高い方の給与が適用されます。

    ただし、これはホーティカルチャー・アワードの対象となる歩合給の例です。すべての農業関連の歩合給に同じ規則があるわけではありません。

    仕事を始める前に確認すること

    農場で働く場合は、時給や歩合単価だけでなく、勤務日数、収穫量、住居費、送迎費用なども確認しておきましょう。

    歩合給の場合は、仕事を始める前に給与の計算方法を記載した書面を受け取る必要があります。

    また、給与明細も保存してください。

    公式情報:フェアワーク:農業の時給・歩合給・最低賃金

    21歳未満の最低賃金はどうなる?

    オーストラリアで働く方の中には、18歳や19歳でワーキングホリデーに来る方もいます。

    ここで注意したいのは、若い労働者に対して、成人とは異なる最低賃金が適用される場合があることです。

    オーストラリアでは、ジュニア・レート(Junior Rates)という年齢別の賃金制度が設けられているアワードがあります。

    例えば、レストランや小売業のアワードでは、年齢によって成人時給の一定割合が適用される場合があります。

    ただし、仕事によっては年齢別の賃金が適用されない場合もあります。

    また、成人の時給が適用される年齢はアワードによって異なります。

    全国最低賃金の年齢別計算例

    アワードや企業別労働協約が適用されない労働者については、21歳未満の年齢別最低賃金が定められています。

    2026年7月からの料金例は次のとおりです。

    年齢 フル・パート時給 カジュアル時給
    18歳 A$18.06 A$22.58
    19歳 A$21.82 A$27.28
    20歳 A$25.84 A$32.30
    21歳以上 A$26.44 A$33.05

    ※アワードや企業別労働協約が適用されない場合の年齢別全国最低賃金です。実際のレストラン、ホテル、小売店などの給与は、適用されるアワードで確認してください。

    20歳なら必ず21歳以上より安い?

    必ずしもそうではありません。

    アワードによっては、年齢にかかわらず特定の職務に成人時給を適用する場合があります。

    また、経験や職務等級によって時給が高くなることもあります。

    若い方が仕事を探す際には、求人広告に書かれた時給だけでなく、自分の年齢と仕事内容に適用される規則を確認しましょう。

    給料から引かれる税金とスーパーアニュエーション

    オーストラリアで働く場合、雇用主から提示される時給は通常、税引前の金額です。

    実際に銀行口座へ振り込まれる金額は、源泉徴収される所得税などによって変わります。

    ワーキングホリデーの所得税

    ワーキングホリデービザ417・462の渡航者には、一般的な給与源泉徴収として、ワーキングホリデー渡航者向けの税率が使われる場合があります。

    登録された雇用主による通常の源泉徴収では、年度内の対象給与A$45,000までは15%が基本です。

    ただし、これはすべての日本人ワーキングホリデー渡航者の最終所得税率が必ず15%になるという意味ではありません。

    日本はオーストラリアとの租税条約に差別禁止条項を持つ国のひとつであり、税務上のオーストラリア居住者に該当する場合には、通常の居住者向けの税率が適用されることがあります。

    最終的な税額は、税務上の居住者区分、所得、租税条約などによって異なります。

    また、雇用主がワーキングホリデー雇用主としてATOに登録していない場合には、給与源泉徴収の扱いが異なる場合があります。

    TFNの提出も忘れずに

    オーストラリアで働く際には、タックス・ファイル・ナンバー(Tax File Number/TFN)を雇用主へ提出することが一般的です。

    TFNを提出していない場合、一定の条件で通常より高い税率の源泉徴収が必要になる場合があります。

    詳しくは、関連記事「オーストラリアのTFN申請方法|ワーホリ到着後に無料で取得する手順と注意点」を参考にしてください。

    スーパーアニュエーションとは?

    スーパーアニュエーション(Superannuation)は、オーストラリアの退職年金制度です。

    日本の厚生年金と同じ制度ではありませんが、雇用主が従業員のために退職年金口座へ拠出する仕組みです。

    2026年10月現在、スーパーアニュエーションの基本的な雇用主拠出率は、対象となる給与の12%です。

    18歳以上で条件を満たす従業員については、カジュアル・パートタイム・フルタイムのいずれでも、原則として拠出対象になります。

    ワーキングホリデー渡航者も対象です。

    また、2026年7月1日から、給与支払日に合わせてスーパーアニュエーションを拠出するPayday Super制度が始まりました。

    雇用主は、給与支払日と同じタイミングで拠出の手続きを行い、原則として拠出額が7営業日以内に対象の基金へ到達するようにする必要があります。

    スーパーアニュエーションは給料から引かれる?

    通常、法律上必要な雇用主のスーパーアニュエーション拠出は、従業員の基本給与とは別に支払われます。

    ただし、求人に「Super Included」と表示されている場合には、提示金額にスーパーアニュエーション相当額が含まれている可能性があります。

    そのため、給与を確認する際には、次の違いに注意してください。

    • A$30 per hour + Super:時給A$30に加えてスーパーアニュエーションを拠出する条件
    • A$30 per hour including Super:スーパーアニュエーションを含む総額として提示されている条件

    もっとも、スーパーアニュエーション込みの表示であっても、実際に適用される最低賃金を下回る基本給与を設定してよいわけではありません。

    求人に応募するときは、提示金額が税引前の基本給与なのか、スーパーアニュエーションを含む総額なのか確認してください。

    公式情報:フェアワーク:給与の税金とスーパーアニュエーション

    給与明細の見方と確認するポイント

    オーストラリアで仕事を始めたら、給与が振り込まれるたびに給与明細(Payslip)を確認しましょう。

    雇用主は通常、給与支払日から1営業日以内に給与明細を発行する義務があります。

    給与明細は紙でも電子データでも構いません。

    ただし、必要な情報が記載されている必要があります。

    給与明細に記載される主な項目

    英語 意味
    Gross Pay 税引前給与
    Net Pay 税金等を引いた後の給与
    Ordinary Hours 通常勤務時間
    Hourly Rate 時給
    Casual Loading カジュアル上乗せ賃金
    Penalty Rate 土日祝日等の割増賃金
    Overtime 残業
    PAYG Withholding 給与から源泉徴収された税金
    Superannuation 退職年金への拠出
    Pay Period 給与計算の対象期間

    なお、これらの項目が必ずすべて独立した行として表示されるわけではありません。

    例えば、カジュアルの時給A$33.05には、すでに25%のカジュアル・ローディングが含まれている場合があります。

    その場合、給与明細に上乗せ部分が別行で表示されていなくても、必要な情報が記載されていれば問題ありません。

    勤務時間が合っているか確認する

    自分でも勤務時間を記録しておくことをおすすめします。

    例えば、次のような内容を記録しておくと便利です。

    • 勤務した日付
    • 勤務開始時刻
    • 勤務終了時刻
    • 休憩時間
    • 土日・祝日の勤務時間
    • 残業時間

    給与明細に記載された勤務時間と実際の勤務時間が異なる場合は、雇用主へ確認しましょう。

    給与明細が発行されない場合

    給与が現金で支払われている場合でも、給与明細の発行義務がなくなるわけではありません。

    「現金払いだから給与明細はない」という説明は、一般的な雇用では正しくありません。

    特にセカンド・サードワーホリを目指して指定労働を行っている場合、給与明細は重要な勤務証明のひとつになります。

    仕事を始めた段階から保存しておきましょう。

    公式情報:フェアワーク:給与明細の発行義務と記載項目

    最低賃金以下で働かされた場合は?

    オーストラリアでは、ワーキングホリデー渡航者や留学生も、通常の労働者と同様に労働法の保護を受けています。

    日本人だから、英語が十分に話せないから、短期間しか働かないからという理由で、適用される最低賃金を下回る給与に同意させることはできません。

    また、本人が同意したとしても、法律上の最低賃金を下回る契約が有効になるわけではありません。

    最低賃金を下回っているかもしれない例

    • 適用されるアワードの最低時給より低い金額で働いている
    • 土日祝日の割増賃金が必要なのに通常時給で計算されている
    • 勤務した時間の一部が給与に含まれていない
    • 必要な研修時間が無給になっている
    • 給与明細が発行されない
    • 雇用主が法律上認められない費用を給与から天引きしている

    トライアル勤務は無給でもよい?

    カフェやレストランなどでは、採用前にトライアル勤務(Trial Shift)を求められることがあります。

    仕事に必要な技能を短時間で確認するための試験的な作業であれば、無給が認められる場合があります。

    ただし、雇用主の監督のもとで、必要な技能を確認するために合理的な範囲で行われることが前提です。

    例えば、バリスタとして応募し、短時間だけコーヒーを作る技能を確認する場合などです。

    一方、通常の従業員と同じように数日間働かせたり、1週間無給で勤務させたりする場合は、賃金の支払いが必要になる可能性があります。

    「トライアルだから何日働かせても無給でよい」というわけではありません。

    ビザを取り消されることはある?

    最低賃金や労働条件について疑問がある場合、フェアワークへ相談することができます。

    オーストラリアでは、ビザを持つ外国人労働者にも労働上の権利があります。

    雇用主が労働者のビザを自由に取り消すことはできません。ビザの許可や取消しは、オーストラリア政府の権限です。

    労働条件に問題がある場合、英語が不安だからといって、相談することを諦める必要はありません。

    公式情報:フェアワーク:無給トライアルのルール

    自分の正しい時給を調べる方法

    自分が受け取るべき正しい最低賃金を調べるには、フェアワーク・オンブズマン(Fair Work Ombudsman)の公式サイトを利用するのが確実です。

    フェアワークでは、給与や労働条件を確認するためのペイ・アンド・コンディションズ・ツール(Pay and Conditions Tool/PACT)を無料で提供しています。

    PACTでは、仕事の種類、雇用形態、職務等級などを選択し、適用される最低時給や割増賃金を調べることができます。

    PACTの基本的な使い方

    1. フェアワークの給与計算ページを開く
    2. 従業員(Employee)として給与を確認する項目を選択する
    3. 業種・職種を指定し、適用されるアワードを調べる
    4. カジュアル・パートタイム・フルタイムを選ぶ
    5. 職務等級や年齢など、必要な条件を入力する
    6. 通常時給、土日祝日の割増賃金、残業代などを確認する

    仕事の種類が分からない場合は、雇用主に適用されるアワードと職務等級を確認してみましょう。

    なお、PACTは便利な計算ツールですが、最終的には適用されるアワードや企業別労働協約の規定が基準になります。

    フェアワーク公式:Pay and Conditions Tool

    日本語でも相談できる?

    フェアワークの公式サイトには、日本語で基本的な労働者の権利を説明するページがあります。

    また、電話で相談する場合には、通訳サービスを利用できる場合があります。

    給与や労働条件に関するフェアワークの相談電話は、13 13 94です。

    通訳が必要な場合は、翻訳・通訳サービス(Translating and Interpreting Service/TIS National)の131 450を利用し、フェアワークにつないでもらうこともできます。

    電話の利用可能時間などは変更される場合があるため、事前に公式サイトで確認してください。

    フェアワーク:日本語による労働者向け情報

    オーストラリアの最低賃金に関するよくある質問

    2026年のオーストラリアの最低時給はいくらですか?

    2026年7月1日からの全国最低賃金は、成人の対象労働者について時給A$26.44、週給A$1,004.90です。カジュアルで25%の上乗せが適用される場合は時給A$33.05です。ただし、業種別のアワードや企業別労働協約が適用される仕事では、それぞれの最低賃金を確認する必要があります。
    オーストラリアのカジュアルとパートタイムは何が違いますか?

    パートタイムは通常、週38時間未満で比較的規則的に働き、有給休暇などが勤務時間に応じて付与されます。カジュアルは継続的な仕事の確約がなく、通常25%の上乗せ賃金がありますが、一般的な有給年次休暇や有給病気休暇はありません。
    カジュアルの時給が高いのはなぜですか?

    カジュアルには、一般的な有給休暇などがないことや雇用の不安定さを考慮して、カジュアル・ローディングという上乗せ賃金が設けられています。多くのアワードでは基本時給の25%が加算されます。
    オーストラリアでは日曜日の時給は高くなりますか?

    多くのアワードでは、日曜日に割増賃金が適用されます。ただし、割増率は業種、職務等級、雇用形態によって異なります。例えば2026年7月からのホテル業Level 1の成人カジュアルでは、日曜日の通常勤務時給はA$46.27です。
    祝日に働くと時給は2.5倍になりますか?

    アワードによっては、カジュアルの祝日勤務に基本時給の250%が適用されます。ただし、すべての職種で同じ割増率が適用されるわけではありません。また、250%には通常カジュアル・ローディングが含まれているため、さらに25%を加算するわけではありません。
    ワーキングホリデーでも最低賃金は適用されますか?

    はい。ワーキングホリデーで働く外国人も、オーストラリアの労働法によって保護されています。雇用形態、仕事の種類、年齢などに応じて適用される最低賃金を受け取る権利があります。
    18歳や19歳でも大人と同じ最低時給ですか?

    仕事や適用されるアワードによって異なります。21歳未満に年齢別のジュニア賃金が適用される場合がありますが、職種や職務等級によって成人時給が適用されることもあります。
    農場の歩合給には最低賃金がありますか?

    ホーティカルチャー・アワードの対象となる歩合給労働者には、労働時間に応じた最低賃金保証があります。ただし、農業関連でも適用されるアワードによって規則が異なるため、実際の仕事の賃金規則を確認してください。
    給料明細を発行してもらえない場合はどうすればよいですか?

    オーストラリアでは、雇用主は通常、給与支払日から1営業日以内に給与明細を発行する義務があります。発行されない場合は雇用主へ確認し、必要に応じてフェアワークへ相談してください。
    アルバイトのトライアル勤務は無給でもよいですか?

    採用前に必要な技能を確認するため、監督下で合理的な短時間行うトライアルは無給が認められる場合があります。しかし、通常の業務として長時間働かせたり、技能確認に必要な範囲を超えたりする場合には、給与の支払いが必要になる可能性があります。
    自分の仕事の正しい最低賃金はどこで確認できますか?

    フェアワーク・オンブズマンの公式サイトにあるPay and Conditions Toolを利用すると、業種、雇用形態、職務等級などに応じた最低時給や土日祝日の割増賃金を調べられます。日本語の労働者向け案内も提供されています。



    まとめ|最低賃金だけでなく雇用形態と割増賃金を確認しよう

    オーストラリアの最低賃金は、2026年7月1日から、成人の対象労働者について時給A$26.44、週給A$1,004.90となっています。

    ただし、これはすべての仕事に一律適用される時給ではありません。

    レストラン、ホテル、小売店、農場などでは、業種別のアワードや企業別労働協約に基づいて賃金が決まる場合があります。

    また、オーストラリアの雇用形態には、カジュアル、パートタイム、フルタイムがあり、給与や有給休暇などの条件が異なります。

    カジュアルには通常25%の上乗せ賃金がありますが、一般的な有給休暇などがないことや、勤務時間が安定しない可能性も考えておきたいところです。

    土曜日、日曜日、祝日の勤務では、アワードに基づく割増賃金が適用されることもあります。

    そのため、仕事を選ぶ際には、時給だけを見るのではなく、雇用形態、週の勤務時間、土日祝日の割増賃金、適用されるアワードを合わせて確認することをおすすめします。

    また、仕事を始めた後は、給与明細を受け取り、自分の勤務時間や税金、スーパーアニュエーションなどを確認してください。

    ワーキングホリデーや留学中のアルバイトでも、最低賃金を含む労働者の権利は守られています。

    もし給与や労働条件に疑問がある場合は、フェアワークの公式サイトで調べたり、日本語の案内を利用したりすることができます。

    せっかくオーストラリアで働くのですから、正しい労働条件を理解し、安心して仕事を続けられる職場を選びましょう。

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  • オーストラリアのTFN申請方法|ワーホリ到着後に無料で取得する手順と注意点

    オーストラリアのTFN申請方法|ワーホリ到着後に無料で取得する手順と注意点

    オーストラリアへワーキングホリデーで到着したら、仕事探しと並行して早めに済ませておきたい手続きがあります。それが、タックス・ファイル・ナンバー(Tax File Number/TFN)の取得です。

    TFNは、オーストラリアで働いたときの税金を管理するために使われる個人の番号です。

    日本のマイナンバーと似た役割を持つ部分もありますが、オーストラリアでは給与の源泉徴収やタックスリターン(確定申告)、銀行口座、スーパーアニュエーション(退職年金)など、税金に関するさまざまな手続きで利用されます。

    ワーキングホリデーで働く予定がある方は、取得しておきたい番号です。

    「日本から申請できる?」「申請料金はいくら?」「オーストラリアの住所がまだ決まっていない場合は?」「TFNが届く前に仕事を始めても大丈夫?」など、初めての方には分かりにくい点もあるでしょう。

    実は、日本のパスポートと就労可能なワーキングホリデービザを持っている方なら、通常、オーストラリア到着後に政府の公式サイトから無料で申請できます。

    ただし、申請したその場で番号が発行されるわけではありません。TFNの通知書が届くまでには、最長28日程度かかる場合があります。

    この記事では、オーストラリアで初めて働く日本人向けに、TFNの申請条件、必要な情報、オンライン申請の手順、届くまでの期間、住所変更、仕事を始める際の注意点などを詳しく解説します。

    内容は2026年10月時点のオーストラリア税務局の公式情報をもとにしています。実際の申請画面は変更される場合がありますので、画面上の案内に従って手続きを進めてください。

    ワーホリでシドニーに到着しました。まだ仕事も住む場所も決まっていませんが、TFNを申請できますか?
    仕事が決まっていなくても申請できます。ただし、TFNの通知書を受け取れるオーストラリア国内の郵送先住所が必要です。最初の宿泊先などを使う場合は、郵便物を受け取れるか確認してから申請しましょう。




    TFNとは?ワーホリで必要になる理由

    TFNは、オーストラリア税務局(Australian Taxation Office/ATO)が発行する個人の税務番号です。

    通常9桁の数字で構成され、オーストラリアでの納税や退職年金などの手続きに使用されます。

    ワーキングホリデーでレストランやホテル、農場などで働く場合、雇用主は給与から所得税を源泉徴収し、ATOへ納付します。

    その際に、誰の給与に対する税金なのかを特定するために使われるのがTFNです。

    TFNは、主に次のような場面で利用されます。

    • オーストラリアで就職し、雇用主へ税務情報を提出するとき
    • 給与から正しい税額を源泉徴収してもらうとき
    • タックスリターンを行うとき
    • 銀行口座の利息に関する税務情報を登録するとき
    • スーパーアニュエーションの口座管理
    • ATOのオンラインサービスを利用するとき

    TFNがなくても働くこと自体が一律に禁止されるわけではありませんが、雇用主へ番号を提出できないまま所定の期間が経過すると、給与から高い税率で源泉徴収される可能性があります。

    そのため、オーストラリアで働く予定がある方は、到着後できるだけ早くTFNを申請することをおすすめします。

    TFNと日本のマイナンバーは同じ?

    どちらも個人を識別する番号という共通点はありますが、制度の目的や使用範囲は異なります。

    オーストラリアのTFNは、主に税金と退職年金に関する手続きのための番号です。

    運転免許証やパスポート、ビザの代わりになるものではありません。

    また、TFNを取得したからといって、オーストラリアで働く権利が新たに与えられるわけでもありません。就労できるかどうかは、保有するビザの条件によって決まります。

    TFNはいつ申請する?日本から取得できる?

    日本のパスポートを持つワーキングホリデー渡航者は、通常、外国パスポート保有者・一時滞在者向けのオンライン申請制度を利用します。

    この制度は、インディビジュアル・オート・レジストレーション(Individual Auto Registration/IAR)と呼ばれています。

    IARを利用する場合、次の条件を満たす必要があります。

    • オーストラリア国内にいること
    • 有効な外国パスポートなどを持っていること
    • 就労可能なビザなど、対象となる有効なビザを持っていること
    • ビザの情報がパスポートなどの渡航書類に関連付けられていること

    ワーキングホリデービザ417は、対象となる就労可能なビザです。

    日本にいる間に申請できる?

    原則として、ワーキングホリデー渡航者向けのIAR申請は、オーストラリアに入国してから行います。

    日本でワーキングホリデービザの許可を受けていても、それだけではIARを利用してTFNを申請できません。

    また、オーストラリア国外にいる人向けのTFN申請制度も別にありますが、これはオーストラリアで不動産収入などを得ている人など、異なる状況を想定した制度です。

    これから初めてワーキングホリデーに出発する方は、日本でパスポートやビザの情報を確認し、現地到着後に申請するのが一般的です。

    到着したその日に申請できる?

    基本的には入国後から申請できます。

    ただし、入国情報が税務局のシステムに反映されるまで、少し時間がかかる場合があります。

    2026年3月には、到着直後に申請しようとした人について、ATOが入国情報の更新に時間差が生じることがあると案内しています。

    到着直後に「オーストラリア国内にいない」といったエラーが出た場合は、数日後に再度試すか、ATOへ相談してください。

    また、申請には通知書を受け取るためのオーストラリア国内の住所が必要です。

    住所がまだ決まっていない場合は、郵便物を受け取れる場所を確保してから申請しましょう。

    TFN申請に必要なもの

    TFNを申請する前に、必要な情報を手元に用意しておくと手続きがスムーズです。

    外国パスポート保有者向けのオンライン申請では、オーストラリア内務省が持っているビザ情報などを利用して本人確認が行われます。

    そのため、通常は日本のパスポートやビザ情報を使ってオンラインで手続きできます。

    必要なもの・情報 内容
    日本のパスポート 旅券番号、氏名、生年月日など
    有効なビザ ワーキングホリデー417など、対象となるビザ
    オーストラリア国内の住所 現在の居住地と郵送先住所
    電話番号 連絡可能な電話番号
    メールアドレス 普段確認できるメールアドレス
    過去の税務情報 以前のTFNやABNなどがあればその情報
    その他の個人情報 過去の氏名、配偶者の情報など、該当する場合

    銀行口座は必要?

    TFNを申請するだけであれば、オーストラリアの銀行口座を開設済みである必要はありません。

    したがって、銀行口座の開設前でもTFNを申請できます。

    逆に、銀行口座の開設時にTFNを持っていなくても、後から銀行へ登録できる場合があります。

    雇用主が決まっていない場合は?

    仕事が決まっていなくても申請できます。

    むしろ仕事が見つかってから初めて申請するより、早めに申請しておく方が給与関係の手続きがスムーズになります。

    パスポートのコピーを郵送する必要はある?

    通常のIARオンライン申請では、パスポートの原本やコピーを郵送する必要はありません。

    ただし、オンラインで本人確認ができず、別の申請方法を案内された場合は、その方法に応じた書類が必要になることがあります。

    なお、オーストラリア市民・居住者向けの別のTFN申請方法では、郵便局での本人確認が必要な場合があります。ワーキングホリデー渡航者が利用するIARとは手続きが異なるため、混同しないようにしましょう。

    TFNのオンライン申請方法・手順

    それでは、実際のオンライン申請の流れを見てみましょう。

    申請は、オーストラリア税務局の公式サイトから行います。

    TFNの申請は無料です。政府の公式ページから申し込む場合、申請代行業者などを利用する必要はありません。

    STEP 1.ATOの公式サイトにアクセスする

    まず、次の公式ページへアクセスします。

    ATO公式:外国パスポート保有者・一時滞在者向けTFN申請

    ページ内の「Apply online for a TFN using the IAR」などの案内から申請画面へ進みます。

    申請画面の表示やボタンの名称は変更されることがありますので、現在の画面に従ってください。

    STEP 2.申請画面を開始する

    申請画面で説明を読み、「Start」を選択します。

    続いて、パスポート情報や個人情報を入力する画面へ進みます。

    入力する氏名、生年月日、パスポート番号などは、パスポートの記載と一致させてください。

    STEP 3.パスポート情報を入力する

    パスポート番号、発行国などを入力します。

    例えば、日本のパスポートなら、発行国としてJapanを選択します。

    ビザの情報は、パスポートに関連付けられた記録を通じて照合されます。

    STEP 4.個人情報を入力する

    氏名、生年月日、過去に使用した氏名、配偶者の情報など、画面で求められる項目を入力します。

    該当しない項目については、画面の案内に従って回答してください。

    過去にオーストラリアでTFNを取得したことがある方は、その情報についても正しく申告する必要があります。

    STEP 5.住所を入力する

    現在の居住地と郵送先住所を入力します。

    特に重要なのが、Postal Addressという郵送先住所です。

    TFNの通知書は、この住所へ郵送されます。

    郵便物を確実に受け取れる住所を使用してください。

    STEP 6.連絡先を入力する

    電話番号やメールアドレスなどを入力します。

    申請後にATOから連絡がある場合に備え、確認できる連絡先を使用しましょう。

    STEP 7.内容を確認して送信する

    最後に入力内容を確認します。

    氏名、パスポート番号、生年月日、住所などに誤りがないか、もう一度確認しましょう。

    問題がなければ、申告内容が正しいことを確認する欄にチェックを入れ、「Submit」を選択します。

    STEP 8.ATO Receipt IDを保存する

    申請を送信すると、受付番号であるATO Receipt IDが表示されます。

    この番号は、申請後の問い合わせなどで必要になることがあります。

    画面を閉じる前に、受付番号を記録するか、確認画面を保存しておきましょう。

    この受付番号はTFNそのものではありません。正式なTFNは、申請処理が完了した後に通知されます。

    申請にかかる時間は入力内容にもよりますが、ATOの案内では約20分が目安とされています。

    時間に余裕があるときに、落ち着いて手続きを進めるとよいでしょう。

    申請フォームの英語項目と入力時の注意点

    TFNのオンライン申請は英語なので、初めての方は少し戸惑うかもしれません。

    ただし、パスポートに関する基本情報や住所、連絡先などが中心です。

    よく使われる英語を確認しておきましょう。

    英語 意味
    Passport Number パスポート番号
    Country of Origin パスポートの発行国・国籍に関する項目
    Family Name 姓
    Given Name 名
    Date of Birth 生年月日
    Previous Name 以前使用していた氏名
    Residential Address 現在の居住地住所
    Postal Address 郵便物の送付先住所
    Contact Details 連絡先情報
    Spouse 配偶者・一定のパートナー
    Declaration 申告・確認事項
    Submit 送信する
    Receipt ID 申請受付番号

    これらは申請時によく使用される用語であり、現在の画面に表示されるすべての項目を示したものではありません。

    姓名を逆に入力しない

    日本人の場合、姓と名の順序を間違えないよう注意してください。

    Family Nameが姓、Given Nameが名です。

    パスポートに記載されているローマ字表記を確認し、正確に入力してください。

    また、結婚などによって過去に異なる氏名を使用していた場合は、その項目にも適切に回答します。

    生年月日の表示形式に注意

    オーストラリアの書類では、日付を日・月・年の順番で表示することがあります。

    例えば、1999年4月8日を08/04/1999と表示する形式です。

    日本で使う年月日の順序とは異なる場合があるため、画面上の指定された形式に従って入力してください。

    オーストラリアの住所の書き方

    郵送先住所には、通常、番地、道路名、サバーブ、州、郵便番号などを入力します。

    サバーブ(Suburb)は、都市の中の地区名に相当するものです。

    例えば、シドニー(Sydney)に滞在する場合でも、実際の宿泊先が市内のどのサバーブにあるのかによって、住所の記載が異なります。

    アパートやユニットに住む場合は、部屋番号と建物番号を区別して記載します。

    住所を誤るとTFNの通知書が届かない可能性があるため、宿泊先や賃貸契約書に記載された正式な住所を確認してください。

    住所が決まっていない場合はどうする?

    ワーキングホリデーでは、到着後すぐにシェアハウスが決まるとは限りません。

    最初はホステルやホテルに滞在しながら、仕事や住まいを探す方も多いと思います。

    しかし、TFNのオンライン申請では、通知書を受け取るためのオーストラリア国内の郵送先住所が必要です。

    ホステルやホテルの住所でも申請できる?

    宿泊施設が利用者宛ての郵便物を受け取り、保管してくれる場合は、その住所を郵送先として使用できることがあります。

    ただし、すべての宿泊施設が郵便物の受け取りに対応しているわけではありません。

    申請する前に、フロントなどで確認してください。

    また、TFNが届く前にチェックアウトする場合は、郵便物の保管や転送が可能かも確認する必要があります。

    知人宅の住所を使用してもよい?

    オーストラリアに知人や家族がいて、本人宛ての郵便物を確実に受け取れる場合は、郵送先として使用できることがあります。

    ただし、現在の居住地を入力する欄には、実際の状況を正確に記載する必要があります。

    郵送先住所と居住地住所は、必ずしも同じである必要はありません。

    申請直後に引っ越す予定の場合

    TFNの通知書は、申請時に登録されたオーストラリア国内の郵送先住所へ送られます。

    引っ越しの予定がある場合、通知書を受け取れなくなる可能性があります。

    郵便物を確実に受け取れる住所を使うか、必要に応じてATOへ住所の変更方法を確認してください。

    特に、最初の宿泊先に数日しか滞在しない方は注意が必要です。

    申請を急ぐことも大切ですが、それ以上に、TFNの通知書を確実に受け取れる郵送先を確保することが重要です。



    TFNが届くまで何日?28日を過ぎても来ない場合

    TFNのオンライン申請を行った後は、ATOによる処理を待ちます。

    ATOの公式案内では、TFNの通知書がオーストラリア国内の郵送先住所へ届くまで、最長28日程度かかる場合があるとされています。

    早く届くケースもありますが、必ず数日以内に受け取れるとは限りません。

    特に仕事を探している方は、申請から発行までの時間を見込んでおきましょう。

    TFNはメールで届く?

    外国パスポート保有者向けのIAR申請では、通常、TFNを記載した通知書がオーストラリア国内の郵送先住所へ送られます。

    申請時にメールアドレスを登録したからといって、正式な番号が必ずメールで送られてくるわけではありません。

    また、申請完了時のReceipt IDは、TFNとは別の番号です。

    雇用主へ提出する際には、正式なTFNを使用してください。

    28日を過ぎても通知書が届かない場合

    ATOは、申請から28日経過しても通知書が届かない場合、受付番号を用意して問い合わせるよう案内しています。

    問い合わせの際には、次の情報を手元に用意しておくとよいでしょう。

    • 申請時のATO Receipt ID
    • パスポート番号
    • 氏名・生年月日
    • 申請時に使用した郵送先住所
    • 申請日

    税務局の個人向け問い合わせ窓口は、オーストラリア国内から13 28 61です。

    電話の受付時間は変更されることがあるため、利用前に公式サイトで確認してください。

    通知が遅いので、もう一度申請してもよい?

    これは避けてください。

    ATOは、TFNを待っている間に重複申請をすると、かえって処理が遅れる可能性があると案内しています。

    番号が届かない場合は、同じ申請を繰り返すのではなく、受付番号を使って問い合わせましょう。

    公式情報:ATO:TFNの申請条件と受け取り方法

    TFNが届く前に仕事を始められる?

    オーストラリアへ到着してすぐに仕事が決まった場合、まだTFNの通知書が届いていないこともあるでしょう。

    そんなときに心配になるのが、TFNがなければ仕事を始められないのかという点です。

    結論からいうと、TFNがまだ届いていなくても、適切な就労可能ビザを持っていれば、仕事を始めることは可能です。

    TFNは税務上の番号であり、就労許可そのものではありません。

    ただし、給与の源泉徴収を適切に行うため、雇用主にはTFNの取得状況を知らせる必要があります。

    TFN申請中であることを雇用主に伝える

    仕事を始める際には、雇用主からタックス・ファイル・ナンバー・デクラレーション(Tax file number declaration)という税務申告の手続きを案内されることがあります。

    現在は電子的に手続きする職場もありますが、目的は同じです。

    TFNを申請済みで番号を待っている場合は、その旨を正しく申告します。

    この申告によって、通常、申請中であることを雇用主へ伝えた後、28日間はTFNの提出を待ってもらえる仕組みがあります。

    ただし、雇用主の給与処理や源泉徴収は、申告した内容と適用される税務規則に従って行われます。

    仕事が決まったら何を伝える?

    英語で説明する場合は、次のように伝えることができます。

    I have already applied for a Tax File Number, but I haven’t received it yet.

    「すでにTFNを申請していますが、まだ受け取っていません」という意味です。

    さらに、

    I’ll provide my TFN as soon as I receive it.

    「届き次第、TFNを提出します」と伝えればよいでしょう。

    TFNが届いたら、雇用主へ速やかに提出してください。

    申請前でも仕事を始められる?

    仕事を始めるために、TFNを事前取得することが法律上一律に義務付けられているわけではありません。

    ただし、TFNを申請していない場合と、すでに申請して番号を待っている場合では、税務上の取り扱いが異なります。

    高い源泉徴収税率が適用されることを避けるためにも、到着後早めに申請することをおすすめします。

    TFNがないと税金は高くなる?

    TFNを申請しておきたい理由のひとつが、給与から源泉徴収される税金です。

    オーストラリアのワーキングホリデー渡航者には、通常の居住者とは異なる給与源泉徴収の仕組みがあります。

    ワーキングホリデー渡航者を雇用する事業者としてATOへ登録している雇用主は、一般的に、年間A$45,000までの対象給与から15%の税金を源泉徴収します。

    ただし、この税率は、すべての状況で必ず適用されるという意味ではありません。

    雇用主の登録状況、TFNの申告状況、税務上の居住者判定、租税条約の適用などによって、税務上の取り扱いが異なる場合があります。

    TFNを提出していない場合

    TFNを提出しておらず、申請中であることや提出免除の条件も申告していない場合、雇用主は通常より高い税率で源泉徴収する必要があります。

    ATOの一般的な規則では、外国居住者に該当する従業員がTFNを提出していない場合、45%の源泉徴収が必要になることがあります。

    ただし、TFNをすでに申請し、所定の申告を行っている場合には、通常28日間の猶予があります。

    状況 一般的な取り扱い
    TFNを提出済み 適用される税務条件に従って源泉徴収
    TFN申請中と正しく申告 通常28日間の提出猶予
    TFN未提出・申請中の申告なし 高い税率での源泉徴収対象となる場合がある
    申請中の申告後28日を超えても未提出 高い税率での源泉徴収が必要となる場合がある

    源泉徴収された税金は戻ってくる?

    給与から必要以上に税金が差し引かれていた場合、年度終了後のタックスリターンによって精算されることがあります。

    ただし、必ず全額が返金されるわけではありません。

    年間の所得、源泉徴収額、税務上の居住者区分、租税条約などによって最終的な税額が決まります。

    また、雇用主が適切に源泉徴収していても、追加の税金が発生する場合もあります。

    TFNを取得し、雇用主へ正しく提出しておけば、給与の税務処理を適切に進めやすくなります。

    公式情報:ATO:TFN Declaration

    公式情報:ATO:給与源泉徴収の計算ツール



    TFNを雇用主へ提出する方法

    TFNの通知書が届いたら、次は雇用主へ番号を伝えます。

    通常、仕事を始めるときには、給与の支払いに必要な情報を提出するよう求められます。

    主なものは、次のような情報です。

    • 氏名、住所、生年月日
    • 銀行口座情報
    • TFN
    • 税務上の居住者区分などに関する申告
    • スーパーアニュエーションに関する情報

    TFNは、雇用主から案内された正式な給与・税務書類、または安全なオンラインシステムを通じて提出してください。

    仕事を変えるたびに提出する?

    はい。新しい雇用主に対しても、給与の税務処理に必要な情報を提出します。

    ただし、転職するたびに新しいTFNを取得する必要はありません。

    同じ番号を使用できます。

    また、雇用主からTFN Declarationの提出を求められた場合、前職の情報をそのまま使い回すのではなく、新しい雇用関係に応じて手続きを行ってください。

    雇用主がTFNを登録しているか確認する

    初回の給与が支払われたら、給与明細(Payslip)を確認しましょう。

    給与明細には、通常、税引前の給与、源泉徴収された税金、実際の支払額などが記載されています。

    TFNを提出したのに予想以上の税金が差し引かれている場合は、雇用主の給与担当者へ確認してください。

    なお、税額はTFNの提出だけで決まるものではなく、給与や雇用主の登録状況などによっても変わります。

    TFNとABNの違い

    オーストラリアの仕事探しでは、TFNのほかにABNという番号を求められることがあります。

    この2つは役割が異なります。

    ABNは、オーストラリアン・ビジネス・ナンバー(Australian Business Number)の略で、事業者を識別するための番号です。

    TFNは個人の税務番号、ABNは事業者の識別番号と考えると分かりやすいでしょう。

    項目 TFN ABN
    正式名称 Tax File Number Australian Business Number
    主な目的 個人の税務管理 事業者の識別
    一般的なアルバイト 通常使用する 通常不要
    個人事業主 税務申告などで使用 事業内容により必要
    番号の桁数 通常9桁 11桁

    レストランでアルバイトする場合は?

    レストランやホテルなどに従業員として雇用される場合は、通常、TFNを使用して給与の源泉徴収が行われます。

    このような一般的な雇用で、ABNを取得する必要はありません。

    ABNで働くよう求められた場合

    配達、清掃、建設関連など、一部の仕事では、個人事業主としてABNを使って働くケースがあります。

    ただし、雇用主が「ABNを取れば税金や退職年金を払わなくてよい」と考えて、実際には従業員に当たる人を個人事業主として扱うことは問題になります。

    これは偽装請負(Sham Contracting)と呼ばれる場合があります。

    ABNで働く場合は、給与所得者と異なり、自分で税金を管理する必要が生じることもあります。

    また、事業者としての責任や保険などについても確認が必要です。

    ワーキングホリデーの仕事探しでABNが必要と言われた場合は、本当に独立した事業者として働く契約なのか、事前に確認してください。

    参考:フェアワーク・オンブズマン(Fair Work Ombudsman):個人事業主と従業員の違い

    セカンドワーホリや転職でも同じTFNを使える?

    一度取得したTFNは、基本的に生涯使用する個人の税務番号です。

    したがって、オーストラリア国内で転職しても、新しいTFNを取得する必要はありません。

    また、シドニーからメルボルン(Melbourne)へ引っ越した場合も、同じ番号を使用します。

    セカンド・サードワーホリの場合

    初回ワーキングホリデーでTFNを取得し、その後セカンド・サードワーホリへ進む場合も、原則として同じTFNを使用します。

    新しいビザを取得するたびに、TFNを申請し直す必要はありません。

    いったん日本に帰国した場合

    例えば、初回ワーキングホリデーを終えて日本へ帰国し、翌年セカンドワーホリでオーストラリアへ戻る場合も、以前取得したTFNを使用します。

    日本へ帰国したからといって、TFNが自動的に失効するわけではありません。

    パスポートを更新した場合

    TFNは個人に割り当てられる番号なので、パスポートを更新しても新しいTFNが必要になるわけではありません。

    ただし、ATOに登録されている氏名や連絡先などが変わった場合には、必要に応じて登録情報を更新してください。

    ビザの種類が変わった場合

    ワーキングホリデーから学生ビザや別の就労ビザへ変更した場合も、TFNはそのまま使用できます。

    ただし、税務上の居住者区分や給与源泉徴収の取り扱いは、状況によって変わる場合があります。

    ビザの種類が変わったときには、必要に応じて雇用主へ新しい情報を伝えてください。

    TFNを忘れた・紛失した場合の確認方法

    以前オーストラリアで働いたことがある方の中には、TFNを取得したものの、番号を忘れてしまったという方もいるでしょう。

    その場合は、改めて別の番号を申請するのではなく、以前のTFNを確認します。

    過去の書類を確認する

    TFNが記載されている可能性のある書類には、次のようなものがあります。

    • ATOから届いたTFN通知書
    • 以前のタックスリターン関係書類
    • ATOの税務通知書
    • 税理士が作成した申告書類
    • 一部のスーパーアニュエーション関連書類

    給与明細などにはTFNの一部しか表示されていない場合や、番号が記載されていない場合もあります。

    マイガブ(myGov)で確認する

    オーストラリア政府のオンラインサービスであるマイガブに、ATOのサービスを連携している場合は、オンラインでTFNを確認できます。

    ATOのオンラインサービスにログインし、番号を確認する機能を利用してください。

    ATOへ問い合わせる

    オンラインで確認できない場合や、以前の書類が残っていない場合は、ATOへ問い合わせる方法があります。

    本人確認が必要になるため、パスポートなどの身分証明情報を用意しておきましょう。

    また、TFNを紛失した場合に、自分の判断で新しい申請を繰り返すことは避けてください。

    TFNは、転職や帰国、引っ越しによって新しい番号へ変わるものではありません。

    オーストラリア政府:TFNの取得と確認

    TFNの詐欺・個人情報保護に注意

    TFNは、税金に関する重要な個人情報です。

    申請や仕事探しの際には、番号を安易に第三者へ渡さないようにしましょう。

    TFNの取得は無料

    ATOの公式申請では、TFNの取得料金はかかりません。

    インターネット上にはTFNの申請を代行するサービスもありますが、政府の正式な申請料金が必要というわけではありません。

    自分で手続きできる方は、ATOの公式サイトから申請すれば十分です。

    仕事に応募する段階でTFNを要求されたら?

    TFNは、採用後に雇用主が給与の税務処理を行う際など、正当な必要がある場合に提出するものです。

    ATOは、採用される前の求人応募書類にTFNを記載しないよう案内しています。

    求人への応募段階でTFNを求められた場合は、その目的や提出先を確認してください。

    電話やSMSでTFNを聞かれた場合

    ATOや政府機関を名乗る電話、SMS、メールによる詐欺にも注意が必要です。

    例えば、「TFNに問題がある」「すぐに支払わなければ逮捕される」「リンクから個人情報を入力するように」といった連絡は、詐欺の可能性があります。

    不審な連絡を受けた場合は、メッセージ内のリンクや電話番号をそのまま使用せず、ATOの公式サイトから問い合わせ先を確認してください。

    TFNの写真をSNSなどへ公開しない

    TFNの通知書には重要な個人情報が含まれています。

    通知書をSNSへ投稿したり、知人とのグループチャットに画像を共有したりすることは避けましょう。

    また、雇用主へ提出する場合も、必要以上に多くの人が閲覧できる方法は避け、正式な提出方法を利用してください。

    公式情報:ATO:税務情報と個人情報の保護

    オーストラリアのTFN申請に関するよくある質問

    オーストラリアのTFNは日本から申請できますか?

    ワーキングホリデー渡航者が通常利用する外国パスポート保有者向けのIARオンライン申請は、オーストラリア入国後に行います。日本でワーキングホリデービザが許可されていても、入国前にこの方法で申請することはできません。
    TFNの申請料金はいくらですか?

    オーストラリア税務局の公式サイトから申請する場合、TFNの取得は無料です。ワーキングホリデー渡航者は通常、対象となる就労可能ビザを持っていれば、オーストラリア到着後にオンライン申請できます。
    TFNは申請してから何日で届きますか?

    ATOの案内では、オンライン申請後、TFNの通知書がオーストラリア国内の郵送先住所へ届くまで最長28日程度かかる場合があります。28日を過ぎても届かない場合は、ATO Receipt IDを用意して税務局へ問い合わせてください。
    TFNが届いていなくてもアルバイトを始められますか?

    はい。TFNがまだ届いていなくても、就労可能なビザを持っていれば仕事を始めることは可能です。TFNをすでに申請した場合は、雇用主へ申請中であることを正しく申告してください。通常、番号の提出まで28日間の猶予があります。
    TFNがないと給与から45%の税金が引かれますか?

    TFNを提出せず、申請中であることや免除の条件も申告していない場合、外国居住者に該当する従業員では45%の源泉徴収が必要になることがあります。ただし、TFNを申請中で所定の申告を行っている場合には、通常28日間の提出猶予があります。
    オーストラリアの住所が決まっていなくてもTFNを申請できますか?

    申請にはオーストラリア国内の郵送先住所が必要です。ホステルやホテルなどが郵便物を受け取ってくれる場合は、その住所を使用できることがあります。通知書が届くまで確実に受け取れるか、事前に確認してください。
    TFNの申請にはオーストラリアの銀行口座が必要ですか?

    通常、TFNのオンライン申請自体に銀行口座は必要ありません。就労可能なビザ、パスポート情報、オーストラリア国内の住所、連絡先などを準備して申請します。
    セカンドワーホリで再入国するとき、新しいTFNが必要ですか?

    いいえ。TFNは基本的に生涯使用する番号です。セカンド・サードワーホリで再入国する場合や、別の都市へ引っ越す場合、転職する場合も、以前取得した番号を使用できます。
    TFNを忘れてしまった場合はどうすればよいですか?

    以前のTFN通知書やタックスリターン関係書類を確認してください。マイガブにATOのオンラインサービスを連携している場合は、オンラインで確認できます。分からない場合はATOへ問い合わせてください。
    TFNとABNは何が違いますか?

    TFNは個人の税務番号、ABNは事業者を識別するための番号です。レストランやホテルなどに従業員として雇用される場合は通常TFNを使用し、ABNは必要ありません。個人事業主として働く場合は、事業内容に応じてABNが必要になることがあります。



    まとめ|TFNはワーホリ到着後、早めに無料申請しておこう

    オーストラリアでワーキングホリデーを始める方にとって、TFNは仕事や税金の手続きに欠かせない番号です。

    日本国籍者で、就労可能なワーキングホリデービザを持っている場合、通常はオーストラリア到着後にATOの公式サイトから無料で申請できます。

    申請に必要なのは、主にパスポート情報、個人情報、オーストラリア国内の住所、連絡先などです。

    正式なTFNが郵送されるまでには最長28日程度かかる場合があるため、仕事が決まってからではなく、到着後早めに手続きを進めるとよいでしょう。

    ただし、郵送先が決まっていない場合は、通知書を確実に受け取れる住所を確保してから申請してください。

    TFNが届く前に仕事が決まった場合も、就労可能なビザがあれば働くことは可能です。雇用主にはTFNを申請中であることを正しく伝え、番号が届き次第提出しましょう。

    また、TFNは一度取得すれば、転職、引っ越し、セカンド・サードワーホリなどでも引き続き使用できます。

    申請は無料なので、必要のない代行料金を支払う必要はありません。公式サイトを使用し、重要な個人情報であるTFNを安全に管理してください。

    オーストラリアへ到着したら、郵送先の確保、TFNの申請、銀行口座の開設を早めに進めておくと、仕事探しから給与の受け取りまでスムーズに準備できます。

    これからワーキングホリデーを始める方は、仕事が見つかる前の時間を使って、こうした基本的な手続きを済ませておきましょう。

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  • オーストラリアのワーホリにはいくら必要?渡航前費用と現地生活費を徹底比較

    オーストラリアのワーホリにはいくら必要?渡航前費用と現地生活費を徹底比較

    オーストラリアへワーキングホリデーに行くことを決めたら、次に考えなければならないのがお金の問題です。

    「貯金はいくらあればいい?」「現地で働けば生活費は稼げる?」「シドニーとメルボルンでは、どちらの生活費が安い?」など、渡航前に気になることはたくさんあります。

    インターネットで調べると「50万円あれば十分」という話もあれば、「100万円以上用意した方がよい」という意見も見かけます。

    実際のところ、必要な資金はどの都市で暮らすか、どんな住居を選ぶか、渡航してからどのくらいで仕事が見つかるかによって大きく変わります。

    オーストラリアのワーキングホリデービザでは、初期滞在資金として一般的にA$5,000程度が目安とされています。しかし、これはオーストラリアでの生活を始めるために必要な費用のすべてを意味するわけではありません。

    例えば、仕事が見つかるまでの生活費に加えて、シェアハウスの保証金、最初の宿泊費、携帯電話、交通費なども必要です。さらに、ビザ申請料金や航空券、医療保険など、出発前に支払う費用もあります。

    この記事では、日本からオーストラリアへ初めてワーキングホリデーに行く方を対象に、渡航前の準備費用、現地の生活費、都市ごとの違い、アルバイト収入、必要な貯金額まで、具体的な数字を使って解説します。

    料金や賃料は変動するため、政府が公表している実際の料金と、予算を組むために設定した仮定金額を分けて紹介します。旅行計画や資金準備の参考にしてください。

    ワーホリに行くために貯金しています。政府の案内にA$5,000必要とありますが、それだけあれば生活を始められますか?
    A$5,000はビザの資金要件で示されている一般的な目安です。現地では家賃や保証金などの支払いがあり、仕事もすぐに見つかるとは限りません。できれば2~3か月分の生活費と住居の初期費用を計算し、出国するためのお金も別に確保しておきましょう。




    ワーホリの資金はA$5,000あれば十分?

    まず、オーストラリア政府が案内している必要資金について確認しましょう。

    日本国籍者が一般的に申請するワーキングホリデービザは、サブクラス417(Subclass 417)です。

    オーストラリア内務省(Department of Home Affairs)では、初期滞在費として通常A$5,000程度の資金を持っていることを求めています。

    さらに、オーストラリアを出国するための航空券、またはその航空券を購入できる資金が必要です。

    ここで注意したいのが、次の3つは別のものだという点です。

    項目 意味
    初期滞在資金A$5,000程度 現地生活を始めるための資金要件の目安
    出国用の航空券または購入資金 滞在終了時にオーストラリアを出国するための備え
    ビザ申請料金 政府へ実際に支払う申請手数料

    A$5,000は、政府へ預けたり支払ったりするお金ではありません。自分が生活するための資金です。

    また、A$5,000という数字は、現地で希望する仕事や住居が見つかるまでの生活を保証する金額ではありません。

    例えば、家賃が週A$350の部屋を借りて、食費や交通費などを含めて週A$600使う生活なら、A$5,000は約8週間分の支出に相当します。

    しかも、シェアハウスの保証金や出国用の航空券代を別に考えなければなりません。

    ビザの申請要件を満たすための資金と、安心してワーホリ生活を始められる資金は分けて考える必要があります。

    特に、渡航後に英語学校へ通う予定の方や、しばらく観光を楽しみたい方は、仕事による収入がない期間を長めに見込んでおきましょう。

    公式情報:オーストラリア内務省:ワーキングホリデービザ417

    日本出発前に必要な費用はいくら?

    オーストラリアでの生活費を考える前に、まず日本を出発するまでにどのくらい費用がかかるのか整理しましょう。

    渡航前に発生する主な費用は、ビザ申請料金、航空券、医療保険、渡航準備用品などです。

    ビザ申請料金

    2026年10月時点の初回ワーキングホリデービザ417の申請料金はA$840です。

    この金額はオーストラリア政府が公表している実際の料金です。

    決済方法によっては追加の手数料がかかる場合があります。また、必要に応じて健康診断や書類翻訳などの費用が発生することもあります。

    航空券

    日本からオーストラリアへの航空券は、渡航時期や利用する航空会社、到着都市によって大きく変わります。

    シドニーやメルボルンのような大都市へ向かう場合と、地方都市へ乗り継ぐ場合とでは、必要な費用が異なります。

    また、受託手荷物の料金や、出発日を変更できる航空券かどうかも確認しておきたいところです。

    渡航する時期が決まっていない段階では、予算計算用として片道航空券A$1,000などの仮定を置き、実際の運賃が分かった段階で置き換えるとよいでしょう。

    なお、内務省はワーキングホリデービザの許可前に航空券などを確定手配しないよう案内しています。

    医療・旅行保険

    日本からの一般的なワーキングホリデー滞在者は、通常、オーストラリアの公的医療制度であるメディケア(Medicare)を利用できません。

    そのため、病気やけがによる医療費に備える保険は非常に重要です。

    保険料は、加入期間、補償限度額、免責額、携行品・賠償責任などの付帯補償によって大きく異なります。

    特に仕事をする予定がある場合は、就労中の事故や作業内容による補償制限を確認してください。

    ワーキングホリデーのために保険を比較するときは、短期旅行者向けの保険と混同しないことも大切です。

    渡航準備用品

    そのほか、必要に応じて次のような費用もかかります。

    • スーツケース・バックパック
    • 電源プラグ変換アダプター
    • 常備薬や身の回り品
    • 書類の発行・翻訳
    • 国際運転免許証など、現地での運転に必要な書類
    • 預け荷物の追加料金

    すべてを日本で買いそろえる必要はありません。現地で簡単に購入できる日用品も多いため、持ち物を増やしすぎないようにしましょう。

    出発前費用の試算

    次の表は、一般的な初回ワーキングホリデーを想定した計算例です。

    項目 試算金額
    初回ビザ申請料金(公式) A$840
    片道航空券(仮定) A$1,000
    医療・旅行保険(仮定) A$850
    渡航準備・手荷物等(仮定) A$350
    合計 A$3,040

    この例では、日本を出発するまでにA$3,040が必要になります。

    ただし、A$840のビザ料金以外は予算計算用の仮定額です。航空券や保険の実売価格を示したものではありません。

    また、ここには現地で使う生活資金は含まれていません。

    到着直後に必要となる初期費用

    オーストラリアへ到着すると、住む場所が決まるまでの宿泊費や交通費などがかかります。

    ワーキングホリデーでは、到着した当日からシェアハウスに入居できるとは限りません。

    まず数日間はホステルや短期宿泊施設に泊まり、部屋を見学してから契約する方も多いと思います。

    最初の宿泊費

    到着後の宿泊先としては、ホステル、バックパッカーズ、格安ホテル、短期賃貸などがあります。

    最初の5~7泊程度を仮予約しておくと、住居探しに余裕を持てます。

    例えば、1泊A$75の宿泊施設に6泊するなら、宿泊費はA$450です。

    ただし、これは計算例です。大都市の中心部や混雑期には、この金額より高くなる場合があります。

    空港からの移動

    到着後は、空港から宿泊施設までの移動費用も必要です。

    鉄道やバスを使えば比較的安く移動できる場合がありますが、大きなスーツケースを持っている場合は、タクシーや空港送迎を利用した方が便利なこともあります。

    宿泊先の場所と到着時間を確認し、移動手段を決めておきましょう。

    携帯電話・通信

    現地で住居や仕事を探すには、携帯電話とインターネット接続が欠かせません。

    プリペイドSIMやeSIMを利用できる携帯電話なら、長期契約を結ばずに使い始められます。

    ただし、通信容量、利用期間、オーストラリア国内通話の条件、地方での通信エリアは会社やプランによって異なります。

    仕事探しに使う電話番号を早めに確保しておくと便利です。

    生活用品

    シェアハウスが決まった後も、寝具、調理用品、洗剤、日用品などを購入する必要があるかもしれません。

    家具付きの部屋でも、どこまで備品が含まれているかは物件によって異なります。

    入居時にまとめて購入することになれば、思わぬ出費になることもあります。

    日本からの持ち物と現地で必要なものを整理し、最初の生活用品代も予算に入れておきましょう。

    シェアハウスの家賃・ボンド・前払い家賃

    オーストラリアで生活費の大きな割合を占めるのが家賃です。

    ワーキングホリデーでは、住居費を抑えるためにシェアハウス(Share House)を利用する方が多くいます。

    シェアハウスは、キッチンやリビング、バスルームなどを複数の人で共同利用する住まいです。

    部屋の種類には、1人で使う個室と、複数人で使う相部屋があります。

    相部屋は比較的安くなりますが、プライバシーや生活時間の違いに気を使うこともあります。

    家賃は週単位で表示されることが多い

    オーストラリアの賃貸物件では、家賃が1週間当たりの金額で表示されることが一般的です。

    例えば、週A$300の部屋なら、4週間でA$1,200です。

    ただし、1か月は必ずしも4週間ではありません。

    年間52週間を12か月で割ると、1か月は平均約4.33週間になります。

    そのため、週A$300の家賃なら、1か月平均は約A$1,300と考える方が正確です。

    週の家賃 4週間分 1か月平均
    A$250 A$1,000 約A$1,083
    A$300 A$1,200 約A$1,300
    A$350 A$1,400 約A$1,517
    A$400 A$1,600 約A$1,733

    ボンド(Bond)とは?

    シェアハウスや賃貸住宅では、入居時に保証金の支払いを求められることがあります。

    オーストラリアでは一般的にボンドと呼ばれ、日本の敷金に近いものです。

    ボンドは通常、賃貸契約終了時に未払い家賃や正当な損傷費用などがなければ返還されるものです。

    ただし、保証金の上限、預け先、返還手続きは州や住居の契約形態によって異なります。

    例えば、ニューサウスウェールズ州では、一般的な住宅賃貸契約のボンドは最大4週間分の家賃です。

    また、入居時に求められる前払い家賃は最大2週間分です。

    したがって、週A$350の住宅賃貸契約で、ボンド4週間分と前払い家賃2週間分を支払う場合、次のようになります。

    項目 計算 金額
    ボンド A$350 × 4週間 A$1,400
    前払い家賃 A$350 × 2週間 A$700
    入居時の支払額 A$2,100

    このA$2,100は、契約に基づく一例です。すべてのシェアハウスで同じ金額や支払い条件になるわけではありません。

    また、前払い家賃は将来の家賃に充当されるため、月々の生活費に二重計上しないよう注意してください。

    ビクトリア州(Victoria)では、一般的な住宅賃貸契約のボンドは通常1か月分までとされていますが、家賃や物件の条件によって例外があります。ルーミングハウスなどは別の規則が適用されます。

    シェアハウスの場合は、正式な賃貸契約に名前が入るのか、転貸契約なのか、住み込みの下宿に近い形なのかによって、権利や手続きが異なる場合があります。

    ボンドの振込先は必ず確認

    部屋の見学前に保証金を振り込むよう求められたり、相手の身元がはっきりしないまま海外送金を求められたりする場合には注意してください。

    実在する物件の写真を使った偽の募集広告が掲載されるケースもあります。

    できるだけ実際に部屋を見学し、貸主・転貸人の権限、契約条件、ボンドの扱いを確認してから支払いましょう。

    参考:ニューサウスウェールズ州政府:賃貸契約時の費用

    参考:ビクトリア州消費者行政:ボンドの規則



    食費・交通費・通信費・日用品の予算

    家賃以外の生活費も、ワーキングホリデーの資金計画では重要です。

    特に大都市では、毎日の外食やカフェの利用が続くと、予想以上にお金がかかります。

    一方、シェアハウスのキッチンで自炊をすれば、食費をある程度抑えることもできます。

    食費

    オーストラリアのスーパーマーケットでは、野菜、果物、肉、乳製品、パン、パスタなど、日常生活に必要な食材を購入できます。

    主なスーパーには、ウールワース(Woolworths)、コールス(Coles)、アルディ(ALDI)などがあります。

    価格を比較して購入したり、プライベートブランドの商品を利用したりすると、食費を抑えやすくなります。

    ただし、中心部の小型店舗と郊外の大型店舗では、品ぞろえや価格が異なる場合もあります。

    自炊を中心にするか、外食が多いかによって、1週間の食費にはかなりの差が出ます。

    交通費

    交通費は、住んでいる場所と仕事先までの距離によって変わります。

    市内中心部に住めば徒歩で通勤できる可能性がありますが、家賃が高くなる場合もあります。

    反対に、郊外の安い部屋を借りても、毎日電車やバスに乗る必要があれば交通費が増えます。

    また、夜間や早朝の仕事では公共交通機関の本数が少なく、タクシーや配車サービスを利用しなければならない場合もあります。

    家賃だけで住居を選ばず、通勤にかかる費用と時間も合わせて考えましょう。

    携帯電話・通信費

    オーストラリアでは、プリペイドSIMやeSIMを利用する方法も一般的です。

    主な通信事業者には、テルストラ(Telstra)、オプタス(Optus)、ボーダフォン(Vodafone)などがあります。

    利用料金は通信容量や有効期間などによって異なります。

    特に地方や農場で働く予定がある場合は、料金だけでなく通信エリアも確認してください。

    日用品・娯楽費

    洗剤、シャンプー、洗濯、衣類などの費用も必要です。

    さらに、休日の外食、観光、スポーツ、友人との食事などを楽しむなら、その分の予算も見込んでおきたいところです。

    ワーキングホリデーの魅力は、現地で暮らすことだけではありません。オーストラリア各地を旅行するためのお金も、生活費とは別に確保しておくとよいでしょう。

    都市別の生活費|シドニー・メルボルン・ブリスベンなど

    オーストラリアでの生活費を考える際、最も大きな違いが出やすいのは住居費です。

    同じようなシェアハウスでも、都市や地区、最寄り駅、個室か相部屋かによって家賃が変わります。

    ここでは、シドニー、メルボルン、ブリスベン(Brisbane)、パース(Perth)、アデレード(Adelaide)、ケアンズの6都市について、1人で個室のあるシェアハウスに住む場合の生活費を比較します。

    ただし、以下の数字は2026年10月現在の平均募集家賃ではなく、各都市の予算を比較するために設定した仮定額です。

    実際の賃貸物件、交通費、食品価格などを集計した統計ではありません。

    都市 家賃/週 家賃以外/週 合計/週
    シドニー A$380 A$250 A$630
    メルボルン A$310 A$230 A$540
    ブリスベン A$320 A$240 A$560
    パース A$320 A$240 A$560
    アデレード A$270 A$215 A$485
    ケアンズ A$300 A$230 A$530

    表は、それぞれの都市で生活費がどの程度変わるかを考えるためのモデルです。賃料の高い地区では、表の家賃で個室を見つけることが難しい場合があります。

    シドニー

    シドニーは、飲食店、ホテル、オフィスなどが集まるオーストラリア最大級の都市です。

    仕事の選択肢が多い一方、住居費が高くなりやすいという特徴があります。

    市内中心部やビーチに近い人気エリアでは、個室のシェアハウスでも家賃が高くなる場合があります。

    郊外まで範囲を広げれば選択肢は増えますが、通勤時間や交通費も合わせて考える必要があります。

    メルボルン

    メルボルンはカフェ文化が盛んで、飲食業やホスピタリティー関連の仕事を探す方にも人気があります。

    住む地区によって家賃に大きな差があるため、仕事先と公共交通機関のアクセスを見ながら探すとよいでしょう。

    また、冬は冷え込むため、暖房費や住宅の断熱性能なども確認しておきたいところです。

    ブリスベン・ゴールドコースト

    ブリスベンやゴールドコーストは、比較的温暖な気候を求める方に人気のエリアです。

    観光や飲食、サービス業などの仕事もありますが、人口の増加や住宅需要によって家賃が高くなる地域もあります。

    「クイーンズランド州だから住居費が必ず安い」というわけではありません。

    パース

    西オーストラリア州(Western Australia)の州都パースは、海に近く、自然が豊かな都市です。

    周辺地域には観光業以外の仕事もありますが、住宅事情は地域や時期によって異なります。

    人気地区の家賃や空室状況を確認しながら、住む場所を選びましょう。

    アデレード

    アデレードは、シドニーやメルボルンと比べるとコンパクトな都市です。

    中心部へのアクセスや生活環境のバランスを考えながら、比較的落ち着いた生活を送りたい方にとって選択肢になるでしょう。

    ただし、都市が小さいからといって仕事がすぐに見つかるとは限りません。

    ケアンズ

    ケアンズは、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)などを訪れる旅行者の拠点です。

    観光関連の仕事に興味がある方にとって魅力的ですが、仕事の募集状況は季節によって変わります。

    また、地方都市だから住居費や生活費が必ず安いわけではなく、住居の供給状況や交通手段によって費用が変わることがあります。

    都市ごとの費用を実際に比較する際には、オーストラリア政府のスタディ・オーストラリア(Study Australia)が提供する生活費計算ツールも参考になります。

    オーストラリア政府:生活費計算ツール

    ただし、このツールも統計やモデルに基づく目安であり、現在の個別物件の賃料を保証するものではありません。

    ワーホリの1か月の生活費はいくら?

    もう少し具体的に、メルボルンでシェアハウスの個室に住む場合を例に、1か月の生活費を計算してみましょう。

    家賃は週A$310、食事は基本的に自炊、公共交通機関で通勤するという想定です。

    項目 1週間の予算
    シェアハウス家賃 A$310
    食費 A$110
    交通費 A$45
    通信費 A$15
    日用品・娯楽・予備費 A$60
    合計 A$540

    1週間A$540なら、4週間ではA$2,160です。

    ただし、1か月平均で計算すると次のようになります。

    A$540 × 52週間 ÷ 12か月 = A$2,340

    つまり、この生活モデルでは、1か月平均A$2,340の生活費が必要です。

    年間で考えるとA$28,080になりますが、これは同じ生活水準を1年間継続したと仮定した金額です。

    また、ここには以下のような費用は含めていません。

    • 語学学校の授業料
    • オーストラリア国内旅行
    • 帰国・出国航空券
    • 高額な買い物
    • 予期しない医療費
    • 転居による追加費用

    さらに、家賃に電気・ガス・水道代などが含まれていない場合は、別途生活費を見込む必要があります。

    表の金額は、光熱費などが家賃に含まれる、または日用品・予備費の範囲で対応できると仮定した単純なモデルです。

    実際に部屋を探すときには、家賃だけでなく、光熱費やインターネット料金が含まれているかどうかも確認しましょう。



    アルバイトで生活費を稼げる?最低賃金と手取りの試算

    ワーキングホリデーでは、現地で働きながら生活費を賄うことができます。

    ただし、実際にいくら稼げるのかは、時給だけでなく、週に何時間働けるかによって決まります。

    オーストラリアの全国最低賃金は、2026年7月1日から成人の対象労働者について時給A$26.44です。

    これは、産業別の賃金規則や労働協約が適用されない労働者を対象とした全国最低賃金です。

    カジュアル雇用で全国最低賃金が適用される場合、25%のカジュアル・ローディングを含めた最低時給はA$33.05です。

    実際には、レストラン、カフェ、ホテルなどで、業種別の賃金規則(Award)が適用される場合も多くあります。

    そのため、すべてのワーキングホリデーの仕事が時給A$26.44やA$33.05になるという意味ではありません。

    週20時間・30時間働いた場合

    例えば、時給A$26.44で働く場合を考えてみましょう。

    週の勤務時間 税引前の週給 15%控除した試算額
    20時間 A$528.80 A$449.48
    25時間 A$661.00 A$561.85
    30時間 A$793.20 A$674.22
    38時間 A$1,004.72 A$854.01

    表の税引後金額は、給与から一律15%を控除する単純な計算です。実際の税額や給与明細の金額を保証するものではありません。

    オーストラリアのワーキングホリデーでは、登録された雇用主による一般的な給与源泉徴収として、年間所得A$45,000まで15%の税率が使われます。

    ただし、雇用主の登録状況、税務上の居住者判定、租税条約などにより、実際の源泉徴収や最終税額が異なる場合があります。

    特に日本国籍者については、オーストラリアの税務上の居住者に該当するかどうかが、最終的な税務処理に関係する場合があります。

    また、表は税率を説明するための例であり、残業、休日割増、各種手当などは含んでいません。

    生活費と比較してみる

    先ほどのメルボルンの生活費モデルでは、1週間の支出はA$540でした。

    時給A$26.44で週20時間働き、給与から15%が控除されると仮定すると、手取りはA$449.48です。

    この場合、毎週約A$90.52の赤字になります。

    一方、週30時間働ければ、同じ仮定で手取りはA$674.22となり、毎週約A$134.22が残ります。

    勤務時間 試算手取り 生活費 差額
    週20時間 A$449.48 A$540 -A$90.52
    週25時間 A$561.85 A$540 +A$21.85
    週30時間 A$674.22 A$540 +A$134.22

    この試算からも分かるように、時給が比較的高くても、働ける時間が少なければ生活費を十分に賄えない場合があります。

    また、仕事が見つかっても、最初から希望する時間数のシフトに入れるとは限りません。

    特にカジュアル雇用では、仕事の繁忙状況によって勤務時間が週ごとに変わることがあります。

    月々の家賃や生活費は一定でも、収入は変動する可能性があるため、貯金をすべて使い切らないようにしたいところです。

    参考:フェアワーク・オンブズマン(Fair Work Ombudsman):最低賃金

    参考:オーストラリア税務局(Australian Taxation Office):給与源泉徴収の計算

    仕事が2~3か月見つからなかったら?

    ワーキングホリデーの資金計画で、意外と見落としやすいのが仕事探しの期間です。

    渡航後すぐに仕事が見つかる方もいますが、希望する職種や勤務地によっては、就職活動が長引くこともあります。

    英語力、職歴、季節、求人状況などによって条件が異なるため、何週間で仕事が見つかると断定することはできません。

    例えば、先ほどのメルボルンの生活費モデルを使うと、収入がない場合の支出は次のようになります。

    無収入の期間 生活費の試算
    4週間 A$2,160
    8週間 A$4,320
    12週間 A$6,480

    週A$540という生活費を前提にすると、3か月近く収入がない場合には、約A$6,500が必要です。

    しかも、これは通常の生活費だけです。

    家賃のボンド、渡航直後の一時宿泊費、出国用の航空券代などは別に考える必要があります。

    仕事探しの期間を短く見積もりすぎない

    「現地に着いたらすぐ働ける」と考えて、ぎりぎりの資金で渡航すると、仕事が見つからなかったときに生活が苦しくなります。

    家賃を払うために希望しない仕事を急いで選んだり、条件のよくない住居に入居したりする可能性もあります。

    できれば、少なくとも2か月程度、可能なら3か月程度は収入がなくても生活できる資金を確保しておくことをおすすめします。

    これは政府が定める義務ではなく、生活上のリスクに備えるための予算の考え方です。

    仕事が見つかっても、初回の給料がすぐ入るとは限らない

    採用されたとしても、翌日から仕事を始められるとは限りません。

    研修や書類手続きが必要な場合もありますし、給与が週払い・隔週払いなどの周期で支払われる職場もあります。

    そのため、仕事が決まった時点で残高がほとんどない状態にならないよう、余裕を持つことが大切です。

    渡航時に必要な資金の具体的な試算

    ここまで紹介した費用を合計すると、結局いくら準備すればよいのでしょうか。

    メルボルンでシェアハウスの個室を探し、仕事が見つかるまで最初の8週間は無収入というケースで試算してみましょう。

    日本出発前の費用も含め、渡航開始時点で確保しておきたい資金を計算します。

    試算の条件

    • 初回ワーキングホリデービザ
    • メルボルンで生活を始める
    • シェアハウスの個室で家賃A$310/週と仮定
    • 家賃を含む生活費はA$540/週と仮定
    • 最初の8週間は収入がない
    • 入居前の短期宿泊施設に6泊する
    • 住居のボンドは家賃4週間分と仮定
    • 出国用の航空券資金を別に確保する
    項目 計算方法 資金
    ビザ申請 公式料金 A$840
    日本からの航空券 仮定額 A$1,000
    医療保険・渡航準備 仮定額 A$1,200
    現地生活費8週間 A$540 × 8週間 A$4,320
    シェアハウスのボンド A$310 × 4週間 A$1,240
    到着後の一時宿泊 A$75 × 6泊 A$450
    初期生活用品 仮定額 A$200
    出国用の航空券資金 仮定額 A$1,000
    必要資金合計 A$10,250

    このケースでは、出発前の費用と現地の初期資金を合わせてA$10,250となります。

    この数字は、政府が推奨している貯金額でも、一般的なワーホリ渡航者の平均支出でもありません。あくまで今回の条件で計算したモデルです。

    なお、現地生活費8週間分には、その期間の家賃も含めています。

    実際に入居時に前払い家賃を支払っても、その分を生活費にもう一度加算しているわけではありません。

    また、ボンドA$1,240は条件を満たせば退去時に返還される性質のお金ですが、滞在中は自由に使えないため、初期資金には含めています。

    出国用の航空券資金A$1,000は、初期生活費とは別に残しておく想定です。

    3か月間、仕事が見つからなかった場合は?

    同じ生活費で無収入期間を8週間から12週間に延ばすと、さらに4週間分のA$2,160が必要になります。

    したがって、合計はA$12,410になります。

    つまり、今回のモデルでは、出発前の費用から現地で2~3か月間の無収入期間までを考慮すると、A$10,000~12,500程度という予算になります。

    もちろん、安い相部屋を利用したり、保険や航空券を低料金で手配できたりすれば、必要な資金は減らせる可能性があります。

    一方、シドニーの家賃が高い地区に住む場合や、語学学校に通う場合には、さらに多くの資金が必要になるでしょう。

    日本円ではいくら用意すればよい?

    日本円への換算額は、オーストラリアドルとの為替レートによって変わります。

    例えばA$10,000を用意する場合、1豪ドルが100円なら100万円、110円なら110万円です。

    これは為替換算の計算例であり、現在の実際の為替レートを示したものではありません。

    海外送金や現地でのカード利用では、為替レートに加えて送金手数料や通貨換算手数料がかかる場合があります。

    日本円で準備する金額を決める際には、為替レートの変動も考慮しておきましょう。

    語学学校に通う場合は予算がどれくらい増える?

    ワーキングホリデーでは、語学学校に通ってから仕事を探す方もいます。

    語学学校は英語力を高めるだけでなく、オーストラリアの生活に慣れたり、友人を作ったりする機会にもなります。

    ただし、授業料が必要になるため、現地での生活費に加えて別の資金を準備しなければなりません。

    学校によって授業料は異なり、受講するコース、授業時間、申し込み時期などによっても変わります。

    また、入学金や教材費が別に必要な場合もあります。

    例えば、次のような仮定で4週間の授業料を計算してみましょう。

    項目 計算 金額
    授業料 A$350 × 4週間 A$1,400
    入学金・教材費 仮定額 A$200
    合計 A$1,600

    これは語学学校の実売料金ではなく、予算計算のための例です。

    同じ条件で12週間通うなら、授業料A$4,200と入学金・教材費A$200で、合計A$4,400となります。

    この金額は、家賃や生活費とは別です。

    語学学校に通いながら働くことも可能ですが、授業時間や通学時間によって、仕事に使える時間が限られる場合があります。

    学校を卒業してから仕事探しを始める場合には、無収入期間が長くなることも考えておきたいところです。

    また、417ビザでは原則として最長4か月間の就学が認められています。

    長期間の就学を希望する場合には、学生ビザなど別のビザが必要になる可能性があります。

    最初から学校に通う必要があるかどうかも含めて、自分の英語力や目的、予算に合わせて考えるとよいでしょう。



    生活費を抑えるためにできること

    ワーキングホリデーの資金を準備するうえで、節約できる費用と、無理に削らない方がよい費用を分けて考えることも大切です。

    家賃と通勤費をセットで比較する

    住居費を抑えたい場合、中心部から少し離れた地域も選択肢になります。

    ただし、家賃が週A$50安くなっても、交通費が週A$60増えるなら、金銭面では得になりません。

    さらに、通勤に毎日長い時間がかかると、仕事や勉強に使える時間が減ってしまいます。

    家賃だけではなく、交通費と通勤時間を含めて比較しましょう。

    自炊を基本にする

    オーストラリアでは、スーパーで食材を購入し、まとめて調理することで食費を抑えられる場合があります。

    例えば、朝食を自宅で用意し、昼食にサンドイッチや作り置きの料理を持参するだけでも、毎日の外食費を減らせます。

    ただし、必要以上に食費を切り詰めず、栄養面にも気を配りたいところです。

    携帯電話は必要な容量に合わせる

    通信費を抑えるために、最初はプリペイドのプランを利用する方法もあります。

    ただし、オンライン面接や住居探し、仕事探しなどでは通信が必要になるため、安さだけで選ばないようにしましょう。

    中古品やリユース品を利用する

    机、椅子、自転車、生活用品などは、中古品を探せる場合があります。

    滞在期間が限られるワーキングホリデーでは、すべてを新品で買う必要はありません。

    ただし、中古品を個人売買で購入する場合は、商品の状態、支払い方法、受け取り場所などを確認してください。

    無料で楽しめる場所を活用する

    オーストラリアには、ビーチ、公園、ウォーキングコースなど、無料で楽しめる場所がたくさんあります。

    毎週高額なアクティビティを予約する必要はありません。

    休日には近くのビーチや公園へ出かけたり、地域の無料イベントを探したりするのも、オーストラリアらしい過ごし方です。

    医療保険を安さだけで選ばない

    生活費を節約したいからといって、必要な医療補償まで削りすぎるのはおすすめできません。

    病気やけがで多額の医療費が発生すると、貯金を大きく減らす可能性があります。

    保険料だけでなく、補償限度額、免責額、対象となる仕事などを比較してください。

    資金が少ない人が注意したい落とし穴

    ワーキングホリデーでは、できるだけ安く渡航しようと考える方もいるでしょう。

    費用を抑えること自体は悪いことではありませんが、短期間でお金を使い切ってしまうと、せっかくの滞在を十分に楽しめなくなります。

    到着後すぐに仕事が見つかる前提で予算を組む

    仕事の募集状況は、都市、季節、職種によって違います。

    求人に応募しても、面接まで進まない場合もありますし、採用が決まるまで時間がかかることもあります。

    収入が入ることを前提に、最初から貯金を使い切る計画は避けたいところです。

    ボンドを生活費として数える

    ボンドは退去時に返還される場合がありますが、滞在中は原則として自由に使えるお金ではありません。

    例えば、A$1,400のボンドを支払った場合、その金額を毎月の生活費に充てることはできません。

    また、退去後も返還までに時間がかかる場合があります。

    格安のシェアハウスへ見学せずに送金する

    日本からインターネットで部屋を探していると、相場よりかなり安い物件が見つかることもあります。

    しかし、実際には存在しない部屋や、募集する権限のない人物による詐欺の可能性もあります。

    オーストラリアの政府機関スキャムウォッチ(Scamwatch)でも、住居を確認できないまま保証金や前払い家賃を送金する詐欺について注意を呼びかけています。

    物件の所在地、貸主の情報、契約条件、内見方法、保証金の扱いなどを確認し、不明な点がある場合は支払いを急がないようにしましょう。

    スキャムウォッチ:賃貸物件の詐欺に関する注意

    最低賃金を下回る仕事でも仕方ないと思う

    ワーキングホリデーの渡航者も、オーストラリアの労働法によって保護されています。

    最低賃金、休日や時間帯による割増賃金、給与明細などについて、適用される規則に従う権利があります。

    雇用主から「ワーホリだから最低賃金は関係ない」と説明されても、それは正しくありません。

    賃金や雇用条件に不安がある場合には、フェアワークの公式情報を確認してください。

    フェアワーク:日本語の労働者向け案内

    出国用の資金を残しておかない

    仕事が見つからなかった場合や、家庭の事情などで帰国する必要が生じることもあります。

    そのときに航空券を購入できる資金が残っていなければ、困った状況になります。

    政府が求める初期資金と出国費用の条件を満たすだけでなく、実際の生活でも出国用の資金は別に確保しておくことをおすすめします。

    オーストラリアのワーホリ費用に関するよくある質問

    オーストラリアのワーホリには最低いくら必要ですか?

    オーストラリア政府は、初期滞在費として一般的にA$5,000程度と、出国するための航空券またはその購入資金を求めています。ただし、実際の渡航費、保険、住居の保証金、仕事が見つかるまでの生活費などは別途計算する必要があります。
    ワーホリの貯金は100万円あれば十分ですか?

    100万円で十分かどうかは為替レート、航空券、保険、滞在する都市、家賃、仕事が見つかるまでの期間によって異なります。例えば渡航費と8週間の無収入期間を含む試算ではA$10,250となりました。実際の費用を計算したうえで判断してください。
    ワーホリで1か月の生活費はいくらかかりますか?

    生活費は都市、住居、食事、交通手段などによって変わります。例えばシェアハウスの個室に住む生活モデルで週A$540使う場合、1か月平均は約A$2,340になります。この金額は予算計算用の仮定であり、実際の平均支出ではありません。
    オーストラリアのシェアハウスのボンドとは何ですか?

    ボンドは住居の保証金で、日本の敷金に近いものです。ニューサウスウェールズ州の一般的な住宅賃貸契約では最大4週間分の家賃です。ボンドの上限や手続きは州・住居の契約形態によって異なります。
    ワーホリ中のアルバイトだけで生活できますか?

    仕事の時給、勤務時間、住居費などによって異なります。2026年7月からの全国最低賃金は、対象労働者について時給A$26.44です。ただし、週の勤務時間が少ない場合や高い家賃を支払っている場合には、アルバイト収入だけで生活費を賄えないこともあります。
    ワーホリではシドニーとメルボルンのどちらが生活費を抑えられますか?

    住居の地区、部屋の種類、仕事先までの交通費によって異なります。一般に都市中心部の住居は高くなりやすいため、個別の募集物件と通勤費を比較してください。記事中の都市別金額は比較用の予算モデルであり、平均賃料の統計ではありません。
    仕事が見つからなかった場合、何か月分の生活費を用意した方がよいですか?

    仕事が見つかるまでの期間は人によって異なりますが、生活上の備えとして、できれば2~3か月程度は無収入でも生活できる資金を確保しておくと安心です。政府が定める一律の義務ではありません。
    ワーホリの初期費用にシェアハウスのボンドも含めるべきですか?

    はい。ボンドは退去時に返還される場合がありますが、入居時に現金などで用意する必要があります。また、前払い家賃や最初の短期宿泊費なども発生するため、自由に使える生活費とは分けて計算してください。
    語学学校に通う場合は、どれくらい余分に必要ですか?

    学校やコース、受講期間によって異なります。例えば授業料を週A$350、入学金・教材費をA$200と仮定すると、4週間でA$1,600となります。これは計算例であり、実際の学校料金ではありません。生活費は別に必要です。
    ワーホリの生活費を節約するには、何が一番効果的ですか?

    大きな固定費である家賃を見直すことは有効ですが、通勤費との合計で判断する必要があります。ほかにも、自炊、通信プランの見直し、中古品の活用などで生活費を抑えられる場合があります。ただし、医療保険など必要な備えを過度に削ることは避けましょう。



    まとめ|ワーホリ資金は渡航費と2~3か月の生活費を分けて考えよう

    オーストラリアのワーキングホリデーに必要な資金は、渡航する都市や住居、仕事が見つかるまでの期間によって変わります。

    政府が示す初期滞在資金の一般的な目安はA$5,000程度ですが、それだけで渡航前の費用や住居の保証金、現地の生活費まですべて賄えるとは限りません。

    今回の計算例では、メルボルンでシェアハウスの個室に住み、最初の8週間は無収入という条件で、日本出発前の費用も含めてA$10,250となりました。

    無収入期間を12週間に延ばすと、A$12,410という試算です。

    もちろん、これらは今回設定した条件による予算モデルです。実際には安い住居を見つけたり、早い時期に仕事が決まったりすれば、必要な資金を抑えられる可能性があります。

    一方、家賃の高い都市に住む場合や、語学学校に通う場合には、より多くの資金を考えておく必要があります。

    大切なのは、現地で働いて稼ぐことを前提に、ぎりぎりの予算で渡航しないことです。

    余裕のある資金を準備しておけば、仕事や住まいを探す際にも選択肢が広がります。

    まずは自分が暮らしたい都市の家賃を調べ、1週間の生活費を計算してみましょう。そのうえで、日本出発前の費用、住居のボンド、無収入期間の生活費、出国用の資金を合計すれば、必要な貯金額が見えてきます。

    ワーキングホリデーは、仕事だけでなく、オーストラリアで暮らし、旅行し、新しい経験をする機会でもあります。

    お金の不安をできるだけ減らしてから出発することで、滞在中の時間をより充実したものにできるでしょう。

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