オーストラリアで出会える動物たち ~ カンガルー編
カンガルー(Kangaroo)はオーストラリアで出会うことができるオーストラリアを代表する動物です。
オーストラリア旅行において、「カンガルーをみること」はひとつのテーマになるのではないでしょうか。
動物園で飼育されているカンガルーではなく、野生のぴょんぴょん跳ねるカンガルーをオーストラリア旅行で見られたら最高ですね!
本稿ではそんなオーストラリア観光の人気者、カンガルーについて、オーストラリア在住16年目の現地スタッフがご紹介させていただきます。
カンガルーとは
カンガルーと言えば、誰もが想像するピョンピョン跳ねるあの愛くるしい動物で、日本の動物園でも飼育されていますので、日本人の間でも比較的身近な動物ではないかと思います。
正確には、カンガルーは哺乳類の中でも袋を持った有袋目カンガルー科の動物の総称ということになります。
カンガルーの科学的名前はMacropusで、大型種から小型種まで約60種類が知られています。
カンガルーは約55種に分けられており、オーストラリア大陸とオーストラリアのタスマニア島、そして、パプアニューギニアに生息しています。一番大型のカンガルーはアカカンガルーで、体長は160cm、体重80kgにもなります。ワラビーやワラルー、木登りカンガルーなど、カンガルーの仲間は多岐に渡ります。
オーストラリアではカンガルーを略してルー (Roo) と呼ぶことがあります。また、子供のカンガルーをジョーイ (Joey) と呼んだりします。
カンガルーは大型のものでは時速70km近くのスピードでジャンプすることができます。また、1日で100kmほどを移動してしまうカンガルーもいます。非常に移動性に富んだ動物ですが、彼らは後退することができないという面白い特徴も持ち合わせています。
発情期を迎えた大型の雄カンガルーは、両手を使って殴り合うボクシングを行ういます。さらに、種類によってはキックもし合います。尾で体を支えて両足でドロップキックをしますが、その威力は強烈で、人間ならば内臓破裂しかねない程の破壊力を持っています。
カンガルーは草食動物ですが、一部のカンガルーは木の根やキノコ、昆虫を食べることもあります。彼らは、消化を助けるために、大きな複数の胃を持っています。
かつては肉食のカンガルーも存在していたと研究されています。
カンガルーは、オーストラリアの生態系にとって重要な役割を果たしています。彼らは草原の草を食べることで、地形を維持し、他の動物の生息地を保護します。また、カンガルーは食物連鎖の上位に位置し、彼らが捕食されることは非常にまれです。
カンガルーの種類と分布
カンガルーの学術的な分類については下記のとおりです。
本稿では、
Harold James Frith, John Henry Calaby "Kangaroos" California University Hurst, 1969
を参考にしています。
A.カンガルー : 一般的にイメージされるカンガルー(ワラビーよりも体が大きい)
a.アカカンガルー : 東・西・北端以外のオーストラリアのほぼ全域に生息しているカンガルーで、カンガルーの中でも最も大きな仲間です。体長1.6メートルで、赤茶または灰色のカンガルーです。夜行性で、小さな群れを作る草食のカンガルーです。
b.オオカンガルー(ハイイロカンガルー): 南オーストラリア州からクイーンズランド州全域、西オーストラリア州の南西部とタスマニア島に生息するカンガルーで、アカカンガルーに次ぐ大きなカンガルーで、体長は1.5メートル、体重は雄で80kgにもなります。灰色または灰色に近い褐色のカンガルーです。夜行性で、草食です。
c.ケナガワラルー : オーストラリア南東部に生息しているカンガルーで、体長75cmから1.3メートルほどです。岩場にも生息することが可能で、足の裏には他のカンガルーには見られない顆粒があります。小さな群れを作り、草や木の根などを食料にしています。
d.アカワラルー : オーストラリアの内陸に生息しているカンガルーで個体数は少ない仲間です。体長80cm前後で茶褐色の体毛が特徴です。
e.クロカンガルー : アデレードの沖合にあるカンガルー島生息するカンガルーで、体長は1.4メートル前後です。
f.クロワラルー : ビクトリア州と南オーストラリア州、西オーストラリア州の一部の地域で見られる希少種です。警戒心が強く、正確な個体数は解っていません。
g.ヒメワラルー : クイーンズランド州とニューサウスオーストラリア州で見かける仲間で、比較的大きな群れを作ります。夜行性で、柔らかい草を好みます。そのため、乾燥帯ではあまり姿を見ることはありません。
B.ワラビー : カンガルーより小さく、美しい形状と鮮やかな毛並みを持っている
ワラビーの仲間は9種類あり、見た目はカンガルーに似ていますがカンガルーより小型になります。
学術的には、上あごの第3門歯に縦溝があり、臼歯の前に隆起がある点でカンガルーと区別されます。基本的に草食で、草原地帯を好んで生息しています。
a.ニオイネズミカンガルー : オーストラリア東部に生息します。体長は25cmほどで、後ろ足に第1指があります。
b.ウサギワラビー : オーストラリア大陸とその沿岸の小島に生息しているウサギくらいの大きさののワラビーで、5種がいます。尾が長いのが特徴です。
c.イワワラビー : ウサギワラビーと同じような分布で、11種が生息しています。岩場で生活ができるように進化した部類で、足の裏には粗い顆粒があり、岩地を歩くのに適しています。有名なのは、ケアンズ郊外に生息しているマリーバロックワラビーで、クリクリの目と長い睫毛が訪れる観光客を癒しています。
→マリーバロックワラビーに餌付けができるツアー「動物探検ツアー」はこちらのリンクをご覧ください!
d.ヤブワラビー : パディメロンと呼ばれる種類の総称で、オーストラリア大陸と周辺の島、タスマニア島、パプアニューギニアに8種が生息しています。明るい茶色の毛は長く、耳の周りだけ黒くなっています。
e.クォッカワラビー : クォッカワラビーはこの1種類だけで、オーストラリアとその周辺の島、特にパースの沖合にあるロッドネスト島に多く生息しています。愛くるしい笑ったような表情に人気があります。原始的なカンガルーの仲間で、体長は25cm前後です。
→ロッドネスト島でクォッカに会いたいという方はこちらの記事もご覧ください!
f.ツメオワラビー : オーストラリアに3種が生息しています(そのうちの一種とされるミカヅキツメオワラビーはすでに絶滅したという説もあります)。尾の先端に平らな爪のようなものがあります。
g.ドルコプシス/ヒメドルコプシス : それぞれパプアニューギニアに生息しています。形態はワラビーに似ていますが、前足と後ろ足の長さがほぼ同じという点で分類されています。
h.ネズミカンガルー : ネズミカンガルーはオーストラリア大陸とタスマニア島に3種類が生息しています。巣作りの際に、材料を巻き付けて運ぶ習性があります。
i.キノボリカンガルー(ツリーカンガルー) : キノボリカンガルー(ツリーカンガルー)は、オーストラリア北部とパプアニューギニアに生息している珍しい仲間で、樹上生のカンガルーです。オーストラリアでは絶滅危惧種に指定されています。ケアンズの近郊リゾートであるポートダグラスの動物園で飼育されています。
→キノボリカンガルー(ツリーカンガルー)を動物園で見たいという方はこちらのリンクをご覧ください!
カンガルーの語源
カンガルー/kangarooという固有名詞は、クイーンズランド州北部の街クックタウン周辺にあるグーグ・イミディル族の言葉で、「 gangurru」(オオカンガルーまたはハイイロカンガルーを指す言葉) が変化したものであると言われています。
有史として「カンガルー」という言葉が初めて登場したのは、王立協会会長ジョセフ・バンクスがジェームズ・クックの航海について書いた文章の中で、実際にはKangaruというスペルが確認されています。その後、カンガルーを指す固有名詞として定着したと言われています。
カンガルーのお腹の袋の秘密
カンガルーといえば、何と言ってもお腹にある袋が有名です。
この袋のことを育児嚢(いくじのう)と言います。
カンガルーの赤ちゃんは非常に未熟な状態で生まれてきます。そして、生まれると自力で育児嚢へ移動して袋の中にある乳首を見つけます。
赤ちゃんは袋の中で1年から1年半ほど育てられます。
カンガルーは袋の中に子供がいるときでも妊娠することがありますが、袋の中には一匹しか子供を入れることができません。
このような場合には、彼らは育児嚢に子供がいる間は受精卵が子宮へ着床するのを遅らせて、出産のタイミングをコントロールすることができます。
カンガルーの知られざる特技です!
カンガルーと人間の関わり
カンガルーに注意の道路標識
野生動物の宝庫オーストラリアでは、様々な動物が道路に飛び出してきますが、中でも群抜きに遭遇率が高いのがカンガルーです。
彼らには集光性と呼ばれる光に集まってくる性質があります。
郊外の夜道に街灯がほとんど設置されていないのは、夜行性のカンガルーがこの街灯の光に集まってきてしまったときに車との接触を防ぐためです。
しかしながら、車のヘッドライトを点灯せずに夜道を走ることはできまんので、しばしば衝突してしまうこともあります。
このような事故から車体の損傷を抑えるために特殊なバンパーを取り付けている車を見掛けます。このバンパーを通称ルー・バー (Roo Bar) と呼んでいます。
夜間の運転にはくれぐれもお気をつけください。
食用にされるカンガルー
カンガルーはしばしばオーストラリアの食卓に登場することもあります。
年間約300万匹のカンガルーが狩猟されており、その肉はオーストラリア国内での消費のほかに、約55カ国に輸出されています。
オーストラリアのスーパーマーケットを覗くとカンガルー肉がビーフやチキンとともに販売されています。肉は脂肪分の少ない赤身で、高たんぱくなことからアスリートの食事にも人気があります。
カンガルーの肉を扱うモダン・オーストラリアンのレストランも各都市にありますので、ご興味がお有りの方は、ぜひ、試してみてください!
→シドニーのオススメレストランはこちらのリンクをご覧ください!
→ケアンズのオススメレストランはこちらのリンクをご覧ください!
カンガルーが見られる動物園について
オーストラリア旅行のひとつのテーマになるのは、カンガルーではないでしょうか。
そして、カンガルーやワラビーへの餌付け体験は、一生の思い出になること間違いなしです。
概ねオーストラリアにある動物園にお越しいただければ、カンガルーやワラビーは様々な種類が飼育されていますが、絶滅危惧種にも指定されている「キノボリカンガルー」が見られるのは、ケアンズの郊外リゾートであるポートダグラスにある動物園ワイルドライフハビタットのみです!
各都市の動物園については、それぞれ下記記事にてご紹介していますので、是非、ご参照ください!
カンガルー/ワラビーを野生で見られる場所について
カンガルーを野生で見てみたいという方は、是非ケアンズを訪れてみてください。
ケアンズでは野生動物を探しにいくことをコンセプトにしたツアーがたくさん催行されています。
その中でも、動物との遭遇率が高く、アンケートの評価も高いのが、どきどきツアーズ社による動物探検ツアーです。
ターゲットにしている動物は、大型のイースタングレーカンガルー、マリーバロックワラビー、カモノハシ、ポッサム、野鳥などです。
特に、マリーバロックワラビーには餌付け体験もできます。
差し出した掌に彼らの手を乗せて一生懸命に餌を食べる姿はこの世のものとは思えない可愛さです!
そのほかにも幻の珍獣カモノハシを野生で見られるのは広いオーストラリアでもこのツアーだけです。
晴れた日の夜には肉眼で天の川まで見られる満天の星空です!
詳細は、以下のリンクをご覧ください。
ビーチでカンガルーを見ることが出来る穴場中の穴場スポット 〜ケープヒルズボーロービーチ〜
広大なオーストラリアで唯一ビーチに集まってくるカンガルーを見られる場所があります。
それが、クイーンズランド州にあるケープヒルズボーロービーチです。
場所はケアンズとブリスベンのちょうど中間くらいの場所にあるマッカイという街の近くです。
レンタカーで訪れる以外にアクセスする手段がないのですが、オーストラリアでは知る人ぞ知る穴場スポットとして有名です。
特にインスタ映えするのは、サンライズをバックにビーチをジャンプするカンガルーを収める一枚です。
クイーンズランド州をドライブする予定の方は、是非、訪れてみてください。
ケープヒルズボーロービーチでオススメのアコモ
カンガルーが集まってくるケープヒルズボーロービーチのビーチ沿いにある唯一のアコモです。
美しいビーチまで徒歩1分の好立地に加え、バーベキュー設備やミニゴルフ、プールなど様々な施設があります。
部屋は広く、スタッフも親切でオススメです!
アコモデーション名 |
ケープ ヒルズボーロー ネイチャー ツーリスト パーク(Cape Hillsborough Nature Tourist Park) |
---|---|
住所 |
51 Risley Parade Cape Hillsborough Queensland 4740 (Google Map) |
電話番号 |
07-4959-0152 (+61-7-4959-0152) |
Web |
オーストラリアで出会える動物たち ~ カンガルー編に関するよくある質問(FAQ)
カンガルー(Kangaroo)は、哺乳類有袋目カンガルー科の動物の総称ということになります。
約55種に分けられており、オーストラリア大陸とタスマニア島、パプアニューギニアなどに生息しています。ワラビーやワラルー、木登りカンガルーなど、カンガルーの仲間は多岐に渡ります。
オーストラリアではカンガルーを略してルー (Roo) と呼んだり、子供のカンガルーをジョーイ (Joey) と呼んだりします。
カンガルーは大型のものでは時速70km近くのスピードでジャンプすることができます。また、1日で100kmほどを移動してしまうカンガルーもいます。非常に移動性に富んだ動物ですが、彼らは後退することができないという面白い特徴も持ち合わせています。
オーストラリア全域に生息しています。柔らかい草を好んで食べますので、草原地帯やゴルフ場などにお越しいただくと、野生のカンガルーの群れを見かけることがあります。
動物園では各所で飼育されており、餌付け体験などのプログラムも盛んに行われています。彼らは総じて草食動物ですので、お子様でも安心して触れ合うことができます。
オプショナルツアーで野生のカンガルーを探しに行くものは、ケアンズで多く催行されています。
絶滅危惧種に指定されている木登りカンガルー(ツリーカンガルー)は、ケアンズの北70kmにあるポートダグラスの動物園ワイルドライフハビタットで飼育されています。
ケアンズからゴールドコーストの山間部において、野生の木登りカンガルーが若干数確認されていますが、これを生で見るには相当な運が必要です。
クォッカは西オーストラリア州のフリーマントル沖合にあるロットネスト島(Rottnest Island)、アルバニー近くのボールド島(Bald Island)、及び西オーストラリア州南西部の本土の沿岸部、森林に少数生息しています。
クォッカの最多の生息地域はロットネスト島となっており、ロットネスト島にはおよそ10,000匹のクォッカが生息していると推定され、比較的簡単にその姿を島内のあちこちで見ることができます。
パースからロットネスト島を訪れる日帰りのクルーズ・ツアーが出ていますので、旅行者も気軽に訪れることができ、ロットネスト島はクォッカを観察するのには最適な場所であると言えます。
野生のクォッカは西オーストラリア州しか生息していませんが、動物園で飼育・展示されているクォッカを、他の州の動物園で見ることができます。
シドニーのタロンガ動物園、フェザーデール動物園、メルボルンのメルボルン動物園、アデレードのアデレード動物園などで、クォッカを見ることができます。
日本では埼玉県の東松山市にある、埼玉県こども動物自然公園で、2020年7月1日よりクォッカの一般公開が始まりました。
この埼玉県こども動物自然公園のクォッカ飼育・公開は、オーストラリア国外では世界初となります。
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