オーストラリアのシーフード
オーストラリアは、広大な海に囲まれた島国として、世界でも有数のシーフード大国です。四方を囲むインド洋、太平洋、南極海の冷たい海水と温暖な気候が、豊かな海洋生態系を育んでいます。そのため、オーストラリアでは、多様で高品質な魚介類が水揚げされ、国内外で高い評価を受けています。
オーストラリアのシーフードは、その鮮度と品質、そして多様性で知られており、バラマンディやタスマニアサーモンといった魚類から、シドニー・ロックオイスターのような貝類、さらには豊富な海老や蟹類に至るまで、幅広い種類が楽しめます。これらのシーフードは、地元の料理だけでなく、世界中の高級レストランでも使われており、オーストラリアの海の恵みを世界に発信しています。
この記事では、オーストラリアで特に人気のある魚類、貝類、海老・蟹類に焦点を当て、それぞれの特徴や魅力について詳しく紹介していきます。オーストラリアのシーフードの多様性を知り、次に試してみたい新たな一品を見つける手助けとなれば幸いです。
オーストラリアの魚類
オーストラリアの海域は、温暖な地域から冷涼な地域まで多岐にわたるため、多様な魚類が生息しています。ここでは、特に人気のある7つの魚種について、その特徴と魅力を紹介します。それぞれの魚に日本での呼び名も併記しています。
バラマンディ(Barramundi)
バラマンディ(日本名:アカメ)は、オーストラリアを代表する魚の一つで、特に北部の熱帯地域で広く生息しています。その白身はしっとりとした食感で、甘みのある味わいが特徴です。バラマンディは調理のしやすさから、グリルやフライ、蒸し料理など、さまざまな方法で楽しまれています。
白身魚というと鯛のような癖や匂いのない、あっさりしたものを想像すると思いますが、バラマンディの身には独特の「香り」があります。それは決して泥臭い嫌な臭いではなく、フライパンで皮をつけたままソテーやグリルすると、何とも香ばしい匂いを発し食欲をそそりあす。
また、バラマンディはオメガ3脂肪酸が豊富で、健康志向の消費者にも支持されています。
オーストラリア北部、東南アジアなどで広く養殖されていますが、天然物の「Wild Barramundi」は人気が高く、養殖物より高く取引されています。
筆者はこのバラマンディが一押し、もしオーストラリアで魚を食べる機会があれば、このバラマンディのグリルを、お勧めします!
タスマニアサーモン(Tasmanian Salmon)
タスマニアサーモン(日本名:サケ)は、南東部のタスマニア島で養殖される高品質のサーモンです。タスマニアの冷たい海流と清浄な水が、サーモンに独特の風味と豊かな脂の乗りをもたらします。その鮮やかなオレンジ色の身は刺身やスモークサーモンに最適で、オーストラリア国内外で高い評価を得ています。
オーストラリアでも、タスマニアンサーモンは、新鮮な状態で刺身や寿司として食べるのが非常に人気です。その豊かな風味と滑らかな肉質が、生で食べると最大限に引き立ちます。
脂がしっかりと乗っているため、グリルや焼き物でも美味しく仕上がります。特に皮がパリッと焼き上がることで、皮の香ばしさと脂の甘みが絶妙に調和します。
タスマニアンサーモンはスモークにしても非常に美味しいです。スモークすることで風味がさらに深まり、パンやサラダ、カナッペなどに幅広く使われます。
キングフィッシュ(Kingfish)
キングフィッシュ(日本名:ヒラマサ)は、オーストラリア沿岸でよく見られる大型の魚で、その引き締まった白身が特徴です。肉質がしっかりしているため、刺身やカルパッチョ、またはグリルに適しており、特に寿司レストランで人気があります。また、その柔らかな風味がさまざまな味付けや調理法にマッチするため、料理人にとっても魅力的な食材です。
キングフィッシュのカルパッチョは、薄切りにした魚をオリーブオイルやレモン、ハーブでシンプルに味付けして食べる一品です。魚の新鮮さを活かした調理法で、その旨味と爽やかさが引き立ちます。
肉質がしっかりしているため、グリルや焼き物にも適しています。グリルすると、外側はカリッとしつつも、内側はしっとりとジューシーに仕上がります。シンプルな塩焼きや、ハーブを使った味付けがよく合います。
スナッパー(Snapper)
スナッパー(日本名:タイ)は、オーストラリアの海で広く漁獲される魚で、その美しい赤色の皮が特徴です。味は淡白で、脂肪分が少なく、非常に食べやすい魚として親しまれています。スナッパーはさまざまな料理に使われ、オーストラリアの家庭料理から高級レストランのメニューまで幅広く登場します。
ブラック・ブリームス、日本でいう黒鯛も、オーストラリアのフィッシュマーケットで良く見かけられる魚で、都市部の沿岸部、河口域にも生息していることから釣り人にも人気の魚です。生息域、時期により多少臭みがあることもありますが、グリルにすると大変美味しい魚です。
フラットヘッド(Flathead)
フラットヘッド(日本名:コチ)は、オーストラリアの沿岸部でよく見られる白身魚で、その平たい体と柔らかい身が特徴です。軽い味わいと柔らかい食感が、多くのオーストラリア人に愛されており、特にフィッシュ・アンド・チップスの定番として人気があります。リーズナブルで手軽に調理できる点でも、多くの家庭で重宝されています。
フラットヘッドの肉は白身で、柔らかくて繊細な食感が特徴です。比較的しっかりとした繊維を持ちながらも、調理することでふっくらとした仕上がりになります。脂肪分は少なく、ヘルシーな白身魚として知られています。
ホワイトニング(Whiting)
ホワイトニング(日本名:シロギス)は、オーストラリアの沿岸域で一般的に見られる小型の魚です。小型といっても日本で獲れるシロギスより大きく、中には倍近いサイズのものもいます。
淡白で癖のない味わいが特徴で、フィッシュアンドチップスや、天ぷらのように揚げて食べるのが一般的です。手軽に料理できるため、家庭料理でもよく使われます。
ジョンドリー(John Dory)
ジョンドリー(日本名:マトウダイ)は、オーストラリア近海で漁獲される深海魚で、その独特な形状と淡白な白身が特徴です。身はふっくらと柔らかく、ほのかな甘みがあり、さまざまな料理で活躍します。特にフランス料理やイタリア料理で高級魚として扱われます。
ジョンドリーは、平たくて丸い体を持つ魚で、体側に特徴的な黒い斑点があります。この斑点は「聖ペテロの指紋」とも呼ばれ、伝説に由来するものです。また、非常に大きな口を持っており、捕食の際にはこの口を大きく開けて餌を吸い込むように捕らえます。
オーストラリアの貝類
オーストラリアの豊かな海は、多種多様な貝類の宝庫です。特に、世界的にも評価される高品質なオイスターや、ムール貝、アバロニなどが広く知られています。ここでは、オーストラリアで特に人気のある5つの貝類を紹介します。
オイスター(Oyster)
オーストラリアのオイスターは、鮮度と風味で世界的に高く評価されています。代表的な種類として、シドニー・ロックオイスター(Sydney Rock Oyster)、タスマニアパシフィックオイスター(Tasmanian Pacific Oyster)、アングリシーオイスター(Angasi Oyster)の3種類が挙げられます。
- シドニー・ロックオイスターは、ニューサウスウェールズ州沿岸で主に採れるオイスターで、小ぶりでクリーミーな味わいが特徴です。
- タスマニアパシフィックオイスターは、冷たい海で育つため、味が濃厚で、身が大きくプリッとしています。
- アングリシーオイスターは、野生種に近い形で、独特のミネラル感と強い風味を持ち、珍重されています。
ムール貝(Mussels)
オーストラリアのムール貝(日本名:ムラサキイガイ)は、特にタスマニアとビクトリア州の沿岸で採れるものが有名です。これらのムール貝は、柔らかくてジューシーな身が特徴で、食材として多くの料理に利用されています。ムール貝の身は、独特の甘みと旨みがあり、シンプルな調理法でもその味わいを十分に楽しむことができます。
アバロニ(Abalone)
アバロニ(日本名:アワビ)は、オーストラリアの沿岸で捕れる高級貝類の一つで、特に西オーストラリア州と南オーストラリア州の海域で多く採れます。そのコリコリとした食感と濃厚な風味が特徴で、オーストラリア国内外で非常に高い評価を受けています。アバロニは、刺身やグリル、煮込み料理など、さまざまな料理に用いられます。
タスマニアシーアーチン(Sea Urchin)
タスマニアシーアーチン(日本名:ウニ)は、タスマニアの冷たい海域で採れるウニで、特にその黄金色の身が珍重されています。タスマニアシーアーチンは、濃厚なクリーミーさと独特の甘みが特徴で、特に寿司や刺身でそのまま食べるのが一般的です。高級食材として、日本を含む世界中で人気があります。
ピピ(Pipi)
ピピ(日本名:ハマグリに近い)は、オーストラリア東海岸の砂浜で採れる小さな二枚貝です。ピピは、貝殻が丸く、小ぶりで甘みのある身が特徴です。シンプルに蒸したり、スープにして味わうのが一般的で、地元の人々に愛されています。ピピは、新鮮なものをその場で調理して食べることが多く、オーストラリアのビーチでのバーベキューにもよく登場します。
海岸で見つけると思わず持ち帰りたくなりますが、ほぼ全ての海岸で許可なく採取することが禁止されている為、注意してください。
オーストラリアの海老、蟹類
オーストラリアの海は、豊かな海老や蟹類の生息地でもあります。これらのシーフードは、その大きさや風味で世界的に高く評価されています。ここでは、特に人気のある5つの海老・蟹類を紹介します。
タイガープラウン(Tiger Prawns)
タイガープラウン(日本名:クルマエビ)は、オーストラリアの温暖な海域で養殖される大型のエビです。その名の通り、タイガー(虎)模様が特徴で、甘みのあるしっかりとした身が人気です。特にバーベキューやグリルに最適で、オーストラリアの家庭やレストランでよく使われています。タイガープラウンは、その豊かな風味とプリッとした食感で、多くのシーフード料理に欠かせない存在です。
モートンベイバグ(Moreton Bay Bug)
モートンベイバグ(日本名:ウチワエビ)は、オーストラリア東海岸のモートン湾で捕れる甲殻類で、ロブスターに似た味わいを持ちながら、より手軽に楽しめる食材です。その身は甘く、引き締まった食感が特徴で、特にバターやガーリックソースとの相性が抜群です。モートンベイバグは、見た目は少しユニークですが、その味わいは一級品で、オーストラリアの多くのレストランで提供されています。
ロブスター(Lobster)
オーストラリアのロブスター(日本名:イセエビ)は、世界的にも評価が高く、特に4種類がよく知られています。それぞれのロブスターには独自の特徴があり、地域によって異なる風味と食感を楽しむことができます。
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ウェスタンロックロブスター(Western Rock Lobster)
ウェスタンロックロブスターは、西オーストラリア州の沿岸で主に捕れます。このロブスターは、オーストラリアで最も商業的に重要な種類の一つで、鮮やかな赤い甲羅と肉厚な身が特徴です。味わいは非常に甘く、プリッとした食感が人気で、特に日本や中国などのアジア市場でも高く評価されています。 -
サザンロックロブスター(Southern Rock Lobster)
サザンロックロブスターは、南オーストラリア州とタスマニア州の冷たい海域で捕れるロブスターです。この種類は、濃厚な風味と柔らかな食感が特徴で、高級食材として珍重されています。サザンロックロブスターは、特にバターやクリームソースと合わせて食べると、その豊かな味わいが引き立ちます。 -
イースタンロックロブスター(Eastern Rock Lobster)
イースタンロックロブスターは、ニューサウスウェールズ州やクイーンズランド州の東海岸で捕れるロブスターです。このロブスターは、肉質がしっかりしており、豊かな風味が特徴です。身が引き締まっているため、グリルやバーベキューに向いています。また、その豊かな味わいから、多くの高級レストランで利用されています。 -
オーナテスパイニーロブスター(Ornate Spiny Lobster)
オーナテスパイニーロブスターは、オーストラリア北部と西部の熱帯海域で捕れるロブスターです。この種類は、色鮮やかな甲羅と、甘みの強い白い身が特徴です。見た目が非常に美しいため、料理のプレゼンテーションにも人気があります。味わいは繊細でありながら甘みが強く、特に刺身や寿司でそのまま楽しむのに最適です。
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ブルースイマークラブ(Blue Swimmer Crab)
ブルースイマークラブ(日本名:ガザミ)は、オーストラリアの温暖な沿岸部で一般的に見られるカニで、その美しい青い甲羅が特徴です。味わいは甘く、柔らかな白身が特徴で、シーフードサラダやパスタ料理によく使われます。ブルースイマークラブは、比較的小ぶりですが、その繊細な風味で人気があり、特に夏のシーズンには多くの家庭で楽しまれています。
マッドクラブ(Mud Crab)
マッドクラブ(日本名:ノコギリガザミ)は、オーストラリア北部の熱帯地域の河口やマングローブ林で捕れる大型のカニです。その名の通り、泥の中に生息しているため、強い甲羅と力強いハサミを持ちます。マッドクラブの身は非常に甘く、特にそのカニ味噌(内臓)も珍重されます。豊かな味わいとジューシーな食感で、オーストラリアでは高級食材として扱われており、レストランでも人気のメニューです。
オーストラリアのシーフードが味わえるレストラン
オーストラリアのシーフードを味わうことのできるレストランを、都市ごとに紹介します。
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