オーストラリアのコロナウィルス最新情報(2023年8月216更新)

オーストラリアにおける新型コロナウイルス(COVID-19)に起因する、旅行者が知っておくべき行動制限、観光施設、飲食店、商店のオープンなどの最新情報を、オーストラリア在住のスタッフがお届けします。

連邦制のオーストラリアでは、各州の州政府が大きな権限を有し、新型コロナウィルスに関する行動規制も、州政府が決定します。その為、同じオーストラリア国内でも、州によって行動規制が異なるという事態が発生していました。

2022年に入ってからその進捗速度に違いはありましたが、各州における規制緩和が進み、2022年10月頃にはほぼ全ての州において、感染者の隔離義務が無くなり自己隔離は文字通り「自主隔離」、任意となりました。

オーストラリアにおける新型コロナウィルス関連の行動規制は、ほぼその全て撤廃され、従来のインフルエンザに近い扱いとなっています。

現在も新型コロナウィルスの感染者の統計はとられていますが、新規検査の義務がなく重い症状が出た人以外は検査を受けないことが一般的であることから、あまり1日あたりの感染者数の過去の数字との比較は意味をなさなくなっています。

本情報の注意事項

オーストラリアでは連邦政府が国境に関する規制、及びオーストラリア国内の大枠の制限を決め、各州政府が更に細かい制限を決定します。

オーストラリア連邦政府と各州の政府とで同じ事柄に対して異なる制限がある場合、州政府の決めた制限が優先されます。




オーストラリア国内新型コロナウィルス感染者数

2022年の11月から12月に新型コロナウィルスの感染者数増加の波がありましたが、12月下旬には新規感染者は減少に転じ、2023年2月に入ってからは、全国で1日2000人で平準化していましたが、ゆっくりとした上昇に転じ、2023年5月現在は1日4000人台で推移しています。

ただし、オーストリアでは、新型コロナウィルスは既にインフルエンザとほぼ同等な扱いとなっており、高リスクの高齢者、基礎疾患を持つ人以外、無症状は勿論、症状がでても軽ければ検査を受けることがなくなっています。

その為、全体的な増減の傾向をみる事では有効ですが、この新規感染者数の人数自体、過去の感染の波との人数比較においては、にあまり大きな意味は既になくなっています。

8月2日~8月8日の7日間

平均1日あたり感染者数 前週との比較
全オーストラリア 730 -5.9%
ACT 25 -2.2%
NSW 278 -2.5%
NT 5 -32.7%
QLD 183 -4.6%
SA 72 -4.4%
TAS 25 -25.1%
VIC 63 -14.8%
WA 78 -5.4%
短縮表示の州名 州名 主な都市
ACT オーストラリア首都特別区 キャンベラ
NSW ニューサウスウェールズ州 シドニー
NT ノーザンテリトリー準州 エアーズロック、アリススプリングス、ダーウィン
QLD クイーンズランド州 ゴールドコースト、ブリスベン、ケアンズ、ハミルトン島
VIC ビクトリア州 メルボルン
SA 南オーストラリア州 アデレード
TAS タスマニア州 ホバート、ロンセストン
WA 西オーストラリア州 パース



オーストラリアにおける新型コロナウィルス行動制限

オーストラリアでは、各州政府が新型コロナウィルス関連の行動規制を決定していますが、全ての州において実施されていた行動規制は、検査、隔離の義務を含めてほぼ全面的に解除されています。

現在のオーストラリアでは、従来のインフルエンザに近い扱いとなっており、症状が出ている人は、できれば回復するまでは学校、職場に行くのは控えて、自宅で療養してください、というスタンスになっています。

マスクの着用

屋内も含めてマスクの着用の義務はありません。

新型コロナウィルスに罹患し完全に回復していない間は、屋内、公共交通機関では、マスクの着用が推奨されています。

地方、郊外、リゾート地ではマスクを着用している人をほとんどみかけませんが、シドニー、メルボルン等大都市の市内域ではアジア系の人を中心に屋内ではマスクを着用している人もいます。

マスクの着用は、屋内も含めて、個人の判断で着用してもしなくても、問題ありません。

隔離の義務

新型コロナウィルスの罹患していても、隔離の義務はありません。

ただし、症状がある場合は、その症状が治まるまで、自宅に留まることが推奨されています。

また、重症化するリスクの高い人、入院中の人、高齢者・障がい者施設にいる人と会うの避けてください。

当局への報告義務

新型コロナウィルス検査の陽性結果を、州政府当局へ報告する義務はありません。

ただし、各州で実施されているオンライン登録システムで登録することにより、州政府の医療サポートにアクセスすることができるようになります。

濃厚接触者

同居する家族など、感染者本人と同様に行動の制限はありません。

オーストラリアで実施されていた出入国・行動制限と解除時期

オーストラリアで過去に実施されていた、新型コロナウィルス関連の出入国・行動の制限が解除された時期を表にまとめました。

時期 規制・解除内容
2020年3月20日 新型コロナウィルスの世界的なパンデミックをうけ、オーストラリアの出入国規制が開始される。オーストラリア市民、永住者を除き、特別な許可を得ている人を除き、オーストラリアに入国することができなくなる。
オーストラリアに帰国する市民、永住者は、当局の用意したホテルでの自費による強制隔離が行われる。
また、オーストラリア市民、永住者のオーストラリア出国を原則禁止する。
2020年11月1日 ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州などで、ホテルでの強制隔離が終了、自宅などでの自己隔離となる。
2022年2月2日 ワクチン接種者完了者でPCR検査による陰性証明書を所持する、日本を含む一部の国の外国人のオーストラリア入国が許可される。
2022年4月17日 オーストラリア入国に際し、PCR検査による陰性証明書の提出を不要になる。
2022年7月6日 ワクチン未接種者もオーストラリアへの入国が可能となる。
2022年10月 全ての州で新型コロナウィルス感染者の自己隔離の義務が廃止される。




オーストラリアにおけるマスク事情

米国、ヨーロッパの各国でも新型コロナウィルスの感染防止にマスク着用の推奨が行われ、多くの国では外出時のマスク着用の義務化も行われてきています。

オーストラリア連邦政府保健局がマスクの着用は新型コロナウィルスの感染予防策として、社会的距離の確保、頻繁な手洗いの実施、消毒液の使用などを推奨し、マスク着用は推奨していなかったこともあり、オーストラリアではマスクを着用している人はほとんど見られませんでした。

8月2日より感染が急拡大しているメルボルンのあるビクトリア州では、州内全域でマスクの着用を義務付けが実施され、オーストラリアにおいても徐々にマスク着用に対する事情も変わってきています。

隣接するニューサウスウェールズ州のシドニーでも公共交通機関やスーパーマーケット等でのマスク着用の推奨が州政府より発表され、シドニー近郊でもクラスター発生が続いていることもあり、マスクの着用者が8月になってから増えてきています。

それでもシドニー市内ではバス、電車などの車内でも30-40%程度とかなり増加しましたが、屋外では人が多い所でも10-20%程度にとどまります。

他の地域、及び他州では新規感染者数がゼロ、または1-2名が続き、感染の拡大となっていないこともあり、マスクを着用している人を見ることは稀です。

オーストラリアでは新型コロナウィルスの対策として、マスク着用が進まない理由として考えられるのは以下の通りです。

  1. マスクを付ける習慣がない
  2. 政府関係機関からコロナ対策として推奨されていなかった
  3. 一般用マスクを売っていない。売っていても高い
  4. 国内における感染リスクは少ないと考える人が多い(メルボルン、シドニーを除く)
  5. マスク無しでコロナ封じ込めに成功している(メルボルン、シドニーを除く)

マスクを付ける習慣がない

米国、ヨーロッパ諸国と同じように、オーストラリアでは病人でもない限り、マスクを付けるという習慣はありません。

連邦政府保健局からコロナ対策として推奨されていなかった

連邦政府保健局の新型コロナウイルスの推奨防止策として、頻繁な手洗い、消毒液(サニタイザー)の使用、社会的距離の確保などが推奨されていますが、マスクの日常的な着用は推奨されていませんでした。

マスク着用はコロナウイルス感染症予防に大きな役割は果たさないと言う見解でしたが、7月31日に保健局の副医務官より、「コロナウイルス感染拡大を抑制するため、オーストラリア国民全員がマスクの着用を検討すべき」との発表がありました。

今後、オーストラリアでもマスク着用がスタンダードになって行く可能性があります。

一般用マスクを売っていない。売っていても高い。

シドニー、メルボルン以外の大手のドラッグストアでは、一般用の使い捨てマスクは売らているのを目にする機会はほぼありません。オーストラリアで販売されているマスクは、一部のドラッグストアで1枚5ドル(約380円)する主に医療従事者用の高機能マスク、ハードウェアショップ(金物屋)で粉塵対策の工事用マスクに限られています。

4月頃よりアジア系のスーパー、普段マスクを売っていないような商店で、日本で一時でまわった「ナゾノマスク」のようなマスクが、シドニー、メルボルンなどのアジア系住民の多い大都市では手に入るようになりましたが、その価格は1枚1.50ドルから2ドル(110円~150円)と高価なので気軽に使い捨てできません。

11月になってようやく大手スーパーやドラッグストアでも不織布マスクが販売されるようになってきました。シドニー市内の大手スーパー、コールスでは、10枚入りが2つで$19(1枚あたり$0.95、約72円)で販売されていました。

随分安くなりましたが、それでも日本と比較すると高額です。

国内における感染リスクは少ないと考える人が多い(メルボルン、シドニーを除く)

メルボルン、シドニーでは感染リスクが高くなってきていると考える人が増えてきています。その他の州、地域では、新規の感染者がゼロ、または1桁が続いているため、感染リスクが高いと考える人は多くありません。

マスク無しでコロナ封じ込めに成功している(メルボルン、シドニーを除く)

オーストラリアでは全国的にほぼ感染の封じ込めに成功したように見えていましたが、6月中旬に発生したビクトリア州のメルボルン及び周辺地域の感染拡大は、8月現在も続いています。

現時点では大規模感染拡大が続いているのはメルボルン及び近郊のみ、ビクトリア州の他の地域、及び他州では大規模な感染は発生していません。

シドニーのマスク

シドニー市内のハードウェア・ストアで販売されている不織布マスク。10枚入りが2つで$20なので、1枚あたり$1(約75円)。6月には同じようなものが10枚入りで$19.99、1枚あたり約2ドル(約150円)で売られていたので、約半額になりました。

シドニーのマスク

こちらは洗濯して再利用のできる布マスク。1枚入りが2つで$10、1枚$5(375円)。最近は不織布マスクより布マスクをしている人が多くなりましたが、市内の屋外でマスクをしている人は10%程度、7月から8月頃は着用率あがっていましたが、電車、バス等の交通公共機関内以外でのマスク着用率は下がってきています。

シドニーのスーパーで販売されているマスクシドニー市内の大手スーパー、コールスで販売されている不織布マスク。10枚入りが2つで$19なので、1枚あたり$0.95(約72円)。

シドニーのマスクシドニー市内から車で15分ほどの郊外にあるハードウェアショップ、Bunningsで販売されているマスク。各種大量に販売されており、不織布マスクが10枚入りで6ドル、1枚あたり$0.60(約45円)。



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