オーストラリアのワーホリにはいくら必要?渡航前費用と現地生活費を徹底比較

オーストラリアへワーキングホリデーに行くことを決めたら、次に考えなければならないのがお金の問題です。

「貯金はいくらあればいい?」「現地で働けば生活費は稼げる?」「シドニーとメルボルンでは、どちらの生活費が安い?」など、渡航前に気になることはたくさんあります。

インターネットで調べると「50万円あれば十分」という話もあれば、「100万円以上用意した方がよい」という意見も見かけます。

実際のところ、必要な資金はどの都市で暮らすか、どんな住居を選ぶか、渡航してからどのくらいで仕事が見つかるかによって大きく変わります。

オーストラリアのワーキングホリデービザでは、初期滞在資金として一般的にA$5,000程度が目安とされています。しかし、これはオーストラリアでの生活を始めるために必要な費用のすべてを意味するわけではありません。

例えば、仕事が見つかるまでの生活費に加えて、シェアハウスの保証金、最初の宿泊費、携帯電話、交通費なども必要です。さらに、ビザ申請料金や航空券、医療保険など、出発前に支払う費用もあります。

この記事では、日本からオーストラリアへ初めてワーキングホリデーに行く方を対象に、渡航前の準備費用、現地の生活費、都市ごとの違い、アルバイト収入、必要な貯金額まで、具体的な数字を使って解説します。

料金や賃料は変動するため、政府が公表している実際の料金と、予算を組むために設定した仮定金額を分けて紹介します。旅行計画や資金準備の参考にしてください。

ワーホリに行くために貯金しています。政府の案内にA$5,000必要とありますが、それだけあれば生活を始められますか?
A$5,000はビザの資金要件で示されている一般的な目安です。現地では家賃や保証金などの支払いがあり、仕事もすぐに見つかるとは限りません。できれば2~3か月分の生活費と住居の初期費用を計算し、出国するためのお金も別に確保しておきましょう。




ワーホリの資金はA$5,000あれば十分?

まず、オーストラリア政府が案内している必要資金について確認しましょう。

日本国籍者が一般的に申請するワーキングホリデービザは、サブクラス417(Subclass 417)です。

オーストラリア内務省(Department of Home Affairs)では、初期滞在費として通常A$5,000程度の資金を持っていることを求めています。

さらに、オーストラリアを出国するための航空券、またはその航空券を購入できる資金が必要です。

ここで注意したいのが、次の3つは別のものだという点です。

項目 意味
初期滞在資金A$5,000程度 現地生活を始めるための資金要件の目安
出国用の航空券または購入資金 滞在終了時にオーストラリアを出国するための備え
ビザ申請料金 政府へ実際に支払う申請手数料

A$5,000は、政府へ預けたり支払ったりするお金ではありません。自分が生活するための資金です。

また、A$5,000という数字は、現地で希望する仕事や住居が見つかるまでの生活を保証する金額ではありません。

例えば、家賃が週A$350の部屋を借りて、食費や交通費などを含めて週A$600使う生活なら、A$5,000は約8週間分の支出に相当します。

しかも、シェアハウスの保証金や出国用の航空券代を別に考えなければなりません。

ビザの申請要件を満たすための資金と、安心してワーホリ生活を始められる資金は分けて考える必要があります。

特に、渡航後に英語学校へ通う予定の方や、しばらく観光を楽しみたい方は、仕事による収入がない期間を長めに見込んでおきましょう。

公式情報:オーストラリア内務省:ワーキングホリデービザ417

日本出発前に必要な費用はいくら?

オーストラリアでの生活費を考える前に、まず日本を出発するまでにどのくらい費用がかかるのか整理しましょう。

渡航前に発生する主な費用は、ビザ申請料金、航空券、医療保険、渡航準備用品などです。

ビザ申請料金

2026年10月時点の初回ワーキングホリデービザ417の申請料金はA$840です。

この金額はオーストラリア政府が公表している実際の料金です。

決済方法によっては追加の手数料がかかる場合があります。また、必要に応じて健康診断や書類翻訳などの費用が発生することもあります。

航空券

日本からオーストラリアへの航空券は、渡航時期や利用する航空会社、到着都市によって大きく変わります。

シドニーやメルボルンのような大都市へ向かう場合と、地方都市へ乗り継ぐ場合とでは、必要な費用が異なります。

また、受託手荷物の料金や、出発日を変更できる航空券かどうかも確認しておきたいところです。

渡航する時期が決まっていない段階では、予算計算用として片道航空券A$1,000などの仮定を置き、実際の運賃が分かった段階で置き換えるとよいでしょう。

なお、内務省はワーキングホリデービザの許可前に航空券などを確定手配しないよう案内しています。

医療・旅行保険

日本からの一般的なワーキングホリデー滞在者は、通常、オーストラリアの公的医療制度であるメディケア(Medicare)を利用できません。

そのため、病気やけがによる医療費に備える保険は非常に重要です。

保険料は、加入期間、補償限度額、免責額、携行品・賠償責任などの付帯補償によって大きく異なります。

特に仕事をする予定がある場合は、就労中の事故や作業内容による補償制限を確認してください。

ワーキングホリデーのために保険を比較するときは、短期旅行者向けの保険と混同しないことも大切です。

渡航準備用品

そのほか、必要に応じて次のような費用もかかります。

  • スーツケース・バックパック
  • 電源プラグ変換アダプター
  • 常備薬や身の回り品
  • 書類の発行・翻訳
  • 国際運転免許証など、現地での運転に必要な書類
  • 預け荷物の追加料金

すべてを日本で買いそろえる必要はありません。現地で簡単に購入できる日用品も多いため、持ち物を増やしすぎないようにしましょう。

出発前費用の試算

次の表は、一般的な初回ワーキングホリデーを想定した計算例です。

項目 試算金額
初回ビザ申請料金(公式) A$840
片道航空券(仮定) A$1,000
医療・旅行保険(仮定) A$850
渡航準備・手荷物等(仮定) A$350
合計 A$3,040

この例では、日本を出発するまでにA$3,040が必要になります。

ただし、A$840のビザ料金以外は予算計算用の仮定額です。航空券や保険の実売価格を示したものではありません。

また、ここには現地で使う生活資金は含まれていません。

到着直後に必要となる初期費用

オーストラリアへ到着すると、住む場所が決まるまでの宿泊費や交通費などがかかります。

ワーキングホリデーでは、到着した当日からシェアハウスに入居できるとは限りません。

まず数日間はホステルや短期宿泊施設に泊まり、部屋を見学してから契約する方も多いと思います。

最初の宿泊費

到着後の宿泊先としては、ホステル、バックパッカーズ、格安ホテル、短期賃貸などがあります。

最初の5~7泊程度を仮予約しておくと、住居探しに余裕を持てます。

例えば、1泊A$75の宿泊施設に6泊するなら、宿泊費はA$450です。

ただし、これは計算例です。大都市の中心部や混雑期には、この金額より高くなる場合があります。

空港からの移動

到着後は、空港から宿泊施設までの移動費用も必要です。

鉄道やバスを使えば比較的安く移動できる場合がありますが、大きなスーツケースを持っている場合は、タクシーや空港送迎を利用した方が便利なこともあります。

宿泊先の場所と到着時間を確認し、移動手段を決めておきましょう。

携帯電話・通信

現地で住居や仕事を探すには、携帯電話とインターネット接続が欠かせません。

プリペイドSIMやeSIMを利用できる携帯電話なら、長期契約を結ばずに使い始められます。

ただし、通信容量、利用期間、オーストラリア国内通話の条件、地方での通信エリアは会社やプランによって異なります。

仕事探しに使う電話番号を早めに確保しておくと便利です。

生活用品

シェアハウスが決まった後も、寝具、調理用品、洗剤、日用品などを購入する必要があるかもしれません。

家具付きの部屋でも、どこまで備品が含まれているかは物件によって異なります。

入居時にまとめて購入することになれば、思わぬ出費になることもあります。

日本からの持ち物と現地で必要なものを整理し、最初の生活用品代も予算に入れておきましょう。

シェアハウスの家賃・ボンド・前払い家賃

オーストラリアで生活費の大きな割合を占めるのが家賃です。

ワーキングホリデーでは、住居費を抑えるためにシェアハウス(Share House)を利用する方が多くいます。

シェアハウスは、キッチンやリビング、バスルームなどを複数の人で共同利用する住まいです。

部屋の種類には、1人で使う個室と、複数人で使う相部屋があります。

相部屋は比較的安くなりますが、プライバシーや生活時間の違いに気を使うこともあります。

家賃は週単位で表示されることが多い

オーストラリアの賃貸物件では、家賃が1週間当たりの金額で表示されることが一般的です。

例えば、週A$300の部屋なら、4週間でA$1,200です。

ただし、1か月は必ずしも4週間ではありません。

年間52週間を12か月で割ると、1か月は平均約4.33週間になります。

そのため、週A$300の家賃なら、1か月平均は約A$1,300と考える方が正確です。

週の家賃 4週間分 1か月平均
A$250 A$1,000 約A$1,083
A$300 A$1,200 約A$1,300
A$350 A$1,400 約A$1,517
A$400 A$1,600 約A$1,733

ボンド(Bond)とは?

シェアハウスや賃貸住宅では、入居時に保証金の支払いを求められることがあります。

オーストラリアでは一般的にボンドと呼ばれ、日本の敷金に近いものです。

ボンドは通常、賃貸契約終了時に未払い家賃や正当な損傷費用などがなければ返還されるものです。

ただし、保証金の上限、預け先、返還手続きは州や住居の契約形態によって異なります。

例えば、ニューサウスウェールズ州では、一般的な住宅賃貸契約のボンドは最大4週間分の家賃です。

また、入居時に求められる前払い家賃は最大2週間分です。

したがって、週A$350の住宅賃貸契約で、ボンド4週間分と前払い家賃2週間分を支払う場合、次のようになります。

項目 計算 金額
ボンド A$350 × 4週間 A$1,400
前払い家賃 A$350 × 2週間 A$700
入居時の支払額 A$2,100

このA$2,100は、契約に基づく一例です。すべてのシェアハウスで同じ金額や支払い条件になるわけではありません。

また、前払い家賃は将来の家賃に充当されるため、月々の生活費に二重計上しないよう注意してください。

ビクトリア州(Victoria)では、一般的な住宅賃貸契約のボンドは通常1か月分までとされていますが、家賃や物件の条件によって例外があります。ルーミングハウスなどは別の規則が適用されます。

シェアハウスの場合は、正式な賃貸契約に名前が入るのか、転貸契約なのか、住み込みの下宿に近い形なのかによって、権利や手続きが異なる場合があります。

ボンドの振込先は必ず確認

部屋の見学前に保証金を振り込むよう求められたり、相手の身元がはっきりしないまま海外送金を求められたりする場合には注意してください。

実在する物件の写真を使った偽の募集広告が掲載されるケースもあります。

できるだけ実際に部屋を見学し、貸主・転貸人の権限、契約条件、ボンドの扱いを確認してから支払いましょう。

参考:ニューサウスウェールズ州政府:賃貸契約時の費用

参考:ビクトリア州消費者行政:ボンドの規則



食費・交通費・通信費・日用品の予算

家賃以外の生活費も、ワーキングホリデーの資金計画では重要です。

特に大都市では、毎日の外食やカフェの利用が続くと、予想以上にお金がかかります。

一方、シェアハウスのキッチンで自炊をすれば、食費をある程度抑えることもできます。

食費

オーストラリアのスーパーマーケットでは、野菜、果物、肉、乳製品、パン、パスタなど、日常生活に必要な食材を購入できます。

主なスーパーには、ウールワース(Woolworths)、コールス(Coles)、アルディ(ALDI)などがあります。

価格を比較して購入したり、プライベートブランドの商品を利用したりすると、食費を抑えやすくなります。

ただし、中心部の小型店舗と郊外の大型店舗では、品ぞろえや価格が異なる場合もあります。

自炊を中心にするか、外食が多いかによって、1週間の食費にはかなりの差が出ます。

交通費

交通費は、住んでいる場所と仕事先までの距離によって変わります。

市内中心部に住めば徒歩で通勤できる可能性がありますが、家賃が高くなる場合もあります。

反対に、郊外の安い部屋を借りても、毎日電車やバスに乗る必要があれば交通費が増えます。

また、夜間や早朝の仕事では公共交通機関の本数が少なく、タクシーや配車サービスを利用しなければならない場合もあります。

家賃だけで住居を選ばず、通勤にかかる費用と時間も合わせて考えましょう。

携帯電話・通信費

オーストラリアでは、プリペイドSIMやeSIMを利用する方法も一般的です。

主な通信事業者には、テルストラ(Telstra)、オプタス(Optus)、ボーダフォン(Vodafone)などがあります。

利用料金は通信容量や有効期間などによって異なります。

特に地方や農場で働く予定がある場合は、料金だけでなく通信エリアも確認してください。

日用品・娯楽費

洗剤、シャンプー、洗濯、衣類などの費用も必要です。

さらに、休日の外食、観光、スポーツ、友人との食事などを楽しむなら、その分の予算も見込んでおきたいところです。

ワーキングホリデーの魅力は、現地で暮らすことだけではありません。オーストラリア各地を旅行するためのお金も、生活費とは別に確保しておくとよいでしょう。

都市別の生活費|シドニー・メルボルン・ブリスベンなど

オーストラリアでの生活費を考える際、最も大きな違いが出やすいのは住居費です。

同じようなシェアハウスでも、都市や地区、最寄り駅、個室か相部屋かによって家賃が変わります。

ここでは、シドニー、メルボルン、ブリスベン(Brisbane)、パース(Perth)、アデレード(Adelaide)、ケアンズの6都市について、1人で個室のあるシェアハウスに住む場合の生活費を比較します。

ただし、以下の数字は2026年10月現在の平均募集家賃ではなく、各都市の予算を比較するために設定した仮定額です。

実際の賃貸物件、交通費、食品価格などを集計した統計ではありません。

都市 家賃/週 家賃以外/週 合計/週
シドニー A$380 A$250 A$630
メルボルン A$310 A$230 A$540
ブリスベン A$320 A$240 A$560
パース A$320 A$240 A$560
アデレード A$270 A$215 A$485
ケアンズ A$300 A$230 A$530

表は、それぞれの都市で生活費がどの程度変わるかを考えるためのモデルです。賃料の高い地区では、表の家賃で個室を見つけることが難しい場合があります。

シドニー

シドニーは、飲食店、ホテル、オフィスなどが集まるオーストラリア最大級の都市です。

仕事の選択肢が多い一方、住居費が高くなりやすいという特徴があります。

市内中心部やビーチに近い人気エリアでは、個室のシェアハウスでも家賃が高くなる場合があります。

郊外まで範囲を広げれば選択肢は増えますが、通勤時間や交通費も合わせて考える必要があります。

メルボルン

メルボルンはカフェ文化が盛んで、飲食業やホスピタリティー関連の仕事を探す方にも人気があります。

住む地区によって家賃に大きな差があるため、仕事先と公共交通機関のアクセスを見ながら探すとよいでしょう。

また、冬は冷え込むため、暖房費や住宅の断熱性能なども確認しておきたいところです。

ブリスベン・ゴールドコースト

ブリスベンやゴールドコーストは、比較的温暖な気候を求める方に人気のエリアです。

観光や飲食、サービス業などの仕事もありますが、人口の増加や住宅需要によって家賃が高くなる地域もあります。

「クイーンズランド州だから住居費が必ず安い」というわけではありません。

パース

西オーストラリア州(Western Australia)の州都パースは、海に近く、自然が豊かな都市です。

周辺地域には観光業以外の仕事もありますが、住宅事情は地域や時期によって異なります。

人気地区の家賃や空室状況を確認しながら、住む場所を選びましょう。

アデレード

アデレードは、シドニーやメルボルンと比べるとコンパクトな都市です。

中心部へのアクセスや生活環境のバランスを考えながら、比較的落ち着いた生活を送りたい方にとって選択肢になるでしょう。

ただし、都市が小さいからといって仕事がすぐに見つかるとは限りません。

ケアンズ

ケアンズは、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)などを訪れる旅行者の拠点です。

観光関連の仕事に興味がある方にとって魅力的ですが、仕事の募集状況は季節によって変わります。

また、地方都市だから住居費や生活費が必ず安いわけではなく、住居の供給状況や交通手段によって費用が変わることがあります。

都市ごとの費用を実際に比較する際には、オーストラリア政府のスタディ・オーストラリア(Study Australia)が提供する生活費計算ツールも参考になります。

オーストラリア政府:生活費計算ツール

ただし、このツールも統計やモデルに基づく目安であり、現在の個別物件の賃料を保証するものではありません。

ワーホリの1か月の生活費はいくら?

もう少し具体的に、メルボルンでシェアハウスの個室に住む場合を例に、1か月の生活費を計算してみましょう。

家賃は週A$310、食事は基本的に自炊、公共交通機関で通勤するという想定です。

項目 1週間の予算
シェアハウス家賃 A$310
食費 A$110
交通費 A$45
通信費 A$15
日用品・娯楽・予備費 A$60
合計 A$540

1週間A$540なら、4週間ではA$2,160です。

ただし、1か月平均で計算すると次のようになります。

A$540 × 52週間 ÷ 12か月 = A$2,340

つまり、この生活モデルでは、1か月平均A$2,340の生活費が必要です。

年間で考えるとA$28,080になりますが、これは同じ生活水準を1年間継続したと仮定した金額です。

また、ここには以下のような費用は含めていません。

  • 語学学校の授業料
  • オーストラリア国内旅行
  • 帰国・出国航空券
  • 高額な買い物
  • 予期しない医療費
  • 転居による追加費用

さらに、家賃に電気・ガス・水道代などが含まれていない場合は、別途生活費を見込む必要があります。

表の金額は、光熱費などが家賃に含まれる、または日用品・予備費の範囲で対応できると仮定した単純なモデルです。

実際に部屋を探すときには、家賃だけでなく、光熱費やインターネット料金が含まれているかどうかも確認しましょう。



アルバイトで生活費を稼げる?最低賃金と手取りの試算

ワーキングホリデーでは、現地で働きながら生活費を賄うことができます。

ただし、実際にいくら稼げるのかは、時給だけでなく、週に何時間働けるかによって決まります。

オーストラリアの全国最低賃金は、2026年7月1日から成人の対象労働者について時給A$26.44です。

これは、産業別の賃金規則や労働協約が適用されない労働者を対象とした全国最低賃金です。

カジュアル雇用で全国最低賃金が適用される場合、25%のカジュアル・ローディングを含めた最低時給はA$33.05です。

実際には、レストラン、カフェ、ホテルなどで、業種別の賃金規則(Award)が適用される場合も多くあります。

そのため、すべてのワーキングホリデーの仕事が時給A$26.44やA$33.05になるという意味ではありません。

週20時間・30時間働いた場合

例えば、時給A$26.44で働く場合を考えてみましょう。

週の勤務時間 税引前の週給 15%控除した試算額
20時間 A$528.80 A$449.48
25時間 A$661.00 A$561.85
30時間 A$793.20 A$674.22
38時間 A$1,004.72 A$854.01

表の税引後金額は、給与から一律15%を控除する単純な計算です。実際の税額や給与明細の金額を保証するものではありません。

オーストラリアのワーキングホリデーでは、登録された雇用主による一般的な給与源泉徴収として、年間所得A$45,000まで15%の税率が使われます。

ただし、雇用主の登録状況、税務上の居住者判定、租税条約などにより、実際の源泉徴収や最終税額が異なる場合があります。

特に日本国籍者については、オーストラリアの税務上の居住者に該当するかどうかが、最終的な税務処理に関係する場合があります。

また、表は税率を説明するための例であり、残業、休日割増、各種手当などは含んでいません。

生活費と比較してみる

先ほどのメルボルンの生活費モデルでは、1週間の支出はA$540でした。

時給A$26.44で週20時間働き、給与から15%が控除されると仮定すると、手取りはA$449.48です。

この場合、毎週約A$90.52の赤字になります。

一方、週30時間働ければ、同じ仮定で手取りはA$674.22となり、毎週約A$134.22が残ります。

勤務時間 試算手取り 生活費 差額
週20時間 A$449.48 A$540 -A$90.52
週25時間 A$561.85 A$540 +A$21.85
週30時間 A$674.22 A$540 +A$134.22

この試算からも分かるように、時給が比較的高くても、働ける時間が少なければ生活費を十分に賄えない場合があります。

また、仕事が見つかっても、最初から希望する時間数のシフトに入れるとは限りません。

特にカジュアル雇用では、仕事の繁忙状況によって勤務時間が週ごとに変わることがあります。

月々の家賃や生活費は一定でも、収入は変動する可能性があるため、貯金をすべて使い切らないようにしたいところです。

参考:フェアワーク・オンブズマン(Fair Work Ombudsman):最低賃金

参考:オーストラリア税務局(Australian Taxation Office):給与源泉徴収の計算

仕事が2~3か月見つからなかったら?

ワーキングホリデーの資金計画で、意外と見落としやすいのが仕事探しの期間です。

渡航後すぐに仕事が見つかる方もいますが、希望する職種や勤務地によっては、就職活動が長引くこともあります。

英語力、職歴、季節、求人状況などによって条件が異なるため、何週間で仕事が見つかると断定することはできません。

例えば、先ほどのメルボルンの生活費モデルを使うと、収入がない場合の支出は次のようになります。

無収入の期間 生活費の試算
4週間 A$2,160
8週間 A$4,320
12週間 A$6,480

週A$540という生活費を前提にすると、3か月近く収入がない場合には、約A$6,500が必要です。

しかも、これは通常の生活費だけです。

家賃のボンド、渡航直後の一時宿泊費、出国用の航空券代などは別に考える必要があります。

仕事探しの期間を短く見積もりすぎない

「現地に着いたらすぐ働ける」と考えて、ぎりぎりの資金で渡航すると、仕事が見つからなかったときに生活が苦しくなります。

家賃を払うために希望しない仕事を急いで選んだり、条件のよくない住居に入居したりする可能性もあります。

できれば、少なくとも2か月程度、可能なら3か月程度は収入がなくても生活できる資金を確保しておくことをおすすめします。

これは政府が定める義務ではなく、生活上のリスクに備えるための予算の考え方です。

仕事が見つかっても、初回の給料がすぐ入るとは限らない

採用されたとしても、翌日から仕事を始められるとは限りません。

研修や書類手続きが必要な場合もありますし、給与が週払い・隔週払いなどの周期で支払われる職場もあります。

そのため、仕事が決まった時点で残高がほとんどない状態にならないよう、余裕を持つことが大切です。

渡航時に必要な資金の具体的な試算

ここまで紹介した費用を合計すると、結局いくら準備すればよいのでしょうか。

メルボルンでシェアハウスの個室を探し、仕事が見つかるまで最初の8週間は無収入というケースで試算してみましょう。

日本出発前の費用も含め、渡航開始時点で確保しておきたい資金を計算します。

試算の条件

  • 初回ワーキングホリデービザ
  • メルボルンで生活を始める
  • シェアハウスの個室で家賃A$310/週と仮定
  • 家賃を含む生活費はA$540/週と仮定
  • 最初の8週間は収入がない
  • 入居前の短期宿泊施設に6泊する
  • 住居のボンドは家賃4週間分と仮定
  • 出国用の航空券資金を別に確保する
項目 計算方法 資金
ビザ申請 公式料金 A$840
日本からの航空券 仮定額 A$1,000
医療保険・渡航準備 仮定額 A$1,200
現地生活費8週間 A$540 × 8週間 A$4,320
シェアハウスのボンド A$310 × 4週間 A$1,240
到着後の一時宿泊 A$75 × 6泊 A$450
初期生活用品 仮定額 A$200
出国用の航空券資金 仮定額 A$1,000
必要資金合計 A$10,250

このケースでは、出発前の費用と現地の初期資金を合わせてA$10,250となります。

この数字は、政府が推奨している貯金額でも、一般的なワーホリ渡航者の平均支出でもありません。あくまで今回の条件で計算したモデルです。

なお、現地生活費8週間分には、その期間の家賃も含めています。

実際に入居時に前払い家賃を支払っても、その分を生活費にもう一度加算しているわけではありません。

また、ボンドA$1,240は条件を満たせば退去時に返還される性質のお金ですが、滞在中は自由に使えないため、初期資金には含めています。

出国用の航空券資金A$1,000は、初期生活費とは別に残しておく想定です。

3か月間、仕事が見つからなかった場合は?

同じ生活費で無収入期間を8週間から12週間に延ばすと、さらに4週間分のA$2,160が必要になります。

したがって、合計はA$12,410になります。

つまり、今回のモデルでは、出発前の費用から現地で2~3か月間の無収入期間までを考慮すると、A$10,000~12,500程度という予算になります。

もちろん、安い相部屋を利用したり、保険や航空券を低料金で手配できたりすれば、必要な資金は減らせる可能性があります。

一方、シドニーの家賃が高い地区に住む場合や、語学学校に通う場合には、さらに多くの資金が必要になるでしょう。

日本円ではいくら用意すればよい?

日本円への換算額は、オーストラリアドルとの為替レートによって変わります。

例えばA$10,000を用意する場合、1豪ドルが100円なら100万円、110円なら110万円です。

これは為替換算の計算例であり、現在の実際の為替レートを示したものではありません。

海外送金や現地でのカード利用では、為替レートに加えて送金手数料や通貨換算手数料がかかる場合があります。

日本円で準備する金額を決める際には、為替レートの変動も考慮しておきましょう。

語学学校に通う場合は予算がどれくらい増える?

ワーキングホリデーでは、語学学校に通ってから仕事を探す方もいます。

語学学校は英語力を高めるだけでなく、オーストラリアの生活に慣れたり、友人を作ったりする機会にもなります。

ただし、授業料が必要になるため、現地での生活費に加えて別の資金を準備しなければなりません。

学校によって授業料は異なり、受講するコース、授業時間、申し込み時期などによっても変わります。

また、入学金や教材費が別に必要な場合もあります。

例えば、次のような仮定で4週間の授業料を計算してみましょう。

項目 計算 金額
授業料 A$350 × 4週間 A$1,400
入学金・教材費 仮定額 A$200
合計 A$1,600

これは語学学校の実売料金ではなく、予算計算のための例です。

同じ条件で12週間通うなら、授業料A$4,200と入学金・教材費A$200で、合計A$4,400となります。

この金額は、家賃や生活費とは別です。

語学学校に通いながら働くことも可能ですが、授業時間や通学時間によって、仕事に使える時間が限られる場合があります。

学校を卒業してから仕事探しを始める場合には、無収入期間が長くなることも考えておきたいところです。

また、417ビザでは原則として最長4か月間の就学が認められています。

長期間の就学を希望する場合には、学生ビザなど別のビザが必要になる可能性があります。

最初から学校に通う必要があるかどうかも含めて、自分の英語力や目的、予算に合わせて考えるとよいでしょう。



生活費を抑えるためにできること

ワーキングホリデーの資金を準備するうえで、節約できる費用と、無理に削らない方がよい費用を分けて考えることも大切です。

家賃と通勤費をセットで比較する

住居費を抑えたい場合、中心部から少し離れた地域も選択肢になります。

ただし、家賃が週A$50安くなっても、交通費が週A$60増えるなら、金銭面では得になりません。

さらに、通勤に毎日長い時間がかかると、仕事や勉強に使える時間が減ってしまいます。

家賃だけではなく、交通費と通勤時間を含めて比較しましょう。

自炊を基本にする

オーストラリアでは、スーパーで食材を購入し、まとめて調理することで食費を抑えられる場合があります。

例えば、朝食を自宅で用意し、昼食にサンドイッチや作り置きの料理を持参するだけでも、毎日の外食費を減らせます。

ただし、必要以上に食費を切り詰めず、栄養面にも気を配りたいところです。

携帯電話は必要な容量に合わせる

通信費を抑えるために、最初はプリペイドのプランを利用する方法もあります。

ただし、オンライン面接や住居探し、仕事探しなどでは通信が必要になるため、安さだけで選ばないようにしましょう。

中古品やリユース品を利用する

机、椅子、自転車、生活用品などは、中古品を探せる場合があります。

滞在期間が限られるワーキングホリデーでは、すべてを新品で買う必要はありません。

ただし、中古品を個人売買で購入する場合は、商品の状態、支払い方法、受け取り場所などを確認してください。

無料で楽しめる場所を活用する

オーストラリアには、ビーチ、公園、ウォーキングコースなど、無料で楽しめる場所がたくさんあります。

毎週高額なアクティビティを予約する必要はありません。

休日には近くのビーチや公園へ出かけたり、地域の無料イベントを探したりするのも、オーストラリアらしい過ごし方です。

医療保険を安さだけで選ばない

生活費を節約したいからといって、必要な医療補償まで削りすぎるのはおすすめできません。

病気やけがで多額の医療費が発生すると、貯金を大きく減らす可能性があります。

保険料だけでなく、補償限度額、免責額、対象となる仕事などを比較してください。

資金が少ない人が注意したい落とし穴

ワーキングホリデーでは、できるだけ安く渡航しようと考える方もいるでしょう。

費用を抑えること自体は悪いことではありませんが、短期間でお金を使い切ってしまうと、せっかくの滞在を十分に楽しめなくなります。

到着後すぐに仕事が見つかる前提で予算を組む

仕事の募集状況は、都市、季節、職種によって違います。

求人に応募しても、面接まで進まない場合もありますし、採用が決まるまで時間がかかることもあります。

収入が入ることを前提に、最初から貯金を使い切る計画は避けたいところです。

ボンドを生活費として数える

ボンドは退去時に返還される場合がありますが、滞在中は原則として自由に使えるお金ではありません。

例えば、A$1,400のボンドを支払った場合、その金額を毎月の生活費に充てることはできません。

また、退去後も返還までに時間がかかる場合があります。

格安のシェアハウスへ見学せずに送金する

日本からインターネットで部屋を探していると、相場よりかなり安い物件が見つかることもあります。

しかし、実際には存在しない部屋や、募集する権限のない人物による詐欺の可能性もあります。

オーストラリアの政府機関スキャムウォッチ(Scamwatch)でも、住居を確認できないまま保証金や前払い家賃を送金する詐欺について注意を呼びかけています。

物件の所在地、貸主の情報、契約条件、内見方法、保証金の扱いなどを確認し、不明な点がある場合は支払いを急がないようにしましょう。

スキャムウォッチ:賃貸物件の詐欺に関する注意

最低賃金を下回る仕事でも仕方ないと思う

ワーキングホリデーの渡航者も、オーストラリアの労働法によって保護されています。

最低賃金、休日や時間帯による割増賃金、給与明細などについて、適用される規則に従う権利があります。

雇用主から「ワーホリだから最低賃金は関係ない」と説明されても、それは正しくありません。

賃金や雇用条件に不安がある場合には、フェアワークの公式情報を確認してください。

フェアワーク:日本語の労働者向け案内

出国用の資金を残しておかない

仕事が見つからなかった場合や、家庭の事情などで帰国する必要が生じることもあります。

そのときに航空券を購入できる資金が残っていなければ、困った状況になります。

政府が求める初期資金と出国費用の条件を満たすだけでなく、実際の生活でも出国用の資金は別に確保しておくことをおすすめします。

オーストラリアのワーホリ費用に関するよくある質問

オーストラリアのワーホリには最低いくら必要ですか?

オーストラリア政府は、初期滞在費として一般的にA$5,000程度と、出国するための航空券またはその購入資金を求めています。ただし、実際の渡航費、保険、住居の保証金、仕事が見つかるまでの生活費などは別途計算する必要があります。
ワーホリの貯金は100万円あれば十分ですか?

100万円で十分かどうかは為替レート、航空券、保険、滞在する都市、家賃、仕事が見つかるまでの期間によって異なります。例えば渡航費と8週間の無収入期間を含む試算ではA$10,250となりました。実際の費用を計算したうえで判断してください。
ワーホリで1か月の生活費はいくらかかりますか?

生活費は都市、住居、食事、交通手段などによって変わります。例えばシェアハウスの個室に住む生活モデルで週A$540使う場合、1か月平均は約A$2,340になります。この金額は予算計算用の仮定であり、実際の平均支出ではありません。
オーストラリアのシェアハウスのボンドとは何ですか?

ボンドは住居の保証金で、日本の敷金に近いものです。ニューサウスウェールズ州の一般的な住宅賃貸契約では最大4週間分の家賃です。ボンドの上限や手続きは州・住居の契約形態によって異なります。
ワーホリ中のアルバイトだけで生活できますか?

仕事の時給、勤務時間、住居費などによって異なります。2026年7月からの全国最低賃金は、対象労働者について時給A$26.44です。ただし、週の勤務時間が少ない場合や高い家賃を支払っている場合には、アルバイト収入だけで生活費を賄えないこともあります。
ワーホリではシドニーとメルボルンのどちらが生活費を抑えられますか?

住居の地区、部屋の種類、仕事先までの交通費によって異なります。一般に都市中心部の住居は高くなりやすいため、個別の募集物件と通勤費を比較してください。記事中の都市別金額は比較用の予算モデルであり、平均賃料の統計ではありません。
仕事が見つからなかった場合、何か月分の生活費を用意した方がよいですか?

仕事が見つかるまでの期間は人によって異なりますが、生活上の備えとして、できれば2~3か月程度は無収入でも生活できる資金を確保しておくと安心です。政府が定める一律の義務ではありません。
ワーホリの初期費用にシェアハウスのボンドも含めるべきですか?

はい。ボンドは退去時に返還される場合がありますが、入居時に現金などで用意する必要があります。また、前払い家賃や最初の短期宿泊費なども発生するため、自由に使える生活費とは分けて計算してください。
語学学校に通う場合は、どれくらい余分に必要ですか?

学校やコース、受講期間によって異なります。例えば授業料を週A$350、入学金・教材費をA$200と仮定すると、4週間でA$1,600となります。これは計算例であり、実際の学校料金ではありません。生活費は別に必要です。
ワーホリの生活費を節約するには、何が一番効果的ですか?

大きな固定費である家賃を見直すことは有効ですが、通勤費との合計で判断する必要があります。ほかにも、自炊、通信プランの見直し、中古品の活用などで生活費を抑えられる場合があります。ただし、医療保険など必要な備えを過度に削ることは避けましょう。



まとめ|ワーホリ資金は渡航費と2~3か月の生活費を分けて考えよう

オーストラリアのワーキングホリデーに必要な資金は、渡航する都市や住居、仕事が見つかるまでの期間によって変わります。

政府が示す初期滞在資金の一般的な目安はA$5,000程度ですが、それだけで渡航前の費用や住居の保証金、現地の生活費まですべて賄えるとは限りません。

今回の計算例では、メルボルンでシェアハウスの個室に住み、最初の8週間は無収入という条件で、日本出発前の費用も含めてA$10,250となりました。

無収入期間を12週間に延ばすと、A$12,410という試算です。

もちろん、これらは今回設定した条件による予算モデルです。実際には安い住居を見つけたり、早い時期に仕事が決まったりすれば、必要な資金を抑えられる可能性があります。

一方、家賃の高い都市に住む場合や、語学学校に通う場合には、より多くの資金を考えておく必要があります。

大切なのは、現地で働いて稼ぐことを前提に、ぎりぎりの予算で渡航しないことです。

余裕のある資金を準備しておけば、仕事や住まいを探す際にも選択肢が広がります。

まずは自分が暮らしたい都市の家賃を調べ、1週間の生活費を計算してみましょう。そのうえで、日本出発前の費用、住居のボンド、無収入期間の生活費、出国用の資金を合計すれば、必要な貯金額が見えてきます。

ワーキングホリデーは、仕事だけでなく、オーストラリアで暮らし、旅行し、新しい経験をする機会でもあります。

お金の不安をできるだけ減らしてから出発することで、滞在中の時間をより充実したものにできるでしょう。

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