【2024年版】TRS – オーストラリアの税金払戻し制度の手続き方法
最新にアップデートされたオーストラリアの税金払戻し制度の概要、適用条件、TRSの手続きの方法を、オーストラリア在住のスタッフが写真入りで詳しく説明いたします。
TRSの手続きは事前のオンラインによる予備申請を済ませQRコードの発行を受けていると、当日の申請手続きもスムーズに行うことができますので、出発当日の空港での手続き方法に加えて、オンラインによる予備申請の手続きも画面図解入りで解説いたしました。
それではTRS – オーストラリアの税金払戻し制度の申請方法を、順番を追って解説させていただきます。
TRSとは?
TRS(ティーアールエス)とは「Tourist Refund Scheme」の頭文字をとった略称のことで、「旅行者税金払戻制度」となります。
オーストラリア出国の際に、オーストラリア国内で購入した物品にかかっていたGST(消費税10%)、WET(ワイン平衡税14.5%)の払い戻しを申請できる制度です。
旅行者が出国時に「手荷物」としてオーストラリア国外に持ち出す場合に限られ、オーストラリア国内で一部、又は全てを消費されたサービス、物品は対象外となります。
つまりオプショナルツアー、ホテル代などは、オーストラリア国内で「消費されてしまう」サービスなので、払い戻しの対象外となります。
洋服、カバンなど、オーストラリア国内で購入し、オーストラリアで使用を開始しても払い戻しの対象となります。
免税店で既にGST、WETを引いた金額で購入している場合は、もちろんこの払戻し制度の対象外となります。
TRSの払戻額
TRSによるGSTの払い戻し金額は購入金額の10%になります。
GTS払戻金額の計算方法は、購入金額を11で割ると簡単にも求めることができます。
例)$550のカバンを買った場合・・$550を11で割った$55が払い戻し金額
ワインを購入した場合はGST+WETの払戻を受けられ、購入金額の23.59%が払戻しになります。
TRSの適用条件
TRSを申請できる適用条件は下記の通りです。
- オーストラリア出国前60日以内購入されたもの
- 同じABN番号(オーストラリア事業者番号)を持つ事業者で$300以上(GSTを含む)の物品を購入していること
- 英語で書かれた有効な紙のTAX INVOICE(タックス・インボイス)が発行されていること
- 機内持ち込み荷物として持ち出し、係員に見せることができるもの(航空会社チェックイン前に税関事務所で所定の手続きを行って預け荷物に入れたものを除く)
- 出国までに消費されてしまうサービス、物品でないこと
- 免税品など、GST非課税の物品でないこと
- タバコ類、アルコール度数22%未満のワインを除くアルコール類でないこと
- 別送品でないこと
- 飛行機の出発予定時刻の30分前まで手続きを終えること(クルーズ船の場合港の出発予定の1~4時間前)
TAX INVOICEとは?
TAX INVOICE(タックスインボイス)とは、簡単に言うと商品を購入時に発行される領収書のことです。
TRSで認められる「有効な」TAX INVOICEの要件は下記の通りです。
- 「TAX INVOICE」の記載があること
- 英語で書かれ紙に印刷されていること
- 発行者の会社名、オーストラリア事業者番号(ABN)、住所が記載されていること
- 購入した商品の明細
- GSTまたはWET、税金の支払い額
- 購入日
- TAX INVOICEの合計が$1000を超える場合は、購入者のパスポートと一致する名前
TAX INVOICEは基本となる書式がオーストラリア税務当局によって決まっており、最後の$1000を超える場合の購入者名の記載を除き、自動的に上記を満たすものが発行されます。
TAX INVOICEが$1000を超える場合は、支払い時にTRSの手続きを空港で行う旨伝え、名前を正しくパスポート通りに記載してもらうように注意しましょう。
$1000を超えないTAX INVOICEは、名前の記載は不要です。
税金の払戻し方法
TRS手続きによる税金の払戻し方法は次の3つから選択することができます。現金で払戻しをうけることはできません。
- クレジットカードへ返金
- オーストラリアの銀行口座に振り込み
- 小切手の郵送(非推奨)
最も早く返金を受け取れる方法は「オーストラリアの銀行口座に振り込み」になりますが、オーストラリアの銀行にオーストラリアドル口座をもっていなくてはいけません。
小切手の郵送は日本円建て、日本の住所へも郵送可能ですが、到着まで2か月程度かかることもあり、郵送中の紛失も考えられます。
日本を含むオーストラリア国外からの観光客の場合は、1番目の「クレジットカードへ返金」の選択が一番無難と思われ、実際に多くの方がクレジットカードへの返金を選択されています。
「クレジットカードへの返金」は、「クレジットバック(Credit Back)と呼ばれ、通常買い物で使った場合、クレジットカードの信用枠から引かれていきますが、それを逆にプラスで返金する方法です。
クレジットカードへの返金もオーストラリアドル建てで返金は行われますが、日本などオーストラリア国外で発行されているクレジットカードの場合、買い物時と同様に少ない手数料でカード会社が発行国通貨に換算(日本国内発行のカードの場合は日本円に換算)してくれますので問題ありません。
返金を行うクレジットカードは、Amex、Diners、JCB、MasterCard、Visa、Union Payの利用が可能です。
TRS手続きの流れ
TRSによる税金払戻しの手続きは、下記のような流れになります。
Step 1
航空会社チェックイン時、税金払戻しを受ける物品は、預け荷物に入れずに機内持ち込み手荷物とします。
液体物など持ち込み制限により手荷物にできない場合は、チェックインの前に空港内税関事務所で物品を見せて、所定の手続きを行います。
詳しくは液体物のTRS手続きを参照してください。
Step 2
出国審査、機内持ち込みの保安検査を行った後、「TRS」または「Tax Refund」のサインに従い、TRSの受付カウンターへ進んでください。
TRSに受付カウンターの列は「Receipt Only」と「QR Code Only」の2つに分かれています。
後者の「QR Code Only」はTRSのWebサイト、またはスマートフォンのアプリで、TRSのオンライン申請手続きを行い、完了時に発行されるQRコードを持っている方のみ、その他の方は前者の「Receipt Only」の列になります。
詳しくはTRSのオンライン申請を参照してください。
Step 3
カウンターでパスポート、搭乗券、TAX INVOICE、返金先クレジットカードを渡し、指示があれば物品を係員に見せて確認してもらってください。
前述のTRSオンライン申請を済ませている場合は、上記に加えてQRコードを提示してください。
液体物のTRS手続き
100mlを超える液体物は、国際線の飛行機に手荷物として持ち込むことができず、航空会社のチェックインカウンターで預け荷物の中に入れる必要があります。
TRS手続きでは出国手続きを終えた後にあるTRSカウンターで、係員に税金払戻し手続きを行う物品を目視で確認する決まりになっており、通常の手続きでは液体物は払戻し手続きはできないということになります。
しかしながら、航空会社のチェックイン前に、出国エリア外にある税関カウンター(Australian Border Force)で物品を見せて事前に認証を得ることにより、液体物のTRS税金払戻しの手続きを行うことが可能です。
この手続きを終えた後、払戻しを申請する液体物の物品は、航空会社の預け荷物に入れてチェックインして構いません。
その後、出国審査を終えた後にあるTRS手続きカウンターにて、税金払戻しの手続きを行ってください。
各空港における出国エリア外の税関カウンター(Australian Border Force)の場所は下記の通りです。
- シドニー空港・・T1国際線ターミナルの到着階(Arrival Level)にあります。(T1ターミナル見取り図)
見取り図上「TRS」の表示のある所になります。 - ブリスベン空港・・国際線ターミナル1階(Level 1)にあります。
- ゴールドコースト空港
- ケアンズ空港・・国際線ターミナル地上階、航空会社チェックインカウンターの並びにあります。
- メルボルン空港・・T2国際線ターミナルの到着階(Arrival Level)にあります。
- パース空港・・T1国際線ターミナルの地上階(Ground Floor)にあります。(T1ターミナル見取り図)
見取り図上「Tourist Refund Scheme」の表示のある所になります。
TRSのオンライン手続き
TRSの税金払戻しの手続きは、PC、スマートフォン、タブレットから「My TRS Claim」のWebサイトでオンライン予備手続きを行った方がスムーズに払戻し手続きが完了します。
Webサイトの他、iPhone / iPad などのAppleアプリ、Android 用のGoogleアプリ版もあり、これらからでも同様にオンラインで手続き可能です。
また、シドニー空港のようにオンライン予備申請を行った人専用の列を用意している所では、その列の方が人が少なく短い時間で手続きを終えることができることできます。
ただし注意したいのは、オンラインでできるのはあくまで「予備手続き」であり、オンラインで手続きが完了する訳ではなく、空港での手続きは必要になります。
返金手続きを行う必要な情報を予めオンラインで入力しておけば、手続き時のそれらの必要情報の入力が省け、処理の時間が早くなるということです。
「My TRS Claim」のWebサイトからの手続き方法を順番を追って説明いたします。
Step 1
PC、スマートフォンなど端末から「My TRS Claim」のサイトへアクセスする。 https://trs.border.gov.au/
Step 2
「Your Privacy」、プライバシーに関する取扱いに同意します。チェックボックスにチェックを入れる、右下に次のページに遷移する「Next」のボタンが現れます。
Step 3
表示された質問に答えていきます。
① パスポート発行国(日本などオーストラリア、ニュージーランド以外はOtherを選択)
② パスポート番号
③ オーストラリアの住民ですか?
④ オーストラリアを出発する日
入力完了後、右下の「Next」ボタンを押して、次のページへ進んでください。左下の「Previous」ボタンを押すと前の画面に戻ります。
Step 4
税金の払戻しを申請する「Tax Invoice」が、下記の要件を満たしているか確認してください。
- 「Tax Invoice」と記載されているか
- 販売者のABNナンバー(オーストラリア事業者番号)が記載されているか
- 販売者の会社名が記載されているか
- 購入した物のGSTが含まれた金額
- 購入したものの明細
- 購入日
- Tax Invoiceの合計金額が$1000を超える場合は、購入者の名前と住所
問題なければ「Add Invoice」のボタンを押して、Tax Invoiceの登録をしていきます。
Step 5
Tax Invoiceを1枚ごと登録していきます。1回のオンライン手続きで最大10枚までのTax Invoiceを登録できます。
① 販売者のABNナンバー(オーストラリア事業者番号)
② 記載があれば、Tax Invoice番号またはレシート番号(空欄可)
③ Tax Invoiceの発行日(購入日)
④ 購入した物の明細。「Goods Type」で当てはまるものを選択し金額を入力
⑤ 同じTax Invoice上に複数の物品が記載されている場合は、「Add Another Item」のボタンを押して行を追加していく
⑥ 「Amount Paid for Claimable Goods, including GST/WET $XXXXX」の金額が、Tax Invoiceの金額と一致しているか確認する
⑦ 金額が一致しているのを確認後「Save This Invoice」のボタンをクリックする
Step 6
入力されたTax Invoiceに間違いがないか確認してください。
「Total Of All Invoices」は登録したTax Invoiceの総合計金額、「Estimated Total GST/WET Refund Being Claimed」は払戻し予定金額の総合計になります。
間違えた場合は右手の鉛筆アイコンをクリックして編集、またはごみ箱アイコンで削除してください。
一度のオンライン申請でTax Invoiceを最大10枚まで申請が可能です。追加する場合は、「Add Invoice」ボタンを押して、Tax Invoiceを追加してください。
問題なければ右下の「Next」ボタンを押して、次のページへ進んでください。左下の「Previous」ボタンを押すと前の画面に戻ります。
Step 7
最後は税金払戻しの受領方法の指定です。下の3つの方法から選択できます。
- Credit Card(Amex、Diners、JCB、MasterCard、UnionPay、Visa)
クレジットバックと呼ばれるクレジットカードに対して返金処理で払戻しを受け取ります。クレジットカード番号はここで入力せず、TRSの払戻し手続きカウンターでクレジットカードを係員に提示して行います。 - Australian Bank Account
オーストラリア国内の銀行口座に振り込みで払戻しを受け取ります。 - Cheque
小切手の郵送で払戻しを受け取ります。日本円、米ドル、ユーロ建てなど、豪ドル以外の通貨も選択でき日本への郵送も可能です。しかしながら、小切手到着まで2か月程度かかります。
選択後、右下の「Next」ボタンを押して、次のページへ進んでください。左下の「Previous」ボタンを押すと前の画面に戻ります。
Step 8
入力した内容の確認画面が現れます。
「Declaration」の項目最後にある、「I declare that the information entered in this TRS claim is true and correct.」(私は、このTRSクレームに入力された情報が真実かつ正しいことを宣言します。)にチェックを入れると「Claim Code」と呼ばれるQRコードが表示されます。
そのQRコードをスクリーンショット、印刷、またはQRコード上で右クリックで保存などして、出発当日のTRS払戻し手続きカウンターで提示できるとうにしてください。
カウンターで係員がこのQRコードをスキャンすると、ここで入力された情報が係員の端末に表示されて、TRS税金H来戻しの手続きがスムーズ、スピーディーに行われます。
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