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カテゴリー: オーストラリア
オーストラリアで商品やサービスを購入すると、レシートや請求書に「GST」と記載されていることがよくあります。
GSTは、ほとんどの商品・サービスにかかる10%の間接税です。日本の消費税に近い制度ですが、事業者にとっては単に売上へ10%を上乗せするだけではありません。一定規模以上の事業者にはGST登録が義務付けられ、顧客から受け取ったGSTと、事業上の仕入れ・経費で支払ったGSTを差し引いて、オーストラリア税務局(Australian Taxation Office/ATO)へ申告・納付します。
一方、すべての取引にGSTがかかるわけではありません。基本的な食品、一部の医療・教育、輸出などはGSTフリー(GST-free)、住宅家賃や一部の金融取引などはインプット・タックスド(Input-taxed)として扱われます。この2つはどちらも販売時にGSTを加えませんが、事業者が仕入れ時に支払ったGSTを取り戻せるかどうかが大きく異なります。
また、GST登録が必要になるA$75,000という基準は、事業の「利益」ではなくGSTターンオーバー(GST turnover)で判定します。個人事業主でも法人でも、条件を満たせば登録が必要です。
この記事では旅行情報ではなく、オーストラリアの税制度に関するレポートとして、GSTの基本、10%の計算方法、登録基準、GSTターンオーバー、GSTフリーとインプット・タックスド、GSTクレジット、タックス・インボイス、BAS申告、申告周期、還付、個人事業主やライドシェア、輸入・デジタルサービスまでを詳しく解説します。
GSTとは


GSTはグッズ・アンド・サービス・タックス(Goods and Services Tax)の略で、オーストラリア国内で販売・消費される多くの商品、サービス、その他の取引にかかる10%の広範な消費税です。
オーストラリアでは2000年7月にGSTが導入されました。導入時から税率は10%で、2026年現在まで税率自体は変更されていません。
最終的な負担者は消費者
GST登録をしている事業者は、通常、課税対象となる商品・サービスの販売価格にGSTを含めて顧客から受け取ります。
ただし、事業者が顧客から受け取ったGSTの全額をそのままATOへ納めるわけではありません。事業用の仕入れや経費で支払ったGSTについて、条件を満たせばGSTクレジット(GST Credit)として差し引くことができます。
GSTの基本構造
顧客から受け取ったGST - 事業で支払った控除可能なGST = ATOへ納付するネットGST
支払ったGSTの方が多ければ、逆にATOからGSTの還付を受けられることがあります。
所得税とは別の税金
GSTは所得税とは別制度です。所得税は利益や課税所得に対して計算しますが、GSTは主として商品・サービスの取引に対して計算します。
そのため、事業が赤字でもGSTを納付する場合がありますし、逆に利益が出ていてもGSTクレジットの方が多い期間にはGSTが還付になることがあります。
GST10%の計算方法
GSTの税率は10%ですが、価格表示がGST込みかGST抜きかによって計算方法が変わります。
GST抜き価格から計算する場合
商品本体の価格がA$100なら、GSTはA$10です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| GST抜き価格 | A$100 |
| GST 10% | A$10 |
| GST込み販売価格 | A$110 |
GST込み価格から逆算する場合
GST込み価格からGST部分だけを求めるときは、販売価格の11分の1で計算します。
A$110のGST込み価格なら、GST部分はA$10です。
なぜ11分の1?
GST抜き価格を100とすると、10%のGSTを加えた販売価格は110です。そのためGST込み価格のうちGST部分は10/110、つまり11分の1になります。
A$220ならGSTはA$20、A$1,100ならGSTはA$100です。
店頭価格は通常GST込み
一般消費者向けに表示される価格は、通常はGSTを含んだ最終価格です。一方、企業間取引の見積書などでは「A$1,000+GST」のようにGST抜きで表示されることもあります。
GST登録が必要な事業者
事業をしているすべての人が自動的にGST登録をするわけではありません。
一般的には、事業やエンタープライズ(Enterprise)のGSTターンオーバーがA$75,000以上になればGST登録が必要です。
| 事業者 | 登録基準 |
|---|---|
| 一般の事業・エンタープライズ | GSTターンオーバー A$75,000以上 |
| 非営利団体 | GSTターンオーバー A$150,000以上 |
| タクシー・リムジン・ライドシェア | 売上額にかかわらず登録必要 |
| フューエル・タックス・クレジットを請求する事業者 | GST登録が必要 |
GST登録には、通常オーストラリアン・ビジネス・ナンバー(Australian Business Number/ABN)が必要です。ABNを取得するときに同時にGST登録することも、すでにABNを持っている場合に後から登録することもできます。
基準を超えたら21日以内
GST登録が必要となる基準に達した場合、原則として21日以内に登録する必要があります。
登録が必要なのに手続きをしなかった場合、実際に顧客からGSTを別途受け取っていなくても、本来登録すべき日以降の課税売上についてGSTをATOへ支払う必要が生じることがあります。
「A$75,000を超えてからGSTを取り始めればよい」とは限らない
将来12か月の売上がA$75,000以上になる見込みが明確な場合も登録基準に達することがあります。新規事業でも最初の年に基準以上になる見込みなら注意が必要です。
GSTターンオーバーの計算
GST登録基準のA$75,000は、会計年度の利益でも課税所得でもありません。
GSTターンオーバーは、基本的には事業の総売上を基礎に計算します。
利益ではなく売上で判定
例えば年間売上A$90,000、経費A$50,000、利益A$40,000の個人事業主でも、GSTターンオーバーの条件を満たせばGST登録が必要になります。
現在12か月と将来12か月の両方を見る
| GSTターンオーバー | 判定期間 |
|---|---|
| カレントGSTターンオーバー(Current GST turnover) | 現在の月+過去11か月 |
| プロジェクテッドGSTターンオーバー(Projected GST turnover) | 現在の月+今後11か月 |
どちらかの条件から登録基準に達すると判断されれば、GST登録が必要になる可能性があります。
GSTターンオーバーから除外する主なもの
- 販売価格に含まれるGSTそのもの
- 事業と関係のない私的な売却
- インプット・タックスド売上
- オーストラリアと接続しない一定の売上
プロジェクテッドGSTターンオーバーを計算する場合は、通常の事業活動とは別に行う資本資産の売却や、事業廃止・恒久的縮小に伴う一定の売上も除外します。
GSTフリー売上は原則含まれる
GSTフリーの売上は、顧客からGSTを受け取らない取引ですが、GSTターンオーバーの計算から自動的に除外されるわけではありません。
例えばGSTフリーの医療・教育・食品関連事業でも、GSTターンオーバーが登録基準以上であればGST登録が必要になることがあります。
売上A$75,000未満の任意登録
GSTターンオーバーがA$75,000未満で、法律上GST登録が必要でない事業者でも、自ら希望してGST登録することができます。
任意登録のメリット
- 事業用仕入れ・経費に含まれるGSTについてGSTクレジットを請求できる。
- 取引先が法人中心の場合、GST登録済みの方が取引しやすい場合がある。
- 創業時に設備投資が大きい場合、GST還付を受けられる可能性がある。
任意登録のデメリット
- 課税売上にはGSTを含める必要がある。
- BASの作成・提出が必要になる。
- GSTの記帳・タックス・インボイス管理が必要になる。
- 一般消費者向け事業では、実質的な価格競争力に影響することがある。
任意でGST登録した場合、原則として最低12か月は登録を継続します。
未登録ならGSTを勝手に請求できない
GST登録をしていない事業者は、顧客へGSTとして金額を上乗せして徴収することはできません。
未登録の事業者が「A$100+GST」と請求するのは適切ではありません。
GSTがかかる課税売上
GST登録済み、または登録義務のある事業者がオーストラリアで行う通常の商品・サービス販売は、原則として課税売上になります。
タクサブル・セール(Taxable sale)となる一般的な条件は、次のようなものです。
- 対価を受け取る販売である。
- 事業・エンタープライズの運営に関連する。
- オーストラリアと接続した取引である。
- 販売者がGST登録済み、または登録義務がある。
- GSTフリーまたはインプット・タックスドに該当しない。
課税売上の例
- 一般的な小売商品
- レストラン・カフェで提供する飲食物
- コンサルティングや専門サービス
- ホテルなどの宿泊サービス
- 商業物件の賃貸
- 事業で使用していた一定の資産の売却
課税売上では、原則として販売価格に10%のGSTを含め、対象となる顧客へ必要に応じてタックス・インボイスを発行します。
GSTフリー
GSTフリーは、販売価格にGSTを加えない取引です。
代表例には次のようなものがあります。
| 分野 | 主な例 |
|---|---|
| 基本的な食品 | 生鮮野菜・果物、肉、パン、プレーンミルクなど。 |
| 医療 | 条件を満たす一部の医療・保健サービス。 |
| 教育 | 条件を満たす教育コース、教材、関連サービス。 |
| チャイルドケア | 一定の対象サービス。 |
| 輸出 | 条件を満たして国外へ輸出される商品・サービス。 |
| 事業売却 | 一定条件を満たすゴーイング・コンサーン。 |
GSTフリーでもGSTクレジットは請求できる
GSTフリーの重要な特徴は、販売時にはGSTを受け取りませんが、そのGSTフリー売上を作るために事業上支払ったGSTについては、条件を満たせばGSTクレジットを請求できることです。
GSTフリー=GST制度の外、ではない
GST登録済みの事業者がGSTフリー売上を行う場合、その売上自体にGSTはありませんが、BAS上の売上報告や仕入れGSTクレジットには関係します。
食品は特に複雑
食品は「食べ物なら全部GSTフリー」ではありません。基本的な食品はGSTフリーでも、レストランで提供する食事、テイクアウェイの調理済み食品、菓子類、ソフトドリンクなど、GST対象となるものも多くあります。
インプット・タックスド
インプット・タックスドも販売時にGSTを加えない取引ですが、GSTフリーとは仕入れ側の扱いが違います。
代表的なインプット・タックスド取引
- 住宅物件の家賃
- 既存住宅の売却
- 銀行融資など一定の金融取引
- 一部の金融サービス
インプット・タックスド売上に関連する仕入れ・経費については、原則としてGSTクレジットを請求できません。
| 売上区分 | 販売時GST | 関連仕入れのGSTクレジット |
|---|---|---|
| 課税売上 | あり | 原則請求可能 |
| GSTフリー | なし | 原則請求可能 |
| インプット・タックスド | なし | 原則請求不可 |
住宅家賃と商業家賃は違う
一般的な住宅物件の長期賃貸はインプット・タックスドなので、家主がGST登録していても通常は家賃へGSTを加えません。
一方、オフィスや店舗など商業物件の賃貸は通常の課税売上となるため、GST登録事業者であれば原則GSTの対象です。
個人事業主・法人とGST
GST登録基準は、個人事業主だけ、法人だけに適用される制度ではありません。
| 事業形態 | GSTの基本的な考え方 |
|---|---|
| ソール・トレーダー(Sole trader) | 本人のABNで事業を行い、条件を満たせばGST登録。 |
| カンパニー(Company) | 会社をGST登録し、会社の売上・仕入れをBASで申告。 |
| パートナーシップ(Partnership) | パートナーシップを一つの事業体としてGST登録。 |
| トラスト(Trust) | トラストの事業についてトラスティーが税務手続きを管理。 |
会社員の給料にGSTはかからない
会社員として受け取るSalaryやWagesは、自分が事業者として顧客へ提供する課税売上ではないため、給与に10%のGSTを加えることはありません。
個人事業主の請求書にはGSTが関係する
一方、ABNを使って独立したコントラクターとして顧客へサービスを提供し、GST登録している場合、そのサービスが課税売上なら通常は請求額にGSTを含めます。
所得税とは別に記帳する
個人事業主の場合、事業利益は個人のタックスリターンへ含めますが、GSTはBASで別に精算します。
売上A$110を受け取ったからといって、A$110全額が所得税上の売上という単純な処理ではなく、GST登録事業者ではGST部分を分けて記帳する必要があります。
GSTクレジット
GST登録事業者は、事業上の商品・サービス購入に含まれるGSTについて、条件を満たせばGSTクレジットとしてBASで差し引くことができます。
基本的な条件
- GST登録している、または登録義務がある。
- 購入した商品・サービスを事業で使う。
- 私的使用ではない。
- インプット・タックスド売上を作るためだけの購入ではない。
- 販売者側の取引にGSTが含まれている。
- 必要なタックス・インボイスや購入記録を保持している。
通常は購入価格の11分の1
例えばGST込みA$1,100のパソコンを100%事業用として購入し、全額GSTクレジットの対象になるなら、GSTクレジットは通常A$100です。
| 購入額 | GST部分の例 |
|---|---|
| A$110 | A$10 |
| A$550 | A$50 |
| A$1,100 | A$100 |
私用が混ざる場合は按分
パソコンを70%事業、30%私用で使う場合、GST部分全額ではなく、原則として事業利用部分だけをGSTクレジットとして請求します。
GSTフリー商品を買ってもGSTクレジットはない
そもそも購入価格にGSTが含まれていなければ、取り戻すGSTもありません。
また、GST未登録の事業者から購入した商品・サービスには通常GSTが含まれないため、その購入についてGSTクレジットを請求することはできません。
タックス・インボイス
GSTクレジットを請求するうえで重要なのがタックス・インボイス(Tax Invoice)です。
A$82.50を超える購入
GST込みでA$82.50を超える購入についてGSTクレジットを請求する場合、原則として有効なタックス・インボイスを保持している必要があります。
A$82.50以下でも、販売者名、購入内容、日付、金額などを確認できるレシート等の購入証拠が必要です。
タックス・インボイスの主な記載内容
- 「Tax Invoice」であることが明確な表示
- 販売者の名称
- 販売者のABN
- 発行日
- 販売した商品・サービスの内容
- 価格
- GST額、または価格にGSTが含まれることを示す表示
取引額が大きい場合には、購入者側の情報など追加項目が必要になることがあります。
普通のレシートとタックス・インボイスは同じとは限らない
店舗のレシートでも必要事項を満たせばタックス・インボイスとして使えますが、単に支払金額だけが書かれている領収書ではGSTクレジットの証拠として不足する場合があります。
ABN LookupでGST登録を確認できる
取引先が本当にGST登録しているか不明な場合は、Australian Business RegisterのABN Lookupで登録状況を確認できます。
BASによるGST申告
GST登録すると、通常はビジネス・アクティビティ・ステートメント(Business Activity Statement/BAS)を使ってGSTをATOへ申告します。
BASで何を申告する?
小規模事業者で一般的なシンプラーBAS(Simpler BAS)では、主に次の項目を報告します。
| BASラベル | 内容 |
|---|---|
| G1 | トータル・セールス(Total sales) |
| 1A | 売上で受け取ったGST |
| 1B | 仕入れ・経費で支払った請求可能なGST |
GSTターンオーバーがA$10 million未満の事業者は、原則としてシンプラーBASを利用します。
ネットGSTの基本
BAS上では、売上にかかるGSTと購入にかかるGSTクレジットを精算します。
例
ある四半期に売上GSTがA$8,000、仕入れ等のGSTクレジットがA$5,500なら、単純なネットGSTはA$2,500の納付です。逆にGSTクレジットがA$9,000なら、A$1,000のGST還付になる可能性があります。
BASにはGST以外も載る
事業内容によってはPAYG源泉徴収、PAYGインスタルメント、フューエル・タックス・クレジット、ワイン・イコライゼーション・タックスなど、GST以外の税務項目も同じBASで報告します。
月次・四半期・年次の申告周期
GSTの申告・支払周期は、GSTターンオーバーなどによって変わります。
| 申告周期 | 主な対象 | 一般的な期限 |
|---|---|---|
| 四半期 | GSTターンオーバーA$20 million未満で月次指定なし | 各四半期終了後 |
| 月次 | A$20 million以上、または任意に月次を選択 | 翌月21日 |
| 年次 | 基準未満で任意GST登録している一定の事業者 | 通常10月31日など |
四半期BASの標準期限
| 対象期間 | 標準期限 |
|---|---|
| 7月~9月 | 10月28日 |
| 10月~12月 | 2月28日 |
| 1月~3月 | 4月28日 |
| 4月~6月 | 7月28日 |
オンライン申告や登録タックス・エージェント、登録BASエージェントを利用する場合などには、条件により延長された期限が適用されることがあります。
年次申告
GST登録が任意で、GSTターンオーバーがA$75,000未満の一般事業者は、条件を満たせば年次でGSTを報告できます。
年次GSTリターンの通常期限は10月31日ですが、所得税タックスリターンを提出する義務がない場合などは翌年2月28日となるケースがあります。
キャッシュ・ベーシスとノンキャッシュ・ベーシス
GSTを「いつ売上として認識し、いつGSTクレジットを計上するか」には主に2つの方法があります。
キャッシュ・ベーシス(Cash basis)
実際に代金を受け取った期間に売上GSTを計上し、実際に支払った期間に購入GSTを計上する方法です。
アグリゲーテッド・ターンオーバー(Aggregated turnover)がA$10 million未満のスモール・ビジネス・エンティティなどは、条件を満たせばキャッシュ・ベーシスを選択できます。
ノンキャッシュ・ベーシス(Non-cash basis)
原則として、請求書を発行した時点または代金を受け取った時点のうち早い方で売上GSTを計上します。
購入側も、請求書を受け取るなど一定の時点でGSTクレジットを計上できるため、実際の現金支払・入金とはタイミングがずれることがあります。
小規模事業にはキャッシュ方式が分かりやすい
キャッシュ・ベーシスは、まだ顧客から入金されていない売上について先にGST納付が発生する状況を避けやすく、キャッシュフロー管理がしやすいのが特徴です。
タクシー・ライドシェアの特別ルール
タクシー、リムジン、ライドソーシング(Ride-sourcing)で乗客を運ぶサービスには、通常のA$75,000登録基準とは異なる特別ルールがあります。
売上が少なくてもGST登録が必要
Uberなどのライドシェアを含む対象サービスを提供する場合、GSTターンオーバーがA$10,000でもA$50,000でも、原則としてGST登録が必要です。
フードデリバリーは同じとは限らない
料理や商品を配達するFood Deliveryは、乗客を運ぶライドシェアとは異なります。そのため「アプリで仕事をしている=売上に関係なくGST登録」というわけではありません。
複数のギグワークをしている場合は、それぞれの収入の性質を確認する必要があります。
プラットフォームの手数料もGST処理に関係
ライドシェア事業では、乗客から受け取る運賃だけでなく、プラットフォームへ支払うサービス手数料、車両費、燃料費などについてもGSTの処理が関係します。GST登録後は事業用割合を含めて記録を残すことが重要です。
輸入品・海外デジタルサービスのGST
GSTはオーストラリア国内企業だけに関係する税金ではありません。海外からオーストラリアの消費者へ販売される商品やデジタルサービスにもGSTが適用される場合があります。
A$1,000以下の低価格輸入品
海外事業者がオーストラリアの消費者へ販売するA$1,000以下のロー・バリュー・インポーテッド・グッズ(Low value imported goods)は、一定条件で販売時にGSTの対象になります。
大手海外ECサイトでは、購入時の決済画面でGSTが加算されるケースがあります。
海外のデジタル商品・サービス
海外からオーストラリア消費者へ提供されるダウンロード商品、電子書籍、オンラインサービスなども、一定条件でGSTの対象になります。
海外事業者でも、オーストラリア向けの対象売上が登録基準を満たせばGST登録が必要になる場合があります。
GST登録済みのオーストラリア事業者が購入する場合
オーストラリアのGST登録事業者が事業目的で海外サービスや低価格輸入品を購入する場合、一般消費者向けのGST課税とは扱いが異なることがあります。
購入先へABNとGST登録済みであることを伝えることで海外販売者からGSTを請求されないケースがある一方、取引内容によってはリバース・チャージ(Reverse charge)ルールの検討が必要です。
GST還付と追加納付
GST登録事業者は、各申告期間の売上GSTとGSTクレジットをBASで精算します。
GST還付になるケース
仕入れや設備投資で支払った請求可能なGSTが、同じ期間に顧客から受け取ったGSTより多い場合、GST還付になることがあります。
創業時に設備・パソコン・機械などを多く購入した事業や、GSTフリーの輸出売上が多い事業では還付になることがあります。
追加納付になるケース
売上GSTの方がGSTクレジットより多ければ、差額をATOへ支払います。
| 例 | 結果 |
|---|---|
| 売上GST A$10,000、GSTクレジット A$6,000 | A$4,000納付 |
| 売上GST A$5,000、GSTクレジット A$7,500 | A$2,500還付の可能性 |
GST還付は利益ではない
還付は、事業者がすでに仕入れ等で支払ったGSTを精算しているものです。そのため、一般的な意味で「ATOからボーナスを受け取った」というものではありません。
ATOの他の債務と相殺される場合
GST還付が出ても、ATOに未払いの税金やその他の債務がある場合は、その債務へ充当されてから残額が支払われることがあります。
オーストラリアのGSTに関するよくある質問(FAQ)
10%です。
2000年7月の導入時から2026年現在まで、GST税率は10%のままです。
一般の事業ではGSTターンオーバーA$75,000以上、非営利団体ではA$150,000以上が基本です。
ただし、タクシー・ライドシェアなどは売上額にかかわらず登録が必要です。
利益ではなくGSTターンオーバーを基準にします。
現在の月+過去11か月、現在の月+今後11か月という12か月単位で判定します。
任意登録できます。
その場合、課税売上ではGSTを扱い、BASを提出する必要があります。任意登録後は原則最低12か月登録を継続します。
できません。
GSTとして顧客から徴収するには、GST登録済みまたは登録義務がある必要があります。
どちらも販売時にはGSTを加えません。
GSTフリー売上に関連する仕入れのGSTは原則GSTクレジットを請求できますが、インプット・タックスド売上に関連する仕入れでは原則請求できません。
A$10です。
GST込み価格からGST部分を求める場合は、価格を11で割ります。
事業者によって月次、四半期、年次があります。
一般的なGSTターンオーバーA$20 million未満の事業では四半期申告が基本で、標準期限は10月28日、2月28日、4月28日、7月28日です。
まとめ
オーストラリアのGSTは、国内で販売・消費される多くの商品・サービスにかかる10%の税金です。2000年7月の導入以来、2026年現在も税率は10%です。
一般の事業ではGSTターンオーバーがA$75,000以上になるとGST登録が必要で、非営利団体はA$150,000以上です。タクシー・ライドシェアなど一部業種では売上額に関係なく登録が必要です。
A$75,000の基準は利益ではなく売上を基礎とするGSTターンオーバーです。現在の月と過去11か月、現在の月と今後11か月を使って判定し、条件を満たした場合は原則21日以内に登録します。
GST登録事業者は、通常の課税売上では価格にGSTを含め、顧客から受け取ったGSTをBASで報告します。一方、事業上の仕入れや経費で支払ったGSTは、条件を満たせばGSTクレジットとして差し引けます。
GSTフリーとインプット・タックスドはいずれも販売時のGSTがありませんが、GSTフリーは関連仕入れのGSTクレジットを原則請求できるのに対し、インプット・タックスドでは原則請求できません。
GSTターンオーバーA$20 million未満の多くの事業者は四半期ごとにBASを提出し、売上GSTからGSTクレジットを差し引いて精算します。GSTクレジットの方が多ければ還付、売上GSTの方が多ければ差額をATOへ納付します。
GSTは所得税とは別制度です。特に個人事業主は、所得税のタックスリターンとGSTのBASを混同せず、GST込み・GST抜きの売上、タックス・インボイス、事業用経費を日頃から分けて記録しておくことが重要です。
オーストラリアのGSTに関する参考情報
- ATO:GST
- ATO:Registering for GST
- ATO:Taxable sales
- ATO:GST-free sales
- ATO:Input-taxed sales
- ATO:Claiming GST credits
- ATO:Tax invoices
- ATO:Business activity statements
- ATO:BAS due dates
- ATO:Options for reporting and paying GST
- ATO:GST and ride-sourcing
- ATO:GST on imported goods and services
オーストラリアの旅行手配
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オーストラリアで働いたり、事業をしたり、投資収入を得たりすると、多くの場合、オーストラリア税務局(Australian Taxation Office/ATO)への所得税申告が関係してきます。
日本では「確定申告」と呼ばれる年次の税務申告は、オーストラリアではタックスリターン(Tax Return)と呼ばれます。会社員で給与から税金が天引きされている人でも、年度終了後にタックスリターンを提出し、実際の課税所得とすでに源泉徴収された税額を精算するのが一般的です。
オーストラリアの個人所得税で最初に理解しておきたいのは、「ビザの種類」と「タックス・レジデント(Tax resident)」は必ずしも同じではないという点です。永住者でなくてもタックス・レジデントになることがありますし、逆にオーストラリアに一定期間滞在していてもフォーリン・レジデント(Foreign resident)として扱われることがあります。
また、所得税とは別に、タックス・レジデントには原則として課税所得の2%に相当するメディケア・レビー(Medicare Levy)がかかります。一方、メディケア(Medicare)の利用資格がない一時滞在者などは、条件を満たして免除を申請できる場合があります。
この記事では、旅行情報ではなくオーストラリアの税制度に関するレポートとして、個人所得税の仕組み、2025–26年度と2026–27年度の税率、タックスリターンの方法、メディケア・レビー、所得控除(Deductions)、ロー・インカム・タックス・オフセット(Low Income Tax Offset)、ワーキングホリデー・メーカー(Working Holiday Maker)の税率、還付・追加納税までを分かりやすく解説します。
オーストラリアの個人所得税とは


オーストラリアの個人所得税は、原則として1年間の課税所得(課税所得(Taxable Income))に対して累進税率で計算されます。
課税所得の基本
課税所得 = 課税対象所得(Assessable Income)(課税対象となる所得)- 認められる所得控除(Allowable Deductions)(認められた控除)
この課税所得に所得税率を適用し、必要に応じてメディケア・レビーやメディケア・レビー・サーチャージを加算し、タックス・オフセットsを差し引きます。最後に、給与などからすでに天引きされたPAYG源泉徴収やその他のTax Creditsと精算します。
| 精算結果 | どうなる? |
|---|---|
| すでに払った税金 > 最終税額 | 差額がタックス・リファンド(Tax Refund)として還付。 |
| すでに払った税金 = 最終税額 | 追加納税・還付とも原則なし。 |
| すでに払った税金 < 最終税額 | 差額をATOへ追加納税。 |
「タックスリターン」という言葉が日本人の間で「税金の還付」という意味で使われることがありますが、正確には年次の所得税申告そのものを指します。Refundは、その申告結果として生じる場合があるという関係です。
会計年度とタックスリターン
オーストラリアの所得税年度、会計年度(Financial Year)は、日本の暦年とは異なり、7月1日から翌年6月30日までです。
| 項目 | 期間・期限 |
|---|---|
| 2025–26年度 | 2025年7月1日~2026年6月30日 |
| 2026–27年度 | 2026年7月1日~2027年6月30日 |
| 自己申告の一般的な期限 | 7月1日~10月31日 |
2026年8月現在、個人が今提出しているタックスリターンの中心は、2026年6月30日に終了した2025–26年度です。一方、2026年7月1日以降に受け取る給与には2026–27年度の新しい税率が適用されています。
自分で申告する場合は10月31日まで
myGovとATOをリンクし、myTaxを使って自分で申告する場合、一般的な申告期限は10月31日です。登録タックス・エージェント(Registered Tax Agent)を利用する場合は、条件によりそれより後の期限が適用されることがあります。
7月1日にすぐ申告しなくてもよい
雇用主、銀行、政府機関、民間健康保険会社などからATOへ情報が送られ、myTaxへPre-fillされます。雇用主のIncome Statementが「Tax ready」になる前に急いで申告すると、あとから数字が変わって修正が必要になることがあります。
タックス・レジデントとフォーリン・レジデント
オーストラリアの個人所得税を理解するうえで、最も重要な概念の一つがタックス・レジデンシー(Tax Residency)です。
タックス・レジデント / フォーリン・レジデントは、パーマネント・レジデント・ビザ(Permanent Resident visa)を持っているかどうかだけで決まりません。
| 区分 | 主な扱い |
|---|---|
| タックス・レジデント | 通常A$18,200のタックスフリー・スレッショルド(Tax-free Threshold)。原則Worldwide Incomeを申告。メディケア・レビー対象。 |
| フォーリン・レジデント | タックスフリー・スレッショルドなし。主にAustralian-sourced Incomeを申告。通常メディケア・レビーなし。 |
183日住めば自動的にタックス・レジデントではない
ATOにはResides Test、Domicile Test、183-day Test、Commonwealth Superannuation Testなど複数のタックス・レジデンシー Testがあります。
「半年以上いたから必ずResident」「スチューデント・ビザだから必ずフォーリン・レジデント」という単純な判定ではありません。住居、生活拠点、家族、滞在目的、滞在期間、将来の予定などを総合して判断されます。
ビザと税務上の居住資格は別
ワーキングホリデー・ビザ(Working Holiday visa)、スチューデント・ビザ(Student visa)、テンポラリー・ワーク・ビザ(Temporary Work visa)でも、事実関係によってタックス・レジデントになることがあります。
タックス・レジデントの所得税率
オーストラリアの個人所得税は累進課税です。所得全体に一つの税率を掛けるのではなく、所得帯ごとに異なる税率を適用します。
2025–26年度のResident税率
| 課税所得 | 税率 | 所得税額 |
|---|---|---|
| A$0~18,200 | 0% | Nil |
| A$18,201~45,000 | 16% | A$18,200超過分×16% |
| A$45,001~135,000 | 30% | A$4,288+A$45,000超過分×30% |
| A$135,001~190,000 | 37% | A$31,288+A$135,000超過分×37% |
| A$190,001以上 | 45% | A$51,638+A$190,000超過分×45% |
この表にはメディケア・レビーは含まれていません。
2026–27年度から最初の税率が15%へ
| 課税所得 | 2026–27税率 | 所得税額 |
|---|---|---|
| A$0~18,200 | 0% | Nil |
| A$18,201~45,000 | 15% | A$18,200超過分×15% |
| A$45,001~135,000 | 30% | A$4,020+A$45,000超過分×30% |
| A$135,001~190,000 | 37% | A$31,020+A$135,000超過分×37% |
| A$190,001以上 | 45% | A$51,370+A$190,000超過分×45% |
さらに2027年7月1日からは、最初の税率が14%へ下がることが法律で決まっています。
例えば課税所得がA$200,000でも、全額に45%が課税されるわけではありません。45%が適用されるのはA$190,000を超える部分だけです。
フォーリン・レジデント・ワーホリの税率
フォーリン・レジデントの2025–26年度税率
| 課税所得 | 2025–26年度の税額 |
|---|---|
| A$0~135,000 | 1ドル目から30% |
| A$135,001~190,000 | A$40,500+A$135,000超過分×37% |
| A$190,001以上 | A$60,850+A$190,000超過分×45% |
フォーリン・レジデントにはタックスフリー・スレッショルドがなく、通常メディケア・レビーはかかりません。
ワーキングホリデー・メーカーは原則15%から
| WHM 課税所得 | 税率 |
|---|---|
| A$0~45,000 | 15% |
| A$45,001~135,000 | 30% |
| A$135,001~190,000 | 37% |
| A$190,001以上 | 45% |
日本人ワーホリは一律15%とは限らない
日本はオーストラリアとNon-Discrimination Articleを含む租税条約を結んでいる国の一つです。そのため、日本国籍のワーキングホリデー・メーカーがタックス・レジデントに該当する場合、一定の条件で一般のタックス・レジデント税率が適用されることがあります。
つまり、「日本人ワーホリ=必ず最初のA$45,000まで15%」ではありません。タックス・レジデンシーを先に確認することが重要です。
PAYG源泉徴収と最終税額
会社員・アルバイトとして働く場合、雇用主は通常、給与からPay As You Go withholding、通称PAYG源泉徴収として所得税を天引きし、ATOへ納付します。
日本の源泉徴収と似ていますが、オーストラリアでは年度終了後の個人タックスリターンで年間所得、所得控除、タックス・オフセットsなどをまとめて精算するのが一般的です。
Tax File Numberを勤務先へ提出
働き始める際にはTax File Number(TFN)Declarationを雇用主へ提出し、タックス・レジデンシーやタックスフリー・スレッショルドをこの勤務先でClaimするかなどを申告します。TFNを提出しない場合、高い税率で源泉徴収されることがあります。
複数の勤務先がある場合
複数の会社でタックスフリー・スレッショルドを同時にClaimすると、年間で源泉徴収不足になり、タックスリターンで追加納税が発生しやすくなります。一般には主な勤務先一つでClaimします。
申告対象となる主な所得
| 主な所得 | 例 |
|---|---|
| Salary and Wages | 給与、時給、残業代、Bonus、Commission。 |
| Allowances | Travel、Tool、Laundry等のAllowance。 |
| Interest | 銀行預金の利息。 |
| Dividends | 株式等の配当。 |
| Rental Income | 投資用不動産の家賃収入。 |
| Business Income | Sole Traderとしての売上・事業所得。 |
| Capital Gains | 株式、暗号資産、不動産等の売却益。 |
| Government Payments | 課税対象となる政府給付。 |
| Foreign Income | タックス・レジデントの場合の海外給与、利子、配当等。 |
Income Statement、銀行利息、配当、政府給付などはATOへ報告され、myTaxにPre-fillされるものが多くあります。しかし、Pre-fillされている数字が正しいか、自分の所得がすべて入っているかを確認する責任は納税者本人にあります。
タックス・レジデントは海外所得にも注意
タックス・レジデントは原則としてWorldwide Incomeが申告対象です。日本の銀行利息、給与、配当などがある場合、「オーストラリアで得たお金ではないから申告不要」とは限りません。
Temporary Residentには海外所得について特別ルールがあるため、該当する人は個別に確認してください。
所得控除
日本語では一般に「所得控除」と表現されますが、日本の基礎控除、配偶者控除、扶養控除のような制度と同じものではありません。
オーストラリアで中心となるのは、「所得を得るために自分で負担した必要経費」を課税対象所得から差し引く仕組みです。
ATOの基本となる3ルール
- 自分で支払い、勤務先などからReimburseされていないこと。
- 所得を得るための仕事と直接関係していること。
- 支出を証明するRecordを持っていること。
仕事と私用の両方に使った費用は、仕事に使った部分だけをClaimできます。
Deduction=支払額がそのまま戻る、ではない
A$1,000のDeductionが認められてもA$1,000がRefundされるわけではありません。課税所得がA$1,000下がり、その人のMarginal Tax Rateに応じて税額が減ります。
代表的な控除項目
Work-related Car Expenses
Cents per kilometre methodでは、2025–26年度は1kmあたりA$0.88、1台につき年間最大5,000 business kilometresまで計算できます。2026–27年度はA$0.91です。通常の自宅から勤務先までの通勤は原則として控除できません。
Work from Home
2025–26年度のFixed Rate Methodは1時間A$0.70です。電気、インターネット、電話、文房具等の一定費用をまとめて計算しますが、実際に在宅勤務した時間の記録が必要です。
Tools・Equipment
仕事に必要な工具、Computer、Equipmentなどを自費で購入した場合、仕事使用割合に応じて控除できる場合があります。高額資産は有効期間にわたってDecline in Valueとして控除するのが一般的です。
Uniform・Protective Clothing
Protective Clothing、Occupation-specific Clothing、Registered Uniformなどは条件を満たせば控除対象です。一方、黒いパンツ、白いシャツ、Business Suitなど一般的な衣服は、仕事で着ていても通常控除できません。
Self-education
現在の仕事に必要なSkillを維持・向上させるCourseなどは控除対象になる場合があります。一方、新しい職業へ転職するためのCourseや、まだ就いていない職業に必要な資格取得は通常控除できません。
Union・Professional Fees・Tax Agent Fee
Union Fees、Professional Association、仕事に必要なSubscriptionなどは条件を満たせば控除対象です。前年のタックスリターンを登録タックス・エージェントへ依頼した費用も、Cost of Managing Tax Affairsとして翌年度にClaimできるのが一般的です。
A$300以下なら領収書不要?
Work-related deductionsの合計がA$300以下の場合、一定のWritten Evidence要件が緩和されることがありますが、「誰でも自動的にA$300を控除できる」という意味ではありません。実際に支出し、仕事と関係し、計算根拠を説明できる必要があります。
メディケア・レビーとは
メディケア・レビーは、公的医療制度メディケアを支えるための負担で、通常の所得税とは別に計算されます。一般的なタックス・レジデントの場合、基本税率は課税所得の2%です。
2025–26年度の低所得者Threshold
| 区分 | 2025–26年度 |
|---|---|
| 一般個人:Levyなし | 課税所得 A$28,011以下 |
| 一般個人:段階的に増加 | A$28,012~35,012 |
| 一般個人:通常2% | A$35,013以上 |
| Family Threshold | A$47,238 |
| 扶養する子・学生の追加額 | 1人につきA$4,338 |
ATOのタックス・レジデント個人税率表に表示される所得税額にはメディケア・レビーは含まれていません。
課税所得 A$80,000の単純例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 2025–26 インカム・タックス(Income Tax) | A$14,788 |
| メディケア・レビー 2% | A$1,600 |
| 合計(Offset・MLS等を除く) | A$16,388 |
| PAYGでA$18,000支払済みなら | 単純計算で約A$1,612 Refund |
メディケア非加入者の免除
テンポラリー・ビザ(Temporary visa)でオーストラリアに滞在している日本人の中には、メディケアの利用資格がない人もいます。その場合、条件を満たせばタックスリターンでメディケア・レビーのFullまたは Partial ExemptionをClaimできることがあります。
メディケア Entitlement Statementが必要
メディケア・レビー免除をClaimするには、Services Australiaからメディケア Entitlement Statement(MES)を取得する必要があります。
MESは「その期間、メディケア給付(Medicare Benefits)を受ける資格がなかった」ことを証明する書類です。
メディケア・カード(Medicare Card)を持っていないだけでは免除にならない
メディケア・カードを申請していない、または手元にカードがないというだけで、自動的にLevy Exemptionになるわけではありません。重要なのは、その期間にメディケアへ加入する法的なEligibilityがあったかどうかです。
毎年7月以降はMES申請が集中し、処理に時間がかかる場合があります。メディケア・レビー免除を申告する人は早めに準備しておくと安心です。
メディケア・レビー・サーチャージ・タックス・オフセット
メディケア・レビー・サーチャージ
メディケア・レビー・サーチャージ(MLS)は通常の2%メディケア・レビーとは別です。一定以上のIncome for MLS purposesがあり、適切なPrivate Patient Hospital Coverを持っていない場合、所得に応じて1%、1.25%、1.5%の追加負担が発生することがあります。
| 2025–26年度 | Single | Family |
|---|---|---|
| Base tier | A$101,000以下 | A$202,000以下 |
| Tier 1 | A$101,001~118,000 | A$202,001~236,000 |
| Tier 2 | A$118,001~158,000 | A$236,001~316,000 |
| Tier 3 | A$158,001以上 | A$316,001以上 |
ロー・インカム・タックス・オフセット(LITO)
| 課税所得 | LITO |
|---|---|
| A$37,500以下 | 最大A$700 |
| A$37,501~45,000 | A$700から超過額1ドルにつき5セント減額 |
| A$45,001~66,667 | A$325から超過額1ドルにつき1.5セント減額 |
| A$66,668以上 | なし |
LITOは課税所得を下げるDeductionではなく、計算されたTaxそのものを減らすタックス・オフセットです。Non-refundableなので、使い切れなかった分が現金として追加Refundされるわけではありません。
ロー・アンド・ミドル・インカム・タックス・オフセット(Low and Middle Income Tax Offset)(LMITO)は2021–22年度で終了しており、現在は利用できません。
タックスリターンの申告方法
個人が自分で申告する場合、最も一般的なのはmyGovにATOをLinkし、オンラインのmyTaxを利用する方法です。
- myGovからATO Online Servicesを開く。
- Income StatementがTax readyになっているか確認する。
- 銀行利息、配当、政府給付等のPre-fill情報を確認する。
- Pre-fillされていないIncomeを追加する。
- Work-related Expenses等の所得控除を入力する。
- メディケア・レビー、Private Health Insurance、MES等を確認する。
- 銀行口座情報を確認する。
- Declarationを確認してLodgeする。
- Notice of AssessmentでRefundまたはタックス・デット(Tax Debt)を確認する。
登録タックス・エージェントを利用する
Rental Property、Shares、Cryptocurrency、Foreign Income、Sole Trader、Capital Gainsなどがあり、自分での申告が難しい場合は登録タックス・エージェントへ依頼できます。
還付・追加納税の仕組み
タックスリターンをLodgeするとATOが内容を処理し、Notice of Assessmentを発行します。
オンライン申告は多くが約2週間
ATOは、多くのOnline タックスリターンを約2週間で処理すると案内しています。ただし、内容確認が必要な場合は長くかかります。
Refundはオーストラリアの銀行口座へ
ATOのタックス・リファンドは、原則としてオーストラリア国内のRecognised Financial Institutionの口座へ電子送金されます。myTaxではBSB、Account Number、Account Nameを登録します。
オーストラリアを離れて日本へ帰国する予定の人は、Refundを受け取るまでオーストラリアの銀行口座を閉じない方が手続きしやすいでしょう。
追加納税になることもある
複数勤務先でタックスフリー・スレッショルドをClaimした、投資収入が多かった、Sole Traderで十分なPAYG Instalmentsを払っていなかったなどの場合、タックス・デットが発生することがあります。Notice of Assessmentに表示されたDue Dateまでに支払います。
記録保存と注意点
所得控除をClaimする場合は、領収書、Invoice、Bank Statement、Logbook、Working From Home hoursなど、計算根拠を保存しておく必要があります。個人のTax Recordは通常、タックスリターンをLodgeした日から5年間保存するのが基本です。
よくある間違い
- 通常の自宅~勤務先の通勤費をWork TravelとしてClaimする。
- 普通の衣服をUniformとしてClaimする。
- 勤務先からReimburseされた費用を再度Claimする。
- Private Useを含む電話・Internetを100%仕事用としてClaimする。
- 領収書がないのにA$300を自動的にClaimする。
- 銀行利息や副業収入を申告し忘れる。
- タックスリターン=必ずRefundされると思い込む。
- ビザの種類だけでタックス・レジデンシーを決める。
Sole Traderは会社員と違う
ABNを取得してSole Traderとして働く場合、顧客から受け取る売上から所得税が自動的に天引きされないケースが一般的です。事業収入からAllowable Business 所得控除を差し引いた利益をIndividual タックスリターンへ含め、必要に応じてPAYG Instalmentsで税金を前払いします。
オーストラリアの個人所得税に関するよくある質問(FAQ)
会計年度は7月1日から翌年6月30日です。
自分でタックスリターンをLodgeする場合、一般的には7月1日から10月31日までに申告します。
必ずではありません。
PAYGで支払った税金が最終税額より多ければRefund、少なければ追加納税になります。
タックス・レジデントであれば通常A$18,200です。
フォーリン・レジデントにはタックスフリー・スレッショルドがありません。
必ずではありません。
日本国籍の人がタックス・レジデントに該当する場合、租税条約のNon-Discrimination Articleによりタックス・レジデント税率が適用されることがあります。
一般的には課税所得の2%です。
低所得者には減額・免除Thresholdがあります。
条件を満たせばメディケア・レビー免除をClaimできる場合があります。
通常はServices Australiaからメディケア Entitlement Statementを取得してタックスリターンへ反映します。
誰でも自動的にA$300をClaimできる制度ではありません。
一定のWritten Evidence要件が緩和されても、実際の支出と仕事との関連性、計算根拠が必要です。
ATOは原則としてタックス・リファンドをオーストラリア国内のRecognised Financial Institutionの口座へ支払います。
帰国予定がある場合は、Refundを受け取るまでオーストラリア口座を維持しておく方が便利です。
まとめ
オーストラリアの個人所得税は、7月1日から翌年6月30日までの会計年度ごとに計算し、多くの個人は年度終了後にタックスリターンを提出して精算します。
2025–26年度のタックス・レジデント税率は、A$18,200まで0%、A$18,201~45,000が16%、A$45,001~135,000が30%、A$135,001~190,000が37%、A$190,001以上が45%です。2026年7月1日からは最初の16%税率が15%へ下がっています。
税率を決めるうえではタックス・レジデンシーが重要です。ビザ上のステータスだけでなく生活実態からタックス・レジデント / フォーリン・レジデントを判断します。日本人ワーキングホリデー・メーカーも、タックス・レジデントに該当する場合にはタックス・レジデント税率が適用されることがあります。
タックスリターンでは給与だけでなくInterest、Dividends、Rental Income、Capital Gains、Business Incomeなどを申告し、仕事と直接関係する支出は認められる所得控除として課税所得から差し引けます。
タックス・レジデントには通常2%のメディケア・レビーがかかりますが、低所得者にはThresholdがあり、メディケアを利用する資格がない一時滞在者などはメディケア Entitlement Statementを取得してExemptionをClaimできる場合があります。
タックスリターンは還付申請そのものではありません。年間の最終税額とすでに払ったPAYG源泉徴収を精算し、払い過ぎならRefund、足りなければタックス・デットになります。
オーストラリアの個人所得税に関する参考情報
- ATO:Tax rates – Australian residents
- ATO:Tax rates – フォーリン・レジデントs
- ATO:Tax rates – Working holiday makers
- ATO:Your tax residency
- ATO:Your tax return
- ATO:How to lodge your tax return
- ATO:所得控除 you can claim
- ATO:Working from home expenses
- ATO:Low income tax offset
- ATO:メディケア levy
- ATO:メディケア levy surcharge
- Services Australia:メディケア Entitlement Statement
- ATO:Income tax estimator
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日本では運転免許を持っていないものの、ワーキングホリデー、留学、就労などでオーストラリアに中長期滞在する予定があり、「現地で初めて運転免許を取って、帰国後に日本の免許へ書き換えられないか」と考える人もいるでしょう。
結論から言うと、条件を満たせば可能です。オーストラリアでは日本の免許を持っていなくても、居住する州・準州のLearner LicenceまたはLearner Permitからスタートし、学科試験、一定期間の運転練習、Hazard Perception Test、実技試験などを経て、単独運転ができるProvisional Licence、いわゆるPプレート免許へ進むことができます。
さらに、そのオーストラリア免許を持って日本へ帰国した後は、外国免許切替、一般に「外免切替」と呼ばれる制度を利用して、日本の運転免許を取得できる可能性があります。オーストラリアの免許は、2026年現在、日本での外免切替において知識確認・技能確認の両方が免除される対象です。
ただし、ここで非常に重要なのが、日本側の「免許取得後3か月ルール」です。オーストラリアの免許を取得した後、オーストラリアに通算3か月以上滞在していたことを証明できなければ、日本の免許への切替はできません。帰国直前に免許を取得して、そのまますぐ日本へ戻るプランでは条件を満たさないので注意が必要です。
この記事では、日本の運転免許を持っていない人を対象に、オーストラリアで普通自動車免許を新規取得する基本的な流れ、州・準州ごとのLearner・P Licence制度、必要期間や練習時間、2026年現在の主な費用、そして帰国後に日本の免許へ切り替える条件、必要書類、JAF翻訳、申請場所、費用までを一連の流れとして詳しく解説します。
本情報の注意事項
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日本の免許がなくても豪州で新規取得できる?


オーストラリアの運転免許制度には、日本のように「指定自動車教習所へ通い、卒業検定に合格して免許センターへ行く」という全国一律の仕組みはありません。
初めて普通車免許を取得する場合は、まず道路ルールの学科試験などに合格してLearner LicenceまたはLearner Permit、いわゆるLプレートを取得します。その後、免許を持つ監督者を助手席に乗せて路上練習を行い、必要な期間・運転時間・Hazard Perception Testなどの条件を満たしたうえで実技試験へ進みます。
実技試験等に合格すると、単独運転が可能なProvisional Licenceへ進みます。州によってP1・P2に分かれており、Red Ps、Green Psなどと呼ばれます。
| 段階 | 一般的な呼び方 | 運転できる状態 |
|---|---|---|
| Learner | L / Ls | 監督者同乗で練習。単独運転不可。 |
| Provisional P1 | Red P | 条件付きで単独運転可能。 |
| Provisional P2 | Green P | P1より制限が緩和。 |
| Full / Open | Full licence / Open licence | 通常の無制限免許。 |
日本帰国後の外免切替を目的にする場合、まず目標にすべきなのはLearnerのまま帰国することではなく、少なくともオーストラリアで単独運転が認められるProvisional Licenceまで進むことです。
免許は州・準州ごとに取得する
オーストラリアでは、運転免許は連邦政府ではなく州・準州政府が発行します。
シドニー(Sydney)ならニューサウスウェールズ州(New South Wales/NSW)、メルボルン(Melbourne)ならビクトリア州(Victoria)、ブリスベン(Brisbane)ならクイーンズランド州(Queensland)、パース(Perth)なら西オーストラリア州(Western Australia/WA)で免許を取得します。
| 州・準州 | 主な免許窓口 | 代表都市 |
|---|---|---|
| ニューサウスウェールズ州 | Service NSW / Transport for NSW | シドニー |
| ビクトリア州 | VicRoads | メルボルン |
| クイーンズランド州 | Department of Transport and Main Roads | ブリスベン |
| 西オーストラリア州 | Department of Transport and Major Infrastructure | パース |
| 南オーストラリア州 | Service SA | アデレード(Adelaide) |
| タスマニア州 | Service Tasmania / Transport Services | ホバート(Hobart) |
| 首都特別地域 | Access Canberra | キャンベラ(Canberra) |
| 北部準州 | Motor Vehicle Registry | ダーウィン(Darwin) |
そのため、「オーストラリアで免許を取るのに何時間必要か」という質問には全国共通の答えがありません。最低年齢、Learnerの保有期間、Logbookに必要な練習時間、夜間運転時間、試験、料金が州によって違います。
取得する州は実際の居住地で決める
日本への書き換えだけを目的に「条件が簡単そうな州へ行って免許を取る」という考え方はおすすめできません。免許申請では、その州・準州のResidential Addressや本人確認書類を求められます。
LearnerからP Licenceまでの流れ
細かな違いはありますが、普通自動車免許を初めて取得するときの流れは、おおむね次のようになります。
- 州内の居住住所と本人確認書類を用意する。
- 道路ルールを勉強する。
- Knowledge / Theory Testに合格する。
- Learner Licence / Permitを取得する。
- 資格のある監督者を同乗させて路上練習する。
- 年齢に応じて必要なLogbook hoursを記録する。
- 必要なLearner保有期間を満たす。
- Hazard Perception Testに合格する。
- Practical Driving Test / Driving Assessmentに合格する。
- P1またはProvisional Licenceを取得し、単独運転を始める。
- 所定期間を経てP2、最終的にFull / Open Licenceへ進む。
日本の教習所より「自分で練習時間を作る」制度
オーストラリアでは、プロのDriving Instructorからレッスンを受けることもできますが、家族や友人など条件を満たすFull Licence holderを監督者として練習する方法が一般的です。
特に25歳未満では50~120時間程度のLogbookが必要な州があり、日本から単身で渡航する人は「監督者と練習車をどう確保するか」が免許取得の大きな課題になります。
滞在期間が短い人は取得完了までの時間に注意
若年者の場合、Learnerを6か月~12か月保有しなければ実技試験へ進めない州があります。半年程度の留学ではP Licenceまで到達できないケースもあるため、渡航前に滞在州の最低期間を確認してください。
州・準州別の取得条件比較
2026年現在の普通車免許について、初めて免許を取得する人がLearnerから単独運転可能な免許へ進む際の主な条件をまとめると、次のようになります。
| 州・準州 | Learner最低年齢 | 若年者の主な練習条件 | 単独運転開始の主な条件 |
|---|---|---|---|
| NSW | 16歳 | 25歳未満:120時間、うち夜間20時間。Learner 12か月。 | 17歳以上、HPT+Driving Test。 |
| VIC | 16歳 | 21歳未満:120時間、うち夜間20時間。Learner 12か月。 | 18歳以上、HPT+Drive Test。 |
| QLD | 16歳 | 25歳未満:100時間、うち夜間10時間。Learner 1年。 | 17歳以上、HPT+Practical Test。 |
| WA | 16歳 | 25歳未満:50時間、うち夜間5時間。Learner 6か月。 | 17歳以上、HPT+PDA。 |
| SA | 16歳 | 75時間、うち夜間15時間。25歳未満はLearner 12か月。 | 17歳以上、HPT+VORTまたはCBT&A。 |
| TAS | 16歳 | 80時間、うち夜間15時間。通常Learner 12か月。 | 17歳以上、HPT+P1 Assessment。 |
| ACT | 15歳9か月 | 25歳未満:100時間、うち夜間10時間。Learner 12か月。 | 17歳以上、HPT+CBT&Aまたは実技Assessment。 |
| NT | 16歳 | 十分な練習を推奨。Learner連続6か月。 | Practical Driving Test。 |
25歳以上ではLogbookが不要、または必要時間が短くなる州があります。例えばNSWとQLDでは25歳以上はLearner Logbookが不要、WAでも25歳以上の初回C class取得ではLogbook要件が免除されます。
制度は改定されることがあるため、実際に申請する時点で州政府の公式サイトを確認してください。
ワーホリ・学生ビザでも取得できる?
「オーストラリア国民や永住者でなければ免許を新規取得できない」という全国共通ルールはありません。
ワーキングホリデー、学生ビザ、Temporary Work visaなどの一時滞在者でも、居住する州・準州の本人確認・住所証明要件を満たせば、Learner Licenceから現地免許を取得できるケースがあります。
観光客向けの制度ではない
ただし、数週間の旅行者がホテル住所だけで気軽にLearner Licenceを取得することを想定した制度ではありません。申請にはResidential Address、パスポート、ビザ、銀行口座・賃貸契約など複数の本人確認資料を求める州があります。
中長期滞在でも「Pまで進める期間」が必要
若い人ほどLearnerの最低保有期間が長く、練習時間も多くなります。日本への外免切替まで考えるなら、P Licenceを取得した後にも3か月以上オーストラリアへ滞在できる日程が必要です。
オーストラリア側の取得費用
免許取得費用は州・準州によって大きく異なります。また、政府へ支払う免許・試験料金とは別に、Driving Instructorのレッスン代や試験用車両の利用料などがかかる場合があります。
2026年の主な公的料金の例は次の通りです。
| 州・準州 | 主なLearner関連料金 | その後の主な料金例 |
|---|---|---|
| NSW | DKT A$58、Learner A$32 | HPT A$58、Driving Test A$72、P1 A$74。 |
| VIC | 最初のOnline Learner Test・Learner発行は無料 | 最初のOnline HPT無料。Drive Test A$53.20+予約A$22.10。 |
| QLD | PrepL / Knowledge Test A$29.70、Learner A$80.15 | HPT A$42.70、Practical Test A$69.40、1年Licence A$94.65。 |
| WA | Learner申請A$150.80、CTT A$22.40 | 申請料に最初のPDAを含む。紙Logbook A$10.70、Digitalは無料。 |
| TAS | 州所定のLearner・Test料金 | P1 Assessment A$108.93、P1+P2発行A$68.12。 |
| ACT | Learner Licence A$65.50+Pre-learner course | Provisional A$165.90、政府Driving Assessment予約A$133.90。 |
| NT | Theory Test A$20、Learner A$29 | Provisionalは25歳未満A$61、25歳以上A$40。 |
南オーストラリア州ではLearner Permit、Theory Test、Hazard Perception Testに加えて、VORTまたは民間のCompetency Based Training & Assessmentを利用するため、選ぶ方法によって総額が変わります。
実際の総額はDriving Lessonsで大きく変わる
日本から来た人には監督運転を頼める家族が現地にいないケースが多く、プロのDriving Instructorを利用する回数が増えやすいです。民間レッスン料金は事業者ごとに異なり、免許取得費用の中で最も大きな部分になることがあります。
教習所・インストラクター・監督運転
日本の免許取得との違いを理解するうえで重要なのが、「Driving Schoolに通えば、そこで必要な練習時間をすべて完結できる」とは限らない点です。
家族・友人をSupervisorにする方法
州の条件を満たすFull Licence holderがいれば、その人を監督者として練習できます。これならレッスン費用を抑えやすくなります。
Driving Instructorを利用する方法
現地に監督者がいない日本人には、Accredited Driving Instructorを利用する方法があります。州によってはプロのInstructorとの1時間をLogbook上で複数時間として換算できる制度もあります。
AutomaticかManualかも考える
実技試験をAutomatic車で受けると、P LicenceにAutomatic限定のConditionが付く州があります。日本帰国後の外免切替でも外国免許の条件・車種区分が確認されるため、日本でManual車を運転する予定がある人は、オーストラリアでどの条件の免許を取得するかも考えておくとよいでしょう。
日本への書き換えを前提にした注意点
オーストラリアで免許を取得するだけなら州のGraduated Licensing Schemeに従えばよいのですが、日本の外免切替まで考える場合は帰国前から準備が必要です。
| ポイント | 理由 |
|---|---|
| Learnerのまま帰国しない | Learnerは監督者同乗が前提。日本の普通免許への切替対象としては不確実。 |
| 単独運転可能なP Licenceまで進む | 外国で正式に単独運転できる免許を取得しておく方が明確。 |
| 発行日を記録する | 日本の「取得後3か月」要件の起算点に関係。 |
| 取得後3か月以上豪州に残る | 日本側の重要な法定条件。 |
| 古いパスポートも保存 | 出入国日・豪州滞在期間の証明に使用。 |
| Licence Historyを取得 | カードだけで初回取得日が分かりにくい場合の補足。 |
| 豪州免許を有効な状態に保つ | 外免切替申請時の審査をスムーズにするため。 |
「Pを取ったら即帰国」が最大の落とし穴
オーストラリアで長期間Learnerとして練習していても、日本の3か月要件は外国の運転免許を受けた後の滞在期間で判断されます。Learner期間を長く過ごしたことだけでは代用できないと考えて計画してください。
最重要:免許取得後3か月以上滞在
日本の外国免許切替で最も重要な条件の一つが、「外国の免許を受けた後、その国に通算して3か月以上滞在していたこと」です。
オーストラリアの免許を日本免許へ切り替える場合、オーストラリア免許の取得後にオーストラリアへ通算3か月以上滞在したことを証明する必要があります。
免許取得前の滞在は3か月に含めない
例えば、オーストラリアに1年間滞在した最後の1か月でP Licenceを取得し、その1か月後に帰国した場合、オーストラリアには合計1年住んでいても、「免許取得後」の滞在は1か月しかありません。この場合、日本の外免切替に必要な3か月要件を満たしません。
3か月は連続でなくても通算
警察庁は「通算して3月以上」としています。取得後の滞在が複数回に分かれていても、証明できる滞在期間を合計して3か月以上となれば条件を満たす可能性があります。
どうやって証明する?
パスポート、出入国記録、オーストラリアの免許発行日が確認できる資料などを使います。出入国スタンプだけで確認できない場合は、Movement Records、学校・勤務先の在籍資料、賃貸契約などを補足資料として求められることがあります。
帰国日から逆算する
日本への外免切替を予定しているなら、P Licenceが発行される見込み日から最低3か月以上後に帰国日を設定するのが基本です。
帰国前に準備しておきたい書類
日本へ戻ってからオーストラリアの免許履歴を取り寄せることもできますが、帰国前にそろえておく方が簡単です。
オーストラリアの免許証原本
帰国時まで有効なDriver Licence cardを紛失しないようにしてください。Digital Licenceだけで済ませず、物理カードを保管しておくのが安心です。
Licence History / Driver Record
州の免許当局から、いつLearnerを取得し、いつP Licenceへ進み、どのクラスを保有しているか確認できるLicence History、Driver Record、Traffic History等を取得できる場合があります。カード表面のIssue Dateだけでは初回取得日が分かりにくいときに役立ちます。
古い免許カード・パスポート
P1からP2への移行や更新でカードのIssue Dateが変わることがあります。旧カード、現在・過去のパスポート、ビザ、出入国資料は処分せず保管しておきましょう。
日本帰国後の外免切替
オーストラリアの運転免許を取得し、免許取得後にオーストラリアへ通算3か月以上滞在したら、帰国後に外国免許切替を申請できます。
申請するのは住所地の運転免許センター
外免切替は、原則として日本での住所地を管轄する都道府県警察の運転免許センター・運転免許試験場で本人が申請します。代理人による申請は認められていません。
2025年10月から手続きが変更
2025年10月1日に道路交通法施行規則が改正され、外免切替の住所確認や、知識確認・技能確認の内容が見直されました。
日本へ本帰国して住民登録を戻した日本人であれば、通常はその住所を管轄する都道府県で申請します。海外転出中のまま一時帰国して申請する場合は、戸籍関係書類と日本国内の住所を確認できる資料などが必要になるため、申請先の警察へ事前確認してください。
書類審査はしっかり行われる
外免切替は単純なカード交換ではありません。外国免許の真正性、取得経緯、滞在期間、運転できる車種などが確認されます。都道府県によっては完全予約制で、事前審査に時間がかかることがあります。
豪州免許は知識・技能確認が免除
外免切替では通常、交通ルールに関するKnowledge Confirmationと、実車によるSkills Confirmationが行われます。
しかし、オーストラリアは2026年現在、日本が「知識確認・技能確認を免除する国等」として扱う対象に含まれています。
オーストラリア免許なら筆記・実技の確認が原則不要
必要書類と3か月滞在条件などを満たし、オーストラリアの有効な免許として認められれば、一般的な外免切替で行われる知識確認と技能確認の両方が免除されます。
2025年10月から一般の外免切替ではKnowledge Confirmationが10問から50問へ増え、合格基準も50問中45問以上に厳格化されましたが、オーストラリア免許はこの確認自体の免除対象です。
豪州で免許を取る大きなメリット
条件を満たしたオーストラリア免許を持って帰国すれば、日本側では知識・技能確認が免除されます。ただし、書類審査と3か月滞在証明は必要です。
日本側で必要になる書類
必要書類は都道府県警察によって細部が異なりますが、日本国籍の人が本帰国後に申請する一般的なケースでは、次のような資料を準備します。
| 書類 | ポイント |
|---|---|
| オーストラリア運転免許証 | 原本。有効期限を確認。 |
| 免許証の日本語翻訳文 | JAFなど国家公安委員会が認める作成者の翻訳。 |
| パスポート | 免許取得後3か月以上の豪州滞在を確認。 |
| 旧パスポート | 現在の旅券だけでは滞在期間が確認できない場合。 |
| 住民票 | 本籍記載など、申請先が指定する内容で取得。 |
| 申請用写真 | サイズ・枚数は申請する都道府県の指定を確認。 |
| Licence History等 | 初回取得日や免許履歴をカードだけで確認できない場合。 |
| 滞在証明補足資料 | Movement Record、学校・勤務資料等を求められる場合。 |
国際運転免許証(IDP)そのものから日本免許へ切り替えることはできません。外免切替の基礎になるのは、オーストラリアの州・準州当局が発行したDriver Licenceです。
JAFの日本語翻訳文
一般的で利用しやすいのが、日本自動車連盟(JAF)による外国運転免許証の日本語翻訳文です。
2026年7月から外免切替用は6,600円
2026年7月1日以降、日本免許への切替を目的とする外国運転免許証の日本語翻訳文は、1件6,600円(税込)です。申請はオンラインのみで、JAF窓口や郵送では受け付けていません。
オーストラリアを含む多くの国の免許は、翻訳発行まで平均5~10営業日が目安です。内容確認が必要な場合はさらに時間がかかることがあります。
JAF以外の翻訳も制度上あり
警察庁は、外国免許の発給機関やその国の領事機関、JAF、ジップラス、訪日運転者支援協会など、法令上認められた作成者の翻訳文を対象としています。
日本での申請場所・費用
申請場所と予約方法、手数料は都道府県によって確認が必要です。
例として東京都では、2026年8月現在、府中運転免許試験場、鮫洲運転免許試験場で外免切替を扱い、オーストラリアなど知識・技能確認免除国については江東運転免許試験場でも手続きできます。
| 項目 | 東京都の2026年8月現在の例 |
|---|---|
| 普通免許 申請手数料 | 2,500円 |
| 免許証 交付手数料 | 2,350円 |
| JAF日本語翻訳文 | 6,600円 |
| 単純合計 | 11,450円 |
このほか、証明写真、住民票、オーストラリア側のLicence History取得費用、その翻訳費用などが必要になる場合があります。マイナ免許証との組み合わせや追加免許区分によって交付手数料も変わります。
Learner・P Licenceでも切替できる?
Learner Permitだけで帰国するのは避ける
オーストラリアのLearner Licenceは、Full Licence holderの監督下で練習するための免許・許可であり、単独運転はできません。警察庁の外免切替案内でも、オーストラリア各州のLearner Permitを日本の普通免許へそのまま切り替えられるとは案内していません。
日本への切替を目標にするなら、Learner段階ではなく単独運転可能なProvisional Licenceまで取得してから帰国する計画が安全です。
P1・P2は帰国前に申請先へ確認
オーストラリアのP1・P2は、初心者条件付きではあるものの、監督者なしで運転できる州発行のDriver Licenceです。ただし、日本で最終的にどの免許区分・条件として認定されるかは、外国免許の権限、取得歴、制限内容を都道府県警察が審査して決めます。
Full Licenceになるまでオーストラリアに滞在できない人は、帰国前に日本の住所地となる都道府県警察へ「現在持っている州のP1 / P2 Licenceで外免切替の申請が可能か」を確認しておくと確実です。
日本への切替を計画するなら、単独運転可能なP Licenceの発行日を基準として、その後オーストラリアに3か月以上滞在できる日程を組んでください。
オーストラリアでの免許取得・日本への書き換えに関するよくある質問(FAQ)
取得できます。
居住する州・準州でLearner Licenceからスタートし、学科、監督運転、Hazard Perception Test、実技試験など各州の条件を満たしてProvisional Licenceへ進みます。
州・準州の本人確認・居住要件を満たせば取得できるケースがあります。
若年者はLearnerを6~12か月保有する州が多いため、滞在期間を確認して計画してください。
免許取得直後の帰国では条件を満たしません。
外国免許を取得した後、その国に通算3か月以上滞在していたことが日本の外免切替の条件です。
滞在期間全体ではなく、免許を取得した後の滞在期間が重要です。
1年間住んでいても、帰国1か月前に免許を取得した場合は、この3か月条件を満たしません。
オーストラリアは日本の知識確認・技能確認の両方が免除される国に含まれています。
ただし、書類審査、適性確認、3か月滞在証明などは必要です。
日本の普通免許への切替を前提にLearnerのまま帰国するのはおすすめできません。
少なくとも単独運転可能なProvisional Licenceまで進み、申請予定の都道府県警察へ確認してください。
日本免許への外免切替を目的とする外国運転免許証の日本語翻訳文は、2026年7月1日から6,600円(税込)です。
申請はオンラインで行います。
まとめ
日本の運転免許を持っていなくても、オーストラリアに中長期滞在する人は、居住する州・準州でLearner Licenceから運転免許を新規取得できます。
取得制度は州ごとに異なりますが、Learnerで監督運転を行い、必要な練習時間と保有期間を満たし、Hazard Perception Testや実技試験に合格して、単独運転可能なP1・P2などのProvisional Licenceへ進むのが基本です。
日本への帰国後は、条件を満たしたオーストラリア免許を使って外免切替を申請できます。オーストラリアは2026年現在、日本の知識確認・技能確認の両方が免除される国なので、書類審査が通れば筆記・実技の確認を受けないのが大きな利点です。
ただし、最も重要なのは「オーストラリアの免許を取得した後、オーストラリアに通算3か月以上滞在する」という条件です。Learnerとして長期間住んでいても、P Licenceを取得してすぐ帰国すると、この条件を満たしません。
帰国後は住所地の都道府県警察の運転免許センター等で申請します。JAFの外国免許日本語翻訳文は2026年7月以降6,600円で、東京都で普通免許へ切り替える場合の申請・交付手数料と合わせた単純な目安は11,450円です。
豪州免許の新規取得・日本への外免切替に関する参考情報
- 警察庁:外国の運転免許をお持ちの方
- 警察庁:運転免許Q&A
- 警視庁:外国免許から日本免許への切替
- 警視庁:2025年10月1日施行・改正道路交通法施行規則
- JAF:外国運転免許証の日本語翻訳文
- NSW Government:Getting your driver licence
- NSW Government:Driver licence fees
- VicRoads:How to get your Ps
- VicRoads:Ls and Ps fees
- Queensland Government:Steps from learner to provisional licence
- Queensland Government:Licence fees
- Transport WA:Get a learner’s permit
- My Licence SA:Graduated Licensing Scheme
- Transport Tasmania:Driving assessments
- Access Canberra:Get your provisional driver licence
- Northern Territory:Get your driver licence
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パース(Perth)を含む西オーストラリア州(Western Australia/WA)に中長期で滞在する日本人は、滞在資格によって日本の運転免許をそのまま使える場合と、WAの運転免許へ書き換える必要がある場合があります。
西オーストラリア州の特徴は、ワーキングホリデーや学生ビザ、Temporary Work visaなどで一時的に滞在している人は「Visitor」として扱われ、有効な日本の運転免許と認められた英訳または国際運転免許証(International Driving Permit/IDP)を携帯すれば、原則として滞在中も日本免許で運転できることです。
一方、オーストラリア市民またはPermanent ResidentとしてWAに居住する場合は、日本免許で運転できるのは居住開始後3か月までです。その間にWestern Australian Driver’s Licenceへ切り替える必要があります。
日本はWAが認めるRecognised Countryに含まれているため、有効な日本の普通自動車免許または二輪免許を持っている人は、原則としてComputerised Theory Test(CTT)とPractical Driving Assessment(PDA)を受けずにWA免許へ切り替えることができます。
この記事では、パースに中長期滞在する日本人向けに、日本免許からWA運転免許へ書き換えできる条件、必要書類、英訳、手続きの流れ、申請場所、2026年現在の費用、ワーキングホリデー・学生ビザ・永住者の違い、二輪・大型免許まで、実際の申請に沿って詳しく解説します。
本情報の注意事項
提供している情報には、掲載時点から変更が生じている場合や、誤りが含まれている場合があります。これらにより閲覧者に損害等が発生したとしても、当社および執筆者は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
日本の免許はWA免許へ書き換えできる?


西オーストラリア州では、海外免許をWA免許へ切り替える際、免許の発行国と車種、免許の有効期限などを確認します。
日本はRecognised Countryなので、日本のCarまたはMotorcycle Licenceに相当する免許が現在有効、または失効してから12か月以内であれば、原則としてCTTとPDAを受ける必要がありません。
ただし、日本免許の内容を確認できない、本人確認ができない、免許が長期間失効しているといった場合は、追加書類や通常のWA免許取得手続きが必要になることがあります。
| 日本の免許 | 試験免除 | WAでの主な扱い |
|---|---|---|
| 普通自動車免許 | 原則あり | Car(C class)へ。 |
| 普通二輪・大型二輪 | 原則あり | Motorcycle classを審査。 |
| 大型・中型・準中型 | 原則なし | Heavy Vehicleの別手続き。 |
| 12か月超失効した免許 | 対象外の場合 | First licence手続きが必要になることも。 |
いつまでに書き換える必要がある?
パースで日本免許からWA免許へ書き換える必要があるかは、滞在期間そのものより「Visitorか、Australian citizen / Permanent Residentか」で判断します。
| 滞在資格 | 日本免許での運転 | WA免許への切替 |
|---|---|---|
| 短期旅行者 | 可能 | 通常不要。 |
| ワーキングホリデー | 有効な免許なら可能 | 原則不要。希望すれば切替可能。 |
| 学生ビザ | 有効な免許なら可能 | 原則不要。希望すれば切替可能。 |
| Temporary Work visa | 有効な免許なら可能 | 原則不要。 |
| Permanent Resident | 最初の3か月まで | 3か月以内に必須。 |
| Australian citizenとしてWAへ移住 | 最初の3か月まで | 3か月以内に必須。 |
Transport WAは、観光客だけでなく、WAで一時的に勉強している学生や一時的に働いている人もVisitorとして扱っています。
Visitorは、海外免許が有効で、取消・停止等を受けておらず、その免許で認められた車種だけを運転する限り、WA免許へ切り替えずに運転できます。
ワーホリ・学生ビザに「3か月」「6か月」の強制切替期限はない
NSWやビクトリア州の制度と混同しやすいところです。WAでは、Temporary visaで一時滞在している学生・就労者はVisitorとして扱われます。日本免許が有効なら、原則として滞在中も利用できます。
日本はRecognised Country
WAでは、海外の免許制度・試験制度を比較し、一定の国・地域をRecognised Countryとして扱っています。
日本はこのRecognised Countryに含まれており、CarまたはMotorcycle Licenceの書き換えでは大きな優遇があります。
CTTとPDAが原則免除
日本の普通車・二輪免許が現在有効、または失効から12か月以内で、必要書類がそろっていれば、通常はComputerised Theory TestとPractical Driving Assessmentを受けません。
2025年11月に制度変更があったが日本は影響なし
WAでは2025年11月1日からExperienced Driver Recognised Countryのカテゴリーが廃止されました。韓国、台湾、香港など一部の国・地域では制度が変わりましたが、日本はもともとRecognised Countryであるため、通常の普通車・二輪免許の試験免除は継続しています。
大型免許は別
Recognised Countryである日本でも、Heavy Vehicle Licenceは別扱いです。日本で大型免許を持っていることだけを理由に、WAのLR、MR、HR、HC、MCを無試験で取得することはできません。
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WAで発行される免許の扱い
日本の普通自動車免許をWAへ書き換える場合、基本となる車種区分はCar(C class)です。
WAのC classは、原則としてGVM4,500kg以下で、運転者を含め12人以下を乗せる車を運転できる免許です。
日本の「普通免許」とWAのC classは完全に同じではない
免許制度は国ごとに異なるため、日本の免許証に記載された条件や限定がそのまま同じ表記で移るとは限りません。AT限定、眼鏡等、車種制限などはDTMIが確認し、必要なConditionをWA免許へ付ける場合があります。
初心者・Provisionalの扱い
WAで初めて免許を取得する人は、通常2年間、または19歳になるまでのいずれか長い期間がProvisional Licenceとなります。
海外免許からの書き換えでは、海外免許の状態、年齢、運転経験、付帯条件などをもとにDTMIが発行内容を判断します。日本免許を長期間保有している成人であれば、通常のC class licenceとして処理されるケースが一般的ですが、若年者や免許履歴が短い場合は窓口で確認してください。
免許期間は1年または5年
WAのStandard Driver’s Licenceは、通常1年または5年の有効期間から選びます。NSWやSAのような3年免許はありません。
ワーホリ・学生ビザの場合
ワーキングホリデー、学生ビザ、Temporary Work visaなどでWAに一時滞在する日本人は、Transport WA上ではVisitorとして扱われます。
日本免許をそのまま利用できる
有効な日本免許を持ち、英語訳または有効なIDPを携帯していれば、原則としてWA免許へ変更する必要はありません。
例えばパースに1年間のワーキングホリデーで滞在する人や、2年間の学生ビザで大学へ通う人でも、Temporary statusのままであれば、WAの3か月切替ルールは適用されません。
希望すればWA免許へ変更できる
強制ではありませんが、中長期滞在者がWA免許を取得することにはメリットがあります。オーストラリア国内の写真付きIDとして使いやすく、レンタカー、カーシェア、雇用、保険などの手続きが簡単になることがあります。
Temporary visaだからProvisionalになるわけではない
ビザの種類そのものが免許クラスを決めるわけではありません。日本免許の種類、年齢、運転経験、制限条件などをもとにWA側が判定します。
永住者・市民の場合
オーストラリア市民またはPermanent ResidentとしてWAに居住する場合は、日本免許で運転できるのは最初の3か月までです。
この3か月以内にWA Driver’s Licenceへ切り替える必要があります。
Temporary visaで住んでいて後から永住権を取得した場合
ワーキングホリデーや就労ビザでパースに長く住んでいた人でも、その後Permanent visaを取得した場合は扱いが変わります。永住者としてWAに居住し始めてから3か月以内に切替を済ませてください。
3か月を過ぎると日本免許が有効でも運転できない
日本免許そのものの有効期限が残っていても、WAの永住者向け3か月期限を過ぎれば、その海外免許を使って合法的に運転できなくなります。
「日本免許の有効期限」と「WAで使える期限」は別
永住者の場合、日本免許があと3年有効でも、WAにPermanent Residentとして居住して3か月を超えれば日本免許だけでは運転できません。
必要書類
日本免許からWA免許への書き換えは、Department of Transport and Major Infrastructure(DTMI)のService CentreまたはRegional Agentへ本人が出向いて行います。
| 必要なもの | 内容 |
|---|---|
| Driver’s Licence Application(DLA1) | WAの免許申請書。 |
| 日本の運転免許証 | 原本。認識対象は有効、または原則失効12か月以内。 |
| 認められた英訳 | 日本語免許なので必要。 |
| Proof of Identity | WA独自の本人確認要件を満たす原本書類。 |
| Australian visa | 海外パスポートと組み合わせてCategory Aに利用可。 |
| WA住所証明 | 銀行明細、賃貸契約、公共料金など。 |
| 眼鏡・コンタクト | 使用している場合。視力検査あり。 |
| 免許履歴・Verification Letter | 免許の内容や取得日を確認できない場合。 |
| 申請料・免許料 | 窓口で支払い。 |
WAの本人確認書類は多め
初めてWA Driver’s Licenceを申請する人は、原則として5点の本人確認書類を組み合わせます。
代表的な組み合わせは、Category Aを1点、Category Bを1点、Category Cを2点、Category Dを1点です。別の組み合わせとしてCategory Aを1点、Category Cを2点、Category Dを2点という方法もあります。
日本人の場合、Australian visa supported by an overseas passportをCategory A、現在有効な日本のパスポートをCategory Bとして使うことができます。
銀行カード、オーストラリアの銀行明細、公共料金、賃貸契約、学生証などを組み合わせ、現在のWA居住住所まで確認できるようにします。
原本・紙の書類を用意する
DTMIは、初回申請の本人確認についてコピーやスマートフォン上の写真ではなく、原則として物理的な原本を求めています。書類の氏名表記も一致している必要があります。
日本免許の英訳方法
日本の運転免許証は英語のみで記載された書類ではないため、WA免許へ書き換える場合はDTMIが認める英訳を付ける必要があります。
日本免許ならNAATI翻訳が基本
DTMIが認める翻訳者には、NAATI認定翻訳者、一定の資格を持つTertiary Qualified Translator、Department of Home AffairsのFree Translating Serviceなどがあります。
日本語はNAATIで翻訳可能な言語なので、日本人がWA免許への書き換えに使う場合は、NAATI認定翻訳者へ依頼するのが最も分かりやすい方法です。
翻訳料金は一律ではない
NAATIは翻訳者の認定機関であり、日本免許の翻訳料金を全国一律で設定しているわけではありません。料金・納期は依頼する翻訳者や翻訳会社によって異なります。
Visitorとして運転するだけならIDPも利用可能
WAで日本免許を使ってVisitorとして運転する場合は、有効な日本免許と有効なInternational Driving Permitを一緒に携帯する方法も認められています。
ただし、WA免許への書き換え申請では「approved translatorによる英訳」を準備するのが確実です。
在パース日本国総領事館の証明は使える?
パースには在パース日本国総領事館(Consulate-General of Japan in Perth)があり、以前は日本の運転免許証に関する「自動車運転免許証抜粋証明」を発行していました。
しかし、この点は古いブログや体験談を参考にすると間違えやすいので注意が必要です。
2021年8月以降、WAでは総領事館の証明は認められていない
在パース日本国総領事館は、同館が発行した自動車運転免許証抜粋証明について、2021年8月からWA州の有効な翻訳証明として認められなくなったと案内しています。
そのため、WA Driver’s Licenceへの書き換え目的では、総領事館の免許証抜粋証明を取得するのではなく、NAATI等の認められた翻訳を利用してください。
なぜConsulate translationの記載がWA政府サイトにある?
Transport WAは一般論としてOfficial consulate / embassyの翻訳を認める場合があると案内していますが、NAATIまたはTertiary Qualified Translatorで対応できない言語に限るという条件があります。
日本語はNAATI翻訳を利用できるため、日本免許についてはNAATI翻訳が実務上の基本です。
「日本総領事館で翻訳を取ればよい」は現在のWAでは古い情報
パースで日本免許を書き換える場合、在パース日本国総領事館ではなく、NAATI認定翻訳者等へ依頼してください。
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免許の取得日・免許履歴
日本免許からWA免許へ切り替える際は、免許が有効であることだけでなく、免許区分や発行内容を確認できることも重要です。
免許原本を紛失している場合
物理的な日本免許証を紛失して提示できない場合でも、免許発行機関、領事機関、外交機関などが発行したLetter of Verificationで免許の詳細を確認できれば、手続きできる場合があります。
ただし通常より確認に時間がかかる可能性があるため、日本出発前に免許原本の有無を確認しておくのがおすすめです。
失効から12か月を超える場合
Recognised Countryの試験免除は、現在有効なCar / Motorcycle Licenceまたは失効から12か月以内の免許が基本です。
12か月を超えて失効している、または免許の有効性を確認できない場合は、WAで初めて免許を取る人と同様の手続きが必要になる可能性があります。
書き換え手続きの流れ
日本の普通自動車免許を持ち、Recognised Countryとして試験免除になる一般的なケースでは、次のように進めます。
- 日本の運転免許証が有効か確認する。
- 自分がVisitorか、Australian citizen / Permanent Residentか確認する。
- NAATI等による日本免許の英訳を用意する。
- Driver’s Licence Application(DLA1)を準備する。
- DTMIのProof of Identity要件に沿って5点の本人確認書類をそろえる。
- WAのResidential Addressを確認できる書類を用意する。
- DTMI Service CentreまたはRegional Agentへ本人が行く。
- 日本免許、英訳、本人確認書類を提出する。
- Eyesight Testを受ける。
- Medical Conditionや服薬について申告する。
- 免許用写真を撮影する。
- Overseas Licence Transfer Application Feeを支払う。
- 1年または5年のLicence Feeを支払う。
日本の普通車・二輪免許がRecognised Countryの条件を満たしていれば、通常はComputerised Theory TestとPractical Driving Assessmentを受けません。
視力検査は試験免除でも必要
学科・実技試験が免除されても、窓口でEyesight Testを受けます。眼鏡やコンタクトレンズを使用して運転している人は忘れずに持参してください。
パースで申請できる場所
海外免許の書き換えは、DTMI Service CentreまたはRegional Agentで行います。
パース中心部から利用しやすいのは、ウエスト・パース(West Perth)のCity West Perth Service Centreです。
| Service Centre | 所在地 |
|---|---|
| シティ・ウエスト・パース(City West Perth) | Troode Street and Plaistowe Mews, West Perth WA 6005 |
| カニングトン(Cannington) | 1480 Albany Highway, Cannington WA 6107 |
| ミラブーカ(Mirrabooka) | 1 Chesterfield Road, Mirrabooka WA 6061 |
| サクセス(Success) | 660 Beeliar Drive, Success WA 6164 |
| ミッドランド(Midland) | 5 Clayton Street, Midland WA 6056 |
City West Perthの営業時間
2026年8月現在、City West Perth Service Centreは月曜日から金曜日の午前7時15分~午後5時です。土曜・日曜と祝日は休業です。
カニングトン、ミラブーカ、サクセスも平日は午前7時15分~午後5時のExtended Hoursで営業しています。
海外免許Transferを扱う窓口を選ぶ
すべての小規模な代理窓口で同じサービスを扱うとは限りません。パース都市圏であれば、City West Perth、Cannington、Mirrabookaなど主要Service Centreを利用すると分かりやすいでしょう。
営業時間・取扱業務は変更されることがあるため、訪問前にTransport WAのFind a locationで確認してください。
書き換えにかかる費用
日本の普通車・二輪免許はRecognised Countryとして試験免除になるため、主な政府費用は「Overseas Licence Transfer Application Fee」と「WA Licence Fee」です。
| 項目 | 2026年料金 | 備考 |
|---|---|---|
| Overseas Licence Transfer Application | A$63.50 | Driving Test不要の場合。 |
| WA Licence 1年 | A$49.40 | Standard licence。 |
| WA Licence 5年 | A$172.00 | Standard licence。 |
| NAATI翻訳 | 依頼先による | 翻訳者・納期により異なる。 |
例えば日本の普通免許を無試験で書き換え、1年免許を選ぶ場合、WA政府へ支払う料金はA$63.50+A$49.40=A$112.90です。
5年免許ならA$63.50+A$172.00=A$235.50です。これにNAATI翻訳料金が加わります。
WAは1年または5年
Standard WA Driver’s Licenceは1年または5年から選択します。海外免許がまだ有効でも、WAへ書き換える際はLicence Feeを別途支払います。
WA免許発行後の注意点
WA Driver’s Licenceが発行された後は、WAでの運転資格は新しいWA免許に基づきます。
日本免許の有効性とは別
WA免許へ書き換えたことだけで、日本の免許が日本国内で自動的に失効するわけではありません。日本免許の更新や有効性は日本の道路交通法に従います。
住所変更・更新はWA側で行う
WA免許取得後にパース市内で引っ越した場合は、WA免許の住所変更手続きを行います。また、1年または5年の有効期間が終わる前に更新が必要です。
カードは郵送
免許カードは手続き後に登録住所へ郵送されます。通常のWA免許更新カードは処理後10~15営業日程度で届くと案内されています。
日本の二輪免許も書き換えできる?
日本の普通二輪・大型二輪についても、日本はRecognised Countryなので、現在有効または失効12か月以内のMotorcycle Licenceであれば、原則としてTheory TestとPDAの免除対象です。
WAの二輪免許はR-EとR
WAでは、Learner Approved Motorcycle Scheme(LAMS)対象車を運転できるRestricted MotorcycleがR-E class、それを超える大型・高出力バイクを運転できるUnrestricted MotorcycleがR classです。
日本の普通二輪・大型二輪という区分とWAのR-E / Rは完全に同じではないため、日本免許の種類・条件・経験をもとにDTMIが相当するクラスを判断します。
R classは通常R-Eを2年以上保有してから
WAで新規にR classへ進む場合は、原則としてR-E classを2年以上保有する必要があります。海外二輪免許からのTransferでは、日本での免許内容・経験がどこまで認められるか窓口で確認してください。
大型・中型免許はどうなる?
日本の大型・中型・準中型免許は、普通車・二輪と同じ無試験Transferにはなりません。
WAのHeavy Vehicle LicenceにはLR、MR、HR、HC、MCがあります。
| WAクラス | 概要 | 海外免許からの主な扱い |
|---|---|---|
| C | 普通車 | 日本はRecognised Country免除あり。 |
| R-E / R | 二輪 | 日本はRecognised Country免除あり。 |
| LR | Light Rigid | Theory Test免除可、PDA必要。 |
| MR | Medium Rigid | HVTT+PDAが必要。 |
| HR | Heavy Rigid | HVTT+PDAが必要。 |
| HC | Heavy Combination | HVTT+PDA等が必要。 |
| MC | Multi Combination | 追加Training / Assessmentが必要。 |
海外のLight Rigid相当免許を持っている場合、Theory Testは不要でもPDAが必要です。それ以外のHeavy VehicleではHeavy Vehicle Theory Test(HVTT)と該当クラスのPDAが必要になります。
日本の大型免許を持っているからといって、WAのHRやHCへそのまま書き換えられるわけではありません。
パースでの日本免許書き換えに関するよくある質問(FAQ)
原則可能です。
日本はWAのRecognised Countryなので、現在有効または失効12か月以内のCar / Motorcycle Licenceであれば、通常はCTTとPDAが免除されます。
できます。
ただしTemporary visaでWAに一時滞在する人はVisitor扱いなので、有効な日本免許と英訳またはIDPがあれば、必ずWA免許へ書き換える必要はありません。
原則使えます。
Transport WAは、WAで一時的にStudyingまたはWorkingしている人をVisitorとして扱っています。
WAでPermanent Residentとして居住してから3か月以内です。
3か月を過ぎると、日本免許が有効でもWAでその免許を使って運転できません。
NAATI認定翻訳者へ依頼するのが最も分かりやすい方法です。
Department of Home AffairsのFree Translating Serviceを利用できる人は、その翻訳も認められています。
WA免許への書き換え用翻訳としては利用できません。
在パース日本国総領事館は、2021年8月以降、同館の証明がWAで有効な翻訳証明として認められなくなったと案内しています。NAATI翻訳等を利用してください。
DTMI Service CentreまたはRegional Agentで手続きします。
パース中心部からはTroode StreetとPlaistowe MewsにあるCity West Perth Service Centreが便利です。
2026年現在、試験不要のOverseas Licence Transfer Application FeeはA$63.50です。
これにWA Licence Feeとして1年A$49.40または5年A$172.00と、NAATI翻訳料金が加わります。
まとめ
パースに中長期滞在する日本人にとって、日本の普通自動車免許からWA Driver’s Licenceへの書き換えは比較的簡単です。
日本はWAのRecognised Countryなので、現在有効または失効12か月以内の普通車・二輪免許なら、原則としてComputerised Theory TestとPractical Driving Assessmentを受けずにWA免許へ変更できます。
WAで特に重要なのは、Temporary visa holderとPermanent Residentの違いです。ワーキングホリデーや学生ビザなどで一時滞在する人はVisitor扱いとなり、有効な日本免許と英訳またはIDPがあれば強制的な切替期限はありません。
一方、Australian citizenまたはPermanent ResidentとしてWAに居住する場合は、3か月以内にWA免許へ切り替える必要があります。
日本免許の英訳はNAATI認定翻訳者等へ依頼します。在パース日本国総領事館の自動車運転免許証抜粋証明は、2021年8月以降WAで書き換え用翻訳として認められていないため注意してください。
2026年現在、試験不要のOverseas Licence Transfer FeeはA$63.50、WA免許は1年A$49.40、5年A$172.00です。政府費用だけなら1年免許でA$112.90、5年免許でA$235.50となり、これに翻訳料金が加わります。
パース中心部からはCity West Perth Service Centreが利用しやすく、カニングトン、ミラブーカ、サクセスなどにもService Centreがあります。申請前に日本免許原本、英訳、パスポート、ビザ、WA住所証明を含む本人確認書類を十分にそろえておくことが大切です。
パースでの日本免許書き換えに関する参考情報
- Transport WA:Moving from overseas
- Transport WA:Transfer a licence from a recognised country or region
- Transport WA:Visiting from overseas or interstate
- Transport WA:Identity requirements for driver’s licence
- Transport WA:Standard driver’s licence fees
- Transport WA:Driver licence classes
- Transport WA:City West Perth Service Centre
- Transport WA:Cannington Service Centre
- Transport WA:Mirrabooka Service Centre
- 在パース日本国総領事館:各種証明
- 在パース日本国総領事館:西オーストラリア州での運転について
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トラベルドンキーでは、シドニー、メルボルン、ゴールドコースト、ケアンズ、パース、アデレード、タスマニア、ウルルなど、オーストラリア各地のオプショナルツアー(現地発着ツアー)、アクティビティ、送迎等をご紹介、ご予約を承っています。
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アデレード(Adelaide)を含む南オーストラリア州(South Australia/SA)に中長期で滞在する日本人は、滞在資格によって日本の運転免許をそのまま使える場合と、SAの運転免許へ書き換える必要がある場合があります。
南オーストラリア州の大きな特徴は、ワーキングホリデーや学生ビザなどのTemporary visa holderであれば、有効な日本の運転免許と英訳または国際運転免許証(International Driving Permit/IDP)を持っている限り、原則として日本免許で運転を続けられることです。NSWやビクトリア州のように、Temporary visa holderへ6か月の強制切替期限を設けている制度とは異なります。
一方、オーストラリアのPermanent Residentとなり南オーストラリア州に居住する場合は、州内のPermanent Residentとなってから90日以内にSouth Australian Driver’s Licenceへ切り替える必要があります。
日本は南オーストラリア州が認めるRecognised Countryに含まれているため、日本の普通自動車免許または二輪免許を持っている人は、条件を満たせばTheory Test、Hazard Perception Test、Practical Driving Testを受けずにSA免許へ切り替えることができます。
この記事では、アデレードに中長期滞在する日本人向けに、日本免許から南オーストラリア州免許へ書き換えできる条件、必要書類、英訳、Service SAでの手続き、申請場所、2026年現在の料金、ワーキングホリデー・学生ビザ・永住者の違い、二輪・大型免許まで、実際の申請に沿って詳しく解説します。
本情報の注意事項
提供している情報には、掲載時点から変更が生じている場合や、誤りが含まれている場合があります。これらにより閲覧者に損害等が発生したとしても、当社および執筆者は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
日本の免許はSA免許へ書き換えできる?


南オーストラリア州では、海外免許を持つ人がSA免許へ切り替える際、免許の発行国、年齢、免許を保有していた期間、免許区分などを確認して、発行する免許の種類を決めます。
日本はSAが認めるRecognised Countryの一つです。そのため、日本の普通車または二輪の本免許を持っている人は、通常、Theory Test、Hazard Perception Test、Practical Driving Testを受けずにSouth Australian Licenceへ変更できます。
現在日本免許を持っている場合だけでなく、Recognised Countryの普通車・二輪免許を過去5年以内に保有していた場合も、試験免除の対象になり得ます。
ただし、免許の内容や取得日を確認できない場合には追加書類を求められることがあります。また、日本の大型・中型免許は普通車と同じ試験免除の対象ではありません。
| 日本の免許 | 試験免除 | SAでの主な扱い |
|---|---|---|
| 普通自動車免許 | 原則あり | Class Cへ。 |
| 普通二輪・大型二輪 | 原則あり | R / R-Dateを審査。 |
| 大型・中型・準中型 | なし | Heavy Vehicle試験等が必要。 |
| 仮免許等 | 原則不可 | SA Learner制度で対応。 |
いつまでに書き換える必要がある?
アデレードに住む日本人の場合、書き換え期限を決める最も重要なポイントは「Temporary visaかPermanent Residentか」です。
| 滞在資格 | 日本免許での運転 | SA免許への切替 |
|---|---|---|
| 短期旅行者 | 可能 | 通常不要。 |
| ワーキングホリデー | 有効な海外免許なら可能 | 任意。いつでも取得可能。 |
| 学生ビザ | 有効な海外免許なら可能 | 任意。いつでも取得可能。 |
| その他Temporary visa | 有効な海外免許なら可能 | 任意。 |
| Permanent Resident | 最初の90日まで | 90日以内に必須。 |
Temporary visa holderは、日本免許が有効で、必要な英訳またはIDPを携帯し、SAや他の地域で運転資格を停止・取消されていなければ、南オーストラリア州で日本免許を使って運転できます。
一方、南オーストラリア州のPermanent Residentとなった場合は、90日以内にSA免許へ切り替える必要があります。
SAではワーホリ・学生ビザに6か月の強制切替期限はない
シドニーやメルボルンの制度と混同しやすい点です。南オーストラリア州ではTemporary visa holderは、有効な海外免許を使い続けることができます。ただし、希望すればPermanent Residentになる前でもSA免許へ書き換え可能です。
日本はRecognised Country
南オーストラリア州では、海外の免許制度・試験制度を比較し、一定の国・地域をRecognised Countryとして扱っています。
日本はこのRecognised Countryに含まれています。
そのため、日本の普通車または二輪免許については、South Australian Licenceへ切り替える際に、原則として運転試験が免除されます。
免除されるのは普通車と二輪が中心
Recognised Country制度による無試験書き換えは、基本的にCar licenceとMotor bike licenceが対象です。
日本で大型トラックやバスを運転できる免許を持っていても、SAのLR、MR、HR、HC、MCをそのまま無試験で取得できるわけではありません。
過去5年以内の免許も対象になる場合
SA Governmentは、Recognised CountryのCarまたはMotor Bike Licenceを現在持っている、または過去5年以内に持っていた場合、条件を満たせば運転試験なしでSA免許を取得できるとしています。
ただし、失効した日本免許での申請は確認書類が増える可能性があるため、可能であれば有効な日本免許を用意して申請する方がスムーズです。
Full・P1・P2のどれになる?
日本免許からSA免許へ変更するときは、「何年間その免許を保有しているか」と「現在の年齢」で発行される免許が変わります。
| 日本免許の保有期間・年齢 | 主なSA licence | ポイント |
|---|---|---|
| 12か月未満 | Provisional P1 | 海外での保有期間もP1期間へ算入。 |
| 12か月以上3年未満 | Provisional P2 | 合計3年でFullへ進める。 |
| 3年以上・20歳以上 | Full Licence | 長期保有者の一般的なケース。 |
| 3年以上・20歳未満 | Provisional P2 | 20歳になるまでP2。 |
例えば30歳で日本の普通免許を10年以上持っている人なら、通常はFull South Australian Driver’s Licenceの対象になります。
一方、19歳で日本免許を3年以上持っていたとしても、SAのFull Licenceは20歳以上という最低年齢条件があるため、20歳になるまではP2となります。
海外での運転経験は無駄にならない
日本免許を保有していた期間は、SAのProvisional期間へ算入されます。そのため、日本免許の初回取得日を正確に証明できることが重要です。
ワーホリ・学生ビザの場合
ワーキングホリデーや学生ビザなどのTemporary visa holderは、南オーストラリア州でSA免許へ書き換えることができます。
ただし、SAではTemporary visa holderに対して「一定期間を過ぎたら必ず書き換える」という一般的な期限を設けていません。
日本免許のままでも運転可能
日本免許が有効で、その免許に対応する車種を運転し、英訳またはIDPを携帯していれば、Temporary visaでSAに滞在中も日本免許を利用できます。
それでもSA免許を取得するメリット
長期間アデレードに住む場合は、SA免許を取得しておくと、日常の写真付き身分証明書として使いやすくなります。レンタカー、カーシェア、勤務先、保険会社などでもオーストラリアの免許の方が手続きが分かりやすい場合があります。
Temporary visaでもFull Licenceになれる
Full、P1、P2の区分は主に年齢と免許保有期間で判断されます。Temporary visaだから自動的にP licenceになるわけではありません。
永住者の場合
オーストラリアのPermanent Residentとなり南オーストラリア州に居住する場合は、Permanent Residentとなってから3か月、つまり90日以内にSA免許へ変更する必要があります。
90日を超えて日本免許だけで運転を続けることはできません。
Temporary visaから永住権へ変わった人も注意
すでにアデレードへTemporary visaで住んでいて、その後Permanent visaが発給された人も、Permanent Residentとしての切替期限を確認する必要があります。永住権取得後も運転する予定なら、早めにService SAで手続きを進めるのが安心です。
日本免許は通常返却される
SAでは海外免許をSA免許へ切り替えた際、England、Scotland、Wales、Ontarioの免許を除き、海外免許を原則として保持できます。日本免許は通常、SA側へ回収される対象ではありません。
ただしSA免許が発行された後は、その日本免許をオーストラリア国内で運転資格として使うことはできません。
必要書類
日本免許からSA免許への書き換えは、Service SA Centreへ本人が出向いて行います。
| 必要なもの | 内容 |
|---|---|
| 日本の運転免許証 | 現在の免許原本。取得日が確認できることが重要。 |
| 公式英訳またはIDP | 日本語免許のため必要。 |
| Primary ID | 日本のパスポート+有効な豪州ビザ+Visa Grant Notice等。 |
| 追加の本人確認書類 | 銀行カード、銀行明細、公共料金等。 |
| SA住所証明 | 現在の南オーストラリア州居住住所を確認できるもの。 |
| 免許取得日を示す書類 | 免許証で初回取得日を確認できない場合。 |
| 医療証明 | 運転へ影響する持病がある場合。 |
| Concession Card | 対象者のみ。 |
| 免許発行料 | FullまたはProvisionalの該当料金。 |
Service SAで初めてSA免許を申請する場合は、原則としてPrimary Documentを最低1点と、追加のPrimaryまたはSecondary Documentを2点、合計3点以上の本人確認書類が必要です。
これらの書類を合わせて、氏名、生年月日、署名、現在のSouth Australian Residential Addressを確認できる必要があります。
日本人の場合、現在有効な日本のパスポートだけではPrimary ID要件を満たしません。海外パスポートと有効なAustralian visa、Visa Grant Noticeを組み合わせてPrimary Documentとして扱います。
本人確認書類は原本を用意
Primary identity documentsは原本・物理書類が基本です。Service SA公式のEvidence of Identity一覧を確認して準備してください。
日本免許の英訳方法
日本の運転免許証は英語ではないため、SA免許への書き換え時には公式英訳が必要です。
SA Governmentが認める主な翻訳
- NAATI認定翻訳者による翻訳
- オーストラリア国内の領事館が発行する翻訳
- South Australian Government Interpreting and Translating Centreによる翻訳
- 他州政府の同等翻訳機関による翻訳
- 条件を満たすFederal GovernmentのFree Translating Service
翻訳は原本である必要があり、NAATI翻訳の場合は翻訳者の署名・スタンプ、またはNAATI Digital StampのQRコードが必要です。
International Driving Permitも利用可能
日本の有効な国際運転免許証を持っている場合、海外免許の内容を確認する補助書類として利用できます。IDPだけが免許の代わりになるわけではないため、日本免許原本も一緒に用意してください。
Interpreting and Translating Centre
南オーストラリア州政府のInterpreting and Translating Centre(ITC)でも運転免許などの文書翻訳を扱っています。料金・納期は依頼内容によって変わるため、申請時に確認してください。
日本総領事館の免許証抜粋証明
南オーストラリア州に住む日本人は、在メルボルン日本国総領事館(Consulate-General of Japan in Melbourne)が発行する「自動車運転免許証抜粋証明」を利用する方法もあります。
同総領事館はビクトリア州だけでなく、南オーストラリア州とタスマニア州も管轄しており、この証明についてSAでの利用を案内しています。
必要書類
- 証明書発給申請書
- 有効な日本の運転免許証
- パスポート
2026年度の料金
| 項目 | 料金 | 所要日数 |
|---|---|---|
| 自動車運転免許証抜粋証明 | A$22 | メルボルン窓口では原則5業務日。 |
A$22は2026年4月1日から2027年3月31日までに申請する場合の手数料です。
アデレード在住者は郵送申請を相談できる
総領事館はメルボルンにありますが、遠隔地在住者は代理申請や郵送申請が可能な場合があるため、事前に総領事館へ相談できます。また、アデレードで領事出張サービスが行われる際に、事前申請した証明書を受け取れる場合があります。
在アデレード日本国名誉総領事では発行不可
アデレードの日本国名誉総領事は、旅券や各種証明書などの行政サービスを行っていません。免許証抜粋証明は在メルボルン日本国総領事館の領事部へ申請します。
マイナ免許証だけでは申請できない
2026年現在、同総領事館はマイナ免許証だけによる自動車運転免許証抜粋証明の申請を受け付けていません。従来型の日本の運転免許証が必要です。
免許の初回取得日を証明する
SA免許の種類を決める際は、日本の免許をいつから保有しているかが重要です。
3年以上保有している20歳以上の人ならFull Licence、12か月未満ならP1、12か月以上3年未満ならP2という判定に関わります。
Issue Dateが確認できない場合
Service SAは、海外免許にIssue Dateが表示されていない場合、免許をいつ取得したか確認できるSupporting Evidenceを求めています。
日本の免許証は複数の免許区分を持つ場合に取得日が分かりにくいこともあるため、普通車・二輪など各クラスの取得時期を確認できるよう準備しておくと安心です。
Full Licenceを希望する人は特に重要
実際には長年日本で運転していても、Service SAが3年以上の免許保有歴を確認できなければ、Full Licenceの判定に影響する可能性があります。必要に応じて免許履歴を確認できる資料も用意してください。
書き換え手続きの流れ
日本の普通自動車免許を持ち、Recognised Countryとして試験免除になる一般的なケースでは、次のように進めます。
- 日本の運転免許証が有効か確認する。
- Temporary visaかPermanent Residentか確認する。
- 日本免許の英訳、総領事館証明、またはIDPを用意する。
- 免許の初回取得日を確認できる資料を準備する。
- Service SAのEvidence of Identity要件に沿って本人確認書類をそろえる。
- South Australian residential addressを証明できる書類を用意する。
- Service SA Centreへ本人が行く。
- 海外免許原本、翻訳、本人確認書類を提出する。
- 必要な場合は視力・医療条件等の確認を受ける。
- 写真を撮影する。
- FullまたはProvisional Licenceの発行料を支払う。
- Temporary Licenceを受け取り、カードの郵送を待つ。
日本の普通車・二輪免許でRecognised Countryの条件を満たせば、通常はTheory Test、Hazard Perception Test、Practical Driving Testを受けません。
海外免許の種類や履歴に不明点がある場合は、先にService SAへ13 10 84で問い合わせておくと安心です。
アデレードで申請できる場所
海外免許からSA免許への書き換えは、Service SA Centreで行います。
アデレードCBDで最も利用しやすいのは、カリー・ストリート(Currie Street)にあるAdelaide Service SA Centreです。
| Service SA Centre | 所在地 |
|---|---|
| アデレード(Adelaide) | 30 Currie Street, Adelaide SA 5000 |
| マリオン(Marion) | 1 Milham Street, Oaklands Park SA 5046 |
| モッドベリー(Modbury) | Modbury Triangle Shopping Centre, Shop 25A, 954 North East Road |
| プロスペクト(Prospect) | Shop 37, Northpark Shopping Centre, 264 Main North Road, Prospect SA 5082 |
| ポート・アデレード(Port Adelaide) | 21-25 Nile Street, Port Adelaide SA 5015 |
アデレードCBDの営業時間
Adelaide Service SA Centreは2026年8月現在、月曜・火曜・木曜・金曜が午前9時~午後5時、水曜が午前9時30分~午後5時です。
マリオン、モッドベリー、プロスペクトなど一部の郊外センターは土曜日も営業しています。
Mile Endの旧Licensing Centreは閉鎖済み
以前利用されていたMile EndのService SA Accreditation & Licensing Centreは2024年7月に恒久閉鎖されています。古いブログや案内を見てMile Endへ行かないよう注意してください。
書き換えにかかる費用
日本はRecognised Countryなので、一般的な普通車・二輪の書き換えでは試験料金がかかりません。
Full South Australian Licenceへ書き換える場合は、通常のDriver’s Licence Renewal Feeと同じ料金が適用され、希望する有効期間を選べます。
| 項目 | 2026年料金 | 備考 |
|---|---|---|
| Full Licence 1年 | A$79 | Overseas transferでも同額。 |
| Full Licence 3年 | A$193 | 一般的な選択肢。 |
| Full Licence 5年 | A$307 | 長期滞在向け。 |
| Full Licence 10年 | A$592 | 条件を満たす場合。 |
| Provisional Licence初回 | A$193 | 3年間、P1+P2。 |
| 日本総領事館 免許証抜粋証明 | A$22 | 2026年度。 |
| NAATI / ITC翻訳 | 依頼先による | 料金・納期はサービスごとに異なる。 |
例えば、日本で3年以上普通免許を保有している20歳以上の人が、在メルボルン日本国総領事館の免許証抜粋証明A$22を利用し、1年間のFull SA Licence A$79を取得する場合、単純合計はA$101が目安です。
3年免許ならA$215、5年免許ならA$329が目安です。SAのFull Licence料金には写真撮影の追加料金はありません。
日本免許なら通常はTheory・Hazard・Driving Testの費用が不要
日本はRecognised Countryなので、普通車・二輪の条件を満たす書き換えでは試験免除が大きなメリットです。
SA免許発行後の注意点
South Australian Licenceが発行されると、日本の免許証を手元に保持できる場合でも、その日本免許をオーストラリア国内で運転資格として使うことはできません。
Temporary Licenceが先に発行される
手続き完了後はTemporary Licenceが発行され、正式なカードは後日郵送されます。SAではmySAGOVアプリへDigital Driver’s Licenceを追加することもできます。
日本免許自体が日本で失効するわけではない
SA免許への書き換えによって、日本の都道府県公安委員会が発行した日本免許そのものが自動失効するわけではありません。日本へ帰国した際の免許更新・有効性は日本の制度に従います。
日本の二輪免許も書き換えできる?
日本の普通二輪・大型二輪免許についても、日本はRecognised Countryなので、条件を満たせば運転試験なしでSAのMotor Bike Licenceへ切り替えられます。
RまたはR-Dateになる
SAではMotor Bike LicenceにRとR-Dateがあります。海外二輪免許の内容、年齢、免許に付いている制限などを確認し、R(Unrestricted)またはR-Date(Restricted)が発行されます。
普通車の経験年数とは別に、二輪免許そのものの保有期間が判断されます。
大型・中型免許はどうなる?
日本の大型・中型・準中型免許を持っている場合、普通車・二輪と同じRecognised Countryの無試験書き換えは利用できません。
SAのHeavy Vehicle LicenceにはLR、MR、HR、HC、MCがあり、日本の大型免許区分とは分類方法が異なります。
| SAクラス | 概要 | 日本免許からの扱い |
|---|---|---|
| C | 普通車 | Recognised Country免除あり。 |
| R / R-Date | 二輪 | Recognised Country免除あり。 |
| LR | Light Rigid | 試験等が必要。 |
| MR | Medium Rigid | 試験等が必要。 |
| HR | Heavy Rigid | 試験等が必要。 |
| HC | Heavy Combination | 試験等が必要。 |
| MC | Multi Combination | 試験等が必要。 |
日本を含むRecognised Countryでも、CarとMotor Bike以外の海外免許クラスは原則としてSouth Australian Licenceへの無試験移行対象ではありません。
アデレードでの日本免許書き換えに関するよくある質問(FAQ)
原則可能です。
日本は南オーストラリア州のRecognised Countryなので、普通車・二輪では条件を満たせばTheory Test、Hazard Perception Test、Practical Driving Testが免除されます。
できます。
Temporary visa holderはSA免許をいつでも取得できます。ただし有効な日本免許と英訳またはIDPがあれば、ワーホリ中に必ず書き換えなければならないわけではありません。
有効な日本免許と英訳またはIDPがあり、Temporary visa holderであれば原則利用できます。
希望すればSA免許へ書き換えることも可能です。
南オーストラリア州のPermanent Residentとなってから90日以内です。
それ以降も運転するならSouth Australian Driver’s Licenceが必要です。
NAATI認定翻訳者、SA GovernmentのInterpreting and Translating Centre、オーストラリア国内の領事館などの翻訳が認められています。
在メルボルン日本国総領事館の自動車運転免許証抜粋証明も利用できます。
原則として、海外免許を3年以上保有し、20歳以上であればFull Licenceの対象になります。
12か月未満ならP1、12か月以上3年未満ならP2が基本です。
Service SA Centreで申請します。
CBDでは30 Currie StreetのAdelaide Service SA Centreが便利です。マリオン、モッドベリー、プロスペクトなど郊外にも窓口があります。
できません。
SA免許が発行された後は、海外免許はオーストラリア国内で運転資格として使用できなくなります。
まとめ
アデレードに中長期滞在する日本人にとって、日本の普通自動車免許からSouth Australian Driver’s Licenceへの書き換えは比較的簡単です。
日本は南オーストラリア州のRecognised Countryなので、普通車・二輪では条件を満たせばTheory Test、Hazard Perception Test、Practical Driving Testを受けずにSA免許へ変更できます。
南オーストラリア州で特に重要なのは、Temporary visa holderとPermanent Residentの違いです。ワーキングホリデーや学生ビザなら、有効な日本免許と英訳またはIDPを持っていれば、強制的な3か月・6か月の切替期限はありません。希望すればSA免許へいつでも書き換えできます。
一方、Permanent Residentとして南オーストラリア州に住む場合は、90日以内にSA免許を取得する必要があります。
日本免許の英訳にはNAATI認定翻訳者、SA GovernmentのInterpreting and Translating Centre、在メルボルン日本国総領事館の自動車運転免許証抜粋証明などが利用できます。総領事館の証明は2026年度A$22です。
2026年現在、Full SA Licenceは1年A$79、3年A$193、5年A$307です。日本で3年以上免許を保有している20歳以上の人なら、通常はFull Licenceの対象になります。
アデレードCBDでは30 Currie StreetのService SA Centreで手続きできます。日本免許原本、英訳、パスポートとビザ、追加の本人確認書類、SAの住所証明をそろえてから来店するとスムーズです。
アデレードでの日本免許書き換えに関する参考情報
- SA Government:Transfer your overseas driver’s licence
- SA Government:Driving with your overseas licence in SA
- SA Government:Driver’s licence and permit fees
- SA Government:Proving your identity at Service SA
- SA Government:Service SA locations and opening hours
- My Licence:Visitors to South Australia
- SA Government:Overseas Licence Holders Fact Sheet
- Interpreting and Translating Centre South Australia
- 在メルボルン日本国総領事館:自動車運転免許証抜粋証明
- 在メルボルン日本国総領事館:証明発給手数料
オーストラリアの旅行手配
トラベルドンキーでは、シドニー、メルボルン、ゴールドコースト、ケアンズ、パース、アデレード、タスマニア、ウルルなど、オーストラリア各地のオプショナルツアー(現地発着ツアー)、アクティビティ、送迎等をご紹介、ご予約を承っています。
オーストラリアを知り尽くしたオーストラリア在住のスタッフが対応しておりますので、正確な情報の提供、的確なアドバイス、到着フライトの遅延・欠航など、緊急時の迅速な対応も可能となっています。
オーストラリア旅行をご計画中の方は、是非トラベルドンキーのご利用をご検討ください。きっと素敵な思い出深いオーストラリア旅行になりますよ。

メルボルン(Melbourne)を含むビクトリア州(Victoria)に中長期で滞在する日本人は、滞在期間によって日本の運転免許をビクトリア州の運転免許へ書き換える必要があります。
ビクトリア州では、州内に住み始めてから6か月を超えて居住・運転する場合、海外免許をビクトリア州免許へ切り替えるのが基本ルールです。ワーキングホリデーや学生ビザなどの一時滞在者でも、6か月以上住む予定なら対象になります。
日本はビックロード(VicRoads)が認めるRecognised Countryに含まれているため、有効な日本の普通自動車免許を持っている人は、年齢・運転経験などの条件を満たせば、原則としてLearner Permit Test、Hazard Perception Test、Drive Testを受けずにビクトリア州免許へ切り替えることができます。
日本の免許証は日本語なので、英語の翻訳も必要です。ビクトリア州ではNAATI認定翻訳者のほか、在メルボルン日本国総領事館(Consulate-General of Japan in Melbourne)が発行する「自動車運転免許証抜粋証明」も利用できます。
この記事では、メルボルンに中長期滞在する日本人向けに、日本免許からビクトリア州運転免許へ書き換えできる条件、必要書類、英訳、6か月ルール、VicRoadsでの手続き、申請場所、2026年現在の料金、ワーキングホリデー・学生ビザでの扱い、二輪・大型免許まで、実際の申請に沿って詳しく解説します。
本情報の注意事項
提供している情報には、掲載時点から変更が生じている場合や、誤りが含まれている場合があります。これらにより閲覧者に損害等が発生したとしても、当社および執筆者は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
日本の免許はビクトリア州免許へ書き換えできる?


ビクトリア州では、海外免許を持っている人が州内へ移住・長期滞在する場合、海外免許の発行国、年齢、免許を最初に取得した年齢、保有期間などから、ビクトリア州で発行する免許を決めます。
日本はVicRoadsのRecognition区分で「FULL」とされるRecognised Countryです。そのため、日本の有効な普通自動車免許からVictorian Driver Licenceへ切り替える場合、通常はRoad Law Knowledge Test、Hazard Perception Test、Drive Testを受ける必要がありません。
ただし、「日本の免許を持っていれば誰でもFull Licence」という意味ではありません。年齢と免許保有歴によってはProbationary P1またはP2になることがあります。
また、VicRoadsの海外免許書き換えは、原則として18歳以上で、有効な海外免許を持ち、ビクトリア州で免許取得を禁止されていないことが前提です。
| 日本の免許 | 試験免除 | ビクトリア州での扱い |
|---|---|---|
| 普通自動車免許 | 原則あり | Car licenceへ切替。 |
| 普通二輪・大型二輪 | 原則あり | Motorcycle licenceとして審査。 |
| 大型・中型等 | 普通車とは別 | Heavy Vehicle制度で審査・試験。 |
| 仮免許等 | 個別判定 | Learner Permit制度との調整。 |
いつまでに書き換える必要がある?
ビクトリア州の海外免許ルールで最も重要なのが「6か月」です。
メルボルンへ移り、ビクトリア州で6か月以上暮らす予定の人は、海外免許をVictorian Driver Licenceへ切り替える必要があります。
6か月未満の滞在であれば、有効な日本免許と、必要な英訳またはInternational Driving Permitを持っていれば、日本免許で運転できます。
6か月は最初に住み始めた日から数える
6か月の起算日は、ビクトリア州で最初に生活を始めた日です。
途中で州外や海外へ出て、再びメルボルンへ戻っても、原則としてカウントがリセットされるわけではありません。VicRoadsは、最初にVictoriaで暮らし始めた日から6か月を数えるとしています。
| 滞在予定 | 日本免許で運転 | 基本対応 |
|---|---|---|
| 3か月 | 可能 | 有効な日本免許+英訳/IDP。 |
| 5か月 | 可能 | 通常は書き換え不要。 |
| 6か月以上 | 切替必要 | Victorian licenceへ。 |
| ワーホリ1年間 | 最初の6か月まで | 以後運転するなら切替。 |
| 学生ビザ2年間 | 最初の6か月まで | 以後運転するなら切替。 |
ビザの種類ではなく「Victoriaに住む期間」で考える
NSWのようにTemporary visaとPermanent Residentで海外免許の期限を分ける制度ではありません。ビクトリア州では、ワーホリ・学生ビザを含め、6か月以上住む予定なら基本的にVictorian licenceへの切替が必要です。
日本はRecognised Country
VicRoadsでは海外の運転免許制度を比較し、一定の国・地域について海外免許と運転経験を認めています。
日本は2026年現在もRecognised Countryで、VicRoadsの国別Recognitionでは「FULL」とされています。
このため、一般的な日本の普通車免許については、海外免許の真正性と本人確認ができ、年齢・経験条件を満たせば、通常は追加の運転試験なしでビクトリア州免許へ変更できます。
日本人だからではなく「日本発行の認められた免許」が条件
試験免除は国籍を理由に与えられるものではありません。日本の正規の免許発行機関が発行した有効な免許を持っていることが前提です。
免許の内容が確認できない、原本がない、取得日が分からない場合などには、VicRoadsからLicence Verification Letterなどの追加資料を求められることがあります。
試験免除でも窓口確認は必要
Recognised Countryでテスト不要でも、オンラインだけで書き換えは完結しません。VicRoads Customer Service Centreで海外免許と本人確認書類を確認するLicence Conversion appointmentが必要です。
Full・P1・P2のどれになる?
日本免許からビクトリア州免許へ切り替える際は、日本で免許を何年持っていたかと現在の年齢が重要です。
VicRoadsの発行ガイドでは、海外を含む運転免許の保有歴を考慮して、P1、P2、Full Licenceの期間を決めます。
| 年齢・免許歴の目安 | 主なVictorian licence | ポイント |
|---|---|---|
| 18歳以上21歳未満・保有1年未満 | P1 | Red P。 |
| 18歳以上21歳未満・保有1年以上 | P2 | Green P。 |
| 21歳以上22歳未満 | P2 | 経験年数にかかわらずP2が基本。 |
| 22歳以上・保有3年未満 | P2 | 残存Probationary期間を適用。 |
| 22歳以上・保有3年以上 | Full Licence | 一般的な長期免許保有者。 |
例えば30歳で、日本の普通免許を10年間保有している人なら、通常はFull Victorian Licenceの対象になります。
一方、23歳でも日本免許を取得して1年しか経っていなければ、P2になる可能性があります。
P1・P2は日本免許の運転経験を差し引いて決まる
海外免許の保有期間はVictorian probationary periodへ反映されるため、必ずしもP1やP2を最初から全期間やり直すわけではありません。
実際に発行される免許種別は、VicRoadsのRequirements Checkerと窓口審査で確定します。
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ワーホリ・学生ビザの場合
ワーキングホリデー、学生ビザ、就労ビザなどのTemporary visa holderでも、ビクトリア州免許への書き換えは可能です。
重要なのは「Permanent Residentでなければ免許を取れない」という制度ではないことです。
6か月以上住むなら切替
ワーキングホリデーでメルボルンに1年間住む、学生ビザで大学や語学学校へ1年以上通う、といったケースでは、Victoriaで生活を始めてから6か月を超えて運転する場合、Victorian licenceへ変更します。
Temporary visaでもFull Licenceになれる
発行される免許がFullかProbationaryかは、主に年齢と運転経験で判定されます。Temporary visaであることだけを理由にP licenceになるわけではありません。
日本で3年以上免許を保有し、年齢条件を満たしていれば、ワーキングホリデーや学生ビザでもFull Licenceの対象になり得ます。
短期滞在なら無理に書き換える必要はない
メルボルン滞在が6か月未満なら、通常は有効な日本免許と英訳またはIDPで運転できます。数週間・数か月の滞在だけのためにVictorian licenceを取得する必要はありません。
必要書類
日本免許からビクトリア州免許へ書き換える場合、VicRoads Customer Service Centreへ本人が出向きます。
| 必要なもの | 内容 |
|---|---|
| Licence or learner permit application form | 事前に記入。ただし署名は窓口スタッフの前で行う。 |
| 日本の運転免許証 | 現在有効な原本。 |
| 英訳またはIDP | 日本語免許のため必要。 |
| Category A本人確認書類 | パスポートなどVicRoadsが認める原本。 |
| Category B本人確認書類 | 銀行カード、学生証、銀行明細等の指定書類。 |
| Victoria住所証明 | 賃貸契約、銀行明細、公共料金等。 |
| 医療書類 | 運転に影響する持病・服薬がある場合。 |
| 眼鏡・コンタクト | 運転時に使用する人。視力検査で必要。 |
| 料金 | 予約料・免許発行料。 |
本人確認では、Category AとCategory Bをそれぞれ1点ずつ求められるのが基本です。住所がそれらに記載されていない場合は、別途Evidence of Victorian Residenceを用意します。
住所証明には、賃貸契約書、銀行明細、公共料金の請求書などが利用できます。必要書類の種類は変更されることがあるため、予約前にVicRoadsのEvidence of Identityページで確認してください。
Application Formには窓口へ行く前に署名しない
VicRoadsは、Licence or learner permit application formを印刷・記入して持参し、署名はCustomer Service Centreのスタッフの前で行うよう案内しています。
日本免許の英訳方法
日本の運転免許証は英語表記ではないため、VicRoadsへ提出する際には英語訳が必要です。
ビクトリア州はNSWより選択肢が広く、次のいずれかを利用できます。
- NAATI認定翻訳者による英訳
- 在オーストラリアの適切な日本国領事館による翻訳・証明
- 条件を満たす英語版International Driving Permit
VicRoadsは、海外免許が英語でない場合、「NAATI accredited translator」または「the country’s consulate in Australia」による翻訳を認めています。
IDPを利用する場合
International Driving Permitを使う場合は、日本の運転免許発行国で発行されたもので、国際条約上の形式に適合し、氏名、生年月日、免許区分、有効期限、初回取得日などの必要情報が確認できることが条件になります。
IDPだけを持って運転するのではなく、日本の運転免許証原本と一緒に携帯・提示します。
NAATI翻訳は料金が一定ではない
NAATIは翻訳者の認定制度であり、翻訳料金そのものを一律に定めているわけではありません。依頼する翻訳会社・翻訳者によって料金と所要日数が異なります。
日本総領事館の免許証抜粋証明
日本人にとって分かりやすい選択肢が、メルボルンの日本国総領事館が発行する「自動車運転免許証抜粋証明」です。
これは、有効な日本の運転免許証を持っていることを英語で証明する書類で、ビクトリア州での運転免許関連手続きに利用できます。
必要書類
- 証明書発給申請書
- 有効な日本の運転免許証原本
- パスポート原本
窓口申請またはオンライン申請が可能ですが、オンライン申請でも紙の証明書を受け取る場合は来館が必要です。
2026年度の料金
| 項目 | 料金 | 所要日数 |
|---|---|---|
| 自動車運転免許証抜粋証明 | A$22 | 原則5業務日。 |
A$22の料金は2026年4月1日から2027年3月31日までに申請する場合の金額です。在外公館の手数料は年度ごとに変わるため、翌年度以降は最新料金を確認してください。
マイナ免許証だけでは申請できない
在メルボルン日本国総領事館は、2026年現在、自動車運転免許証抜粋証明の申請について「従来の日本の運転免許証」が必要で、マイナ免許証による申請は受け付けていないと案内しています。
オーストラリアへ長期滞在する予定があり、この証明を利用する可能性がある人は、日本出発前に物理的な運転免許証の保有状況も確認しておくと安心です。
免許の初回取得日・運転歴
VicRoadsがP1、P2、Full Licenceのどれを発行するか判断するとき、日本の免許をいつ最初に取得したかが重要です。
例えば22歳以上で3年以上の運転免許保有歴が確認できれば、Full Licenceの対象になります。
初回取得日が確認できない場合
日本の免許証だけで運転経験が十分に確認できない場合、VicRoadsからLicence Verification Letterを求められることがあります。
海外免許を紛失している場合にも、免許発行機関が免許内容を確認したVerification Letterが必要になります。
普通車と二輪は取得日が別になることがある
日本で普通車免許を10年前、二輪免許を1年前に取った場合、両者の運転経験は同じではありません。Car licenceとMotorcycle licenceでは、それぞれの経験年数が審査されます。
書き換え手続きの流れ
日本の普通車免許を持ち、Recognised Countryとして試験免除になる一般的なケースでは、次のように進めます。
- ビクトリア州に住み始めた日と6か月の期限を確認する。
- 日本の運転免許証が有効か確認する。
- 英訳、領事館の免許証抜粋証明、または条件を満たすIDPを用意する。
- Licence or learner permit application formを記入する。署名はまだしない。
- Category A・Category Bの本人確認書類を用意する。
- Victoriaの住所証明を用意する。
- VicRoadsのLicence Conversion appointmentを予約する。
- 予約時にA$22.10のAppointment Feeを支払う。
- VicRoads Customer Service Centreへ本人が行く。
- 海外免許・本人確認書類・住所を確認してもらう。
- スタッフの前でApplication Formへ署名する。
- 視力検査を受ける。
- 免許用の写真を撮影する。
- 該当する免許発行料を支払う。
- Temporary paper licenceを受け取り、カードの郵送を待つ。
日本のRecognised Country免許でテスト免除となる人は、通常、Learner Permit Test、Hazard Perception Test、Drive Testは必要ありません。
一方、年齢、免許の種類、免許内容の確認状況によっては追加手続きが必要になることがあります。予約前にVicRoadsのRequirements Checkerへ日本、年齢、初回取得日などを入力して確認すると確実です。
試験免除でも視力検査は行う
テスト不要の人でも、Customer Service CentreではEyesight Testを受けます。眼鏡やコンタクトレンズを使用して運転している人は必ず持参してください。
メルボルンのオプショナルツアーをお得に予約!
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メルボルンで申請できる場所
海外免許の書き換えはVicRoads Customer Service Centreで行います。メルボルンCBDと近郊には複数の窓口があります。
| VicRoads Centre | 所在地 |
|---|---|
| メルボルン・ハブ@エキシビション(Melbourne hub@exhibition) | 113 Exhibition Street, Melbourne VIC 3000 |
| カールトン(Carlton) | 459 Lygon Street, Carlton VIC 3053 |
| サンシャイン(Sunshine) | 12 Clarke Street, Sunshine VIC 3020 |
| リングウッド(Ringwood) | 110 Maroondah Highway, Ringwood VIC 3134 |
| ヒーザートン(Heatherton) | 77 Corporate Drive, Heatherton VIC 3202 |
CBD在住者ならExhibition StreetのMelbourne hub@exhibitionが便利です。カールトンもCBD北側からアクセスしやすいCustomer Service Centreです。
営業時間
Melbourne hub@exhibitionとCarlton Customer Service Centreは、2026年8月現在、原則として月曜日から金曜日の午前8時30分~午後4時30分です。
祝日や臨時変更もあるため、予約時にVicRoads公式サイトで営業時間を再確認してください。
予約が必要
海外免許の書き換えは、通常の住所変更や単純な更新とは異なり、Licence Conversion appointmentを取ってから来店します。
オンライン予約のほか、13 11 71への電話、VicRoads Customer Service Centre窓口でも予約できます。
書き換えにかかる費用
日本の普通車免許がRecognised Countryとして試験免除になる場合、主な費用は「Licence Conversion appointment fee」「Victorian licence発行料」「日本免許の翻訳・証明料」です。
| 項目 | 2026年料金 | 備考 |
|---|---|---|
| Licence Conversion appointment | A$22.10 | 海外免許の確認予約。 |
| Full Licence 3年 | A$96.50 | Car、Motorcycle、Heavy共通のFull licence料金。 |
| Full Licence 10年 | A$330.70 | 条件を満たす場合。 |
| 日本総領事館 免許証抜粋証明 | A$22 | 2026年度、原則5業務日。 |
| NAATI翻訳 | 翻訳者による | 料金・納期は各サービスで異なる。 |
例えば、日本免許を3年以上保有している22歳以上の人がFull Licence 3年を取得し、在メルボルン日本国総領事館の免許証抜粋証明を使う場合、単純な目安はA$22.10+A$96.50+A$22=A$140.60です。
10年Full Licenceを選べる場合は、同じ条件ならA$374.80が目安です。
実際の費用は、発行される免許の種類、Probationary licenceの有無、翻訳方法、追加確認の要否によって変わります。
VisaまたはMastercardでVicRoadsへ支払う場合は、カード決済手数料が別途加算されます。2026年現在のMerchant Feeは0.48%です。
日本の普通免許ならテスト費用を通常は省ける
日本はRecognised Countryなので、一般的な普通車免許の切替ではLearner Permit Test、Hazard Perception Test、Drive Testが不要です。非Recognised Countryからの切替に比べ、手続き費用を抑えやすくなっています。
ビクトリア州免許発行後の注意点
Victorian Driver Licenceが発行されると、その後ビクトリア州で運転するときはVictorian licenceが基準になります。
発行後は日本免許で運転する扱いに戻れない
VicRoadsは、Victorian driver licenceまたはlearner permitを取得した後に、Victoriaで海外免許を使って運転することはできないと案内しています。
日本の免許証そのものが日本で自動的に失効するわけではありませんが、Victoriaでの運転資格は新しく発行されたVictorian licenceによります。
Temporary paper licenceが先に出る
書き換えが完了すると、カードが郵送されるまで使用できるTemporary paper licenceがその場で発行されます。
Digital Driver Licence
Victorian licenceの発行後は、条件を満たせばmyVicRoadsアプリでDigital Driver Licenceも利用できます。
日本の二輪免許も書き換えできる?
日本の普通二輪・大型二輪についても、日本はRecognised Countryなので、海外Motorcycle LicenceからVictorian Motorcycle Licenceへの切替では、通常の認識制度が適用されます。
ただし、普通車と二輪は運転経験を別々に考えます。
二輪を3年以上保有していればFullの可能性
18歳以降に海外Motorcycle Licenceを3年以上保有している場合は、Full Motorcycle Licenceが発行され、Novice Rider restrictionsが付かない扱いになることがあります。
3年未満の場合は、海外で二輪免許を保有していた期間を差し引いたProbationary licenceになる場合があります。
普通車を長く持っていても二輪経験とは別
普通車免許を10年持っていても、二輪免許を取得して1年なら、二輪については1年の経験として扱われます。普通車・二輪それぞれの初回取得日が分かるようにしておくことが重要です。
大型・中型免許はどうなる?
日本の大型・中型・準中型免許を持っている場合は、普通車免許とは別に考える必要があります。
ビクトリア州のHeavy Vehicle LicenceにはLR、MR、HR、HC、MCなどがあり、日本の免許区分と一対一で対応しているわけではありません。
日本の大型免許をそのまま無試験で移す制度ではない
Recognised Countryとしての普通車・二輪の試験免除と、Heavy Vehicle Licenceの取得は別制度です。
トラックやバスを仕事で運転したい場合は、まずVictorian car licenceを取得し、希望するHeavy Vehicle classの保有歴、技能評価、医療条件などを確認します。
日本での大型車経験が考慮される場合もある
VicRoadsにはHeavy Vehicle Licenceの最低保有期間に関するPrevious Experience exemption制度があります。現在のVictorian car licenceを持ち、十分な過去の運転経験を証明できる場合、海外での大型車経験が審査対象になる可能性があります。
ただし自動的な書き換えではないため、Heavy Vehicle licence取得を考えている人はVicRoadsへ個別に確認してください。
メルボルンでの日本免許書き換えに関するよくある質問(FAQ)
原則可能です。
日本はVicRoadsのRecognised Country(FULL recognition)なので、一般的な普通車免許では通常、Learner Permit Test、Hazard Perception Test、Drive Testが免除されます。
できます。
ワーキングホリデーでもVictoriaに6か月以上住み、運転を続ける場合はVictorian licenceへの切替が必要です。
Victoriaに6か月以上住む予定で運転を続ける場合は必要です。
ビクトリア州では、Temporary visaかPermanent visaかよりも、Victoriaでの居住期間を基準に考えます。
NAATI認定翻訳者、または在メルボルン日本国総領事館を利用できます。
総領事館の自動車運転免許証抜粋証明は2026年度A$22で、発給まで原則5業務日です。
条件を満たす英語版IDPは翻訳として認められる場合があります。
ただし日本の運転免許証原本も必要で、IDPだけが運転免許の代わりになるわけではありません。
22歳以上で、海外を含む免許保有歴が3年以上確認できる場合、Full Victorian Licenceの対象になるのが基本です。
それより若い人や保有歴が短い人はP1またはP2になる場合があります。
VicRoads Customer Service Centreで予約して申請します。
CBDでは113 Exhibition StreetのMelbourne hub@exhibition、CBD北側では459 Lygon StreetのCarlton Customer Service Centreが利用しやすい場所です。
2026年現在、在メルボルン日本国総領事館はマイナ免許証による自動車運転免許証抜粋証明の申請を受け付けていません。
従来の日本の運転免許証原本が必要です。
まとめ
メルボルンに中長期滞在する日本人にとって、日本の普通自動車免許からVictorian Driver Licenceへの書き換えは、比較的分かりやすい手続きです。
日本はVicRoadsのRecognised Countryなので、一般的な普通車・二輪免許で条件を満たしていれば、通常は学科、Hazard Perception、実技試験を受けずに書き換えることができます。
ビクトリア州で最も重要なのは6か月ルールです。ワーキングホリデー、学生ビザ、永住者などビザの種類にかかわらず、Victoriaに6か月以上住んで運転する予定ならVictorian licenceへ変更します。
日本免許の英訳にはNAATI認定翻訳者を利用できるほか、在メルボルン日本国総領事館の自動車運転免許証抜粋証明も利用できます。2026年度の発給手数料はA$22、所要日数は原則5業務日です。
VicRoadsのLicence Conversion appointmentはA$22.10で、Full Licenceは2026年現在3年A$96.50、10年A$330.70です。CBDでは113 Exhibition StreetのMelbourne hub@exhibitionが利用しやすい窓口です。
申請前には、日本免許原本、英訳、パスポート等の本人確認書類、Victoria住所証明を準備し、VicRoadsのRequirements Checkerで自分がFull、P1、P2のどれに該当するか確認しておくとスムーズです。
メルボルンでの日本免許書き換えに関する参考情報
- VicRoads:Convert overseas licence
- VicRoads:Driving with your overseas licence
- VicRoads:Overseas licence requirements checker
- VicRoads:Driver licence fees
- VicRoads:Types of identity documents
- VicRoads:Using an interpreter or translator
- VicRoads:Customer Service Centre locations
- VicRoads:Carlton Customer Service Centre
- 在メルボルン日本国総領事館:自動車運転免許証抜粋証明
- 在メルボルン日本国総領事館:証明発給手数料
メルボルンの旅行手配
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シドニー(Sydney)を含むニューサウスウェールズ州(New South Wales/NSW)に中長期で滞在する日本人にとって、日本の運転免許をNSWの運転免許へ書き換える手続きは、それほど複雑ではありません。
日本はNSWが認める「Recognised Country」に含まれているため、有効な日本の普通自動車免許を持っている人は、原則としてDriver Knowledge Test(学科試験)とDriving Test(実技試験)を受けずに、相当するNSW免許へ切り替えることができます。
ただし、誰でも同じNSW免許になるわけではありません。日本の免許を保有していた期間によって、Provisional P1、Provisional P2、Unrestricted Licenceのどれになるかが変わります。また、ワーキングホリデーや学生ビザなどのTemporary visa holderと、永住者では、日本免許で運転できる期限も異なります。
さらに、日本の免許証は日本語なので、書き換え申請にはTransport for NSWが認める英訳が必要です。観光中に使う国際運転免許証(International Driving Permit/IDP)と、NSW免許の書き換えに使う「認められた翻訳」は別物として考えた方が安全です。
この記事では、シドニーに中長期滞在する日本人向けに、日本免許からNSW運転免許へ書き換えできる条件、必要書類、英訳、手続きの流れ、Service NSWで申請できる場所、2026年現在の費用、ワーキングホリデー・学生ビザ・永住者の違いまで、実際の手続きに沿って詳しく解説します。
本情報の注意事項
提供している情報には、掲載時点から変更が生じている場合や、誤りが含まれている場合があります。これらにより閲覧者に損害等が発生したとしても、当社および執筆者は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
日本の免許はNSW免許へ書き換えできる?


NSWでは、海外免許を持っている人が州内へ移住・長期滞在する場合、その海外免許の取得国と保有歴を確認し、NSWの免許制度に当てはめて免許を発行します。
日本はRecognised Countryの一つなので、日本の本免許で普通車を運転している人は、通常、Class CのNSW免許へ切り替える際にDriver Knowledge TestとDriving Testを受ける必要がありません。
対象になる日本免許は、基本的に有効な本免許です。また、NSWの試験免除制度ではRecognised Countryの免許について、現在有効なもの、または失効してから5年以内のものが対象になり得ます。ただし、実際の書き換え申請では現在有効な海外免許を用意するのが最も確実です。
日本の仮免許やLearner相当の免許は、本免許と同じ試験免除の扱いにはなりません。
| 条件 | 日本免許 | NSWでの扱い |
|---|---|---|
| 普通自動車の本免許 | 対象 | 原則、学科・実技試験免除。 |
| 二輪の本免許 | 対象 | 原則、知識・ライディング試験免除。 |
| 大型・中型等 | 別扱い | Heavy Vehicleは試験免除なし。 |
| 仮免許・Learner相当 | 免除対象外 | NSW Learner制度に従う。 |
いつまでに書き換える必要がある?
シドニーに来た日本人が、すぐにNSW免許へ切り替えなければならないわけではありません。日本免許で運転できる期間は、ビザ・居住資格によって異なります。
| 滞在資格 | 日本免許で運転できる期間 | その後 |
|---|---|---|
| Temporary visa | 原則6か月 | 運転継続ならTemporary NSW licenceへ。 |
| ワーキングホリデー | 原則6か月 | 6か月を超えて居住し運転するなら切替。 |
| 学生ビザ | 原則6か月 | 6か月を超えて居住し運転するなら切替。 |
| Australian permanent resident | 3か月 | 3か月以内にNSW licenceへ。 |
| 短期旅行者 | 最長6か月の範囲 | 短期観光なら通常書き換え不要。 |
Temporary visa holderについては、2023年7月1日以降にNSWへ到着し、6か月以上継続して居住する予定で、その後も運転する場合、6か月以内にNSW免許を取得する必要があります。
これに対して、Australian permanent residentはNSWで居住を始めてから3か月以内の切替が基本です。
ワーホリ・学生ビザは「ずっと日本免許でOK」ではない
以前はTemporary visa holderが海外免許を長期間使えるケースもありましたが、現在のNSWでは6か月ルールがあります。シドニーに半年を超えて住む予定なら、早めに書き換え準備を始めた方が安心です。
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日本はRecognised Country
NSWでは、海外の運転免許制度を比較し、一定の国・地域をRecognised Countryとして扱っています。
2026年現在、日本はこのRecognised Countryリストに入っています。日本の普通車または二輪免許を持っていれば、原則としてNSW免許へ切り替える際のKnowledge TestとDriving / Riding Testが免除されます。
これは日本人であること自体が条件ではなく、「日本の認められた免許発行機関が発行した有効な免許を持っていること」がポイントです。
2026年2月に制度変更あり
NSWでは2026年2月1日から一部の国に適用されていたExperienced Driver Recognitionが終了しましたが、日本はもともとRecognised Countryとして扱われているため、普通車・二輪の試験免除は継続しています。
Transport for NSWが追加確認を求めることもある
Recognised Countryの免許であっても、免許の真正性、免許区分、取得日などをTransport for NSWが確認できない場合には、追加書類や確認を求めることがあります。
「日本だから必ずその場で無条件に発行される」と考えず、免許原本、英訳、身分証明、必要であれば免許履歴をきちんとそろえて申請するのがおすすめです。
P1・P2・Full Licenceのどれになる?
日本の免許からNSW免許へ書き換えるとき、最も重要なのが「日本の免許を何年間保有していたか」です。
| 海外免許の保有期間 | NSWでの主な相当免許 | 通称 |
|---|---|---|
| 12か月未満 | Provisional P1 | Red P |
| 12か月超~3年未満 | Provisional P2 | Green P |
| 3年超 | Unrestricted Driver Licence | Full Licence |
長年日本で運転している人なら、通常はUnrestricted Licenceへ直接切り替わります。
一方、日本で免許を取って間もない人はP1またはP2となり、速度、携帯電話、Demerit Points、アルコールなど、NSWのProvisional Licenceの制限を受けます。
「試験免除」と「Full Licence」は別
日本はRecognised Countryなので試験は免除されても、日本免許の保有歴が短ければFull Licenceにはなりません。
例えば日本で免許を取得して8か月の人は、試験免除であってもNSWではP1になるのが基本です。
ワーホリ・学生ビザの場合
ワーキングホリデーや学生ビザなど、Permanent Residentではない日本人がNSW免許を取得する場合は、Temporary Overseas Visitor licenceが発行されます。
この免許は通常のNSW driver / rider licenceと同じように運転に使えますが、免許証のCondition欄に「Q」が表示され、裏面には「Evidence of permanent residency status not provided」と印字されます。
Q条件が付いても運転免許としては有効
Qは「一時滞在者用」という在留資格上の表示であり、普通車Class Cの運転そのものが制限されるという意味ではありません。
日本免許の保有歴が十分あれば、Temporary visa holderでもQ条件付きのUnrestricted Licenceになることができます。
6か月を超えて運転するなら取得が必要
NSWへ2023年7月1日以降に到着したTemporary visa holderは、6か月を超えてNSWへ居住し続け、運転も続ける場合、6か月以内にTemporary NSW licenceを取得する必要があります。
永住権を取得したらQを外せる
その後オーストラリアの永住権や市民権を取得した場合は、Service NSWで居住資格を証明することでQ条件を外すことができます。
永住者の場合
オーストラリアのPermanent ResidentとしてNSWに居住する場合、日本など海外の免許で運転できるのは原則3か月です。
その期間内に日本免許からNSW免許へ切り替える必要があります。
申請時には通常の本人確認書類に加えて、Permanent Residencyを証明する書類が必要です。海外パスポートに有効なPermanent Residency visaがある場合は、VEVO等を通じてTransport for NSWが確認する場合もあります。
Temporary licenceとの大きな違い
Permanent ResidentとしてNSW免許を取得すれば、Temporary Overseas Visitorを示すQ条件は付きません。
一方、Temporary visa holderが先にQ条件付き免許を取得し、その後Permanent Residentになった場合は、Service NSWでPermanent Residencyを証明してQを削除できます。
必要書類
日本免許からNSW免許への書き換えでは、Service NSW Centreへ原則本人が出向きます。事前に書類をそろえておけば、日本人の普通車免許では試験がないため手続きは比較的シンプルです。
| 必要なもの | 内容 |
|---|---|
| Licence Application form | NSWの運転免許申請書。事前記入または窓口で確認。 |
| 日本の運転免許証 | 原本を持参。 |
| 公式英訳 | 日本語免許なのでTransport for NSWが認める英訳が必要。 |
| Proof of Identity | パスポートなど、NSWの本人確認要件を満たす書類。 |
| NSWの住所 | NSWに居住していることを確認できる情報・書類。 |
| Permanent Residency証明 | 永住者のみ。 |
| 免許取得日を示す資料 | 必要な場合。特に初回取得日が確認できないケース。 |
| 眼鏡・コンタクト | 使用している人。窓口で視力検査あり。 |
| 免許発行料 | 発行される免許の種類・期間に応じて支払い。 |
本人確認書類については、Service NSWのProof of Identity要件に沿って原本を用意します。外国のパスポートは主要な本人確認書類として使われますが、申請内容によって追加書類が必要になる場合があります。
コピーだけではなく原本を持参
日本の免許、パスポート、翻訳など、原本が必要になる書類があります。スマートフォンに保存した写真や単なるコピーだけで手続きできるとは考えず、必要な原本をまとめて持参してください。
日本免許の英訳方法
日本の運転免許証は英語ではないため、NSW免許への書き換えにはTransport for NSWが認める英訳が必要です。
ここは、日本人が特に間違えやすいポイントです。
Transport for NSWが認める翻訳
2026年現在、NSW Governmentが案内している一般的な翻訳先は、次の2つです。
- Multicultural NSW
- Department of Home AffairsのFree Translating Service(利用資格がある場合)
韓国免許については在シドニー韓国総領事館、台湾免許についてはTaipei Economic and Cultural Officeの翻訳も個別に認められていますが、日本の総領事館による翻訳はTransport for NSWの受入リストには含まれていません。
そのため、日本免許の書き換え目的なら、Multicultural NSWを利用するのが分かりやすい方法です。
Multicultural NSWの翻訳料金
| サービス | 料金 | 目安 |
|---|---|---|
| Standard Document Translation | A$80 | 7営業日+郵送日数。 |
| Express Service | A$105 | 24時間目安+Express Post。 |
運転免許証はStandard Documentとして扱われ、重要情報を英語にしたExtract形式の翻訳になります。
翻訳申請はService NSWを通じて行うことができ、Translation Lodgement Formを提出し、翻訳する日本免許証と料金を用意します。
国際運転免許証は書き換え用翻訳とは別
日本から持参するInternational Driving Permitは、NSWで日本免許を使って運転する際の英語補助書類として利用できます。
しかし、NSW免許への「書き換え申請」で認められる翻訳は別ルールです。IDPだけを公式英訳として提出できる前提では準備しない方が安全です。
免許の初回取得日を証明する
NSW免許の種類を決める際、Transport for NSWは海外免許を最初に取得した日を使って運転経験年数を判断します。
これは、P1、P2、Unrestrictedのどれを発行するかに直接関係します。
日本の免許証だけで十分とは限らない
日本の運転免許証には取得年月日の情報がありますが、免許更新、複数車種の免許取得、表示内容などによって、NSW側が必要とする初回取得日を明確に確認できない場合があります。
特に25歳未満で、免許証に初回取得日が表示されていない場合、NSW Governmentは免許発行機関、またはその情報に基づく領事・外交機関からの確認書を求めています。
長年運転している人も経験年数の証明を意識
日本で3年以上免許を保有しているのに、その事実を確認できなければ、希望するUnrestricted Licenceの判定に影響する可能性があります。
免許証だけで保有歴が明確でない場合は、日本の免許発行機関等から取得日・免許履歴を確認できる書類を用意し、その書類も必要に応じて認められた英訳にするのが確実です。
書き換え手続きの流れ
日本人で一般的な普通車免許を持ち、Recognised Countryの試験免除を利用する場合、手続きは次の流れになります。
- 日本の運転免許が有効か確認する。
- 日本免許のTransport for NSW認定英訳を用意する。
- 必要に応じて初回取得日を証明する書類を用意する。
- Licence Application formを準備する。
- パスポートなどProof of Identityをそろえる。
- Temporary visaまたはPermanent Residencyの扱いを確認する。
- Service NSW Centreの予約を取る。
- 本人が窓口へ行き、書類を提出する。
- 窓口で視力検査を受ける。
- 写真撮影・署名登録を行う。
- 発行される免許期間を選び、料金を支払う。
- Temporary paper licenceを受け取り、カード到着を待つ。
日本の普通車免許で試験免除条件を満たしていれば、通常はDKTやDriving Testを受けません。
カードは後日郵送されます。Service NSWでは、カード到着まで運転に使えるTemporary paper licenceを発行します。
試験免除でも視力検査はある
学科・実技試験が免除されても、Service NSW CentreでEyesight Testを受けます。眼鏡やコンタクトレンズを普段使用している人は忘れずに持参・装着してください。
シドニーで申請できる場所
海外免許からNSW免許への書き換えは、Service NSW Centreで本人が行います。
シドニーCBDや近郊には複数のService NSW Centreがあります。日本人が利用しやすい中心部の例として、次のような窓口があります。
| Service NSW Centre | 所在地 |
|---|---|
| ウィンヤード(Wynyard) | 19 York Street, Sydney NSW 2000 |
| ヘイマーケット(Haymarket) | McKell Building, Ground Floor, 2-24 Rawson Place, Sydney NSW 2000 |
ウィンヤードはWynyard Stationのすぐ近く、ヘイマーケットはCentral Stationに近く、公共交通機関で行きやすい場所です。
このほかノース・シドニー(North Sydney)、ボンダイ・ジャンクション(Bondi Junction)、マリックビル(Marrickville)などにもService NSW Centreがあります。
事前予約がおすすめ
NSW Governmentは海外免許からの切替について、Service Centreの予約を取ったうえで来店する手順を案内しています。オンラインで予約してから行くと確実です。
営業時間は変更されることがあるため、訪問前にService NSW公式サイトで当日の営業時間を確認してください。
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書き換えにかかる費用
日本の普通車免許は試験免除のため、一般的には「英訳料金+NSW免許発行料」が主な費用になります。
2026年7月1日から適用されているNSWの免許料金は次の通りです。
| 項目 | 2026年料金 | 備考 |
|---|---|---|
| Provisional P1 Licence | A$74 | 日本免許保有歴が短い場合。 |
| Provisional P2 Licence | A$115 | 日本免許保有歴により発行。 |
| Unrestricted 1年 | A$74 | Full Licence。 |
| Unrestricted 3年 | A$172 | Full Licence。 |
| Unrestricted 5年 | A$234 | Full Licence。 |
| Unrestricted 10年 | A$434 | Class C / R、21~44歳など条件あり。 |
| 日本免許翻訳 7営業日 | A$80 | Multicultural NSW Standard Document。 |
| 日本免許翻訳 Express | A$105 | Multicultural NSW Express Service。 |
例えば、日本で3年以上普通免許を保有している人が、Multicultural NSWの通常翻訳A$80を利用し、1年間のUnrestricted Licence A$74を選べば、単純合計ではA$154が目安です。
3年免許ならA$252、5年免許ならA$314が目安になります。
ただし、別途免許履歴の翻訳や追加書類が必要になれば、その費用が加わります。また、Temporary Overseas Visitor licenceで選択できる有効期間は個別条件もあるため、申請時にService NSWで確認してください。
日本人の普通免許なら通常は試験料金がかからない
日本はRecognised Countryなので、一般的なClass Cへの書き換えではDKTやDriving Testは原則不要です。その分、非Recognised Countryからの切替より費用・手間を抑えやすくなっています。
NSW免許発行後の注意点
NSW免許が発行されると、それ以降NSWで運転する権限はNSW免許が基準になります。
日本の免許証そのものが日本で失効するわけではありませんが、NSWで「海外免許を使って運転する人」という扱いには戻れません。
NSW免許を取得した後、日本免許に戻して運転できない
Temporary Overseas Visitor licenceを取得した後に、そのNSW免許を自主返納したり失効させたりしても、NSWに居住し続けながら再び日本免許を使って運転することはできません。
Q条件付き免許も更新が必要
Temporary visa holderのQ条件付き免許にも有効期限があります。期限が近づくと更新案内が送られ、継続して運転する場合は更新手続きが必要です。
NSW Digital Driver Licenceも利用可能
NSW免許取得後は、条件を満たせばService NSWアプリでNSW Digital Driver Licenceを利用できます。ただし、物理カードも重要な本人確認書類になるため保管しておきましょう。
日本の二輪免許も書き換えできる?
日本の普通二輪・大型二輪免許についても、日本がRecognised Countryであるため、NSWのClass Rへの切替では原則として知識試験・ライディング試験の免除対象です。
ただし、日本の「普通二輪」「大型二輪」とNSWのRider Licence制度は完全に同じ区分ではありません。
NSWでは海外Rider Licenceの保有期間、年齢、現在持っている他のNSW / Australian licenceなどをもとに、P1、P2、Unrestricted Rider Licenceを決定します。
普通車と二輪を両方持っている場合
日本で普通車と二輪の両方を保有している場合は、それぞれの免許区分・取得日を確認できるようにして申請してください。
車の免許を長く持っていても、二輪免許の取得時期が最近なら、二輪部分だけProvisionalになる可能性があります。
大型・中型免許はどうなる?
日本の大型・中型・準中型免許を持っている場合は、普通車とは扱いが異なります。
NSWのHeavy Vehicle LicenceにはLR、MR、HR、HC、MCがありますが、Recognised Countryの試験免除はこれら大型クラスには適用されません。
そのため、日本で大型免許を持っているからといって、NSWのHRやHCへそのまま無試験で書き換えることはできません。
| NSWクラス | 概要 | 日本免許からの扱い |
|---|---|---|
| C | 普通車 | Recognised Country免除あり。 |
| R | 二輪 | Recognised Country免除あり。 |
| LR | Light Rigid | 試験免除なし。 |
| MR | Medium Rigid | 試験免除なし。 |
| HR | Heavy Rigid | 試験免除なし。 |
| HC | Heavy Combination | 試験免除なし。 |
| MC | Multi Combination | 試験免除なし。 |
仕事でトラックやバスを運転する予定がある人は、まず日本の普通車免許部分をNSW Class Cへ切り替え、その後、希望するHeavy Vehicle classの経験年数・Knowledge Test・技能試験等の要件を確認する必要があります。
シドニーでの日本免許書き換えに関するよくある質問(FAQ)
原則可能です。
日本はNSWのRecognised Countryなので、普通車Class Cへの切替では通常、Driver Knowledge TestとDriving Testが免除されます。
できます。
Temporary Overseas Visitor licenceとして発行され、免許証にはQ conditionが付きます。NSWに6か月を超えて居住し運転するなら、原則6か月以内の切替が必要です。
できます。
学生ビザもTemporary visaなので、通常はQ条件付きのTemporary Overseas Visitor licenceになります。
日本免許で一時的に運転する際はIDPを英語補助書類として利用できますが、NSW免許への書き換え申請ではTransport for NSWが認める翻訳が必要です。
IDPだけを正式な書き換え用翻訳として用意するのは避けてください。
Multicultural NSWを利用するのが分かりやすい方法です。
2026年現在、運転免許のStandard Translationは7営業日A$80、Express A$105です。利用資格があればDepartment of Home AffairsのFree Translating Serviceも認められています。
海外のDriver Licenceを3年を超えて保有している場合、原則Unrestricted Driver Licenceの対象になります。
12か月未満ならP1、12か月超~3年未満ならP2が基本です。
Service NSW Centreで申請します。
CBDではウィンヤードの19 York Street、ヘイマーケットの2-24 Rawson Placeなどが利用しやすい場所です。事前予約をおすすめします。
NSW免許が発行された後は、NSWでの運転権限はNSW免許が基準になります。
NSWに居住し続けながら、海外免許利用者として日本免許へ戻して運転することはできません。
まとめ
シドニーに中長期滞在する日本人にとって、日本の普通自動車免許からNSW免許への書き換えは比較的簡単です。
日本はRecognised Countryなので、普通車Class Cと二輪Class Rでは原則として学科・実技試験が免除されます。日本で3年を超えて普通免許を保有している人なら、通常はUnrestricted Driver Licenceへ直接切り替えることができます。
ワーキングホリデーや学生ビザなどTemporary visa holderは、日本免許で運転できる期間が原則6か月です。6か月を超えてNSWへ居住し運転を続ける場合は、Q条件付きのTemporary NSW licenceへ切り替えます。Permanent Residentの場合は3か月以内の切替が基本です。
申請で特に注意したいのが英訳です。観光時に使用できるIDPと、Transport for NSWが書き換え申請で認める翻訳は別です。日本免許の場合はMulticultural NSWを利用するのが分かりやすく、2026年現在、Standard TranslationはA$80、ExpressはA$105です。
手続きはService NSW Centreで行い、CBDではウィンヤード、ヘイマーケットなどが利用できます。日本の免許原本、公式英訳、パスポートなどの本人確認書類、必要に応じて免許取得日を示す書類をそろえて予約しておくとスムーズです。
また、日本の大型・中型免許は普通車と同じ無試験書き換えにはなりません。トラックやバスを運転する予定がある人は、NSWのLR・MR・HR・HC・MCの制度を別途確認してください。
シドニーでの日本免許書き換えに関する参考情報
- NSW Government:Moving your overseas licence to NSW
- NSW Government:Check which licence you are eligible for
- NSW Government:Knowledge and driving test exemptions
- NSW Government:Prepare your application
- NSW Government:Visit a service centre
- Service NSW:Apply for a NSW licence as a temporary overseas visitor
- Service NSW:Transfer an overseas driver licence
- NSW Government:Driver and rider licence fees
- Multicultural NSW:Document Translation Services
- Service NSW:Wynyard Service Centre
- Service NSW:Haymarket Service Centre
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トラベルドンキーでは、シドニー、メルボルン、ゴールドコースト、ケアンズ、パース、アデレード、タスマニア、ウルルなど、オーストラリア各地のオプショナルツアー(現地発着ツアー)、アクティビティ、送迎等をご紹介、ご予約を承っています。
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オーストラリアの運転免許制度は、全国で一つの免許証を発行する仕組みではありません。運転免許の発行・更新・試験は州・準州ごとに行われ、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、クイーンズランド州などで手続きや期限が少しずつ異なります。
一方、免許区分には全国的な共通性があり、普通車に相当するCクラス、大型車のLR・MR・HR・HC・MC、二輪車のRクラスなどが使われています。ただし、二輪免許の段階制度や初心者条件、海外免許からの切替期限などは州ごとに違います。
日本人にとって特に重要なのが、日本の運転免許からオーストラリア免許への切替です。日本はAustroadsのRecognised Countryに含まれているため、有効な日本の普通車・二輪免許は、多くの場合、学科試験と実技試験を受けずに相当する豪州免許へ切り替えることができます。
ただし、日本の大型・中型・準中型・けん引免許を、そのまま豪州の大型免許へ無試験で書き換えられるわけではありません。豪州の大型免許は車両総重量、車軸数、連結方法によってLR、MR、HR、HC、MCに分かれ、現地の経験年数や試験が必要になります。
この記事では、オーストラリアの運転免許制度について、普通車・大型車・けん引・二輪車の免許区分、日本の免許からの切替、州間で引っ越した場合の書き換え、短期旅行者、ワーキングホリデー、学生ビザでの運転・現地免許取得まで、旅行案内ではなく制度そのものを解説するレポートとしてまとめます。
本情報の注意事項
提供している情報には、掲載時点から変更が生じている場合や、誤りが含まれている場合があります。これらにより閲覧者に損害等が発生したとしても、当社および執筆者は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
オーストラリアの運転免許制度とは?


オーストラリアでは、運転免許は連邦政府ではなく州・準州政府が発行します。シドニー(Sydney)に住んでいればニューサウスウェールズ州の免許、メルボルン(Melbourne)ならビクトリア州の免許、パース(Perth)なら西オーストラリア州の免許という仕組みです。
そのため、免許証のデザイン、申請窓口、更新期間、初心者制度、海外免許の使用期限などには違いがあります。
一方、一つの州で発行された有効な免許は、基本的にオーストラリア全土で運転に使用できます。旅行で州境を越えるたびに免許を取り直す必要はありません。
ただし、別の州・準州へ「旅行する」のではなく「居住地を移す」場合は、一定期間内に新しい州の免許へ切り替える必要があります。
| 項目 | 仕組み | ポイント |
|---|---|---|
| 免許発行 | 州・準州 | 連邦政府発行ではない。 |
| 他州での運転 | 相互に有効 | 旅行中はそのまま利用可能。 |
| 州間転居 | 新州へ切替 | 通常3~6か月以内。 |
| 普通車 | Class C | 原則4.5t GVM以下。 |
| 大型車 | LR~MC | 重量・車軸・連結方式で分類。 |
| 二輪 | R系クラス | 州によりRE、R-E等の段階あり。 |
州・準州ごとに免許を発行
運転免許を担当する行政機関も州ごとに異なります。
| 州・準州 | 主な窓口・機関 | 代表都市 |
|---|---|---|
| ニューサウスウェールズ州 | Transport for NSW / Service NSW | シドニー |
| ビクトリア州 | VicRoads | メルボルン |
| クイーンズランド州 | Department of Transport and Main Roads | ブリスベン(Brisbane) |
| 西オーストラリア州 | Department of Transport and Major Infrastructure | パース |
| 南オーストラリア州 | Department for Infrastructure and Transport / Service SA | アデレード(Adelaide) |
| タスマニア州 | Transport Services / Service Tasmania | ホバート(Hobart) |
| 首都特別地域 | Access Canberra | キャンベラ(Canberra) |
| 北部準州 | Motor Vehicle Registry | ダーウィン(Darwin) |
引っ越し、免許更新、海外免許からの切替、住所変更、医療条件の申告などは、居住する州・準州の窓口で行います。
Learner・P1・P2・Full Licence
オーストラリアでは、初めて普通車免許を取る場合、いきなり無制限のFull Licenceを取得するのではなく、段階的なGraduated Licensing Systemを採用しています。
| 段階 | 一般的な呼び方 | 特徴 |
|---|---|---|
| Learner | L licence / Ls | 指導者同乗、Lプレート、速度・飲酒等の制限。 |
| Provisional P1 | Red Ps | 赤いPプレート。初心者制限が強い。 |
| Provisional P2 | Green Ps | 緑のPプレート。P1より制限が緩和。 |
| Full / Open | Full licence / Open licence | 通常の無制限免許。 |
呼び方や必要期間は州によって違います。クイーンズランド州ではFull Licenceに相当する免許をOpen Licenceと呼びます。
LやPのドライバーには、ゼロBAC、携帯電話、速度、同乗者、車両性能などに関する追加制限が設けられることがあります。
海外免許から切り替える場合は、年齢と海外免許を保有していた期間が考慮されます。例えば海外免許を3年以上保有している成人であれば、州によってFull Licenceへ直接切り替えられる場合があります。
海外免許を持っていても年齢・経験年数は無視されない
日本の普通免許を持っているだけで必ずFull Licenceになるわけではありません。取得年齢が若い場合や保有期間が短い場合は、P1・P2などの暫定免許になることがあります。
普通車・大型車の免許区分
大型車を含む免許区分は全国的にほぼ共通しており、C、LR、MR、HR、HC、MCというコードが使われます。
| クラス | 名称 | 主な車両 |
|---|---|---|
| C | Car | GVM4.5t以下、原則12人以下の普通車・小型商用車。 |
| LR | Light Rigid | 4.5t超~8t以下の小型トラック・バス等。 |
| MR | Medium Rigid | 8t超、2軸の大型リジッド車。 |
| HR | Heavy Rigid | 8t超、3軸以上の大型リジッド車。 |
| HC | Heavy Combination | セミトレーラー、大型トラック+重量トレーラー等。 |
| MC | Multi Combination | Bダブル、ロードトレイン等。 |
GVMはGross Vehicle Mass、つまり車両総重量です。車両そのものの重量ではなく、乗員・荷物などを含めてメーカーが定めた最大総重量を基準にします。
一般的な乗用車、SUV、ピックアップ、キャンピングカーの多くはCクラスで運転できますが、大型キャンピングカーや大型バスはLR以上が必要になる場合があります。
大型免許は段階的に上げる
大型免許は、経験なしでいきなりMCを取得する制度ではありません。州によって細部は異なりますが、LR・MRはCクラスの保有歴、HRはより長いCクラス保有歴、HC・MCは下位の大型クラス保有歴が求められます。
例えばニューサウスウェールズ州ではLR・MRはCクラスを原則1年以上、HRはCクラスを2年以上、HCはMRまたはHRを1年以上、MCはHRまたはHCを1年以上保有していることなどが要件になります。
けん引免許の考え方
日本には「けん引免許」という独立した免許区分がありますが、オーストラリアでは考え方が異なります。
一般的な乗用車でキャンピングトレーラー、ボートトレーラー、キャラバンなどをけん引するために、全国共通の独立した「Trailer Licence」を別途取得する制度ではありません。
必要な免許は、けん引する車両のクラス、トレーラーのGVM、連結方式によって決まります。
普通車でのけん引
Cクラスの車両でもトレーラーをけん引できます。ただし、運転免許上可能であっても、実際にけん引できる重量は自動車メーカーが指定するTowing Capacity、Towbarの定格、GCM、道路法上の重量制限などに従う必要があります。
例えばニューサウスウェールズ州の免許制度上はCクラスでも一定のトレーラーをけん引できますが、「免許上可能な最大値」と「その車が安全・合法的にけん引できる重量」は同じではありません。
大型トレーラーはHC・MC
大型のトラックと重量トレーラーを組み合わせる場合はHC、Bダブルやロードトレインなど複数連結はMCが必要です。LR・MR・HRでけん引できるトレーラーは一般にGVM9t以下という基準が使われます。
日本の「けん引免許」をそのまま豪州免許へ移すわけではない
日本の大型・けん引免許を持っていても、豪州では車両総重量・車軸数・連結方式に応じてHCやMCなどのクラスへ判定されます。現地免許へ切り替える際は、州の大型免許要件を満たす必要があります。
二輪車・オートバイ免許
オートバイは普通車Cクラスとは別の免許が必要です。全国的にはRクラスが基本ですが、州によって段階制度が異なります。
ニューサウスウェールズ州ではRider LicenceとしてLearner、P1、P2、Fullへ進みます。クイーンズランド州ではREとR、西オーストラリア州ではR-EとRなど、排気量・出力や経験に応じた区分があります。
初心者・暫定ライダーにはLearner Approved Motorcycle Scheme(LAMS)に基づく車両制限が適用される州が多く、一定期間は高出力バイクに乗れません。
日本の二輪免許から切り替える場合
日本はRecognised Countryなので、有効な日本の二輪免許は、原則として豪州の相当する二輪免許へ切り替える際の学科・実技試験が免除されます。
ただし、日本の普通二輪・大型二輪という区分と、豪州のRE・R・R-E等は完全に一致しません。年齢、免許取得日、保有期間、日本で認められていた車両範囲をもとに州の免許当局が相当クラスを決めます。
日本の免許で運転する場合
日本からの短期旅行者は、通常、オーストラリアの免許を取得しなくても、有効な日本の運転免許で運転できます。
ただし日本の免許証は日本語表記なので、州のルールに従って英訳または国際運転免許証(International Driving Permit/IDP)を併せて携帯する必要があります。
IDPだけで運転できるわけではありません。原則として日本の有効な運転免許証原本と一緒に携帯します。
海外免許で運転できるのは、その免許で認められた車種に限られます。日本で普通車しか運転できない人が、豪州で大型トラックやオートバイを運転することはできません。
| 日本からの滞在形態 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 数日~数週間の旅行 | 有効な日本免許+IDPまたは認められた英訳を利用。 |
| 長期旅行 | 州ごとの海外免許使用期限を確認。 |
| ワーキングホリデー | 州により数か月後に現地免許への切替が必要な場合。 |
| 学生ビザ | 一部州では海外免許を継続使用可能、他州では切替期限あり。 |
| 永住者 | 多くの州で3~6か月以内に州免許へ切替。 |
日本の免許から豪州免許へ書き換え
AustroadsのRecognised Country Schemeでは、日本は「Recognition Status」を持つ国です。
これは、日本の運転免許試験・教育制度が豪州の制度と概ね同等と認められているという意味です。有効な日本の普通車または二輪免許を豪州免許へ切り替える場合、原則としてRoad Rules / Knowledge Testと実技Drive / Ride Testが免除されます。
通常必要になるもの
- 日本の運転免許証原本
- パスポートなどの身分証明
- ビザ・在留資格を示す書類
- 州内の居住住所を示す書類
- 免許証の認められた英訳、必要に応じてIDP
- 免許の初回取得日・履歴を証明する書類
- 視力検査
- 申請料・免許発行料
特に重要なのが「初回取得日」です。日本の免許証は更新すると表面の交付日が変わるため、豪州側が運転経験年数を判断できない場合があります。
その場合、運転免許経歴証明書など、最初に免許を取得した日を確認できる資料を求められることがあります。
無試験でもFull Licenceとは限らない
試験免除と、無条件のFull Licence発行は別です。海外免許の保有期間が短い人や年齢が若い人は、P1・P2などの暫定免許になることがあります。
州別・海外免許の使用期限
海外免許をいつまで使えるかは、州・準州でかなり違います。特にワーキングホリデー・学生ビザでは、「永住者だけに切替義務がある州」と「一時滞在者にも期限がある州」があります。
| 州・準州 | 海外免許の主なルール | 日本人のポイント |
|---|---|---|
| NSW | 永住者等は3か月。Temporary visa holderは原則6か月。 | 6か月超居住する一時滞在者はTemporary NSW licenceへ。 |
| VIC | 居住開始から6か月未満は海外免許可。6か月以上住むなら切替。 | ワーホリ・学生も6か月超なら切替対象。 |
| QLD | Visitorは有効な海外免許を利用可能。Citizen / resident visa holderは居住3か月で切替。 | Temporary visaはresident visaに含まれない。 |
| WA | Tourist、student、temporary workerはVisitorとして有効な海外免許を利用可能。 | Citizen / permanent residentとして移住する場合は3か月。 |
| SA | Visitor / temporary visaは有効な海外免許を利用可能。 | Permanent residentになれば3か月。Temporary visaでも希望すればSA免許取得可。 |
| TAS | Visitor / temporary visaは有効な海外免許を利用可能。 | Permanent visa発給後6か月を超える場合は切替。 |
| ACT | Permanent visa holderは3か月。Temporary visaでACT residentなら任意で取得可。 | 日本はRecognised Country。 |
| NT | Visitor / new residentとも海外免許は原則3か月まで。 | 3か月を超えて継続居住するならNT免許へ。 |
「オーストラリアでは海外免許は3か月まで」と一括りにしない
NSWはTemporary visaで6か月、VICも居住6か月、QLD・WA・SA・TASは一時滞在者に別の扱いがあり、NTは3か月です。滞在先の州・準州の最新規則を確認する必要があります。
短期旅行・ワーホリ・学生ビザでも取得できる?
オーストラリア国民や永住者でなければ運転免許を取得できない、という全国共通ルールはありません。一時滞在者でも、州の居住・本人確認要件を満たせば現地免許を取得できる制度があります。
短期旅行者
短期旅行者は通常、豪州免許を新規取得する必要がありません。有効な日本免許とIDPまたは認められた英訳で運転するのが基本です。
また、現地免許申請では州内のResidential Addressや本人確認書類を求められるため、数日~数週間の観光客を主対象にした制度ではありません。
ワーキングホリデー
ワーキングホリデーでも州によっては現地免許を取得できます。NSWではTemporary Overseas Visitor Licenceがあり、6か月を超えて居住し運転を続ける場合は切替が必要です。
ビクトリア州では6か月以上居住するなら海外免許からの切替が必要です。北部準州では3か月を超えて継続居住する場合にNT免許へ切り替えます。
南オーストラリア州では、Temporary visa holderでも希望すればSA免許をいつでも取得できます。
学生ビザ
学生ビザでも考え方は同じです。ビクトリア州などでは長期居住すると切替が必要ですが、西オーストラリア州ではStudentはVisitorとして扱われ、有効な海外免許を継続使用できます。
ACTではTemporary visa holderでもACT residentであればACT免許を取得することを選択できます。
| 滞在者 | 現地免許 | 実務上の考え方 |
|---|---|---|
| 短期旅行者 | 通常不要 | 日本免許+IDP / 英訳が基本。 |
| ワーキングホリデー | 取得可能な州あり | 州によっては一定期間後に必須。 |
| 学生ビザ | 取得可能な州あり | 居住期間・州制度による。 |
| 永住者 | 原則切替必要 | 通常3~6か月以内。 |
州間で引っ越した場合の免許切替
豪州の免許をすでに持っていて、別の州へ旅行するだけなら、その免許をそのまま使えます。
しかし、新しい州へ生活の本拠を移した場合は、その州の免許へ切り替えます。通常は学科・実技試験を受け直す必要はなく、現在の豪州免許のクラスや条件が引き継がれます。
| 転居先 | 主な切替期限 | ポイント |
|---|---|---|
| NSW | 3か月 | Interstate licenceからNSW licenceへ。 |
| VIC | 6か月 | 6か月超居住するならVictorian licenceへ。 |
| QLD | 3か月 | Queensland residentになった場合。 |
| WA | 3か月 | WA residentになった場合。 |
| SA | 3か月 | Service SAで切替。 |
| TAS | 6か月 | Interstate licenceは6か月まで。 |
| ACT | 3か月 | ACT residentとして居住する場合。 |
| NT | 3か月 | NT residentになった場合。 |
複数州の免許を同時に持つことはできない
州間移転で新しい免許が発行されると、旧州の免許は失効・取消扱いになります。オーストラリアでは複数の州の運転免許を同時に有効な状態で保有する制度ではありません。
大型・二輪クラスも、転居先の制度に相当する範囲で引き継がれます。医療条件、オートマ限定、インターロック条件なども新しい免許へ反映される場合があります。
日本の大型・けん引免許はどうなる?
日本がRecognised Countryだからといって、日本の大型免許まで無条件で豪州の大型免許へ切り替えられるわけではありません。
Recognised Country Schemeによる試験免除の中心は、普通車と二輪車です。大型車は豪州側のLR、MR、HR、HC、MCという制度に従います。
大型免許は無試験書き換えの対象外
例えばニューサウスウェールズ州では、海外の大型免許を持っていてもLR、MR、HR、HC、MCのKnowledge Test・Driving Test等に対するRecognised Country免除はありません。
クイーンズランド州でも、日本を含むRecognised CountryのCar / Motorcycleは試験免除ですが、LR~MCのHeavy VehicleはRoad Rules TestとPractical Driving Testが必要です。
タスマニア州も海外Heavy Vehicle LicenceはRecognitionの対象外と明記しています。北部準州では海外大型免許を直接移すのではなく、まずNT driver licenceを取得してからHeavy Vehicle Licenceへ申請します。
訪問中に日本の大型免許で運転できる場合
「現地大型免許への切替」と「訪問者として海外大型免許で運転すること」は別です。
例えばNSWのTemporary Overseas Visitorは、海外免許で認められていた種類のHeavy Vehicleを一定条件で運転できます。タスマニア州でもVisitorとして有効な海外Heavy Vehicle Licenceが認めるクラスを運転できるとしています。
ただし、日本の免許区分と豪州の車両クラスは一対一ではないため、実際に運転する車両が日本免許の権限内か、州の免許当局や雇用主に事前確認する必要があります。
国際運転免許証・英訳
日本の運転免許証は英語表記ではないため、そのまま1枚だけ携帯していればよいとは限りません。
多くの州では、海外免許が英語でない場合、国際運転免許証または認められた英訳を原本と一緒に携帯することを求めています。
IDPは「豪州免許」ではない
International Driving Permitは、日本の運転免許の内容を国際的な様式で示す補助文書です。日本の免許が失効すれば、IDPだけで運転することはできません。
書き換え時は英訳条件を確認
現地免許への切替では、NAATI認定翻訳者、州政府指定翻訳、在豪日本国総領事館など、州が認める方法による英訳を求められることがあります。
旅行時に有効なIDPが、免許切替手続きの翻訳書類として必ず受理されるとは限らないため、申請州の最新要件を確認してください。
免許条件・違反点数・健康申告
運転免許には、単に「C」「R」「HR」といったクラスだけでなく、さまざまなConditionが付く場合があります。
代表例には、眼鏡・コンタクトレンズ、オートマ限定、特定車両への制限、アルコール・インターロック、医療条件などがあります。
Demerit Points
交通違反にはDemerit Pointsが付く制度があり、一定期間に上限へ達すると免許停止などの対象になります。
州をまたいで違反しても、他州の免許だから点数が無関係になるわけではありません。豪州の免許情報は州間で共有され、重大な停止・取消も他州で影響します。
健康状態の申告
視力、てんかん、糖尿病、心疾患、睡眠障害など、安全運転に影響する健康状態がある場合、免許当局への申告やMedical Assessmentを求められることがあります。
大型車・公共旅客車両では、普通車より厳しいCommercial Driver Health Assessmentが適用される場合があります。
州を移ったら道路ルールも確認
免許そのものは相互に認められても、携帯電話、速度、Uターン、駐車、Pプレート、けん引などの細かな道路ルールは州ごとに違います。免許の切替だけでなく、新しい州のRoad Rulesも確認することが重要です。
オーストラリアの運転免許制度に関するよくある質問(FAQ)
はい。日本はRecognised Countryです。
有効な日本の普通車・二輪免許であれば、原則として学科・実技試験を免除して相当する州免許へ切り替えられます。ただし年齢・保有期間によりP1・P2になる場合があります。
原則として普通車・二輪と同じ扱いにはなりません。
LR、MR、HR、HC、MCなどの大型免許では、州ごとの学科・実技・経験要件を満たす必要があります。
日本のけん引免許を一つの豪州クラスへ単純変換する制度ではありません。
けん引車両とトレーラーのGVM、車軸数、連結方式によりC、LR、MR、HR、HC、MCのどれが必要か判断されます。
短期観光では通常必要ありません。
現地免許申請には州内住所などを求められるため、日本免許とIDPまたは認められた英訳で運転するのが一般的です。
可能です。
例えばNSWではTemporary Overseas Visitor Licenceがあり、VICやNTでは一定期間を超えて居住すると切替が必要になります。SAではTemporary visa holderでも希望すれば取得できます。
州によって可能です。
一方、WAのようにTemporary studentをVisitorとして扱い、有効な海外免許の継続使用を認めている州もあります。
通常、試験を一から受け直す必要はありません。
現在の豪州免許を転居先の州免許へ切り替えます。期限は多くの州で3か月、VICとTASでは6か月が基本です。
原則できません。
IDPは日本の免許を補足する書類なので、有効な日本の運転免許証原本と一緒に携帯します。
まとめ
オーストラリアの運転免許は州・準州が発行しますが、C、LR、MR、HR、HC、MC、Rといった免許クラスには全国的な共通性があります。
日本の免許については、日本がRecognised Countryであるため、普通車と二輪車なら原則として学科・実技試験を免除して現地免許へ切り替えることができます。ただし、年齢と免許保有期間によってFull LicenceではなくP1・P2になる場合があります。
大型・けん引は別です。日本の大型・中型・けん引免許をそのまま無試験で移す制度ではなく、豪州のLR、MR、HR、HC、MCの基準と、州ごとの経験・試験要件を満たす必要があります。
短期旅行者は通常、日本免許とIDPまたは認められた英訳で運転します。ワーキングホリデーや学生ビザでも州によって現地免許を取得できますが、NSW、VIC、NTのように一定期間後の切替が必要な地域と、QLD、WA、SA、TASのように一時滞在者へ別の扱いをする地域があります。
また、豪州内で州をまたいで引っ越した場合は、新しい居住州の免許へ切り替えます。多くの州は3か月以内ですが、ビクトリア州とタスマニア州は6か月が基本です。
オーストラリアの免許制度は「豪州全国で一律」と考えず、車種、ビザ、居住期間、州の4点を確認することが重要です。
オーストラリアの運転免許制度に関する参考情報
- Austroads:Overseas Driver Licensing Policy
- ニューサウスウェールズ州:Moving your overseas licence to NSW
- ニューサウスウェールズ州:Knowledge and driving test exemptions
- ニューサウスウェールズ州:Licence classes
- Service NSW:Transfer an interstate driver licence
- ビクトリア州:Convert overseas licence
- ビクトリア州:Convert interstate licence
- クイーンズランド州:Driving on interstate or overseas licence
- クイーンズランド州:Overseas licence testing exemptions
- クイーンズランド州:Licence types, classes and conditions
- 西オーストラリア州:Moving from overseas
- 西オーストラリア州:Moving from interstate
- 南オーストラリア州:Driving with your overseas licence
- 南オーストラリア州:Transfer overseas licence
- 南オーストラリア州:Transfer interstate licence
- タスマニア州:Driving on interstate or overseas licence
- タスマニア州:Converting an overseas licence
- 首都特別地域:Drivers with licences from overseas
- 首都特別地域:Drivers with interstate licences
- 北部準州:Licence rules for new residents and visitors
- 北部準州:Transfer overseas licence
オーストラリアの旅行手配
トラベルドンキーでは、シドニー、メルボルン、ゴールドコースト、ケアンズ、パース、アデレード、タスマニア、ウルルなど、オーストラリア各地のオプショナルツアー(現地発着ツアー)、アクティビティ、送迎等をご紹介、ご予約を承っています。
オーストラリアを知り尽くしたオーストラリア在住のスタッフが対応しておりますので、正確な情報の提供、的確なアドバイス、到着フライトの遅延・欠航など、緊急時の迅速な対応も可能となっています。
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オーストラリアの警察制度は、日本の警察制度とは組織の作り方がかなり違います。全国を一つの警察組織が管轄しているのではなく、連邦警察と、各州・準州の警察が役割を分担しています。
日常的な犯罪捜査、交通取締り、家庭内暴力への対応、地域パトロールなどは、ニューサウスウェールズ州警察(NSW Police Force)やビクトリア州警察(Victoria Police)といった州・準州警察が中心です。一方、テロ、国際犯罪、サイバー犯罪、連邦法違反などではオーストラリア連邦警察(Australian Federal Police/AFP)が大きな役割を持ちます。
さらに、首都キャンベラ(Canberra)があるオーストラリア首都特別地域(Australian Capital Territory/ACT)では、独立した「ACT Police Force」が存在せず、AFPの一部門であるACTポリシング(ACT Policing)が地域警察業務を担当しています。
また、オーストラリア国境警備隊(Australian Border Force/ABF)、オーストラリア犯罪情報委員会(Australian Criminal Intelligence Commission/ACIC)、AUSTRACなど、犯罪対策に関わる連邦機関もありますが、これらは一般の地域警察とは役割が異なります。
この記事では、オーストラリアの警察組織について、AFPと州・準州警察の役割分担、主要な警察組織、ACTの特殊な仕組み、専門部隊、階級、警察への連絡方法、捜査権限、他の治安機関との違い、監察・苦情制度まで、旅行情報ではなく警察制度そのものを解説するレポートとしてまとめます。
オーストラリアの警察制度とは?


オーストラリアは連邦国家なので、警察も「連邦」と「州・準州」に分かれています。
シドニー(Sydney)で起きた強盗、メルボルン(Melbourne)の交通事故、ブリスベン(Brisbane)の家庭内暴力など、地域社会で日常的に発生する事件・事故には、原則としてその州の警察が対応します。
一方、複数州にまたがる重大犯罪、国際的な組織犯罪、テロ、サイバー犯罪、連邦政府に対する犯罪、海外との警察協力などではAFPが中心になります。
このため、米国のように連邦・州・郡・市など多数の警察機関が同じ都市で並立する制度とは異なり、オーストラリアでは州・準州単位の警察が地域警察の中心です。
| 区分 | 主な組織 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 連邦 | Australian Federal Police | 連邦犯罪、テロ、国際犯罪、サイバー犯罪等。 |
| 州 | NSW Police、Victoria Police等 | 地域犯罪、交通、治安維持、捜査。 |
| 準州 | NT Police、ACT Policing | 地域警察業務。 |
| 犯罪情報 | ACIC | 重大・組織犯罪の情報収集・分析。 |
| 国境 | Australian Border Force | 国境管理、税関、入国・貨物管理。 |
連邦警察と州・準州警察の違い
連邦警察と州警察の違いは、「大きな犯罪ならAFP、小さな犯罪なら州警察」という単純な区分ではありません。基本的には、どの法律に基づく犯罪か、どの地域に影響するか、国家安全保障との関係があるかによって担当が決まります。
州・準州警察が中心となる事件
殺人、暴行、強盗、窃盗、交通違反、家庭内暴力、地域の薬物犯罪、道路事故、行方不明者など、一般市民が日常生活で接する事件・事故の多くは州・準州警察の管轄です。
AFPが中心となる事件
AFPは、連邦法、連邦政府の財産・利益、国家安全保障、複数国にまたがる犯罪などを重点的に扱います。
具体的には、テロ、外国干渉、サイバー犯罪、重大な金融犯罪、国際的な児童搾取、国際麻薬犯罪、組織犯罪、連邦公務員に関係する犯罪などです。
共同捜査になることも多い
現代の犯罪は州境・国境を越えるため、AFPと州警察が合同捜査を行うケースも珍しくありません。特にテロや重大組織犯罪では、州警察、AFP、情報機関などがJoint Task Forceを組むことがあります。
オーストラリア連邦警察(AFP)
オーストラリア連邦警察(Australian Federal Police/AFP)は、連邦政府の警察機関です。Australian Federal Police Act 1979に基づいて設置されています。
AFPの使命は、オーストラリア人とオーストラリアの利益を守ることです。2026年時点では、重大・組織犯罪、テロ、スパイ活動・外国干渉、サイバー犯罪、人身搾取、詐欺・汚職などを主要な脅威として位置付けています。
国家安全保障
テロ、外国干渉、国家安全保障に関係する捜査はAFPの重要な分野です。州警察やオーストラリア保安情報機構(ASIO)などと共同で捜査する場合があります。
国際犯罪
AFPは海外にも職員を配置し、外国警察・国際機関と協力しています。国際麻薬取引、児童搾取、詐欺、組織犯罪、サイバー犯罪など、オーストラリア国内だけで完結しない事件で重要な役割を持ちます。
空港・重要施設の警備
AFPは航空保安や連邦政府の重要施設・要人警護にも関わります。空港では州・準州警察や空港運営者、ABFなどと役割を分担して警備・捜査を行います。
2026年の組織
2026年3月のAFP組織図では、National Security Investigations、Global Operations & Regional Security、Community Policing & Protectionなどの大きな部門が置かれています。2026年時点のCommissionerはクリッシー・バレット(Krissy Barrett)です。
| AFPの主な分野 | 内容 |
|---|---|
| National Security | テロ、外国干渉、国家安全保障。 |
| Serious & Organised Crime | 重大・組織犯罪、国際犯罪。 |
| Cybercrime | 大規模サイバー攻撃、オンライン犯罪。 |
| Human Exploitation | 児童搾取、人身取引等。 |
| International Policing | 海外警察・国際機関との連携。 |
| Protection | 要人・重要施設等の警護。 |
ACTだけ警察組織が特殊
オーストラリアの警察制度の中で、最も特殊なのが首都特別地域です。
ニューサウスウェールズ州にはNSW Police Force、ビクトリア州にはVictoria Policeがありますが、ACTには独立した「ACT Police Force」はありません。
代わりにAFPの一部門であるACTポリシング(ACT Policing)が、ACT政府とのPolicing ArrangementとPurchase Agreementに基づき、キャンベラの地域警察業務を担当しています。
つまり、キャンベラで一般犯罪や交通事故に対応する制服警察官も、組織上はAFPの職員です。
AFPの連邦業務とACT Policingは役割が別
同じAFPの中でも、連邦犯罪を扱うNational Security Investigationsなどの部門と、地域警察を行うACT Policingでは役割が違います。
ACT PolicingはGeneral Duties、Road Policing、Criminal Investigations、Family Violence、Sexual Violence、Community Engagementなど、通常なら州警察が担当する業務を行います。
キャンベラでは「Federal Police=連邦犯罪だけ」ではない
ACTではAFPが地域警察も担当しているため、交通事故や地域の犯罪でもAFPの制服や車両を目にします。これは他州とは異なる仕組みです。
州・準州の警察一覧
オーストラリアでは、6州と2準州それぞれに地域警察を担当する組織があります。ただしACTだけは前述の通りAFPが地域警察を提供しています。
| 州・準州 | 警察組織 | トップの肩書き |
|---|---|---|
| ニューサウスウェールズ州 | NSW Police Force | Commissioner |
| ビクトリア州 | Victoria Police | Chief Commissioner |
| クイーンズランド州 | Queensland Police Service | Commissioner |
| 西オーストラリア州 | Western Australia Police Force | Commissioner |
| 南オーストラリア州 | South Australia Police | Commissioner |
| タスマニア州 | Tasmania Police | Commissioner |
| 北部準州 | Northern Territory Police Force | Commissioner |
| 首都特別地域 | ACT Policing(AFP) | Chief Police Officer |
各組織はそれぞれ州・準州の法律に基づき運営され、交通法、刑法、銃器、家庭内暴力、警察権限などの細かなルールも州ごとに異なります。
ニューサウスウェールズ州警察
ニューサウスウェールズ州警察は、犯罪の予防・発見・捜査、道路安全、社会秩序維持、緊急・救助活動などを担当します。シドニーを含む州全域をPolice Area CommandやPolice Districtなどに分けて運営しています。
ビクトリア州警察
ビクトリア州警察は、地域を4つのRegionに分け、地域警察に加えて専門捜査・犯罪情報・道路警察・公共安全などの部門を持っています。組織トップの名称が「Chief Commissioner」である点が他州と少し異なります。
クイーンズランド州警察
クイーンズランド州警察(Queensland Police Service/QPS)は、ブリスベンを含む州全域を複数Regionに分けて地域警察業務を提供しています。2026年時点で1万5,000人を超える職員を抱える大規模組織です。
南オーストラリア州・タスマニア州・北部準州
南オーストラリア州警察(South Australia Police/SAPOL)は1838年に設立され、オーストラリアで最も古い中央集権型警察組織とされています。
タスマニア州警察(Tasmania Police)は州のPolice, Fire and Emergency Management部門の一部として運営されています。北部準州ではNorthern Territory Police, Fire and Emergency Servicesという統合的な組織の中に警察が置かれています。
地域警察・パトロールの仕組み
一般市民が最も接するのは、各地域のPolice Stationに所属するGeneral Dutiesの警察官です。
General Dutiesは、日本でいう交番勤務と警ら、初動捜査、地域対応を組み合わせたような役割です。緊急通報への出動、家庭内暴力、喧嘩、窃盗、交通事故、行方不明者、公共秩序など幅広い案件へ最初に対応します。
ただし日本の「交番」に相当する小規模施設が街角ごとに全国一律で配置されているわけではありません。都市部ではPolice StationやPolice Area Commandなどの拠点からパトカーが出動する方式が一般的です。
地方・遠隔地では、警察署の数が少なく、一つの署が非常に広い地域を担当することがあります。特に北部準州や西オーストラリア州(Western Australia)の内陸部では、航空機や四輪駆動車を使った警察活動も重要です。
専門捜査・特殊部隊
各州・準州警察にはGeneral Dutiesとは別に、多数の専門部隊があります。名称は警察組織によって異なりますが、業務内容はある程度共通しています。
| 分野 | 主な仕事 |
|---|---|
| Homicide / Major Crime | 殺人、重大暴力犯罪の捜査。 |
| Drug / Organised Crime | 薬物、組織犯罪、犯罪組織。 |
| Cybercrime | 不正アクセス、オンライン犯罪。 |
| Child Protection | 児童虐待、児童搾取。 |
| Traffic / Highway Patrol | 速度、飲酒運転、重大交通事故。 |
| Forensic Services | 指紋、DNA、現場鑑識。 |
| Tactical / Special Operations | 武装事件、人質、危険な逮捕。 |
| Dog Squad | 捜索、薬物・爆発物探知。 |
| Mounted Police | 群衆管理、イベント警備等。 |
| Marine / Water Police | 港湾・海上警察、捜索救助。 |
| Air Wing | 航空支援、追跡、捜索。 |
例えばタスマニア州警察では、Crime and Intelligence、Operations Support、Professional Standards、Special Response and Counter-Terrorismなどの専門Commandが置かれています。
ニューサウスウェールズ州警察にもState Crime Command、Traffic and Highway Patrol、Marine Area Command、Aviation Commandなど多数の専門部門があります。
専門部隊の名前は州によって違う
日本の「機動隊」「捜査一課」のように全国で同じ名称ではありません。例えば戦術部隊も、Tactical Operations Unit、Special Operations Group、Special Emergency Response Teamなど州によって名称が異なります。
警察官の階級
階級制度も全国で完全に統一されてはいませんが、州警察ではConstableからCommissionerまで、似た階級構造が使われています。
| 代表的な階級 | おおまかな役割 |
|---|---|
| Probationary Constable | 採用後の試用期間中の警察官。 |
| Constable | 一般警察官。 |
| Senior Constable | 経験を積んだ現場警察官。 |
| Sergeant | チーム・シフト等の監督。 |
| Senior Sergeant | より上位の現場管理。 |
| Inspector | 部門・地域などの管理。 |
| Superintendent | Command等の上級管理。 |
| Assistant Commissioner | 大規模部門・地域を統括。 |
| Deputy Commissioner | Commissionerを補佐。 |
| Commissioner | 警察組織のトップ。 |
例えばニューサウスウェールズ州警察ではProbationary Constable、Constable、Senior Constable、Sergeant、Senior Sergeant、Inspector、Superintendentなどの階級が使われています。
ビクトリア州警察にはFirst Constable、Leading Senior Constable、Commanderなど独自の階級もあり、トップはChief Commissionerです。
刑事・Detectiveとは?
英語圏の警察ドラマでは「Detective」という言葉がよく出てきますが、Detectiveは必ずしもConstableやSergeantと並ぶ独立した階級ではありません。
多くの警察組織では、捜査訓練や一定の資格・認定を受け、刑事捜査部門で勤務する警察官にDetectiveという呼称が付きます。
そのため「Detective Constable」「Detective Senior Constable」「Detective Sergeant」のように、Detectiveと階級を組み合わせて表記します。
ニューサウスウェールズ州警察の公式文書でも、「Det」は階級の前に付くdesignationとして扱われています。
警察への連絡方法
オーストラリアでは、事件の緊急性によって警察への連絡先を使い分けます。
| 連絡先 | 番号 | 用途 |
|---|---|---|
| Triple Zero | 000 | 生命・身体・財産に差し迫った危険がある緊急事態。 |
| Police Assistance Line | 131 444 | 緊急ではない警察への相談・通報。 |
| Crime Stoppers | 1800 333 000 | 犯罪情報の提供。 |
000は警察だけでなく、消防・救急にも共通する緊急番号です。オペレーターに「Police」「Fire」「Ambulance」のどれが必要かを伝えます。
すでに犯人が立ち去った窃盗、軽微な器物損壊など緊急性のない案件では、131 444や各州警察のオンライン通報を利用することがあります。
警察の権限
警察には、犯罪を防止・捜査するためのさまざまな権限がありますが、その内容は州・準州法や連邦法によって異なります。
一般的には、一定の条件での逮捕、身元確認要求、停止・捜索、車両停止、呼気検査、証拠押収、令状執行、移動命令などの権限があります。
州ごとに警察権限法が違う
ニューサウスウェールズ州ではLaw Enforcement (Powers and Responsibilities) Act 2002が警察権限の重要な根拠です。ビクトリア州、クイーンズランド州などにも、それぞれ異なる警察・刑事手続法があります。
そのため、「オーストラリアでは警察は必ずこうできる」と全国一律に説明することはできません。
逮捕されても有罪ではない
警察による逮捕・起訴は、有罪判決とは別です。刑事事件では最終的な有罪・無罪は裁判所が判断します。警察は捜査機関であり、裁判官ではありません。
警察以外の治安・犯罪対策機関
オーストラリアでは、AFPや州警察以外にも犯罪・国家安全保障に関係する組織が多数あります。ただし、これらをすべて「警察」と呼ぶのは正確ではありません。
オーストラリア犯罪情報委員会
オーストラリア犯罪情報委員会(Australian Criminal Intelligence Commission/ACIC)は、重大・組織犯罪に関する国家的な犯罪情報機関です。
捜査情報の収集・分析、全国の犯罪情報システム、犯罪歴確認などを通じて、AFPや各州・準州警察を支援します。日常の110番型の警察業務を行う組織ではありません。
オーストラリア国境警備隊
オーストラリア国境警備隊(Australian Border Force/ABF)は、内務省に属する国境警備・税関機関です。入国、貨物、密輸、国境での法執行などを担当します。
AUSTRAC
オーストラリア取引報告分析センター(Australian Transaction Reports and Analysis Centre/AUSTRAC)は、マネーロンダリング・テロ資金対策の規制機関であると同時に、金融情報機関です。
銀行などから提供される金融情報を分析し、AFPや州警察などの捜査を支援します。
ASIO
オーストラリア保安情報機構(Australian Security Intelligence Organisation/ASIO)は国家安全保障情報を扱う情報機関です。地域警察のように一般犯罪の通報を受けてパトロールを行う組織ではありません。
警察組織どうしの連携
連邦と州に組織が分かれていても、実際の犯罪捜査では相互協力が非常に重要です。
Joint Counter Terrorism Team
テロ事件では、AFP、州警察、ASIOなどがJoint Counter Terrorism Team(JCTT)を形成し、合同で捜査します。
重大・組織犯罪
国際麻薬取引、犯罪組織、マネーロンダリングなどでは、AFP、州警察、ACIC、AUSTRAC、ABF、海外警察などが同じ作戦に参加することがあります。
全国情報システム
ACICは全国の警察情報・犯罪情報システムを運用し、7万人を超える法執行職員の業務を支援しています。州境を越える犯罪情報を共有するうえで重要な基盤です。
警察の監察・苦情制度
警察には逮捕、捜索、武器使用など強い権限があるため、内部監察だけでなく外部の独立機関による監督制度も設けられています。
内部のProfessional Standards
各警察組織にはProfessional Standards、Ethical Standardsなどの部門があり、警察官の不正・規律違反・職務上の問題を調査します。
州ごとの外部監察機関
外部監察制度は州によって異なります。ニューサウスウェールズ州ではLaw Enforcement Conduct Commission(LECC)がNSW Police Forceなどの重大な不正行為を監督します。
クイーンズランド州ではCrime and Corruption Commission(CCC)、西オーストラリア州ではCorruption and Crime Commission(CCC)が警察不正の監督を行います。
AFPとNACC
連邦レベルでは、National Anti-Corruption Commission(NACC)が連邦公務部門の重大・組織的な腐敗を調査する権限を持ち、AFPもその管轄に含まれます。
つまり、警察自身が警察官の問題を調査するだけでなく、独立機関が監視・調査できる仕組みになっています。
警察への苦情窓口は州ごとに違う
警察官の対応に苦情がある場合は、その警察組織のProfessional Standards窓口または州の独立監察機関へ申し立てます。制度名・申立方法は州ごとに異なります。
オーストラリアの警察組織に関するよくある質問(FAQ)
全国的な連邦警察としてAustralian Federal Policeがあります。
ただし、一般犯罪や交通などの日常の警察業務は、基本的に州・準州警察が担当します。
同じではありません。
AFPは自ら捜査・逮捕などを行う連邦警察機関で、連邦犯罪、国家安全保障、国際犯罪などを担当します。
独立したACT Police Forceはありません。
AFPのCommunity Policing部門であるACT Policingが、ACT政府との協定に基づいて地域警察業務を担当します。
通常の州法上の殺人事件は、事件が発生した州・準州の警察が捜査します。
連邦犯罪や国家安全保障との関係があればAFPが関与する場合があります。
緊急時は000です。
警察・消防・救急に共通する番号で、命や身体に差し迫った危険がある場合に使用します。
多くの州・準州では131 444のPolice Assistance Lineが利用できます。
オンライン通報を用意している警察組織もあります。
別組織の職員ではありません。
通常は警察官が捜査訓練や認定を受け、Detective Constable、Detective Sergeantなどの形で刑事捜査を担当します。
一般の警察組織とは異なります。
ABFはオーストラリアの国境警備・税関機関で、入国・貨物・密輸などの国境法執行を担当します。
まとめ
オーストラリアの警察制度を理解するうえで最も重要なのは、「連邦警察」と「州・準州警察」が役割を分担していることです。
一般犯罪、交通、地域の治安維持などはNSW Police Force、Victoria Police、Queensland Police Serviceなどの州・準州警察が中心です。一方、AFPはテロ、国際犯罪、サイバー犯罪、重大・組織犯罪、外国干渉など国家的・国際的な犯罪を担当します。
ACTだけは制度が特殊で、独立した州警察を持たず、AFPの一部門であるACT Policingがキャンベラの地域警察業務を行っています。
また、ACIC、ABF、AUSTRAC、ASIOなども国家安全保障や犯罪対策に関与しますが、一般の地域警察とは役割が異なります。重大事件ではこれらの機関が州警察やAFPと合同で捜査することもあります。
階級、専門部隊、警察権限、苦情制度などは州によって違いがあります。「Police」と一括りにせず、どの州・準州の警察なのか、連邦機関なのかを確認すると、オーストラリアの警察制度が理解しやすくなります。
オーストラリアの警察組織に関する参考情報
- オーストラリア連邦警察:Australian Federal Police
- オーストラリア連邦警察:Organisational Chart 2026
- ACTポリシング:Who we are
- ACTポリシング:Structure
- ニューサウスウェールズ州警察:About us
- ニューサウスウェールズ州警察:Organisational Structure
- ビクトリア州警察:Structure
- クイーンズランド州警察:Organisational Structure
- 西オーストラリア州警察:WA Police Force
- 南オーストラリア州警察:Who we are
- タスマニア州警察:About us
- 北部準州警察:Northern Territory Police Force
- オーストラリア犯罪情報委員会:About ACIC
- オーストラリア国境警備隊:Who we are
- AUSTRAC:About AUSTRAC
- 国家腐敗防止委員会:What can the NACC investigate?
- ニューサウスウェールズ州法執行行為委員会:Making a complaint
- クイーンズランド州CCC:Police oversight
- 西オーストラリア州CCC:Police Misconduct
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オーストラリアの司法制度は、イギリス法を起源とするコモン・ローの伝統と、連邦国家としての仕組みを組み合わせた制度です。日本のように一つの全国的な裁判所体系だけがあるのではなく、連邦裁判所と州・準州の裁判所が並存しています。
日常的な刑事事件、交通違反、契約トラブル、損害賠償などの多くは州・準州の裁判所で扱われる一方、移民、破産、会社法、連邦行政、知的財産、家族法などは連邦裁判所が重要な役割を持ちます。
その頂点にあるのがオーストラリア高等法院(High Court of Australia)です。高等法院は憲法を解釈し、連邦・州・準州の裁判所からの最終上訴を扱う、オーストラリア司法制度の最高裁判所です。
また、重大な刑事裁判では陪審制度が使われ、バリスター(Barrister)とソリシター(Solicitor)という二つの法律専門職が存在するなど、日本とは異なる特徴もあります。
この記事では、オーストラリアの司法制度について、法の成り立ち、三権分立、連邦と州の裁判所、高等法院、刑事・民事事件、陪審、上訴、行政審判、弁護士、検察、警察、法扶助まで、旅行情報ではなく司法制度そのものを解説するレポートとしてまとめます。
オーストラリアの司法制度とは?


オーストラリアは連邦国家です。連邦政府だけでなく、ニューサウスウェールズ州(New South Wales)、ビクトリア州(Victoria)、クイーンズランド州(Queensland)など各州・準州も独自の法律と裁判所を持っています。
そのため「オーストラリアの裁判所」と言っても一種類ではありません。連邦法に関する事件を扱う連邦裁判所があり、それとは別に各州・準州の刑事・民事事件を扱う裁判所があります。
ただし、二つの制度が完全に別れているわけでもありません。州・準州裁判所が連邦法上の事件を扱うこともあり、連邦法と州法が同じ紛争に関係するケースもあります。
最終的には高等法院が全国の最高裁判所として位置し、連邦・州・準州の裁判所から特別許可を得た上訴を審理します。
| 特徴 | オーストラリア | ポイント |
|---|---|---|
| 国家構造 | 連邦制 | 連邦と州・準州がそれぞれ法律を持つ。 |
| 司法体系 | 連邦+州・準州 | 複数の裁判所体系が並存。 |
| 法体系 | Common Law | 制定法に加えて判例法が重要。 |
| 最高裁判所 | High Court of Australia | 憲法判断と最終上訴。 |
| 重大刑事事件 | Judge+Jury | 陪審が事実認定を行う場合が多い。 |
法律はどこから生まれる?
オーストラリア法を理解するうえで重要なのが、制定法だけでなく判例も法の一部を構成するという点です。
憲法
オーストラリア連邦憲法(Australian Constitution)は、連邦議会、行政、司法の権限を定める国の基本法です。どの分野について連邦議会が法律を制定できるか、連邦司法権をどの裁判所が行使するかなど、国家制度の骨格を定めています。
制定法
連邦議会や州・準州議会が制定する法律は、Act、Statute、Legislationなどと呼ばれます。例えばFamily Law Act 1975は連邦法、Crimes Act 1900 (NSW)はニューサウスウェールズ州法です。
委任立法
議会が制定した法律に基づいて、Regulation、Ruleなどの細かな規則が作られることがあります。実際の行政運営や手続きでは、こうした下位法令も重要です。
コモン・ロー
制定法が直接規定していない問題については、裁判所が過去の判決を積み重ねて発展させてきたコモン・ロー(Common Law)が適用されます。
裁判所の階層制度では、上級裁判所が示した法的判断を下級裁判所が原則として従う「先例拘束」の考え方が重要です。高等法院の判決はオーストラリア全土の裁判所に大きな拘束力を持ちます。
| 法源 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| Constitution | 国家制度の基本法 | Australian Constitution |
| Act / Statute | 議会が制定する法律 | Family Law Act等。 |
| Regulation / Rule | 法律に基づく詳細規則 | 手続規則・行政規則等。 |
| Common Law | 裁判所の判例から発展する法 | 契約、不法行為など。 |
三権分立と司法の独立
オーストラリアでは、国家権力を立法、行政、司法に分ける三権分立(Separation of Powers)が憲法制度の重要な原則です。
議会は法律を作り、政府・行政機関は法律を執行し、裁判所は法律を解釈して個別の紛争へ適用します。
連邦レベルでは憲法第III章が司法権について定め、高等法院と、連邦議会が設置するその他の連邦裁判所に連邦司法権を与えています。
裁判官は政府や議会から独立して判断することが求められます。連邦裁判官については、任期・報酬に関する憲法上の保障が司法の独立を支えています。
政府が裁判の結論を指示することはできない
司法の独立とは、裁判官が政府の政策的希望ではなく、憲法・法律・証拠・判例に基づいて事件を判断するという原則です。政治的に注目される事件であっても、裁判所は独立した司法機関として判断します。
連邦裁判所と州・準州裁判所
オーストラリアの司法制度が分かりにくく見える最大の理由が、連邦と州・準州の裁判所が同時に存在することです。
犯罪、交通、土地、相続、契約、住宅など日常生活に関係する法律の多くは州・準州法で、事件も州・準州の裁判所で扱われます。
一方、移民、破産、連邦税制、会社法、競争法、知的財産、連邦行政などは連邦法との関係が強く、Federal CourtやFederal Circuit and Family Courtが担当します。
| 主な分野 | 中心となる制度 | 代表的な裁判所 |
|---|---|---|
| 州法上の犯罪 | 州・準州 | Local / Magistrates、District / County、Supreme |
| 交通違反 | 州・準州 | Local / Magistrates Court |
| 一般的な民事紛争 | 州・準州 | 金額・内容に応じ各州裁判所 |
| 移民 | 連邦 | FCFCOA Division 2、Federal Court等。 |
| 破産 | 連邦 | Federal Court、FCFCOA Division 2。 |
| 会社・競争法 | 主に連邦 | Federal Court等。 |
| 家族法 | 主に連邦 | FCFCOA。 |
主な連邦裁判所
オーストラリアの主要な連邦裁判所は、高等法院、オーストラリア連邦裁判所、オーストラリア連邦巡回・家庭裁判所です。
オーストラリア高等法院
オーストラリア高等法院(High Court of Australia)は司法制度の頂点です。憲法問題、連邦上重要な問題、全国の裁判所からの最終上訴を扱います。
オーストラリア連邦裁判所
オーストラリア連邦裁判所(Federal Court of Australia)は、連邦法に基づく幅広い民事事件と一部の刑事事件を扱う上級裁判所です。
主な分野には、会社法、競争法、消費者法、知的財産、税、雇用・労働関係、破産、人権、差別、ネイティブ・タイトル、海事、連邦行政判断の司法審査などがあります。
オーストラリア連邦巡回・家庭裁判所
オーストラリア連邦巡回・家庭裁判所(Federal Circuit and Family Court of Australia/FCFCOA)は、2021年9月に現在の制度へ再編され、Division 1とDivision 2という二つの裁判所から構成されています。
Division 1は主に複雑な家族法事件と家族法上訴を扱う上級裁判所です。Division 2は家族法に加え、移民、Fair Work、破産、消費者法、人権、行政法など幅広い連邦事件を扱います。
家族法事件は原則としてDivision 2から開始し、複雑な事件が必要に応じてDivision 1へ移されます。
| 裁判所 | 主な役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| High Court | 憲法・最終上訴 | 全国最高位。 |
| Federal Court | 連邦法上の幅広い事件 | 会社、税、競争、知財、行政等。 |
| FCFCOA Division 1 | 複雑な家族法・上訴 | Family law specialist superior court。 |
| FCFCOA Division 2 | 家族法・移民・一般連邦法 | 多くの連邦事件の入口。 |
州・準州の裁判所
州・準州裁判所の名前と階層は全国で完全には統一されていません。ただし、多くの州では「下級裁判所→中間裁判所→Supreme Court」という3段階の構造です。
| 州・準州 | 下級 | 中間 | 最上級 |
|---|---|---|---|
| NSW | Local Court | District Court | Supreme Court |
| VIC | Magistrates’ Court | County Court | Supreme Court |
| QLD | Magistrates Court | District Court | Supreme Court |
| WA | Magistrates Court | District Court | Supreme Court |
| SA | Magistrates Court | District Court | Supreme Court |
| TAS | Magistrates Court | なし | Supreme Court |
| ACT | Magistrates Court | なし | Supreme Court |
| NT | Local Court | なし | Supreme Court |
ニューサウスウェールズ州では、ローカル・コート(Local Court)が軽微な刑事事件や一定額までの民事事件を扱い、ディストリクト・コート(District Court)がより重大な犯罪・高額民事事件・一部の上訴を扱います。スプリーム・コート(Supreme Court of New South Wales)は州の最上級裁判所です。
ビクトリア州では中間裁判所が「District Court」ではなくカウンティ・コート(County Court of Victoria)と呼ばれます。タスマニア州(Tasmania)、首都特別地域(Australian Capital Territory)、北部準州(Northern Territory)には同じ形の中間裁判所がなく、二層構造が基本です。
さらにChildren’s Court、Coroners Court、Land Court、Drug Court、Planning and Environment Courtなど、分野ごとの専門裁判所・専門部門もあります。
オーストラリア高等法院
オーストラリア高等法院は1903年に設立され、現在はキャンベラ(Canberra)のパーラメンタリー・トライアングル(Parliamentary Triangle)に本拠を置いています。
高等法院には大きく二つの役割があります。一つは、オーストラリア憲法の意味を解釈し、連邦・州政府の法律が憲法上有効かを判断すること。もう一つは、全国の裁判所における重要な民事・刑事事件の最終上訴を審理することです。
ただし、下級裁判所の判決に不満があれば自動的に高等法院まで上訴できるわけではありません。多くの上訴ではSpecial Leave to Appealと呼ばれる特別許可が必要です。
憲法上重要な事件、従来の判例を変更する可能性がある事件、法律上重大な原則を含む事件などでは、7人の裁判官全員によるFull Benchで審理されることがあります。
「Supreme Court」と「High Court」は別
各州のSupreme Courtは、その州の最上級裁判所です。一方、High Court of Australiaは国全体の最高裁判所です。例えばNSW Supreme Courtの最終的な上訴先は、条件を満たせばHigh Courtとなります。
刑事事件の仕組み
刑事事件は、国や州が個人を訴追する手続きです。犯罪の捜査は警察などの捜査機関が行い、一定の事件ではDirector of Public Prosecutions(DPP)が検察を担当します。
刑事手続きの細部は州・準州で異なりますが、ニューサウスウェールズ州を例にすると、ほぼすべての刑事事件が最初にLocal Courtへ入ります。
Summary Offence
比較的軽い犯罪はSummary Offenceと呼ばれ、通常はMagistrateまたはLocal Court Judgeが陪審なしで審理します。交通違反、軽微な暴行、公共秩序に関する犯罪などが代表例です。
Indictable Offence
重大犯罪はIndictable Offenceと呼ばれます。事件はいったん下級裁判所で手続きを行った後、District CourtやSupreme Courtへ送られ、陪審裁判となる場合があります。
ニューサウスウェールズ州では、District Courtは殺人、反逆罪、海賊行為を除く多くの重大犯罪を扱い、殺人など特に重大な事件はSupreme Courtが扱います。
無罪推定
刑事裁判では被告人は有罪と証明されるまで無罪と推定されます。原則として、検察側が犯罪を構成する各要素を「合理的な疑いを超えて(Beyond Reasonable Doubt)」証明しなければなりません。
有罪判決と量刑
陪審裁判では、陪審は通常「Guilty」または「Not Guilty」という評決を出します。有罪の場合、刑罰を決めるSentencingは裁判官が行います。
民事事件の仕組み
民事事件は、個人、企業、団体などの間の権利義務をめぐる紛争です。契約、債務、損害賠償、財産、住宅、事業上の争いなどが代表的です。
刑事事件のように「国家が犯罪者を処罰する」ことが目的ではなく、金銭賠償、契約履行、差止命令などによって当事者間の争いを解決します。
民事事件で一般的に使われる証明基準は「Balance of Probabilities」です。つまり、ある事実が「そうである可能性の方が高い」と裁判所が判断できる程度の立証が基本になります。
| 比較 | 刑事 | 民事 |
|---|---|---|
| 当事者 | 国家/検察 対 被告人 | 個人・企業等の当事者同士。 |
| 目的 | 犯罪の判断・処罰 | 権利義務・損害の解決。 |
| 証明基準 | Beyond Reasonable Doubt | Balance of Probabilities |
| 典型的結果 | 有罪・無罪、刑罰 | 賠償、支払、命令等。 |
| 陪審 | 重大事件で使用 | 使用は限定的。 |
民事事件では、裁判の前に交渉、調停(Mediation)、その他のAlternative Dispute Resolution(ADR)による解決が重視されます。裁判所自身が当事者に調停を勧めたり、一定の手続きでADRを要求したりすることもあります。
陪審制度


陪審制度はオーストラリア司法の特徴の一つですが、すべての裁判に陪審がいるわけではありません。
例えばニューサウスウェールズ州のLocal Courtやクイーンズランド州のMagistrates Courtでは陪審は使われず、Magistrateや裁判官が事実と法律の両方を判断します。
重大刑事事件がDistrict CourtやSupreme Courtで争われる場合には、通常12人程度の陪審員が選ばれます。陪審員は証拠を聞き、裁判官から法律上の説明を受けたうえで、有罪か無罪かという事実判断を行います。
一方、裁判官は裁判手続きの管理、法律問題の判断、陪審への法的指示を行い、有罪評決が出た場合には量刑を決めます。
民事裁判で陪審が使われることも法律上ありますが、現在は刑事裁判ほど一般的ではありません。ニューサウスウェールズ州では民事陪審は比較的まれで、典型的には4人で構成されます。
| 役割 | Judge | Jury |
|---|---|---|
| 法律の解釈 | 行う | 裁判官の指示に従う。 |
| 証拠・事実判断 | 陪審なし事件では行う | 陪審裁判では中心的役割。 |
| 有罪・無罪 | Judge-alone trialでは判断 | 通常の陪審刑事裁判で判断。 |
| 刑罰 | 決定する | 決定しない。 |
上訴・控訴の仕組み
裁判所は階層構造になっており、一定の条件を満たせば下級裁判所の判断を上級裁判所へ上訴できます。
ただし、すべての判決について何度でも自動的に上訴できるわけではありません。法律によって上訴できる理由、期限、Leave to Appealと呼ばれる許可の必要性などが定められています。
州裁判所の上訴
ニューサウスウェールズ州を例にすると、Local Courtの刑事判決の一部はDistrict Courtへ上訴できます。District CourtやSupreme Courtの重大刑事事件からの上訴はCourt of Criminal Appealが扱います。
民事事件ではSupreme Court内のCourt of Appealが重要な上訴裁判所となります。
連邦裁判所の上訴
Federal Courtの単独裁判官の判断は、一定の場合Full Court of the Federal Courtへ上訴できます。Full Courtは通常複数の裁判官で構成されます。
最終上訴はHigh Court
州Supreme CourtのCourt of AppealやCourt of Criminal Appeal、Federal Courtなどの判断について、さらに高等法院へ進める可能性があります。ただし通常はSpecial Leave to Appealが必要です。
「もう一度同じ裁判をする」とは限らない
上訴では、下級裁判所が法律を誤って適用したか、手続き上重大な問題があったかなどが争点になります。事件によっては事実認定そのものを自由にやり直せるわけではありません。
裁判所と行政審判所の違い
オーストラリアではCourtのほかにTribunalという機関が数多くあります。Tribunalを日本語で「裁判所」と訳してしまうと、制度上の違いが分かりにくくなります。
連邦レベルでは、2024年10月14日に行政審査審判所(Administrative Review Tribunal/ART)が発足し、それまでのAdministrative Appeals Tribunalを置き換えました。
ARTは、移民・市民権、社会保障、NDIS、Child Support、税など、約400の連邦法に基づく行政判断を再審査します。
ここで重要なのが「Merits Review」と「Judicial Review」の違いです。行政審判所によるMerits Reviewでは、行政機関の判断を事実・政策・裁量を含めて見直し、「正しく、または最も適切な判断は何か」を再検討できます。
一方、裁判所によるJudicial Reviewは、原則として行政判断が法律に従って適法に行われたかを審査するものです。裁判所が単に「自分なら別の結論にした」という理由で行政判断を置き換える制度ではありません。
州にもNCAT、VCAT、QCAT、SATなどの行政・民事審判所があり、住宅、消費者、行政判断、職業規制などの紛争を比較的簡易な手続きで処理します。
バリスターとソリシター
オーストラリアの法律専門職では、ソリシター(Solicitor)とバリスター(Barrister)という区分が広く見られます。
ソリシター
Solicitorは依頼者との窓口になり、法律相談、契約書、交渉、裁判準備、書類作成など幅広い業務を行います。多くの人が法律問題で最初に相談するのはSolicitorです。
バリスター
Barristerは独立した専門的な法廷弁護士で、複雑な裁判、上訴、法的意見、反対尋問などを得意とします。多くの場合、SolicitorからBriefと呼ばれる依頼を受けて事件に参加します。
ただし実際の業務境界は絶対ではなく、Solicitorが自ら法廷に立つことも一般的です。
SC・KCとは?
経験豊富で高い専門能力を認められたBarristerにはSenior Counsel(SC)またはKing’s Counsel(KC)の称号が付くことがあります。以前よく使われたQC(Queen’s Counsel)は、現在の国王がチャールズ3世であるためKCとなります。
| 比較 | Solicitor | Barrister |
|---|---|---|
| 依頼者との窓口 | 通常中心 | 多くはSolicitor経由。 |
| 契約・法律相談 | 中心的業務 | 専門的意見を出す場合。 |
| 裁判準備 | 証拠・書類を整理 | 法廷戦略・主張を担当。 |
| 法廷弁論 | 可能 | 専門分野。 |
| 働き方 | 法律事務所、企業、政府等 | 独立開業が中心。 |
警察・検察・公選弁護
刑事司法では、警察、検察、裁判所はそれぞれ別の役割を持ちます。
警察
警察は犯罪を捜査し、証拠を集め、容疑者を逮捕・起訴手続きへ進めます。軽微な事件では警察側のProsecutorが下級裁判所で訴追を担当する州もあります。
Director of Public Prosecutions
重大犯罪では州ごとのOffice of the Director of Public Prosecutions(ODPP)が重要な役割を持ちます。例えばニューサウスウェールズ州のODPPは、州法上の重大なIndictable Offenceを独立した立場で訴追します。
ODPPは捜査機関ではありません。捜査を行うのは警察などで、検察は証拠をもとに訴追を行う役割です。
Commonwealth DPP
連邦犯罪についてはCommonwealth Director of Public Prosecutions(CDPP)があり、連邦法違反の重大事件を訴追します。
Public Defender
ニューサウスウェールズ州などにはPublic Defender制度もあります。Public Defenderは政府から給与を受けるBarristerですが、法廷では政府から独立し、Legal Aidを認められた被告人などを重大刑事事件で弁護します。
法扶助と司法へのアクセス
弁護士費用が負担できない人のために、各州・準州にはLegal Aid Commissionがあります。刑事、家族、一定の民事事件について、法律相談、Duty Lawyer、弁護士費用の助成などを提供します。
例えばLegal Aid NSWでは、刑事、家族、民事の各分野について援助制度があります。ただし、すべての人・すべての事件が無料で弁護士を利用できるわけではありません。
継続的な代理を受けるGrant of Legal Aidでは、事件の種類、収入・資産を確認するMeans Test、事件の見込みを確認するMerit Testなどの条件が適用される場合があります。
裁判所当日に相談できるDuty Lawyerサービスや、Community Legal Centre、Aboriginal and Torres Strait Islander Legal Servicesなども、司法へのアクセスを支える重要な仕組みです。
裁判所職員は法律相談をしてくれるわけではない
Court Registryの職員は、提出方法、書式、日程など手続き上の情報を案内できますが、どの主張をすべきか、勝てるかどうかといった法律相談は通常できません。具体的な事件では弁護士やLegal Aidなどへ相談する必要があります。
オーストラリアの司法制度に関するよくある質問(FAQ)
オーストラリア高等法院(High Court of Australia)です。
憲法問題と、連邦・州・準州裁判所からの最終上訴を扱います。
違います。Supreme Courtは各州・準州の最上級裁判所です。
全国の司法制度の最上位はHigh Court of Australiaです。
いいえ。
軽微な犯罪の多くはLocal CourtやMagistrates Courtで、陪審なしで審理されます。陪審は主に重大な刑事裁判で使われます。
通常は決めません。
陪審が有罪・無罪を判断し、有罪の場合の量刑は裁判官が決めます。
一般的な州法上の殺人・暴行などは通常、州・準州裁判所が扱います。
Federal Courtは主に連邦法上の民事事件と、一部の連邦刑事事件を扱います。
Solicitorは依頼者との窓口、法律相談、書類、交渉など幅広く担当します。
Barristerは法廷弁論や複雑な法律問題を専門とする独立した法廷弁護士です。
裁判所とは異なる行政審査機関です。
連邦政府機関の一定の決定についてMerits Reviewを行い、より適切な行政判断を再検討します。
できません。
High Courtへの上訴には通常Special Leave to Appealが必要で、法律上重要な問題などがあるか審査されます。
まとめ
オーストラリアの司法制度は、連邦制とコモン・ローという二つの特徴を理解すると全体像が見えやすくなります。
連邦にはHigh Court、Federal Court、Federal Circuit and Family Courtがあり、それとは別に各州・準州がLocal Court、Magistrates Court、District Court、County Court、Supreme Courtなど独自の裁判所体系を持っています。
一般の犯罪や民事紛争の多くは州・準州裁判所で扱われ、移民、破産、会社法、連邦行政、家族法などでは連邦裁判所が重要な役割を持ちます。
重大刑事事件では陪審が証拠を検討して有罪・無罪を判断し、裁判官が法律を説明し、有罪の場合は量刑を決めます。軽微な事件の多くは陪審を使わず、Magistrateや裁判官だけで処理されます。
さらに、裁判所とは別にAdministrative Review Tribunalや州の各種Tribunalがあり、行政判断や住宅・消費者問題などをより専門的・簡易な手続きで処理しています。
日本と比べると複雑に見えますが、「連邦と州の二重構造」「裁判所の階層」「Common Lawと制定法」「陪審と裁判官の役割」を押さえると、オーストラリアの司法制度を理解しやすくなります。
オーストラリアの司法制度に関する参考情報
- オーストラリア司法長官府:Courts
- オーストラリア高等法院:Role of the High Court
- オーストラリア高等法院:Operation of the High Court
- オーストラリア連邦裁判所:The Court’s Jurisdiction
- オーストラリア連邦巡回・家庭裁判所:About the Courts
- FCFCOA:Transfer of proceedings
- 行政審査審判所:Administrative Review Tribunal
- ニューサウスウェールズ州ローカル・コート:Criminal Jurisdiction
- ニューサウスウェールズ州ディストリクト・コート:Jurisdiction
- ニューサウスウェールズ州裁判所:Roles in court
- ニューサウスウェールズ州裁判所:Criminal hearings and trials
- ニューサウスウェールズ州ODPP:Our role
- ニューサウスウェールズ州法廷弁護士会:What is a barrister?
- ニューサウスウェールズ州法律協会:Solicitors’ duties to clients
- ビクトリア州:Victorian courts and tribunals
- クイーンズランド州裁判所:The Courts
- 西オーストラリア州最高裁判所:Court System in Western Australia
- 南オーストラリア州:Our courts
- タスマニア州最高裁判所:About the Court
- 首都特別地域裁判所:About the Courts
- 北部準州政府:Types of courts and their roles
- リーガル・エイドNSW:Apply for legal aid
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