カウラ完全ガイド|日本庭園・捕虜収容所跡・日本人戦没者墓地を訪ねる

ニューサウスウェールズ州内陸部にあるカウラ(Cowra)は、日本人にとってオーストラリアで最も特別な意味を持つ地方都市の一つです。
1944年8月5日、ここにあった第12捕虜収容所から日本人捕虜が集団脱走を試みた「カウラ事件」が起きました。多くの日本人捕虜とオーストラリア兵が亡くなり、現在も収容所跡、日本人戦没者墓地、当時の出来事を伝える資料が残されています。
しかし現在のカウラを歩くと、戦争の痕跡だけではなく、その後に築かれた日豪関係の方が強く印象に残ります。南半球最大級の日本庭園、収容所跡と墓地を結ぶ桜並木、世界平和の鐘、日本文化を紹介する文化センターなど、町全体に「戦争から和解へ」という流れが形として残されているからです。
カウラはまた、ラクリン・バレーの農業地帯にある落ち着いたカントリータウンでもあります。ワイン、地元農産物、広い田園風景、近郊のワイアンガラ・ダムなどを楽しめるため、戦争史だけを目的に訪れる必要はありません。
この記事では、日本からカウラを訪れる旅行者向けに、2026年8月時点のアクセス、カウラ事件の背景、捕虜収容所跡、日本人戦没者墓地、日本庭園、桜並木、世界平和の鐘、2026年の桜祭り、ワイン、所要時間、おすすめ観光ルートまでまとめて紹介します。
- カウラとは?
- カウラの基本情報
- 日本とカウラの関係
- 1944年8月5日のカウラ事件
- シドニー・キャンベラからカウラへの行き方
- 初めてならこの順番で回る
- 1.捕虜収容所ホログラム・シアター
- 2.カウラ捕虜収容所跡
- 3.カウラ日本人戦没者墓地
- 4.カウラ日本庭園&文化センター
- 5.日本文化センターの展示
- 6.サクラ・アベニュー
- 7.オーストラリア世界平和の鐘
- 8.ギャリソン・ウォークとピース・プレシンクト
- 豊嶋一とダーウィン空襲からカウラ事件へのつながり
- カウラ旅行のおすすめ時期
- 2026年サクラ・マツリ(桜祭り)
- カウラのワインと地元産品
- ワイアンガラ・ダムなど周辺観光
- 観光に必要な所要時間
- 車椅子・歩行に不安がある場合
- 日本人旅行者が知っておきたい実用ポイント
- カウラに関するFAQ
カウラとは?
カウラは、ニューサウスウェールズ州中西部のラクリン川(Lachlan River)沿いにある地方都市です。先住民ウィラジュリの土地に位置し、周辺には農地、ブドウ畑、丘陵地が広がっています。
日本との関係で知られる町
日本ではカウラ事件によって知られていますが、現在の町は日本庭園、桜並木、平和の鐘などを通じ、日豪の平和と友好を象徴する場所として発展しています。
典型的なニューサウスウェールズ州のカントリータウン
中心街は大きすぎず、車があれば主要観光地を回りやすい規模です。モーテル、カフェ、スーパーマーケット、パブなど旅行に必要な施設もそろっています。
ワイン産地でもある
カウラ周辺はラクリン・バレーのワイン産地としても知られ、ブティックワイナリーや地元産品があります。歴史観光と食・ワインを一緒に楽しめるのがカウラ旅行の魅力です。
カウラの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 州 | ニューサウスウェールズ州 |
| 地域 | セントラル・ウェスト/ラクリン・バレー |
| シドニーから | 車で約4時間強 |
| キャンベラから | 車で約2時間強 |
| 主な見どころ | 日本庭園、捕虜収容所跡、日本人戦没者墓地、平和の鐘、桜並木 |
| おすすめ滞在 | 1泊2日 |
| 市内移動 | レンタカーが便利 |
| 観光案内所 | カウラ・ビジター・インフォメーション・センター |
シドニーから日帰りも不可能ではありませんが、往復だけで8時間以上かかります。日本との歴史を丁寧に見るなら、カウラまたは周辺に1泊する方が落ち着いて観光できます。
日本とカウラの関係
現在のカウラと日本の深い関係は、第二次世界大戦中に設けられた第12捕虜収容所(No.12 Prisoner of War Compound)から始まります。
日本人だけの収容所ではなかった
カウラの収容所には日本人捕虜のほか、イタリア人捕虜、インドネシア人抑留者なども収容されていました。
日本人捕虜はキャンプBに収容
1944年8月当時、日本人捕虜1,104人がキャンプBに収容されていました。捕虜の中には海軍・陸軍の兵士、航空兵、商船員などさまざまな背景を持つ人がいました。
戦後、関係は大きく変わった
事件後も地元の退役軍人会などが日本人墓地を手入れし続け、1960年代以降は日本との交流が本格化しました。現在では日本庭園、桜並木、文化交流事業などが町の大きな特徴になっています。
1944年8月5日のカウラ事件
1944年8月5日未明、日本人捕虜が収容所から集団脱走を試みました。英語ではカウラ・ブレイクアウト(Cowra Breakout)と呼ばれています。
午前2時前に始まった集団脱走
捕虜たちはナイフ、野球バット、園芸道具などを手に鉄条網へ向かい、複数方向から収容所外へ出ようとしました。監視兵は発砲し、収容棟の一部には火が放たれました。
約545人が脱走を試みた
オーストラリア戦争記念館の現在の資料では、約545人が脱走を試み、334人がその後再び拘束されています。
多数の死傷者
オーストラリア戦争記念館では、日本人234人が死亡または自決、108人が負傷し、オーストラリア側でも4人が死亡したと整理されています。
資料によって死者数が異なる
現地観光資料や国立公文書館などでは、日本人死者を231人とする記録もあります。史料や集計方法によって数字に違いがあるため、この記事ではオーストラリア戦争記念館の現在の整理を基本にしています。
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シドニー・キャンベラからカウラへの行き方
カウラには現在、旅行者が使いやすい定期旅客鉄道駅や空港がないため、レンタカーでのアクセスが最も便利です。
シドニーから
ブルー・マウンテンズ、リスゴー、バサースト方面を経由し、車で約4時間強が目安です。途中でバサーストなどに立ち寄るロードトリップにも向いています。
キャンベラから
ヤス、ラクリン・バレー方面を通り、車で約2時間強です。シドニーより近いため、キャンベラ旅行と組み合わせる方法もあります。
公共交通機関
NSW TrainLinkの地域間鉄道・長距離コーチを組み合わせて移動できる場合がありますが、運行本数が限られ、事前予約が必要です。公共交通だけで現地の主要スポットを回るのは効率的とは言えません。
オレンジ空港から
オレンジ・リージョナル空港からカウラまでは車で約75分。オレンジ周辺のワイナリー観光と組み合わせる方法もあります。
初めてならこの順番で回る
日本との歴史を追いながら見るなら、訪問順を少し工夫するとカウラの印象が大きく変わります。
おすすめ1日ルート
ビジター・インフォメーション・センターのホログラム → 捕虜収容所跡 → 日本人戦没者墓地 → サクラ・アベニュー → カウラ日本庭園&文化センター → 世界平和の鐘、という順番がおすすめです。
「事件」から「和解」へ進む
最初に1944年の出来事を知り、収容所跡と墓地を訪れ、その後に桜並木、日本庭園、平和の鐘を見ると、戦争から現在の日豪友好へ至る流れを自然に理解できます。
車があれば1日で十分
主要スポットはカウラ市街と北東側にまとまっています。各施設を急がず見るなら丸1日、ワインや周辺観光も加えるなら1泊2日がおすすめです。
1.捕虜収容所ホログラム・シアター
初めてカウラを訪れるなら、最初にカウラ・ビジター・インフォメーション・センター(Cowra Visitor Information Centre)へ立ち寄ると分かりやすいでしょう。
9分間の無料ホログラム
捕虜収容所にあった小屋を模したシアターで、1944年のカウラ事件を地元の少女クレアの視点から約9分で紹介します。
無料で見学できる
ホログラムは無料です。個人旅行者でも利用できますが、混雑時やグループ利用に備えて事前に時間を知らせておくことが推奨されています。
営業時間
2026年8月時点で、ビジターセンターは平日8:30~17:00、土・日曜8:30~15:30。グッド・フライデーとクリスマスは休館です。
ここで地図を入手
収容所跡、墓地、日本庭園、ギャリソン・ウォークなどの地図や最新情報を確認してから出発すると効率的です。
2.カウラ捕虜収容所跡
カウラ捕虜収容所跡(Cowra POW Campsite)は、1944年の事件が実際に起きた場所です。
建物はほとんど残っていない
戦時中の収容棟は失われていますが、基礎、地形、道路配置などから当時の収容所規模を確認できます。
復元された監視塔
敷地には監視塔が再現され、音声解説を聞きながら当時の配置や事件の経過を理解できます。
5枚のスチール彫刻
カウラ事件75周年に制作された5枚のパネル状彫刻には、オーストラリア人衛兵、日本人捕虜、イタリア人捕虜、インドネシア人母子などが描かれています。
何もない場所だからこそ時間を取る
博物館のように展示ケースが並ぶ場所ではありません。現在の静かな農村風景と、ここで起きた出来事の落差を感じながら歩く場所です。
3.カウラ日本人戦没者墓地
カウラ日本人戦没者墓地(Japanese War Cemetery)は、カウラを訪れる日本人旅行者にとって特に重要な場所です。
1964年に正式設置
戦後しばらくの間、地元のカウラRSLの人々が日本人墓地を自主的に手入れしていました。1964年に現在の日本人戦没者墓地として整備されました。
523基の墓
墓地には523基の墓があり、カウラ事件で亡くなった日本人捕虜だけでなく、第二次世界大戦中にオーストラリア国内で亡くなった日本人が葬られています。
オーストラリアに残る唯一の日本人戦争墓地
現地観光局では、オーストラリア国内に残されている唯一の日本人戦争墓地として紹介されています。
24時間アクセス・無料
墓地はいつでも訪問でき、入場料はありません。隣にはオーストラリア戦争墓地もあります。
4.カウラ日本庭園&文化センター
戦争史とは対照的な現在のカウラを象徴するのが、カウラ日本庭園&文化センター(Cowra Japanese Garden & Cultural Centre)です。
1979年開園
戦後の日豪友好と平和を象徴する施設として造られ、1979年に開園しました。
設計は中島健
世界各地で日本庭園を手掛けた造園家・中島健が設計しました。山、滝、川、池などを使って日本列島の風景を抽象的に表現する回遊式庭園です。
約5ヘクタール
公式には南半球最大の日本庭園と案内されており、約5ヘクタールの敷地に二つの池、滝、茶室、江戸風の建物、盆栽などがあります。
2026年の入園料
大人22豪ドル、コンセッション17豪ドル、5~12歳12豪ドル、5歳未満無料、家族52豪ドル。営業時間は毎日8:30~17:00で、クリスマスは休園です。
5.日本文化センターの展示
日本庭園へ行ったら、庭だけでなく文化センター(Cultural Centre)も見学してください。
日本美術・工芸品を展示
陶磁器、掛け軸、日本人形、墨絵など数多くの日本美術・工芸品が展示されています。
日本各地から寄贈された品
日本の企業、文化団体、個人から寄贈された資料も多く、九つの電力会社から各地域を代表する文化財が寄贈されています。
枯山水もある
文化センター内には屋内の枯山水庭園があり、定期的に砂紋のデザインが変えられています。
カフェも併設
庭園を眺めながら食事やコーヒーを楽しめるカフェがあり、歴史スポットを回った後の休憩場所としても便利です。
6.サクラ・アベニュー
サクラ・アベニュー(Sakura Avenue)は、日本庭園、捕虜収容所跡、戦争墓地を結ぶ桜並木です。
1988本の桜
オーストラリア建国200周年にあたる1988年、平和と日豪和解の象徴として1,988本の桜が植えられました。
日本人とオーストラリア人がスポンサー
桜の木は日本企業や個人、オーストラリアの学校の子どもたちなどによって支援されました。
歴史スポットを一本の線で結ぶ
単なる花見道路ではなく、日本人戦没者墓地、捕虜収容所跡、日本庭園という「戦争・記憶・和解」の場所をつないでいる点がカウラらしいところです。
7.オーストラリア世界平和の鐘
カウラ中心部のシビック・スクエアには、オーストラリア世界平和の鐘(Australia’s World Peace Bell)があります。
国連加盟106か国の硬貨を溶かして制作
世界各国から寄付された硬貨を溶かして造られた鐘で、カウラが続けてきた平和活動を象徴しています。
1992年に認定
世界平和の鐘協会から1992年にオーストラリアの平和の鐘として認定されました。
旅行者も鳴らせる
周囲の解説を読み、音声案内を聞いたうえで、訪問者自身が鐘を鳴らすことができます。
終日アクセス・無料
屋外にあり、基本的にいつでも見学でき、料金はかかりません。
8.ギャリソン・ウォークとピース・プレシンクト
車でスポットだけを移動するのではなく、時間があればギャリソン・ウォーク(Garrison Walk)を歩いてみてください。
捕虜収容所と日本庭園周辺を結ぶ
カウラ・ピース・プレシンクト内を歩きながら、収容所跡、日本庭園、桜並木などをつないで見学できます。
解説板で歴史を確認
途中には歴史解説が設置され、建物が残っていない場所でも当時の様子を想像しやすくなっています。
カウラ・ボイシズ・アプリ
無料の「Cowra Voices」アプリを利用すると、歴史家や地元住民による各スポットの物語を聞きながら歩けます。
豊嶋一とダーウィン空襲からカウラ事件へのつながり
オーストラリアの戦争史を巡っている人なら、豊嶋一(Hajime Toyoshima)の名前を覚えておくと、ダーウィンとカウラの歴史が一本につながります。
ダーウィン空襲に参加
豊嶋一は1942年2月19日のダーウィン空襲に参加した日本海軍の零戦搭乗員でした。機体がメルビル島に不時着し、オーストラリア側の捕虜となりました。
オーストラリア最初の日本人捕虜
オーストラリア戦争記念館では、豊嶋をオーストラリア最初の日本人捕虜として紹介しています。
カウラ事件でラッパを吹いた人物
1944年8月5日、脱走開始を知らせるラッパを吹いたのが豊嶋とされています。そのラッパは現在、キャンベラのオーストラリア戦争記念館の国立コレクションに残されています。
ダーウィン航空博物館にもつながる
豊嶋が搭乗していた零戦BII-124の残骸はダーウィン航空博物館に展示されています。ダーウィン、カウラ、キャンベラの3都市を巡ると、一人の人物を通してオーストラリアと日本の戦争史をたどれます。
カウラ旅行のおすすめ時期
カウラは一年中訪問できますが、日本庭園や桜を目的にするなら季節で印象が大きく変わります。
春(9~11月)
最も人気が高い季節です。桜や春の花が咲き、日本庭園も華やかになります。特に9月下旬は桜祭りの時期です。
秋(3~5月)
日本庭園の紅葉を楽しめます。5月にはコウヨウ・マツリ(Kōyō Matsuri)と呼ばれる秋のイベントも行われています。
冬(6~8月)
朝晩はかなり冷えますが、観光客が比較的少なく、収容所跡や墓地を静かに見学できます。
夏(12~2月)
内陸部なので日中は暑くなります。屋外の収容所跡や墓地を歩くなら午前中に回るのがおすすめです。
2026年サクラ・マツリ(桜祭り)
春に訪れるなら、日本庭園最大のイベントサクラ・マツリ(Sakura Matsuri)があります。
2026年は9月26日
2026年のサクラ・マツリは9月26日(土)に開催予定です。
日本文化を一日楽しむイベント
日本音楽、舞踊、武道、工芸、食文化などが紹介され、桜の開花時期と重なるカウラを代表する春のイベントです。
宿泊は早めに
通常の週末より来訪者が増えるため、桜祭りを目的にする場合はカウラ市内または周辺の宿泊施設を早めに確保しておく方が安心です。
カウラのワインと地元産品
歴史スポットを回った後は、カウラのもう一つの顔であるワインや地元産品も楽しんでみてください。
オーガニック系ワインでも知られる
カウラ・ワイン・リージョンには小規模な生産者があり、オーガニック栽培に力を入れるワイナリーもあります。
ビジターセンターで無料試飲
2026年8月時点ではビジター・インフォメーション・センターで地元ワインの無料テイスティングを毎日10:00~16:45に行っています。複数のワイナリーを運転して回らずに比較できるのが便利です。
地元農産品のお土産
ビジターセンターではオリーブオイル、ビネガー、ジャム、蜂蜜、ナッツ、イチジクなど地域の商品も販売しています。
ワイアンガラ・ダムなど周辺観光
1泊以上するなら、カウラ周辺のカントリーNSWも楽しめます。
ワイアンガラ・ダム
ワイアンガラ・ダム(Wyangala Dam)はカウラ近郊の大型ダム湖で、釣り、ボート、カヌー、散策などを楽しめます。
カノーウィンドラ
カウラから北へ車で約30分のカノーウィンドラは、歴史的な町並みと魚類化石で知られる小さな町です。カウラと合わせた周遊に向いています。
バサースト・オレンジ方面
シドニーから車で来る場合は、バサーストやオレンジを経由するロードトリップにすると、内陸ニューサウスウェールズ州の旅として組み立てやすくなります。
観光に必要な所要時間
カウラは小さな町ですが、歴史スポットを一つずつ見ると意外に時間が必要です。
半日
ホログラム、捕虜収容所跡、日本人戦没者墓地、日本庭園だけなら半日で回れます。
1日
初めてなら丸1日がおすすめです。平和の鐘、桜並木、文化センター、カフェ休憩まで含めて無理なく見学できます。
1泊2日
ワイン、周辺観光、ワイアンガラ・ダムなども楽しみたい場合や、シドニーからの長距離運転を考えると1泊2日が最も余裕があります。
車椅子・歩行に不安がある場合
カウラの主要観光地は屋外が多いものの、比較的訪れやすく整備されています。
日本庭園
園内には勾配や橋があり、すべての細い園路が同じように歩きやすいわけではありません。入口でアクセシブルなルートを確認すると安心です。
捕虜収容所跡
屋外遺跡で、一部は砂利や芝生があります。主要展望エリアは比較的アクセスしやすいですが、天候後は足元に注意してください。
ギャリソン・ウォーク
主要区間は舗装され、車椅子やベビーカーでも利用しやすく整備されています。ただし木陰が少ない区間があるため、暑い日は短い区間だけ利用する方法もあります。
戦争墓地
墓地は平坦で整備されています。慰霊の場所なので、移動時も墓標や芝生を傷めないよう指定された動線を利用してください。
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日本人旅行者が知っておきたい実用ポイント
カウラは、日本人にとって歴史的な意味が大きい一方、現在は非常に穏やかな地方都市です。重い歴史だけを意識しすぎず、現在の日豪交流まで見て帰ることをおすすめします。
最初にホログラムを見る
予備知識なしで収容所跡へ行くと「何も残っていない」と感じやすいため、まず9分間のホログラムで事件の概要を知ってから現地へ向かうのがおすすめです。
墓地では静かに
日本人戦没者墓地とオーストラリア戦争墓地はいずれも慰霊の場です。大声で話したり、墓標に触れたり座ったりせず、落ち着いて見学してください。
事件の数字だけにとらわれない
死者数などは公的資料でも違いがあります。現地では人数だけでなく、捕虜、衛兵、地域住民、それぞれの人生と、その後の和解までを見る方がカウラの歴史を理解しやすくなります。
公共交通よりレンタカー
カウラまでの移動だけでなく、収容所跡、墓地、日本庭園などが町の中で離れているため、旅行者には車が最も便利です。
9月下旬は桜とイベント
春に訪れるなら桜の時期がおすすめです。2026年は9月26日にサクラ・マツリが予定されています。
カウラを初めて訪れるなら:ビジターセンターで9分間の捕虜収容所ホログラムを見た後、捕虜収容所跡、日本人戦没者墓地、サクラ・アベニュー、日本庭園を順に回り、最後に市中心部の世界平和の鐘を訪れるのがおすすめです。「1944年の事件」から「現在の日豪友好」へ時間を追って移動することで、カウラという町が持つ意味を最も分かりやすく感じられます。
カウラに関するよくある質問(FAQ)
ニューサウスウェールズ州中西部のラクリン・バレーにあります。シドニーから車で約4時間強、キャンベラから約2時間強が目安です。
1944年8月5日未明、カウラの第12捕虜収容所に収容されていた日本人捕虜が集団脱走を試みた事件です。多数の日本人捕虜とオーストラリア兵が亡くなりました。
建物の大部分は残っていませんが、基礎や地形などの遺構があり、復元監視塔、音声解説、記念彫刻などが設置されています。
はい。いつでもアクセスでき、入場料はありません。墓地には523基の墓があります。
2026年8月時点で大人22豪ドルです。営業時間は8:30~17:00で、クリスマスを除き毎日開園しています。
はい。日本の造園家・中島健が設計した回遊式庭園で、1979年に開園しました。
例年9月の春が見頃の中心です。2026年のサクラ・マツリは9月26日に開催予定です。
はい。シビック・スクエアにあるオーストラリア世界平和の鐘は旅行者も鳴らすことができ、無料で見学できます。
車なら可能ですが、片道約4時間強かかるためかなり長い一日になります。主要スポットを落ち着いて見るなら1泊がおすすめです。
日本との交流が深い町なので、日本語資料が用意されている場所があります。ビジターセンターで最新の日本語資料について尋ねるのがおすすめです。
はい。日本庭園、ワイン、地元農産品、ワイアンガラ・ダム、周辺のカントリータウンなどがあり、一般的な地方旅行としても楽しめます。
カウラに関する参考情報
- Visit Cowra:カウラ観光公式サイト
- Visit Cowra:カウラ捕虜収容所跡
- Visit Cowra:日本人・オーストラリア戦争墓地
- Cowra Japanese Garden & Cultural Centre:カウラ日本庭園
- Visit Cowra:捕虜収容所ホログラム
- Visit Cowra:サクラ・アベニュー
- Visit Cowra:オーストラリア世界平和の鐘
- Visit Cowra:カウラ事件セルフガイド・ツアー
- Australian War Memorial:カウラ事件
- National Archives of Australia:カウラ事件資料
まとめ:カウラでは「戦争」と「その後」の両方を見る
カウラは、日本人にとってオーストラリアの地方都市の中でも特別な場所です。1944年8月5日のカウラ事件は多くの犠牲者を出し、その跡地と日本人戦没者墓地は現在も残されています。
一方、カウラの本当の特徴は、その悲劇の後に町と日本が関係を築き続けたことにあります。地元の人々による日本人墓地の手入れから始まり、日本庭園、サクラ・アベニュー、世界平和の鐘など、現在では平和と日豪友好を象徴する町になっています。
初めて訪れるなら、ホログラムで事件の概要を知り、収容所跡、日本人戦没者墓地を見た後、日本庭園、桜並木、平和の鐘へ進んでみてください。「戦争の場所」から「和解の町」へ変わったカウラの歴史が最も分かりやすく見えてきます。
また、ワインや地元産品、周辺のダム湖やカントリータウンもあり、歴史だけを目的にしなくても十分に旅行を楽しめます。シドニーからは少し距離がありますが、キャンベラ、バサースト、オレンジなどと組み合わせた内陸ロードトリップにも向いています。
日本からオーストラリアへ旅行する機会があり、都市部とは違う土地を訪ねたい人にとって、カウラは歴史と現在の日豪関係を同時に考えられる、他にはない旅先です。
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