オーストラリアの外食産業とは?レストラン・カフェ・ファストフード・人材・市場規模まで徹底解説

オーストラリアの外食産業は、レストラン、カフェ、ファストフード、テイクアウェイ、パブ、バー、クラブ、ケータリング、フードトラック、デリバリーなどを含む巨大なサービス産業です。消費者の日常生活に密着するだけでなく、農畜産業、水産業、食品製造、卸売、物流、観光、商業不動産、決済・ITまで幅広い産業とつながっています。

レストラン&ケータリング・オーストラリア(Restaurant & Catering Australia/R&CA)は、国内に5万7,000を超えるレストラン、カフェ、ケータリング事業者があり、年間の小売売上高は404億豪ドル超としています。別の統計範囲になりますが、オーストラリア統計局(Australian Bureau of Statistics/ABS)の「カフェ、レストラン、テイクアウェイ・フード・サービス」では、2025年6月の月間売上高が季節調整済みで55億8,160万豪ドルに達しました。

雇用面でも外食は非常に大きな産業です。ジョブズ・アンド・スキルズ・オーストラリア(Jobs and Skills Australia/JSA)の2026年2月推計では、カフェ・レストラン・テイクアウェイだけで69万6,600人、パブ・タバーン・バーで10万6,400人、ホスピタリティ・クラブで5万5,000人が働いていました。若年層、学生、パートタイム、カジュアル雇用の受け皿としても重要です。

一方、売上規模が大きくても利益率を確保しにくいことが、外食産業の最大の特徴です。ABSによると2023~24年度の宿泊・飲食サービス全体では総費用が11.1%増え、税引前営業利益は6.2%減少。特に飲食サービス部門の税引前営業利益は18.4%、19億豪ドル減りました。人件費、食材、賃料、電力、保険などの上昇が、店舗の収益を圧迫しています。

この記事では、オーストラリア外食産業の歴史、主要都市、レストラン・カフェ・ファストフード・パブ・ケータリングの構造、売上・雇用統計、食材調達と物流、フランチャイズ、デリバリー、POS・予約システムなどのデジタル化、日本との比較、食品安全・労務・税・酒類・フランチャイズ規制、さらに人手不足、物価、倒産、家賃、電力、消費者節約といった課題まで、2026年8月時点で確認できる最新情報をもとに産業レポートとして解説します。




オーストラリアの外食産業とは?

外食産業というと、レストランとカフェが中心でしょうか?
それだけではありません。テイクアウェイ、ファストフード、パブ、クラブ、ケータリング、フードトラック、デリバリーまで含めると非常に裾野の広い産業です。

統計上、外食の中心はANZSICの「Food and Beverage Services」に分類されます。代表的な業種はカフェ・レストラン・テイクアウェイ、パブ・タバーン・バー、クラブです。これにイベントや法人向けのケータリング、ホテル内飲食、スタジアム・病院・学校などの受託給食を含めると、実際のフードサービス市場はさらに広くなります。

R&CAは5万7,000を超えるレストラン、カフェ、ケータリング事業者を代表し、年間小売売上高を404億豪ドル超としています。外食業は大手チェーンも存在しますが、個人・家族経営や単独店舗が多く、典型的なスモールビジネス産業でもあります。

外食産業の需要は人口だけでなく、出社率、観光、イベント、移民、住宅地の開発、ショッピングセンター、酒類消費、生活費、金利などの影響を受けます。例えばシドニーCBDではオフィスワーカーと観光客、ゴールドコーストでは観光客、郊外では家族客とテイクアウェイ需要というように、立地ごとに顧客構成が大きく変わります。

分野 主な顧客 産業上の特徴
レストラン 個人、家族、ビジネス、観光客 客単価とサービス人員が収益を左右。
カフェ 通勤客、地域住民、観光客 朝・昼需要、コーヒー、回転率が重要。
ファストフード・テイクアウェイ 幅広い消費者 標準化、立地、デリバリー、規模の経済。
パブ・バー 飲酒・食事・社交需要 酒類免許、週末・夜間需要、ゲーム施設との複合も。
ケータリング 企業、結婚式、イベント、施設 予約型で大口案件が多く、厨房・物流力が重要。
デリバリー 家庭・職場 アプリ、配達手数料、メニュー設計が収益を左右。

オーストラリアの外食市場は、英語圏のチェーン文化と、移民による多国籍料理、独立系カフェ文化が混ざっている点が特徴です。イタリア、ギリシャ、中国、ベトナム、タイ、インド、日本、中東などの料理が一般市場へ定着し、「エスニック料理」が特別なカテゴリーではなく日常食になっています。



オーストラリア外食産業の歴史

オーストラリアの外食文化は、もともとイギリス料理中心だったのでしょうか?
入植初期は英国系の食文化が中心でしたが、移民と都市化によって大きく変化しました。現在の外食文化は多文化社会そのものを反映しています。

植民地時代のパブ・宿屋から始まる

ヨーロッパ人入植後の外食サービスは、宿屋、タバーン、ホテル、パブなどを中心に発達しました。人口が少なく都市間距離が長かったため、食事・飲酒・宿泊を一つの施設で提供する形が一般的でした。

19世紀に都市人口が増えると、食堂、ホテル・ダイニングルーム、ティールームなどが広がります。酒類を提供するパブは、食事だけでなく地域コミュニティの社交場所として重要な役割を持ちました。

コーヒーとカフェ文化の形成

20世紀前半には都市部でカフェ、ミルクバー、ティールームが増えました。第二次世界大戦後に南ヨーロッパからの移民が増えると、エスプレッソを中心とするコーヒー文化が広がり、特にメルボルンのカフェ文化へ大きな影響を与えます。

現在のオーストラリアでは、フラットホワイト、ラテ、ロングブラックなどのエスプレッソ系コーヒーが日常生活へ定着し、カフェは単なる飲料販売ではなく朝食・ブランチ市場の中心になっています。

移民が変えたレストラン市場

戦後のイタリア、ギリシャなど欧州系移民、その後の中国、ベトナム、タイ、インド、中東、韓国、日本などアジア・中東系移民の増加によって、レストラン市場の料理ジャンルは大きく広がりました。

1990年代以降は「モダン・オーストラリアン」と呼ばれる料理も定着します。豪州産の肉、魚介、野菜、ワインを使いながら、アジアや地中海料理の調理法・香辛料を取り入れるスタイルで、多文化社会を反映した外食文化です。

チェーン化・デリバリー・デジタル化

ファストフードの大手チェーンやフランチャイズは郊外型ショッピングセンター、自動車利用、住宅地拡大とともに成長しました。コーヒーチェーン、ピザ、バーガー、サンドイッチなどではフランチャイズ方式が広く使われています。

2010年代後半にはスマートフォン型デリバリーが急拡大し、外食の商圏が「来店できる距離」から「配達できる距離」へ変わりました。新型コロナ流行期には店内営業が制限され、オンライン注文、テイクアウェイ、デリバリー、QRメニュー、非接触決済が一気に普及します。

時期 主な変化
19世紀 宿屋、ホテル、パブを中心に飲食サービスが発達。
20世紀前半 都市部でカフェ、ティールーム、ミルクバーが拡大。
戦後 欧州系移民によりコーヒー、パスタなどが一般化。
1970~90年代 アジア系移民の増加で料理ジャンルが急速に多様化。
1990~2000年代 フランチャイズ、郊外型外食、モダン豪州料理が拡大。
2010年代 予約・レビューサイト、デリバリーアプリが普及。
2020年代 QR注文、キャッシュレス、データ活用、省人化が定着。

現在の豪州外食文化は「移民の歴史」そのもの

オーストラリアでは、英国系のパブ文化、南欧系のカフェ文化、アジア・中東料理が同じ都市市場で共存しています。外食産業は移民の増加とともに料理の選択肢を増やしてきた産業でもあります。




主要外食都市と地域別の特徴

外食店舗は全国にありますが、大都市では人口、オフィス、観光、イベント、ナイトタイム・エコノミーが重なり、店舗密度と業態の多様性が高くなります。一方、地方・観光地では季節性と物流コストが経営へ大きく影響します。

シドニー

シドニー(Sydney)は人口、企業本社、海外旅行者、国内観光客が集まる国内最大級の外食市場です。CBD、サーキュラーキー、ダーリングハーバー、サリーヒルズ、ニュータウン、チャッツウッド、パラマタなど、それぞれ異なる顧客層を持つ飲食地区が形成されています。

高級レストランからフードコート、アジア料理、カフェ、パブまで業態が幅広く、賃料と人件費も高い市場です。CBDでは平日ランチ・接待、湾岸部では観光、郊外では地域住民とデリバリーというように、同じ都市でも商圏の性格が大きく異なります。

メルボルン

メルボルン(Melbourne)はカフェ、コーヒー、ワインバー、レーンウェイ、小規模レストランで知られ、独立系店舗の存在感が大きい市場です。CBDだけでなくカールトン、フィッツロイ、リッチモンド、サウスヤラなど内郊外にも飲食店が広く分散しています。

スポーツ大会、国際イベント、大学、文化施設が外食需要を作り、イタリア、ギリシャ、中国、ベトナムなど移民コミュニティ由来の料理が都市の食文化へ深く定着しています。

ブリスベン・ゴールドコースト

ブリスベン(Brisbane)は人口増加と都市再開発を背景に、レストラン、バー、カフェ市場が拡大しています。屋外席を使いやすい気候もあり、カジュアルダイニングや川沿いの飲食施設との相性が良い都市です。

ゴールドコースト(Gold Coast)は観光需要の比重が高く、ホテル、テーマパーク、ショッピングセンター、ビーチ地区を中心に外食需要が形成されます。学校休暇、イベント、国内旅行の変動が店舗売上へ直接影響しやすい市場です。

パース・アデレード・地方都市

パース(Perth)は資源産業による高所得層と州内観光が外食市場を支え、フリーマントル、スワンバレーなどでは観光・ワイン産業との連携も見られます。東海岸から距離があるため、一部食材・設備の物流費が高くなりやすい点も特徴です。

アデレード(Adelaide)は南オーストラリア州のワイン、肉、魚介、農産物を生かした飲食店が多く、バロッサバレー、マクラーレンベールなど周辺産地との距離が近いことが強みです。

ケアンズ(Cairns)、ホバート(Hobart)、ダーウィン(Darwin)などでは観光需要の割合が高く、繁忙期と閑散期の差、人材住宅、輸送コストが経営へ大きく影響します。

地域 主な需要 産業上の特徴
シドニー オフィス、観光、高所得層、多文化人口 最大級の市場だが賃料・人件費も高い。
メルボルン カフェ、イベント、大学、文化・スポーツ 独立店とコーヒー文化の存在感が大きい。
ブリスベン 人口増、都市再開発、ビジネス 成長市場。屋外・カジュアル業態と相性。
ゴールドコースト 観光、家族旅行、イベント 季節・休暇期による需要変動が大きい。
パース・アデレード 地域住民、資源産業、ワイン・食観光 地元産品との連携、物流条件が特徴。
地方観光都市 観光客、地域住民 季節性、人材・住宅・物流が課題。



主要な外食分野と産業構造

外食産業で一番雇用が多いのは、レストラン・カフェですか?
はい。JSAの2026年2月推計では、カフェ・レストラン・テイクアウェイだけで約69万7,000人が働き、宿泊・飲食サービスの中で最大の分野です。

レストラン・カフェ

フルサービス・レストランは、料理だけでなく接客、内装、立地、ワイン、予約管理を組み合わせて客単価を高める業態です。高級店ではシェフやソムリエなど専門人材の比重が大きく、カジュアル店では回転率と人員配置が利益を左右します。

カフェはオーストラリア外食市場の代表的業態で、コーヒーだけでなく朝食、ブランチ、軽食を提供する店舗が多くあります。朝6~7時台から営業し、午後早く閉店する店舗も多いため、一般的なレストランと営業時間・人員構成が異なります。

テイクアウェイ・ファストフード

バーガー、ピザ、チキン、サンドイッチ、寿司、アジア料理などのテイクアウェイは、店内席を小さくして家賃と接客人員を抑えやすい一方、価格競争が強い市場です。

大手ファストフードでは、食材調達、セントラルキッチン、店舗設備、メニュー、マーケティングを標準化し、規模の経済を利用します。フランチャイズ方式も多く、本部と加盟店の収益配分、ロイヤルティ、広告費、改装費が事業採算へ影響します。

パブ・バー・クラブ

パブは酒類販売だけでなく、ステーキ、バーガー、パルミジャーナなど食事を提供する「ホテル・パブ」型が一般的です。スポーツ中継、ライブ音楽、ゲーム設備、宿泊を組み合わせる施設もあります。

JSAの2026年2月推計では、パブ・タバーン・バーで10万6,400人、クラブで5万5,000人が働いていました。夜間・週末の営業比率が高いため、ペナルティレートと酒類規制の影響を強く受けます。

ケータリング・フランチャイズ・デリバリー

ケータリングは、結婚式、企業イベント、会議、スポーツ施設、病院、高齢者施設、学校などに食事を提供します。一般レストランより予約・契約型売上が多く、調理施設、衛生管理、輸送、時間管理が競争力になります。

フランチャイズはブランド、メニュー、調達、システムを標準化できる一方、加盟店はロイヤルティ、広告拠出、指定仕入れ、店舗改装などの負担を負います。2025年4月から新しいフランチャイジング・コードが施行され、11月から投資回収機会や早期終了補償などの新ルールも全面適用されています。

デリバリーは店舗の商圏を広げますが、注文プラットフォームへの手数料、配達時間、料理品質、顧客データの所有が課題です。店舗自身のオンライン注文へ誘導し、リピーターの手数料負担を抑える動きも広がっています。

業態 主な収益ドライバー 主なコスト・リスク
フルサービス 客単価、席稼働、飲料、リピーター 人件費、家賃、サービス人員。
カフェ コーヒー、朝食、回転率 朝の人員集中、原材料、賃料。
ファストフード 客数、標準化、デリバリー 価格競争、フランチャイズ費、労務。
パブ・バー 酒類、食事、夜間・週末需要 酒類規制、警備、ペナルティレート。
ケータリング 契約・イベント単価、大口受注 人員、輸送、食品安全、需要変動。




売上・雇用・賃金の統計

外食産業は統計の定義によって数字が大きく変わります。「カフェ・レストラン・ケータリング」「カフェ・レストラン・テイクアウェイ」「宿泊・飲食サービス」では対象範囲が異なるため、同じ市場規模として単純比較しないことが重要です。

5万7,000超のフードサービス事業者

R&CAは、全国5万7,000超のカフェ、レストラン、ケータリング事業者を業界対象としており、年間小売売上高は404億豪ドル超としています。独立店、家族経営、小規模・中規模事業者が中心で、全国チェーンだけで構成される市場ではありません。

カフェ・レストラン・テイクアウェイで約69万7,000人

JSA 2026年2月推計 雇用者数 特徴
カフェ・レストラン・テイクアウェイ 696,600人 最大のフードサービス分野。
パブ・タバーン・バー 106,400人 夜間・週末勤務が多い。
クラブ(ホスピタリティ) 55,000人 飲食・会員施設・イベント等。
宿泊施設 100,800人 ホテル内飲食も外食需要に含まれる。

宿泊・飲食サービス全体では、従業者の61%がパートタイム、中央値年齢は26歳です。全産業と比べて若年層と短時間就業の比率が高く、学生、ワーキングホリデー、移民など多様な人材に支えられています。

ABS労働勘定では約126万人が就業

別の統計であるABS労働勘定では、2026年3月の宿泊・飲食サービスの就業者は126万800人、メインジョブ118万5,000件、セカンダリージョブ11万2,000件でした。

同じ人が副業として外食店で働くケースも多いため、就業者数とジョブ数が一致しません。夜間・週末のシフトが多い外食産業では、副業雇用を吸収する役割も大きくなっています。

月間売上55.8億豪ドル

ABSのカフェ・レストラン・テイクアウェイ・フード・サービス統計では、2025年6月の月間売上高は季節調整済みで55億8,160万豪ドルでした。2020年の感染症流行期に大きく落ち込んだ後、売上は回復し、価格上昇もあって名目金額は高い水準にあります。

利益は売上ほど伸びていない

2023~24年度の宿泊・飲食サービス全体の産業付加価値は634億3,600万豪ドルで前年比5.0%増えました。一方、総費用は11.1%増え、EBITDAは3.0%減、税引前営業利益は6.2%減少しました。

特にFood and beverage servicesでは税引前営業利益が18.4%、19億豪ドル減少しており、「売上増=利益増」になっていないことが分かります。

2026年7月から賃金も上昇

2026年7月1日から全国最低賃金は時給26.44豪ドルへ上昇しました。多くの外食従業員は最低賃金ではなく、レストラン・インダストリー・アワード、ホスピタリティ・インダストリー・アワード、ファストフード・インダストリー・アワードなどの職種別最低賃金が適用されます。

レストラン・アワード Level 1 2026年7月~ 備考
平日通常・常勤/パート 26.44豪ドル/時 基本時給。
カジュアル通常 33.05豪ドル/時 25%カジュアル加算込み。
土曜日・常勤/パート 33.05豪ドル/時 基本時給の125%。
日曜日・常勤/パート 39.66豪ドル/時 基本時給の150%。
祝日・常勤/パート 59.49豪ドル/時 基本時給の225%。

土日・祝日に売上が集中する外食業では、ペナルティレートが店舗の人件費構造へ大きく影響します。



食材調達・店舗運営・販売のサプライチェーン

飲食店では「料理を作って売る」部分だけが見えますが、その裏側には農場、漁業、食品工場、輸入、卸、冷蔵倉庫、配送、厨房、POS、決済、デリバリーまで長いサプライチェーンがあります。

生産者・食品メーカー・卸からの調達

牛肉、羊肉、鶏肉、魚介、乳製品、野菜、果物、ワインなど、多くの食材は国内生産できます。高級レストランでは生産者から直接仕入れるケースもありますが、大部分の店舗は食品卸・専門商社・市場を通じて調達します。

輸入食材も重要です。日本食、イタリア料理、アジア料理などでは調味料、乾物、酒類、加工食品を海外から輸入するため、為替、海上運賃、検疫、在庫期間が原価へ影響します。

物流・コールドチェーン・セントラルキッチン

生鮮食品は温度管理が必要なため、冷蔵・冷凍倉庫、冷蔵トラック、納品時間の管理が不可欠です。人口密度の低い地方や西オーストラリア州では、長距離輸送によるコストが店舗原価へ反映されやすくなります。

大手チェーンや複数店舗グループでは、ソース、パン、肉加工、下処理などをセントラルキッチンへ集約し、店舗作業を減らす方式が使われます。品質を統一し、人手不足を補いやすい一方、一か所でトラブルが起きると複数店舗へ影響が広がります。

店舗運営・人員・原価管理

店舗では、食材原価、人件費、賃料、光熱費、保険、清掃、廃棄物、POS、決済手数料、マーケティングなど多くの固定・変動費を管理します。

外食では商品在庫が腐敗しやすく、売れ残りは直接損失になります。予約数、天候、イベント、曜日、季節から客数を予測し、仕入れ量と人員を合わせる精度が利益率を左右します。

店内・テイクアウェイ・デリバリー販売

販売チャネルは、店内飲食、電話注文、自社ウェブ注文、デリバリーアプリ、ケータリング、イベント出店などへ広がっています。同じ料理でも、店内では接客・座席コスト、デリバリーではプラットフォーム・包装・配達対応コストが発生します。

そのため、店舗はチャネル別に価格やメニューを変えることがあります。店内向け料理をそのままデリバリーへ載せるのではなく、輸送後も品質が落ちにくく、容器原価を含めても利益が残るメニューを設計する必要があります。

段階 主な事業者 主な収益・コスト要因
一次生産 農場、牧場、漁業、ワイナリー 天候、生産量、飼料、燃料。
加工・輸入 食品メーカー、輸入商社 原料、為替、製造、検疫。
卸・物流 食品卸、冷蔵倉庫、配送会社 燃料、冷蔵設備、配送頻度。
店舗 レストラン、カフェ、パブ等 食材、人件費、賃料、電力。
販売 POS、予約、デリバリープラットフォーム 決済、手数料、集客、顧客データ。




フランチャイズ・デリバリー・外食DX

外食店のデジタル化は、デリバリーアプリが中心でしょうか?
デリバリーだけではありません。予約、POS、在庫、人員配置、ロイヤルティ、QR注文、キッチン管理まで店舗運営全体がデジタル化しています。

フランチャイズは成長と標準化の仕組み

ファストフード、ピザ、コーヒー、ベーカリーなどではフランチャイズ方式が広く使われています。本部はブランド、商品、仕入れ、マーケティング、POSを提供し、加盟店は資本と店舗運営を担います。

店舗数を速く増やせる一方、加盟店の利益が十分残るかが重要です。2025年の新しいフランチャイジング・コードでは、加盟店に投資回収の合理的な機会を与えること、特定の早期終了で補償条項を設けること、重要な設備投資の開示などが強化されました。

デリバリーは追加売上と手数料負担の両面

ウーバーイーツ(Uber Eats)、ドアダッシュ(DoorDash)などのプラットフォームは新規顧客獲得と注文処理を簡単にしました。その一方、プラットフォーム手数料、広告費、値引き、包装費を含めると、店内販売より利益が小さくなる場合があります。

外食企業は、プラットフォームを新規顧客獲得に使い、既存顧客を自社アプリ・ウェブ注文・ロイヤルティプログラムへ移すことで収益性を改善しようとしています。

POSが「レジ」から経営システムへ

現在のPOSは会計だけでなく、売上分析、在庫、仕入れ、テーブル管理、予約、顧客データ、給与システムと連携します。どの料理が何曜日・何時に売れるかを把握し、廃棄と人員を減らすための経営ツールになっています。

QR注文・セルフオーダー・キオスク

人手不足と高い人件費を背景に、QRコード注文、テーブル決済、セルフサービス・キオスクが広がっています。特にファストフード、パブ、大型カジュアル店では注文係の作業を減らし、厨房と配膳へ人員を振り向ける効果があります。

一方、高級レストランや接客を価値とする店舗では、省人化しすぎると体験価値を下げるため、テクノロジー導入の最適点は業態ごとに異なります。

データとロイヤルティ

予約履歴、注文履歴、誕生日、来店頻度を使ったCRMや会員プログラムも広がっています。広告費を使って毎回新規客を獲得するより、既存客の再来店を増やす方が利益を残しやすいためです。

AIは需要予測と事務作業から導入

生成AIや機械学習は、メニュー文章、マーケティング、予約問い合わせ、需要予測、シフト作成、仕入れ予測などで利用が始まっています。調理そのものの完全自動化より、まずバックオフィスと予測業務から普及する可能性が高い分野です。

外食DXの目的は「人をゼロにすること」ではありません。接客や料理に人材を集中させ、注文入力、在庫確認、予約管理、事務処理など機械化しやすい仕事を減らすことが重要です。



日本との外食産業比較と日豪関係

日本とオーストラリアはいずれも外食文化が発達していますが、人口密度、人件費、税制、営業時間、店舗規模、料理の専門化に違いがあります。

オーストラリアは人件費の比重が大きい

2026年7月からレストラン・アワードLevel 1の通常時給は26.44豪ドル、カジュアルは33.05豪ドルです。さらに土曜、日曜、祝日はペナルティレートが適用されるため、週末営業の人件費が大きくなります。

そのため豪州では、テーブル担当者を減らしてカウンター注文にする、QR注文を使う、営業時間を需要の高い時間だけに絞るなど、人件費を前提とした店舗設計が一般的です。

日本は専門店、豪州は多文化型の市場

日本では寿司、焼肉、ラーメン、そば、居酒屋、焼き鳥など業態が細かく専門化し、駅前・繁華街に高密度で店舗が集まります。オーストラリアは人口密度が低く、自動車型郊外店舗やショッピングセンター型外食も多くなります。

一方、多文化性では豪州の特徴が強く、一つの郊外商圏に中華、タイ、ベトナム、インド、イタリア、レバノン、日本など多国籍料理が並ぶことが一般的です。

税率はどちらも10%が基本だが、テイクアウェイの扱いが違う

オーストラリアではレストランやカフェで店内消費する食品はGSTの課税対象です。テイクアウェイでも温かい食品などは課税対象ですが、一部の冷たい食品はGST非課税になるため、商品によって扱いが分かれます。

日本では店内飲食は消費税10%、単なるテイクアウト・出前は軽減税率8%が基本です。日本の方が「店内か持ち帰りか」による税率差が明確です。

日本食はオーストラリアの主流外食ジャンル

寿司はショッピングセンターやテイクアウェイで広く普及し、ラーメン、焼肉、居酒屋、うどん、天ぷら、日本式カレーなども大都市の日常的な外食ジャンルになっています。

日本からは調味料、麺、酒類、加工食品などが輸入されますが、牛肉、魚、野菜、米などは豪州産を使う店舗も多く、日豪の食品サプライチェーンが組み合わされています。

2024年の日本外食チェーン売上も回復

日本フードサービス協会の会員調査では、2024年の外食売上は前年比108.4%となり、3年連続で前年を上回りました。インバウンド回復と客単価上昇が支えとなっており、生活費上昇と訪日旅行が同時に外食市場へ影響する点はオーストラリアと共通しています。

日本とオーストラリアの外食産業構造

比較項目 オーストラリア 日本
店舗立地 CBD、郊外、ショッピングセンター、自動車型も多い 駅前・繁華街の高密度店舗が多い
人件費 高水準、週末・祝日ペナルティあり 豪州より相対的に低い
料理構成 多文化料理が主流市場に混在 専門店・業態別チェーンが発達
店内10%GST、テイクアウェイは商品で異なる 店内10%、一般的なテイクアウト8%
チップ 原則任意で義務ではない 基本的に不要
デリバリー 大都市でプラットフォーム利用が定着 都市部を中心に拡大

日本食市場でも「現地化」と「本格化」が同時進行

テイクアウェイ寿司のように豪州の日常食へ現地化した業態がある一方、ラーメン、焼肉、居酒屋などでは日本と近い専門性を求める消費者も増えています。日本企業・食品メーカーにとっても豪州外食市場は重要な販路です。




外食産業の規制と行政

飲食店は食品を直接消費者へ提供するため、食品安全、店舗設備、雇用、税、酒類、消費者保護など複数の規制を受けます。全国共通ルールと州・地方自治体のルールが重なっている点が特徴です。

FSANZ:食品安全の全国基準

フード・スタンダーズ・オーストラリア・ニュージーランド(Food Standards Australia New Zealand/FSANZ)がオーストラリア・ニュージーランド食品基準コードを策定します。飲食店には食品の保管、調理、温度管理、衛生、設備などの基準が適用されます。

2023年12月から本格適用されたStandard 3.2.2Aでは、未包装の潜在的危険食品を扱うレストラン、カフェ、テイクアウェイ、パブ、ケータリングなどに、食品安全監督者、食品取扱者訓練、必要に応じた管理記録などが求められます。

州・地方自治体:店舗登録・検査

実際の食品営業の登録・届出、店舗検査、衛生違反への対応は州・準州と地方自治体が担います。開業前には所在地のカウンシルや州当局で、食品営業、厨房設備、排水、廃棄物、屋外席、看板など必要な許可を確認する必要があります。

酒類免許は州・準州ごと

パブ、バー、レストランで酒類を販売する場合は、各州・準州の酒類免許制度に従います。営業時間、未成年者、責任ある酒類提供(RSA)、セキュリティ、騒音などの条件が営業形態へ影響します。

Fair Work:最低賃金・ペナルティレート

従業員の賃金と条件はFair Work ActとNational Employment Standardsに加え、Restaurant Industry Award、Hospitality Industry (General) Award、Fast Food Industry Awardなどのモダン・アワードによって細かく決まります。

基本時給だけでなく、カジュアル加算、土日・祝日、深夜、残業、休憩、制服・道具などの条件があるため、給与計算は外食事業者の重要なコンプライアンス業務です。

ATO:GSTと給与・スーパー

店内で提供する食事は基本的にGST課税対象です。テイクアウェイは商品によって課税・非課税が異なるため、POS上の商品税区分を正しく設定する必要があります。

事業者はPAYG源泉徴収、スーパーアニュエーション、Business Activity Statementなどの税務も管理します。従業員数が多くシフト変動の激しい外食では、給与と税務システムの正確性が重要です。

ACCC:フランチャイズと消費者保護

フランチャイズ方式の外食企業には、ACCCが執行するFranchising Code of Conductが適用されます。新しいコードは2025年4月1日に施行され、一部新ルールは同年11月から全面適用されました。

メニュー価格、広告、サーチャージ、加盟店への説明などもAustralian Consumer Lawの影響を受けます。価格表示と実際の請求額が異なる場合には消費者法上の問題になる可能性があります。

機関・制度 主な役割
FSANZ 食品安全基準、衛生、食品取扱いの全国ルール。
州・地方自治体 食品営業登録・届出、店舗検査、施設基準。
州酒類規制機関 酒類免許、RSA、営業時間、未成年者対策。
Fair Work Ombudsman 最低賃金、アワード、雇用条件。
ATO GST、PAYG、BAS、スーパー等。
ACCC 消費者法、競争、フランチャイズ・コード。



オーストラリア外食産業の課題

外食産業は消費者に身近な市場ですが、事業者から見ると利益率を確保しにくく、景気とコストの双方から影響を受けやすい産業です。2020年代は、売上回復と同時に賃金・食材・賃料・電力が上昇し、店舗数や売上だけでは経営の健全性を判断しにくくなっています。

人件費とペナルティレート

2026年7月の最低賃金引き上げにより、レストラン・アワードLevel 1は通常時給26.44豪ドル、カジュアル33.05豪ドルになりました。土日・祝日にはさらに高いペナルティレートが適用されます。

外食は週末・夜間こそ繁忙時間になるため、営業時間を長くすれば売上が増えるとは限りません。追加売上が追加人件費を上回る時間帯だけ営業する判断が必要です。

食材・電力・賃料の上昇

ABSの2023~24年度データでは宿泊・飲食サービス全体の総費用が11.1%増え、商品・材料購入費は11.9%、労働費は6.3%増えました。仕入れと人件費が同時に上がったことが利益を圧迫しています。

2026年6月には「外食・テイクアウェイ食品」の消費者価格が前年比4.0%上昇しました。ABSは食材、人件費、営業コストの上昇が価格へ転嫁されたと説明しています。

値上げすると客数が減るジレンマ

食材と賃金が上がればメニュー価格を引き上げる必要がありますが、家計も住宅費・電気代・保険などの上昇に直面しています。外食はスーパーでの自炊より削減しやすい支出であるため、値上げが客数減少につながるリスクがあります。

低価格商品を残しながら高付加価値商品で利益を確保する、ランチとディナーで商品構成を変えるなど、単純な一律値上げ以外の価格戦略が必要です。

倒産・小規模事業再編の増加

外食を含むAccommodation and Food Servicesは、近年企業倒産が多い業種の一つです。2023~24年度には1,667社が初めて外部管理に入り、全体の15%を占めました。

2024~25年度第1四半期には同業種で709社が外部管理に入り、前年同期比109%増でした。また2022年7月~2024年12月の小規模事業再編3,388件のうち23%がAccommodation and Food Servicesで、建設に次ぐ高い割合でした。

シェフ・マネージャーなど技能人材の確保

外食は若年・パートタイム労働が多い一方、経験のあるシェフ、店舗マネージャー、パティシエ、専門サービス人材の確保は簡単ではありません。

店舗が人手不足になると営業時間を短縮し、席数を減らし、メニューを簡略化するため、売上機会そのものが失われます。技能移民、VET、社内訓練、定着率改善が重要です。

デリバリー手数料とプラットフォーム依存

デリバリーは新規需要を作りますが、手数料を含めると店舗の利益が薄くなる場合があります。プラットフォーム内広告へ追加費用が必要になると、「注文数は多いのに利益が残らない」という問題が起きます。

家賃と店舗立地

人気商業地区では高い賃料を払って集客力のある立地を取るか、低賃料の郊外で目的来店型店舗を作るかが大きな経営判断になります。

オフィス勤務の変化で平日CBDランチ需要が変わったように、店舗立地の価値は固定ではありません。住宅開発、公共交通、イベント施設、在宅勤務率などでも商圏が変わります。

食品安全とアレルギー対応

食中毒やアレルギー事故は一度でもブランドへ大きな損害を与えます。Standard 3.2.2Aにより食品安全監督者、取扱者訓練、重要管理の証拠保存が強化され、衛生管理は「経験」だけでなく記録・教育を伴う経営システムになっています。

フードロス・包装・環境負荷

売れ残りは食材原価と廃棄費の二重損失です。需要予測、メニュー共通食材化、小ロット仕入れ、在庫データを使い、食品廃棄を減らすことが利益改善と環境対策の両方につながります。

テイクアウェイ・デリバリーの増加で容器使用も増え、州ごとの使い捨てプラスチック規制への対応、リサイクルしやすい包装材への切り替えも必要になっています。

景気・観光・天候への依存

高級店は企業接待や高所得層、観光地は旅行需要、カフェは通勤・出社、パブはイベントや天候など、業態ごとに需要変動要因があります。一つの顧客層だけへ依存すると、外部環境変化の影響が大きくなります。

課題 なぜ重要か 主な対応
人件費 週末・祝日ほど賃金率が高い シフト最適化、省人化、営業時間見直し。
食材・電力・賃料 複数コストが同時に上昇 仕入れ交渉、メニュー設計、効率設備。
消費者節約 値上げで客数が落ちる可能性 価格帯分散、セット、ロイヤルティ。
倒産・資金繰り 薄利で固定費負担が大きい 現金管理、早期再編、契約見直し。
技能人材 シェフ・管理職不足で営業能力が低下 VET、移民、訓練、定着率改善。
デリバリー手数料 売上が増えても利益率が低下 自社注文、チャネル別メニュー・価格。
食品安全 事故がブランドと営業継続へ直撃 FSS、訓練、記録、温度管理。
フードロス 食材費・廃棄費を同時に増やす 需要予測、在庫管理、メニュー共通化。







オーストラリア外食産業に関するよくある質問(FAQ)

オーストラリアにはレストラン・カフェ等が何店ありますか?

R&CAは全国5万7,000超のレストラン、カフェ、ケータリング事業者を業界対象としています。

統計によってテイクアウェイ、パブ、クラブなどの含め方が異なるため、「外食店舗総数」は定義によって変わります。

オーストラリアの外食産業の売上はどれくらいですか?

R&CAはレストラン・カフェ・ケータリングの年間小売売上高を404億豪ドル超としています。

ABSではカフェ・レストラン・テイクアウェイの2025年6月月間売上高が季節調整済み55億8,160万豪ドルでした。

対象範囲が違うため、両者は単純比較できません。

外食産業では何人が働いていますか?

JSAの2026年2月推計では、カフェ・レストラン・テイクアウェイで69万6,600人、パブ・バーで10万6,400人、クラブで5万5,000人です。

ABS労働勘定では宿泊を含むAccommodation and Food Services全体の就業者が2026年3月に126万800人でした。

レストラン従業員の最低時給はいくらですか?

2026年7月からRestaurant Industry AwardのLevel 1は通常時給26.44豪ドルです。

カジュアルは通常33.05豪ドルで、土日・祝日にはさらに高いペナルティレートが適用されます。

実際の賃金は職種・レベル・年齢・勤務時間で異なります。

オーストラリアの外食価格は上昇していますか?

はい。

ABSでは2026年6月の「Meals out and takeaway foods」が前年同月比4.0%上昇しました。

食材、人件費、営業コストの上昇が主な要因です。

外食産業は利益率が高いですか?

一般に利益を確保しにくい産業です。

ABSでは2023~24年度のFood and beverage servicesの税引前営業利益が前年比18.4%、19億豪ドル減少しました。

人件費、食材、家賃、電力など多くのコストが同時に発生します。

飲食店には食品安全資格が必要ですか?

多くのレストラン、カフェ、テイクアウェイ、ケータリング事業はStandard 3.2.2Aの対象です。

事業区分に応じて認定Food Safety Supervisor、食品取扱者訓練、重要管理の記録などが求められます。

州・自治体の追加要件も確認する必要があります。

オーストラリアでは店内飲食とテイクアウェイのGSTは同じですか?

必ずしも同じではありません。

店内飲食は基本的にGST課税対象です。テイクアウェイでも温かい食品などは課税されますが、一部の冷たい食品はGST-freeになる場合があります。

外食企業の倒産は増えていますか?

近年はAccommodation and Food Servicesが外部管理・小規模事業再編の多い業種になっています。

2023~24年度には1,667社が初めて外部管理に入り、全体の15%を占めました。

今後のオーストラリア外食産業で重要なテーマは何ですか?

人件費、食材・電力・家賃、技能人材、消費者の節約、デリバリー手数料、食品安全、フードロス、デジタル化が重要です。

売上拡大だけでなく、1注文・1席・1営業時間あたりの利益をどう残すかが経営の中心課題になります。

まとめ

オーストラリアの外食産業は、レストラン、カフェ、テイクアウェイ、ファストフード、パブ、バー、クラブ、ケータリング、デリバリーまで広がる巨大なサービス産業です。R&CAは5万7,000超のフードサービス事業者、年間404億豪ドル超の小売売上高を対象としており、JSAではカフェ・レストラン・テイクアウェイだけで約69万7,000人が働いています。

市場規模が大きい一方、収益性は簡単ではありません。2023~24年度には飲食サービス部門の税引前営業利益が18.4%減り、2026年7月にはRestaurant Industry AwardのLevel 1通常時給が26.44豪ドルへ上昇しました。2026年6月の外食・テイクアウェイ価格も前年比4.0%上昇しています。

店舗経営は料理だけで決まりません。食材調達、物流、人員配置、家賃、電力、食品安全、税務、酒類免許、POS、予約、デリバリー、フランチャイズ契約などを同時に管理する必要があります。

今後はQR注文、セルフオーダー、需要予測、CRM、AIなどを使って生産性を高めながら、接客・料理という人にしか作りにくい価値を残すことが重要です。外食産業は豪州の多文化社会、農産物、観光、都市生活を結び付ける産業である一方、薄利と高コストに対応できる経営力がこれまで以上に求められています。

オーストラリア外食産業の参考情報



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