オーストラリアのベーカリー文化|街のパン屋で食べたい定番メニュー

オーストラリアを旅行していると、都市部の商店街から地方の小さな町まで、いたるところでBakery(ベーカリー)を見かけます。

日本のパン屋と同じように食パンやロールパンを買う場所でもありますが、オーストラリアのベーカリーには、もう一つ大きな役割があります。

それが、ミートパイ、ソーセージロール、パスティ、バニラ・スライスなどを気軽に買える「街の軽食店」としての存在です。

朝はコーヒーとペストリー、昼は温かいミートパイ、午後は甘いスライスやケーキ。地方をドライブしていると、ベーカリーが休憩場所そのものになっている町もあります。

オーストラリア政府観光局も、ミートパイを「ほとんどの町のパン屋で見つかる」代表的なオーストラリアの食べ物として紹介しています。定番のビーフだけでなく、ラム、カレー、チキン、野菜、地域によってはシーフードなど、店ごとに個性があります。

また、パンを中心に全国展開するベーカーズ・ディライト(Bakers Delight)、タスマニア発祥のバンジョーズ・ベーカリー・カフェ(Banjo’s Bakery Café)、メルボルンを中心に長い歴史を持つファーガソン・プレア(Ferguson Plarre Bakehouses)など、オーストラリアならではのベーカリーチェーンもあります。

この記事では、日本からオーストラリアを訪れる旅行者向けに、街のベーカリーで食べてみたい定番メニュー、注文方法、温かいパイの選び方、甘いお菓子、パンの種類、主要チェーン、ロードトリップでの楽しみ方まで詳しく紹介します。




オーストラリアのBakeryとは?

オーストラリアのベーカリーでは、パン以外に何を食べるのがおすすめですか?
初めてならミートパイとソーセージロールが定番です。甘い物ならバニラ・スライスやラミントンも探してみてください。

オーストラリアのBakeryは、パンを焼いて売るだけの店ではありません。

多くの店舗では、Loaf Bread、Sourdough、Rolls、Meat Pies、Sausage Rolls、Pasties、Sweet Pastries、Cakes & Slices、Sandwiches、Coffeeなどを扱います。

店舗によってはテーブルがあり、Bakery Caféとして朝食や軽食を楽しめます。

日本のパン屋との違い

日本のパン屋では、カレーパン、あんパン、メロンパンなど「一個ずつ完成した総菜パン・菓子パン」が非常に充実しています。

オーストラリアでは、パンそのものに加えて、Pastryを使った温かいSavory(塩味系)商品の存在感が大きいのが特徴です。

ショーケースやPie Warmerの中に、ミートパイやソーセージロールが何種類も並んでいる店は珍しくありません。

昼食を「パン屋のパイ1個とコーヒー」で済ませることも、ごく普通の選択肢です。

地方のCountry Bakery文化

オーストラリアのベーカリー文化を特に感じやすいのが、地方の小さな町です。

メインストリートにHotel、Pub、Post Office、Supermarketと並んでBakeryがあり、地元住民だけでなくトラック運転手、農場関係者、ロードトリップ中の旅行者が立ち寄ります。

看板にCountry Bakery、Bakery Café、Hot Pies、Award Winning Pies、Fresh Breadなどと書かれている店をよく見かけます。

都市部のおしゃれなArtisan Bakeryとはまた違う、オーストラリアの日常的な食文化を感じられる場所です。

ロードトリップとベーカリー

ミートパイは、オーストラリア政府観光局も「理想的なロードトリップ・スナック」と紹介しています。

長距離ドライブでは、地方の町へ入った時にベーカリーで休憩し、パイとコーヒーを買うのが定番の楽しみ方の一つです。

観光地ではない町でも、地元で有名なPie ShopやBakeryがあり、それを目的に立ち寄る人もいます。

Google Mapsで「Bakery」「Pies」と検索すると、意外な名店が見つかることがあります。

まず食べたいミートパイ

初めてオーストラリアのベーカリーへ入ったら、まず候補にしたいのがMeat Pie(ミートパイ)です。

基本形は、サクサクしたPastryの中に、ひき肉または角切りのビーフとGravyを入れたものです。

手で持って食べられる一人用サイズが一般的で、温かい状態で販売されます。

オーストラリア政府観光局も、ミートパイを「ほとんどの町のベーカリーで見つかる」代表的な食べ物として紹介しています。

ミートパイの主な種類

表示例 内容の目安
Plain Beef 定番のビーフとグレービー
Chunky Beef 角切りビーフ入り
Beef & Mushroom ビーフとマッシュルーム
Beef & Pepper 黒コショウを効かせたビーフ
Steak & Cheese ビーフとチーズ
Chicken チキン系フィリング
Lamb ラム肉
Curry Pie カレー風味
Vegetable Pie 野菜中心

一番オーソドックスに試したいなら、Plain Beef Pieから始めるのがおすすめです。

Tomato Sauceをかける?

ミートパイにはTomato Sauceをかけて食べる人が多くいます。

日本のケチャップに近い調味料ですが、店によって小袋、ボトル、別売りのSachetなど提供方法が違います。

注文時に「Would you like tomato sauce?」と聞かれることがあります。

ミートパイは熱いので注意

Pie Warmerから出した直後のミートパイは、中のGravyがかなり熱くなっています。

外側のPastryが持てる温度でも、最初の一口で中身が流れ出てくることがあります。

急いでかぶりつかず、少し冷ましてから食べるのがおすすめです。

ソーセージロール

Sausage Rollも、オーストラリアのベーカリーで非常によく見かける定番です。

味付けした挽き肉をPastryで筒状に包んで焼いたもので、名前に「Sausage」とありますが、日本のウインナーソーセージをパンへ挟んだものとは違います。

ミートパイより中身がこぼれにくいため、歩きながらやドライブ休憩で食べやすいのも魅力です。

パスティ

Pastie / Pasty(パスティ)は、肉や野菜をPastryで包んだ焼き物です。

イギリスのCornish Pastyをルーツに持つ食べ物ですが、オーストラリアの昔ながらのベーカリーでも定番です。

Ferguson Plarreでは、Pastieを「Tiddly Oggie」という伝統名を使った商品として長年販売してきました。

ベジタリアン系セイボリー

近年はSpinach & Ricotta、Cheese & Spinach、Vegetable Pastie、Mushroom Pie、Vegan Sausage Rollなどを扱う店もあります。

ただし、同じオーブンや調理設備で肉製品を扱うことがあります。厳格なVegetarian、Vegan、宗教上の制限、食物アレルギーがある場合は店へ確認してください。



バニラ・スライス

甘い物なら、ぜひ探してみたいのがVanilla Slice(バニラ・スライス)です。

薄いPastryの間に厚いVanilla Custardを挟み、上にIcingや粉砂糖をのせた四角いお菓子です。

店によってCustardの硬さ、Pastryのサクサク感、Icingの甘さがかなり違います。

ビクトリア州の地方ベーカリーでは特に人気が高く、「Award-winning Vanilla Slice」を看板商品にする店もあります。

ラミントン

Lamington(ラミントン)は、スポンジケーキをChocolate Icingで覆い、Desiccated Coconutをまぶしたオーストラリア定番のCakeです。

ベーカリーやカフェでは、プレーンのほか、中央にJamやCreamを挟んだタイプもあります。

ラミントンの歴史や発祥については別記事で詳しく紹介します。

ニーニッシュ・タルト

Neenish Tart(ニーニッシュ・タルト)は、小さなPastry CaseにCreamや甘いFillingを詰め、上を2色のIcingで仕上げた昔ながらの菓子です。

すべてのベーカリーにあるわけではありませんが、伝統的なCountry Bakeryや老舗で見つけることがあります。

カスタードタルト

Custard TartはPastryにEgg Custardを流して焼いた定番です。

表面にNutmegが振られているものもあります。

フィンガー・バン

Finger Bunは、細長いSoft Bunの上に甘いIcingをのせた菓子パンです。

Pink Icing、Coconut、Sprinklesなど、昔ながらのカラフルなデザインの商品を見かけます。

ホット・クロス・バン

Hot Cross Bunは、ドライフルーツやスパイスを入れ、上に十字の模様を付けたBunです。

伝統的にはEasterの時期に食べられます。

現在はスーパーや大手ベーカリーでかなり早い時期から販売が始まることもあります。

スコーン

SconeもオーストラリアのBakeryやCaféでよく見かけます。

JamとCreamを添えて食べるのが定番で、Morning TeaやAfternoon Tea向けの商品です。

食事用パンも充実

オーストラリアのBakeryは、もちろん日常のパンを買う場所でもあります。

White Loaf、Wholemeal、Multigrain、Sourdough、Rye、Turkish Bread、Rollsなどが一般的です。

サワードウ

都市部のArtisan Bakeryでは、Sourdough(サワードウ)が人気です。

天然酵母を使い、酸味としっかりしたCrustが特徴のパンで、CaféのAvocado Toastなどにもよく使われます。

ロールパン・サンドイッチ

昼食用には、Chicken、Ham、Saladなどを挟んだRollやSandwichを販売する店もあります。

Road Tripで「温かいPieは少し重い」という時には、Salad Rollなどが便利です。

コーヒーと一緒に楽しむ

オーストラリアのBakery Caféでは、Espresso Coffeeを一緒に注文できる店が多くあります。

Flat White、Latte、Cappuccinoなどを頼み、PieやSweet Pastryと一緒に食べるのが定番です。




Pie Warmerとは?

店内で温かいミートパイやソーセージロールが入っているガラスケースをPie Warmerと呼びます。

商品名と価格が棚に表示され、スタッフへ欲しいものを伝えて取ってもらう店が一般的です。

ショーケースから選ぶ

甘いCakeやSliceは冷蔵・常温のDisplay Cabinetに並びます。

商品名が分からなければ、指を差して「Can I have one of those, please?」でも十分です。

店内?Takeaway?

Bakery Caféでは「For here or takeaway?」と聞かれることがあります。

店内なら「For here, please.」、持ち帰りなら「Takeaway, please.」と答えます。

オーストラリアでは「Takeout」よりTakeawayの方が一般的です。

値段は店・地域で違う

ミートパイやコーヒーの価格は、都市、地方、観光地、空港、個人店、チェーンでかなり違います。

全国一律の相場を前提にせず、店頭のPrice Boardを確認しましょう。

営業時間は早め

ベーカリーは朝早く開き、午後早めに閉店する店が多くあります。

特に地方の個人店では、土曜日は午前中のみ、日曜日は休業というケースもあります。

目当ての店があるなら公式サイトやSNSでも営業時間を確認してください。

ベーカーズ・ディライト(Bakers Delight)

Bakers Delightは、1980年にメルボルンのホーソーン(Hawthorn)でRoger GillespieとLesley Gillespieが始めたベーカリーチェーンです。

現在もFamily-ownedで、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカを合わせ700店以上を展開しています。

主力はFresh Breadで、White、Wholemeal、Multigrain、Sourdough、Rolls、Sweet Bunsなどを扱います。

Bakers Delight

バンジョーズ・ベーカリー・カフェ(Banjo’s Bakery Café)

Banjo’s Bakery Caféは1984年にタスマニアで創業したベーカリー・カフェです。

現在はタスマニア、ビクトリア、ニュー・サウス・ウェールズ、クイーンズランド、南オーストラリアに50店以上を展開しています。

パンだけでなく、Pies、Sausage Rolls、Sweet Treats、Breakfast、Coffeeなどを扱う「Bakery Café」型です。

Banjo’s Bakery Café

ファーガソン・プレア(Ferguson Plarre Bakehouses)

Ferguson Plarre Bakehousesは、メルボルンを中心に展開する老舗ベーカリーです。

Ferguson家のベーカリー事業は1901年に始まり、Plarre家も1911年にMoonee Pondsで店を開きました。両家は1980年に統合して現在のFerguson Plarreとなりました。

現在もFamily-ownedで、ビクトリア州に80店以上を展開しています。

Ferguson Plarre Bakehouses

地方の人気ベーカリー

チェーン以外にも、オーストラリア各地には「その町へ行ったら寄りたい」と言われるBakeryがあります。

ビクトリア州ハイ・カントリーのBeechworth Bakeryはその代表例の一つで、Pies、Sweet Pastries、Coffeeなどを目当てに旅行者が立ち寄る人気店です。

こうした店では、「Award Winning Pie」「Local Specialty」などを選んでみるのもロードトリップの楽しみです。

スーパーのベーカリーとの違い

ウールワース(Woolworths)やコールズ(Coles)の大型店にもBakery Sectionがあり、Bread、Rolls、Croissants、Sweet Bakeryなどを購入できます。

価格・利便性を重視するならスーパーは便利です。

一方、街の独立系Bakeryでは、店独自のPie Filling、Pastry、Sweet Sliceなどを楽しめます。

アレルギー・食事制限

Bakery商品にはWheat / Gluten、Egg、Milk、Soy、Nuts、Sesameなどが含まれることがあります。

商品ラベルのない対面販売商品では、スタッフへ確認してください。

Gluten Free、Veganと表示された商品でも、同じBakehouseで小麦、乳、卵などを扱っている場合があります。



ベーカリーで使える英語

英語 意味
Bakery ベーカリー・パン屋
Pie Warmer 温かいパイを保温するケース
Meat Pie ミートパイ
Sausage Roll ひき肉をパイ生地で包んだ定番商品
Pastie / Pasty 肉・野菜などを生地で包んだ焼き物
Slice 四角く切ったケーキ・菓子
Vanilla Slice 厚いカスタードを挟んだスライス
Loaf 一斤・一本のパン
Roll 小型パン、または具を挟んだロール
Can I have a plain beef pie, please? プレーンのビーフパイをください。
What’s your most popular pie? 一番人気のパイはどれですか?
For here, please. 店内で食べます。
Takeaway, please. 持ち帰りでお願いします。

旅行者向けのコツ

  • 初めてならPlain Beef Pieから試す
  • ミートパイは中身が非常に熱いことがある
  • Tomato Sauceを付けるか聞かれることがある
  • Sausage Rollは日本のウインナーパンとは別物
  • 甘い物ならVanilla SliceやLamingtonを探す
  • 地方の町では「Award Winning Pie」の看板をチェック
  • Road TripではGoogle MapsでBakeryを検索する
  • 営業時間は午後早めに終わる店もある
  • 日曜休業の個人店もあるので事前確認する
  • チェーンだけでなくLocal Bakeryにも入ってみる

オーストラリアのベーカリーは、「パンを買う場所」であると同時に、地元の人が朝食、昼食、Morning Teaを買う身近な食文化の一部です。

ミートパイやソーセージロールは豪華な料理ではありませんが、だからこそ日常のオーストラリアを感じられます。

都市のおしゃれなSourdough Bakeryも魅力的ですが、地方のCountry Bakeryで温かいPieとCoffeeを買う体験も、ロードトリップならではの楽しみです。




オーストラリアのベーカリーに関するよくある質問(FAQ)

オーストラリアのベーカリーで最初に食べるなら何がおすすめですか?

まずはPlain Beef Meat Pieがおすすめです。次にSausage Roll、甘い物ならVanilla Sliceを試すと、オーストラリアの昔ながらのベーカリーらしさを感じやすいでしょう。

ミートパイはどこで買えますか?

街のBakery、Bakery Café、サービスエリア、スーパーなどで購入できます。特に地方の町では多くのベーカリーが複数種類のHot Pieを販売しています。

Sausage Rollはソーセージをパンに挟んだものですか?

違います。一般的なSausage Rollは、味付けした挽き肉をPastryで筒状に包んで焼いた商品です。

Vanilla Sliceとは何ですか?

Pastryの間に厚いVanilla Custardを挟み、上にIcingや粉砂糖をのせた四角いお菓子です。特にビクトリア州の地方ベーカリーで人気があります。

オーストラリア発祥の有名ベーカリーチェーンは?

Bakers Delightは1980年にメルボルンで、Banjo’s Bakery Caféは1984年にタスマニアで創業しました。Ferguson Plarre Bakehousesもメルボルンで100年以上の歴史を持つベーカリーです。

ロードトリップでベーカリーへ寄るのは一般的ですか?

はい。地方のCountry BakeryでPieやCoffeeを買って休憩するのは、オーストラリアのロードトリップでよくある楽しみ方です。政府観光局もMeat Pieを代表的なRoad Trip Snackとして紹介しています。



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