オーストラリアのセカンド・サードワーホリ完全ガイド|88日・179日の数え方と対象地域・仕事

オーストラリアのワーキングホリデーを経験して、「もう少し長く滞在したい」「今度は別の都市でも暮らしてみたい」と考える方もいるのではないでしょうか。
そんな方にとって選択肢になるのが、セカンド・ワーキングホリデービザとサード・ワーキングホリデービザです。
オーストラリアのワーキングホリデーは、一定の条件を満たせば、2回目、3回目のビザを取得できる制度になっています。
ただし、日本国籍者の場合、単にオーストラリアに長く滞在しただけでは、次のワーキングホリデービザを取得できません。
政府が指定する地域で、指定された種類の仕事に一定期間従事する必要があります。
セカンドワーホリでは一般に「88日」、サードワーホリでは「179日」という数字が知られていますが、この日数の数え方を間違えている方も少なくありません。
例えば、ファームで働き始めてから88日が経過したとしても、週2日しか勤務していなければ、必要な指定労働期間を満たしていない可能性があります。
また、農場での仕事だけでなく、地域によってはホテル、レストラン、観光業などの仕事も対象になります。ただし、オーストラリアのどこでも対象になるわけではありません。
この記事では、日本のパスポートで申請するワーキングホリデービザ(Subclass 417)について、セカンド・サードワーホリの取得条件、88日・179日の正しい数え方、対象となる地域と職種、必要書類、申請時の注意点などを詳しく解説します。
内容は2026年10月時点のオーストラリア内務省(Department of Home Affairs)の公式情報を基本としています。対象地域や条件が変更される可能性もあるため、実際に仕事を始める前には必ず公式情報を確認してください。


セカンド・サードワーホリとは?
オーストラリアのワーキングホリデービザは、条件を満たすことで最大3回まで取得できます。
日本国籍者が対象となるのは、通常、サブクラス417のワーキングホリデービザです。
初回のビザでは、原則として最長12か月間オーストラリアに滞在できます。
その期間中に政府が指定する仕事に従事すると、2回目のワーキングホリデービザを申請できる場合があります。
さらに、2回目のビザで必要な指定労働を行うと、3回目のビザを申請することも可能です。
| ビザ | 指定労働の条件 | 通常の滞在期間 |
|---|---|---|
| 初回ワーホリ | 指定労働不要 | 12か月 |
| セカンドワーホリ | 初回ビザ中に3か月の指定労働 | 12か月 |
| サードワーホリ | 2回目のビザ中に6か月の指定労働 | 12か月 |
条件を満たして順番に取得すれば、合計で約3年間のワーキングホリデー滞在が可能になります。
ただし、ビザの開始日や滞在期限は、どこから申請したか、現在どのビザを持っているかなどによって異なります。
また、指定労働を終えただけでビザが自動的に延長されるわけではありません。次のビザを正式に申請し、許可を受ける必要があります。
日本人の年齢制限は30歳まで
日本国籍者は、セカンド・サードワーホリについても、申請時に18歳以上30歳以下である必要があります。
30歳のうちに有効な申請を行えば、審査中に31歳になっても許可を受けられる可能性があります。
一方、31歳になってから新たに申請することは、原則としてできません。
なお、イギリス国籍者には指定労働を必要としない特例がありますが、日本のパスポートで申請する場合は対象外です。
詳しい年齢条件や初回ビザの申請方法については、関連記事「オーストラリア・ワーキングホリデービザ完全ガイド|年齢・費用・申請条件」も参考にしてください。
セカンド88日・サード179日の基本条件
セカンド・サードワーホリの取得条件として、よく使われるのが88日と179日という数字です。
オーストラリア内務省は、セカンドワーホリの指定労働期間を3か月、サードワーホリを6か月と定めています。
この期間を暦日で計算する際、1年で最も短い3か月、6か月に相当する日数として、それぞれ最低88日と179日が使われています。
| ビザ | 必要な指定労働 | 日数の目安 |
|---|---|---|
| セカンド | 3か月相当 | 88暦日 |
| サード | 6か月相当 | 179暦日 |
ただし、88日間のうち数日だけ働けばよい、という意味ではありません。
指定労働として認められるには、対象となる職種・地域で、その業種の通常のフルタイム勤務に相当する日数やシフトを満たす必要があります。
また、指定労働を88日より短い期間に詰め込んで終わらせることはできません。
例えば、毎日長時間働いたとしても、1か月半で88日分の指定労働を完了したことにはなりません。
サードワーホリも同様に、6か月より短い期間で条件を満たすことはできません。
サードの6か月は、初回と2回目の仕事を合計できる?
原則としてできません。
セカンドワーホリに必要な3か月の指定労働は初回ビザ中に、サードワーホリに必要な6か月の指定労働は2回目のビザ中に行います。
例えば、初回ビザ中にファームで6か月働いた場合、そのうち3か月をセカンド用、残り3か月をサード用として使い回すことはできません。
なお、特定のブリッジングビザ(Bridging Visa)で働いた期間が例外的に算入される場合があります。通常と異なるビザ歴がある方は、内務省の規定を確認してください。
88日・179日の正しい数え方
指定労働の日数は、セカンド・サードワーホリを目指す方が最も間違えやすい部分です。
特に注意したいのが、実際に働いた日だけを数える場合と、通常の休日を含めて計算できる場合の違いです。
フルタイムで継続して働く場合
例えば、対象地域の建設会社で、月曜日から金曜日まで週5日、通常のフルタイム勤務を3か月間継続した場合を考えます。
この場合、毎週土曜日と日曜日が休みであっても、その休日を含む暦日で指定労働期間を計算できる場合があります。
実際にオーストラリア内務省が公表している例では、12月1日から2月26日までの88暦日間、週5日のフルタイム勤務を継続した人が、セカンドワーホリの3か月条件を満たしています。
つまり、88日というのは、必ず88回出勤しなければならないという意味ではありません。
パートタイムで働く場合
一方、同じ3か月でも、週2日しか働いていない場合は事情が異なります。
通常のフルタイム勤務に相当する日数・シフトを満たしていなければ、指定労働期間として計算できる日数は少なくなります。
そのため、週2日勤務で3か月経過しただけでは、セカンドワーホリの条件を満たさない可能性が高くなります。
仕事を始める前に、雇用主と勤務時間、勤務日数、雇用形態を確認しておくことが重要です。
1日に長時間働いた場合
1日10時間働いたからといって、その日を2日分にすることはできません。
たとえ複数の雇用主のもとで同じ日に働いた場合でも、1暦日を2日分以上として数えることはできません。
指定労働の日数は、単純な合計労働時間だけで判断されるものではないのです。
なお、業種によって標準的な勤務時間やシフトが異なります。一般的な週5日勤務だけでなく、特殊な勤務体系が認められる場合もあります。
週3日・週5日勤務ではどう違う?
では、実際の勤務日数によって、セカンドワーホリの条件を満たすまでの期間はどのくらい違うのでしょうか。
次の表は、週5日が標準的なフルタイム勤務の仕事を想定し、パートタイム勤務との違いを説明するための単純な計算例です。
| 勤務パターン | 3か月相当の仕事量に達する目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 週5日 | 通常約3か月 | 継続的なフルタイム勤務を想定 |
| 週4日 | 約3.75か月相当 | 実際の勤務・休日の扱いで変わる |
| 週3日 | 約5か月相当 | フルタイム相当まで長く働く必要がある |
| 週2日 | 約7.5か月相当 | 期間不足になりやすい |
これは週5日を基準にした比例計算であり、政府が個別の仕事について認める正式な必要期間を示したものではありません。
実際には、職種ごとの通常勤務時間、シフト、雇用期間、祝日や休暇の扱いなどによって判断されます。
また、週3日勤務でも1回のシフトが非常に長く、その業種では週3日が通常のフルタイム勤務に相当する場合などには、異なる判断となることがあります。
ファームで88日を達成するには、何か月確保すればよい?
農業の仕事は天候や収穫状況によって勤務日数が変わることがあります。
雨天で収穫できない日が続いたり、作物の収穫量が減って仕事がなくなったりすることもあります。
そのため、最初から88日ちょうどでスケジュールを組むのはおすすめできません。
セカンドワーホリを目指す場合は、勤務条件にもよりますが、3か月より少し長めの期間を確保する方が安心です。
途中で仕事を変えたり、天候によって働けない日が続いたりする可能性も考えておきましょう。
指定労働になる仕事の種類
セカンド・サードワーホリに必要な指定労働は、農場での収穫作業だけではありません。
オーストラリア内務省では、対象となる業種と地域の組み合わせを定めています。
2026年10月時点の主な対象分野は、次のとおりです。
| 対象分野 | 主な仕事の例 | 対象となる地域の区分 |
|---|---|---|
| 農業・畜産 | 果物・野菜の収穫、農作物の栽培、家畜の飼育 | 指定された地方地域 |
| 漁業・真珠養殖 | 漁獲作業、真珠養殖関連作業 | 指定された地方地域 |
| 林業 | 植林、森林の管理、伐採関連作業 | 指定された地方地域 |
| 鉱業 | 鉱山作業、一定の鉱業支援業務 | 指定された地方地域 |
| 建設業 | 建築、土木、塗装、現場関連作業 | 指定された地方地域 |
| 観光・ホスピタリティー | ホテル、レストラン、ツアー業務など | 北部・遠隔地域などの指定地域 |
| 森林火災の復旧 | 火災被害地域の復旧、修繕、支援 | 指定された被災地域 |
| 洪水・サイクロン等の復旧 | 清掃、修繕、被災者支援など | 指定された被災地域 |
| 特定の医療関連業務 | 新型コロナ対応に関係する医療・支援業務 | 条件を満たす場合、全国 |
重要なのは、仕事の名前だけでは対象になるかどうか判断できないということです。
例えば、レストランの仕事でも、シドニーの市内中心部では通常、指定労働の対象にはなりません。
一方、ケアンズ(Cairns)などの対象地域では、レストランやホテルの仕事が認められる場合があります。
また、一般的な庭の手入れと、商業用の果樹園で行う剪定作業は、同じ植物を扱う仕事でも取り扱いが異なります。
指定労働として認められるには、業種・具体的な仕事内容・実際に働く場所の3つが重要です。
農業・ファームジョブの対象業務と注意点
日本人のワーキングホリデー渡航者が、セカンドビザを目指す際によく検討するのがファームジョブです。
農場での仕事には、果物や野菜の収穫、選別、梱包、剪定、植え付けなど、さまざまな種類があります。
対象になる主な農業の仕事
- 果樹園での果物の収穫
- 野菜の収穫・栽培
- 農作物の選別や梱包
- 商業用農作物の植え付けや育成
- 果樹やブドウの木の商業栽培に直接関係する剪定
- 牧場での家畜の飼育や管理
- 酪農関連の対象業務
- 農畜産物の一定の直接加工業務
ただし、加工や製造に関する仕事は、どの工程を担当するかによって対象外となる場合があります。
例えば、ブドウの栽培や収穫は対象となる場合がありますが、ワインの醸造は農業の指定労働として認められません。
また、農産物を使った食品加工であっても、二次加工や小売などは対象外となる場合があります。
ファームの近くで働けば対象になる?
農場の近くにあるカフェやスーパーで働いても、その仕事が自動的に農業の指定労働になるわけではありません。
一方、内務省は対象産業の運営を直接支援する事務・清掃などの業務について、一定の柔軟な取り扱いを行っています。
ただし、対象産業の運営に関わることや勤務地の条件などを満たす必要があります。
仕事の名称だけで判断せず、実際の業務内容を確認しましょう。
季節によって仕事量が違う
果物や野菜の収穫は、作物ごとに季節があります。
繁忙期には週5日以上働けても、収穫が始まる前や終了間際には、十分な勤務時間を確保できないことがあります。
特に「88日達成可能」と書かれた求人でも、実際に継続して働ける日数が保証されているとは限りません。
応募する前に、収穫時期、予定勤務日数、最低保証される勤務時間、雨天時の扱いなどを確認しておくと安心です。
ホテル・レストラン・観光業でも取得できる?
セカンドワーホリを目指す場合、必ずしも農場で働く必要はありません。
2021年6月22日以降に対象地域で行われた観光・ホスピタリティー分野の仕事についても、一定の申請条件のもとで指定労働として認められています。
対象地域は、主にオーストラリア北部と、遠隔・非常に遠隔と指定された地域です。
例えば、次のような仕事が対象になる場合があります。
- ホテルやモーテルのフロント業務
- 宿泊施設のハウスキーピング
- レストランやカフェの調理・接客
- パブやバーの業務
- ツアーガイド
- ダイビングインストラクター
- 観光バスの運転手
- 旅行会社や観光案内所の業務
- キャンプ場やホリデーパークの業務
ケアンズやダーウィンでは対象になる?
ケアンズはクイーンズランド州(Queensland)北部にあり、中心部の郵便番号4870は対象地域の一覧に含まれています。
したがって、対象となる仕事内容であれば、ケアンズのホテルやレストランなどでの仕事を指定労働に算入できる可能性があります。
また、ノーザンテリトリー(Northern Territory)は、観光・ホスピタリティー分野について全郵便番号が対象地域に含まれています。
そのため、ダーウィン(Darwin)などでの対象業務も検討できます。
シドニーやメルボルンの飲食店は?
シドニーやメルボルンの一般的な飲食店・ホテルの仕事は、通常、セカンド・サードワーホリの指定労働には該当しません。
アデレード(Adelaide)やホバート(Hobart)についても、州全域が農業などの指定地域に含まれることと、観光・ホスピタリティーの仕事が対象になることは別です。
例えば、タスマニア州(Tasmania)では農業などについて州全域が対象地域になっていますが、一般的な観光業務が州内のどこでも指定労働になるわけではありません。
同じ州内でも、業種ごとに適用される地域区分が異なる点に注意してください。
対象地域の調べ方|郵便番号が重要
指定労働として認められるかどうかを判断する際、実際に働く場所の郵便番号(Postcode)が重要になります。
オーストラリアの郵便番号は通常4桁の数字です。
内務省では、指定労働の対象地域を、郵便番号や郵便番号の範囲で公表しています。
主な地域区分は次のとおりです。
| 地域区分 | 主な対象業種 |
|---|---|
| Regional Australia | 農業・畜産、漁業、林業、鉱業、建設業など |
| Northern Australia | 対象となる観光・ホスピタリティー業務など |
| Remote and Very Remote Australia | 対象となる観光・ホスピタリティー業務など |
| Bushfire declared areas | 指定された森林火災復旧業務 |
| Natural disaster declared areas | 指定された自然災害復旧業務 |
州全域が対象になる場合もある
農業・畜産、建設業などに使用されるRegional Australiaの区分では、サウスオーストラリア州(South Australia)、タスマニア州、ノーザンテリトリーなどの全郵便番号が対象地域に含まれています。
一方、ニューサウスウェールズ州やビクトリア州では、都市部の一部地域が対象外となっています。
クイーンズランド州や西オーストラリア州(Western Australia)でも、郵便番号による指定があります。
具体的な郵便番号の例
| 地域の例 | 郵便番号 | 確認できる対象地域の例 |
|---|---|---|
| ケアンズ中心部 | 4870 | Regional・Northernなど |
| ダーウィン中心部 | 0800 | ノーザンテリトリー全域の指定 |
| コフスハーバー | 2450 | Regional Australia |
| ミルデューラ | 3500 | Regional Australia |
| バンダバーグ | 4670 | Regional Australia |
コフスハーバー(Coffs Harbour)、ミルデューラ(Mildura)、バンダバーグ(Bundaberg)などは、農業関連の仕事を探す際に候補となる地域です。
ただし、上の表に掲載された郵便番号が、すべての指定労働の業種で対象になるという意味ではありません。
例えば、Regional Australiaに含まれていても、観光・ホスピタリティーの指定地域には該当しない場合があります。
求人に応募する前の確認手順
- 仕事内容が政府の指定業種に該当するか確認する
- 実際に働く農場・ホテル・施設の所在地を調べる
- 勤務地の郵便番号を確認する
- 内務省の該当する業種別・地域別の一覧と照合する
- 必要に応じて雇用主へ業務内容や就労場所を書面で確認する
特に人材派遣会社を通じて働く場合、派遣会社の事務所所在地と、実際に働く農場の所在地が異なることがあります。
そのため、派遣会社の郵便番号だけで判断しないようにしてください。
対象となるかどうかは、実際の勤務地と具体的な仕事の内容を組み合わせて確認することが重要です。
すべての対象郵便番号は、オーストラリア内務省の公式サイトで確認できます。
オーストラリア内務省:417ビザの指定労働・対象地域・郵便番号一覧
雨天・休日・病欠・掛け持ち勤務の扱い
指定労働を計算する際には、実際の勤務日だけでなく、休日や欠勤の扱いも重要です。
通常の休日
フルタイムで継続して勤務し、その仕事における通常の休日として週末を休む場合、その休日を含む暦日で指定労働期間を計算できることがあります。
ただし、パートタイム勤務や断続的な勤務では、勤務実績に応じて計算する必要があります。
祝日・病欠
オーストラリア内務省は、祝日や病気による休暇について、給与が支払われている場合には指定労働期間に含めることができると案内しています。
反対に、給与が支払われない祝日や病欠日は、その日を指定労働として加算することはできません。
雨天で仕事がなくなった場合
ファームでは、雨や強風などの影響で仕事が中止になることがあります。
このとき、働かなかった日について給与が支払われなければ、原則として指定労働の日数には含められません。
内務省の公式案内にも、悪天候で予定していた勤務日数が不足し、後日別の職場で追加勤務を行って条件を満たした例が紹介されています。
雨が多い季節や収穫量が不安定な時期は、余裕を持ったスケジュールを考えましょう。
複数のファームで働いた場合
指定労働は、必ず1か所の職場だけで行う必要はありません。
対象条件を満たしていれば、複数の農場や勤務先で働いた期間を合計することができます。
ただし、同じ日に2つの職場で働いても、その日を2日分として数えることはできません。
勤務先ごとに給与明細や労働記録を保管し、後から日数を説明できるようにしておきましょう。
無給のボランティアは対象になる?
通常の農場仕事については、オーストラリアの労働法に従った適正な賃金が支払われる必要があります。
ただし、政府が指定する森林火災や洪水、サイクロンなどの災害復旧業務では、一定の条件を満たした無給のボランティア活動が指定労働として認められる場合があります。
これは一般的なファームでの無給労働が広く認められるという意味ではありません。
ボランティア活動を指定労働に含める予定がある場合は、災害の種類、指定地域、活動内容、対象期間などを公式情報で確認してください。
給与明細・銀行記録など必要な証明書類
指定労働を終えた後、セカンド・サードワーホリを申請する際には、その仕事を実際に行ったことを証明する資料が必要になります。
大切なのは、働いたという事実だけでなく、どこで、いつ、どのような仕事を行ったのかを説明できることです。
内務省が挙げている主な証明資料には、次のようなものがあります。
- 給与明細(Payslip)
- 給与が振り込まれた銀行口座の取引明細
- 雇用契約書
- 歩合給の場合の書面による合意書
- 雇用主からの勤務証明や推薦状
- 所得・税務関連の記録
- 適法な給与天引きに関する書面
給与明細は、できれば最初の勤務分からすべて保存しておきましょう。
特に次の情報を確認しておくと便利です。
| 確認する項目 | 内容 |
|---|---|
| 雇用主名 | 実際の雇用会社や事業者名 |
| 勤務期間 | 給与の対象となる日付・期間 |
| 勤務時間 | 何時間・何日働いたか |
| 給与 | 支給額・控除額 |
| 勤務地 | 実際に働いた場所と郵便番号 |
| 仕事内容 | 収穫、栽培、接客、清掃などの実務内容 |
なお、給与明細だけでは実際の勤務地が分からない場合もあります。
その場合は、雇用契約書や勤務先の記録、雇用主からの証明などで補えるようにしておきましょう。
また、人材派遣会社を通じて複数のファームで働く場合は、どの期間にどの農場で働いたか、自分でも記録しておくことをおすすめします。
現金払いなら証明できない?
給与が現金で支払われていることだけで、直ちに指定労働が無効になるわけではありません。
ただし、現金で支払われ、給与明細や勤務記録も残っていなければ、実際に働いた期間や賃金を証明することが難しくなります。
また、オーストラリアでは、雇用主は通常、給与の支払日から1営業日以内に給与明細を発行する義務があります。
給与の支払い方法にかかわらず、適切な記録を残してもらうようにしましょう。
ファームを辞める前に確認しておきたいこと
仕事を終える際は、未払い給与がないか、最後の給与明細を受け取ったか、雇用主に連絡が取れる状態かなどを確認しておきます。
あとから書類を集めようとしても、連絡が取れなくなる場合があります。
給与明細や契約書は、メールやクラウドストレージなどに保存しておくと安心です。
ファームの時給・歩合給・最低賃金
ファームでの仕事探しでは、セカンドビザの取得条件だけでなく、給与の仕組みも十分に確認する必要があります。
オーストラリアでは、ワーキングホリデー渡航者も労働法によって保護されています。
ワーキングホリデーだからといって、雇用主が自由に低い賃金を設定できるわけではありません。
農業の最低賃金
農業のうち、果物や野菜の収穫などで適用されることの多いホーティカルチャー・アワード(Horticulture Award)では、仕事内容や経験に応じて賃金等級が定められています。
2026年7月1日からの成人レベル1の基本最低時給はA$25.74、対象となるカジュアル雇用の時給はA$32.18です。
ただし、これは特定の賃金規則と等級の料金であり、オーストラリアのすべての農業関連の仕事に共通する時給ではありません。
例えば、仕事内容や経験によってレベル2以上の賃金が適用されたり、別の産業別賃金規則が適用されたりする場合があります。
歩合給(Piece Rate)の場合
ファームでは、収穫した果物や野菜の量によって給与が決まる歩合給の仕事もあります。
例えば、収穫したケースの数や、収穫量の重量などに応じて給与が計算される方式です。
以前は、経験の少ない人が歩合給の仕事で非常に低い収入になってしまうことが問題になっていました。
現在、ホーティカルチャー・アワードの対象となる歩合給労働者には、最低賃金保証が設けられています。
これは、一定の条件で、働いた日の労働時間に応じた最低賃金以上の支払いを受けられるという仕組みです。
例えば、成人のカジュアル・レベル1で時給A$32.18が適用され、7.6時間働いた場合、最低保証額は約A$244.57です。
歩合による計算でそれ以上の給与を得られる場合は、高い方の金額が支払われます。
また、歩合給を適用する場合には、仕事を始める前に賃金の計算方法などを記載した書面が必要です。
ただし、ワイン用ブドウの収穫など、別の賃金規則が適用される仕事では制度が異なる場合もあります。
自分の仕事にどの賃金規則が適用されるかを確認してください。
違法な給与天引きにも注意
農場や地方の仕事では、宿泊施設や送迎がセットになっている場合があります。
例えば、週A$200の宿泊費や、通勤用の送迎料金が必要になることもあります。
宿泊や送迎に費用がかかること自体は不自然ではありませんが、給与から天引きする場合には法律上の条件があります。
雇用主が一方的に高額な費用を差し引いてよいわけではありません。
契約する前に、家賃、保証金、送迎費用、最低勤務期間、退去時の条件などを確認してください。
「88日をカウントしてあげる」という言葉だけで、労働条件の悪い仕事を選ばないことが大切です。
給与や労働条件について不安がある場合は、フェアワーク・オンブズマン(Fair Work Ombudsman)の公式サイトで確認できます。
セカンド・サードワーホリの申請方法と費用
必要な指定労働を終えたら、セカンドまたはサードワーキングホリデービザを申請できます。
日本国籍者の場合、申請するのは初回と同じサブクラス417ですが、2回目・3回目の申請として手続きを進めます。
申請はオーストラリア内務省のオンラインシステム、イミアカウント(ImmiAccount)から行います。
申請料金はいくら?
2026年10月時点の政府公式料金は次のとおりです。
| ビザ | 申請料金 |
|---|---|
| セカンドワーキングホリデー | A$1,000 |
| サードワーキングホリデー | A$1,000 |
これはビザ申請そのものに必要な料金で、健康診断や証明書の取得費用、カード決済手数料などは含みません。
料金は改定されることがあるため、申請前に公式サイトで確認してください。
申請の基本手順
- 指定労働の期間と対象条件を確認する
- 給与明細・銀行記録・雇用証明などを整理する
- イミアカウントへログインする
- セカンドまたはサードの417ビザ申請を選択する
- パスポート・住所・過去のビザなどの情報を入力する
- 指定労働の勤務先、仕事内容、期間、勤務地などを入力する
- 必要な証明書類をアップロードする
- 入力内容を確認して申請料金を支払う
- 追加資料の依頼や審査結果を確認する
指定労働の証明が不十分な場合、内務省から追加資料の提出を求められることがあります。
また、申請した仕事が本当に対象職種に該当するか、雇用主へ確認が行われる場合もあります。
仕事をした日数だけでなく、勤務地や仕事内容を正確に記録しておくことが重要です。
審査期間はどのくらい?
審査期間は申請者や申請内容によって異なります。
2026年10月時点では、内務省はワーキングホリデービザの審査期間について、平均約3か月となる見込みを案内しています。
ただし、すべての申請が3か月かかるわけでも、3か月以内に必ず結果が出るわけでもありません。
内務省は、ビザが許可される前に航空券や就労・就学の確定的な手配を行わないよう案内しています。
ビザの開始時期とオーストラリア国外からの申請
セカンド・サードワーホリは、オーストラリア国内からも国外からも申請することができます。
ただし、申請する場所によって、ビザの許可時にいるべき場所や、滞在期間の開始時期などが異なります。
オーストラリア国内で申請する場合
初回ビザや2回目のビザが有効な間に、次のワーキングホリデービザを申請する方も多いでしょう。
例えば、初回ワーホリで88日の指定労働を終え、そのままオーストラリアでセカンドワーホリを申請するケースです。
この場合、現在のワーキングホリデービザから続けて滞在できることがあります。
ただし、2回目のビザを早く取得したからといって、初回ビザの残り期間が単純に失われるわけではありません。
初回ビザが有効な間に国内でセカンドビザを取得した場合などは、原則として初回ビザの終了予定日から、さらに最長12か月滞在できる仕組みです。
サードワーホリでも、一定の条件で同様の取り扱いがあります。
実際の滞在期限はビザ許可通知書で確認してください。
日本へ帰国してから申請する場合
初回ワーホリを終えていったん日本へ帰国し、その後セカンドワーホリを申請することも可能です。
この場合も、年齢や指定労働などの申請条件を満たしている必要があります。
オーストラリア国外から申請して許可された場合は、通常、許可日から12か月以内に入国する必要があり、入国日から最長12か月滞在できます。
ただし、実際の期限は許可通知書で確認してください。
申請中に出国してもよい?
国内から申請した場合、原則としてビザの許可時にもオーストラリア国内にいる必要があります。
国外から申請した場合は、許可時にも国外にいる必要があります。
国内申請後、審査中に海外へ出国する場合は、再入国に必要な有効なビザの確認が重要です。
ブリッジングビザの種類によっては、海外への出国により効力が失われる場合もあります。
そのため、審査中に海外旅行や日本への一時帰国を予定している場合は、事前に適用されるビザ条件を確認してください。
31歳になる前に申請する
日本国籍者は、セカンド・サードワーホリとも、原則として30歳までに申請を行う必要があります。
特に30歳で指定労働を進めている方は、必要な期間を終える前に31歳の誕生日を迎えてしまわないよう注意してください。
申請期限はオーストラリア東部の時刻が基準になります。
指定労働を早い時期に終え、必要書類を整理しておくことをおすすめします。
仕事探しで失敗しないための注意点
セカンド・サードワーホリを目指す際、仕事探しで最も避けたいのは、長期間働いたにもかかわらず、ビザの指定労働として認められないという状況です。
仕事を探すときには、給与や勤務条件とともに、次のような項目を確認しましょう。
1.対象地域・仕事内容を自分で確認する
求人広告に「セカンドワーホリ対象」「88日カウント可能」と書かれていても、それだけで政府が条件を認めるとは限りません。
雇用主が対象条件を誤解している可能性もあります。
勤務地の郵便番号と仕事内容を、内務省の公式一覧で確認してください。
2.勤務日数を確認する
週5日程度の勤務が見込めるのか、収穫量によって週2日程度になることもあるのかで、88日を満たすまでの期間は変わります。
特に農業では、悪天候などによる休業も考えておく必要があります。
仕事を始める前に、予定されている勤務時間や週の勤務日数を確認しましょう。
3.給与明細と記録を必ず残す
給与明細や銀行取引記録は、ビザ申請時に重要な証明資料となります。
雇用主から必要な書類が提供されない場合は、早い段階で確認してください。
4.宿泊費・交通費も確認する
ファームの仕事では、農場の近くに宿泊する必要がある場合があります。
家賃が高かったり、仕事が少なかったりすると、生活費を賄うのが難しくなることもあります。
給与だけでなく、住居費、保証金、通勤手段なども合わせて確認しましょう。
5.パスポートを預けない
雇用主や仕事の紹介業者から、パスポートを預けるよう求められた場合は注意が必要です。
本人確認のために提示することと、雇用主がパスポートを保管することは別です。
また、最低賃金を下回る給与や、違法な天引きなどが疑われる場合は、適切な相談先へ確認しましょう。
6.残りのビザ期間に余裕を持つ
初回ワーホリの終了直前になって指定労働を始めると、天候不良や仕事の減少などによって必要期間を満たせない可能性があります。
内務省も、滞在期間の終わりまで指定労働を先延ばしにしないよう案内しています。
セカンドやサードの取得を考えている方は、渡航後の早い段階から計画を立てるとよいでしょう。
求人の探し方
農業関連の仕事を探す場合は、オーストラリア政府の求人サービスであるワークフォース・オーストラリア(Workforce Australia)なども利用できます。
また、一般の求人サイト、農場や企業の採用ページなどから直接応募する方法もあります。
求人に応募する際は、仕事の内容、勤務地、労働条件などを確認し、自分のビザ条件に合っているか判断してください。
セカンド・サードワーホリに関するよくある質問
まとめ|88日・179日よりも大切なのは、仕事と地域の条件を満たすこと
オーストラリアのセカンド・サードワーキングホリデービザは、条件を満たすことで、さらに長くオーストラリアで暮らし、働き、旅行する機会を得られる制度です。
日本国籍者の場合、セカンドワーホリには初回ビザ中に3か月、サードワーホリには2回目のビザ中に6か月の指定労働が原則として必要です。
一般的には88日・179日と呼ばれていますが、単純にその日数だけファームに滞在すればよいわけではありません。
実際の勤務条件と、通常のフルタイム勤務に相当する日数やシフトが重要になります。
また、農場での仕事だけでなく、地域によってはホテル、レストラン、ツアー関連の仕事も対象になります。
ただし、対象になる地域は業種によって異なります。必ず勤務地の郵便番号と仕事内容を、政府の公式一覧で確認してください。
指定労働を終えた後は、給与明細や銀行取引記録など、仕事を行ったことを証明できる資料も必要になります。
セカンド・サードワーホリを目指す方は、仕事を始める前に対象条件を確認し、勤務中は記録を残し、ビザの期限に余裕を持って申請することが大切です。
また、ビザ取得のためだけに給与や労働条件を妥協する必要はありません。ワーキングホリデーで働く方にも、オーストラリアの労働法が適用されます。
せっかくの海外生活ですから、仕事の条件をしっかり確認し、無理のない計画でセカンド・サードワーホリを目指してください。
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