パースのマイクロモビリティ完全ガイド|eスクーター・eバイク・料金・利用方法・交通ルール

パース(Perth)は、スワン川沿いのサイクリングコースや郊外へ延びるシェアード・パスが整備され、自転車やeスクーターを使いやすい都市です。
ただし、2026年9月現在、パースCBDではシェアeスクーターの貸出が停止中です。シティ・オブ・パース(City of Perth)は2025年6月にレンタルeスクーター事業を停止し、その後も「until further notice(当面の間)」という状態が続いています。
一方、個人所有のeスクーターなどは、西オーストラリア州(Western Australia)のeRideable基準を満たせば公道や歩道で利用できます。また、スカボロー(Scarborough)などシティ・オブ・スターリング(City of Stirling)では、現在もビームによるシェアeスクーターが運営されています。
この記事でいう「eバイク」はオートバイではなく、電動アシスト付き自転車(electric bicycle / e-bike)のことです。日本語では「バイク」というとオートバイを連想しやすいため、必要な箇所では「eバイク(電動アシスト付き自転車)」と併記します。
この記事では、日本からの旅行者と在豪邦人向けに、パースで利用できるマイクロモビリティ、シェアeスクーターの現状、ビームの利用方法と料金、私有eスクーターの交通ルール、eバイク、レンタル自転車、公共交通への持ち込み、観光に使いやすいルートまで詳しく紹介します。
パースのマイクロモビリティ事情


パースでは2023年3月から、CBDと周辺地区でシェアeスクーターの試験運用が行われ、ビーム(Beam)とニューロン(Neuron)がサービスを提供していました。
しかし、2025年6月に安全面の見直しを目的としてシティ・オブ・パースがサービスを停止しました。2026年9月現在も、市の公式サイトでは「e-scooter hiring is suspended until further notice」と案内されています。
そのため、パースCBDでは以前のように街中のシェアeスクーターをアプリで借りることはできません。
旅行者がCBDでマイクロモビリティを利用する場合は、レンタル自転車・eバイク、または自分で所有する合法eスクーターが現実的な選択肢になります。
パースで利用できるサービス
| サービス | 2026年9月時点 | 旅行者の利用 |
|---|---|---|
| パースCBDのシェアeスクーター | 停止中 | × |
| スカボロー周辺のビームeスクーター | 運営中 | ◎ |
| 私有eスクーター | 州基準を満たせば合法 | ○ |
| レンタル自転車 | 利用可能 | ◎ |
| レンタルeバイク | 利用可能 | ◎ |
| 私有自転車・合法eバイク | 利用可能 | ○ |
CBD中心部だけを見るとシェアeスクーターは使えませんが、スワン川沿いの自転車ネットワークは充実しています。レンタル自転車やeバイクを使えば、エリザベス・キー(Elizabeth Quay)、イースト・パース(East Perth)、オプタス・スタジアム(Optus Stadium)、サウス・パース(South Perth)方面を比較的走りやすくなっています。
CBDのシェアeスクーターは停止中
パースCBDのシェアeスクーターは、2023年3月から2年間の試験事業として始まりました。
当初はニューロンとバード(Bird)、その後バード撤退後にビームが参加し、CBD、イースト・パース、ノースブリッジ(Northbridge)、クロウリー(Crawley)などで利用されていました。
2025年4月にはシティ・オブ・パースがシェアeスクーター事業継続を決定しましたが、同年6月にサービスを一時停止し、2026年9月現在も再開していません。
現在のポイント:パースCBDでビームやニューロンのアプリを開いても、市のシェアeスクーターは現在利用できません。過去の記事やSNSにはCBDでレンタルできる情報が残っているため注意してください。
キングス・パーク、ビンセントでも停止
キングス・パーク(Kings Park)のシェアeスクーターも現在停止中です。また、ノース・パース(North Perth)、マウント・ローリー(Mount Lawley)などを含むシティ・オブ・ビンセント(City of Vincent)でも、2025年6月からレンタルeスクーター事業が停止しています。
スカボローではシェアeスクーターを利用可能
CBDでは停止していますが、パース都市圏すべてでシェアeスクーターがなくなったわけではありません。
旅行者に最も利用しやすいのがスカボロー・ビーチ(Scarborough Beach)周辺です。
シティ・オブ・スターリングでは現在、ビームが250台のeスクーターを運営しています。サービスエリアはウォーターマンズ・ベイ(Watermans Bay)、スカボロー、トリッグ(Trigg)、カリニャップ(Karrinyup)、イナルー(Innaloo)など約26平方キロメートルです。
2025年11月には、市がビームとの契約をさらに2年間延長することを決定しているため、2026年も継続しています。
スカボローからスターリング駅方面まで
サービスエリアは海岸だけではなく、スカボローからイナルー、カリニャップ、スターリング駅周辺まで広がっています。
スカボロー・ビーチ周辺の散策や、バス・鉄道とのラスト・マイル移動に便利です。
ビームの利用方法
ビーム(Beam)は紫色の車体が目印です。
- Beamアプリをスマートフォンへダウンロード
- アカウントを作成
- 支払い方法を登録
- アプリの地図から近くのeスクーターを探す
- 料金、バッテリー残量、サービスエリアを確認
- ハンドル付近のQRコードを読み取って解錠
- ブレーキ、タイヤ、ヘルメットを確認
- ヘルメットを着用して走行
- 指定駐輪場所へ返却
- 駐輪写真を撮影し、アプリで利用終了を確認
ビームの車両にはGPSとジオフェンシングが搭載され、サービスエリア外、低速区域、進入禁止区域、駐輪禁止区域などがアプリ上で管理されています。
指定場所でないと返却できない
スカボロー周辺では「バーチャル・ドッキング」が使われています。好きな場所に置くのではなく、アプリで表示される指定駐輪場所へ返却してください。
24時間利用可能
シティ・オブ・スターリングの現行サービスでは、ビームのeスクーターは原則24時間利用できます。ただし、イベントや特定区域で時間制限、No Start Zoneなどが設定される場合があります。
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シェアeスクーターの料金
ビームの料金は、利用地域、時間、キャンペーン、パスによって変更されます。
現在のスターリング向け公式ページでは固定料金を表示していないため、利用直前にBeamアプリへ表示される金額を確認するのが最も確実です。
参考として、ビームが2024年にスターリングで現行サービスを開始した時点では、1豪ドルで解錠+1分0.45豪ドルからという料金が案内されていました。
現在も同額とは限らないため、この記事ではアプリ表示を最新料金の基準とします。
| 項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 解錠料金 | Beamアプリで乗車前に確認 |
| 1分あたり料金 | Beamアプリで乗車前に確認 |
| パス・サブスクリプション | 利用可能なプランがアプリに表示 |
| 過去の参考料金 | 1豪ドル解錠+0.45豪ドル/分から |
私有eスクーターとeRideable
西オーストラリア州では、eスクーターなどの小型電動モビリティをeRideableと呼びます。
シェアeスクーターが停止中のパースCBDでも、州の基準を満たす私有eRideableを合法的に利用できます。
eRideableの主な条件
- 1人乗り用
- 少なくとも1輪を持つ
- 長さ125cm以下
- 幅70cm以下
- 高さ135cm以下
- 重量25kg以下
- 平坦路で25km/hを超えて走行できない
- 利用者は16歳以上
この基準を満たせば、eスクーターだけでなくeスケートボード、eユニサイクル、ホバーボードなどもeRideableに含まれます。
西オーストラリア州では、eRideableについてモーター出力そのものの上限はありません。ただし、25kg以下、最高25km/hなどのサイズ・性能基準をすべて満たす必要があります。
速度・走行場所のルール
| 走行場所 | 最高速度 |
|---|---|
| 歩道 | 10km/h |
| 歩行者横断歩道 | 10km/h |
| 自転車道 | 25km/h |
| シェアード・パス | 25km/h |
| 自転車レーン | 25km/h |
| 制限速度50km/h以下の道路 | 25km/h |
歩道を走れる
西オーストラリア州ではeRideableを歩道で利用できます。ただし最高10km/h、歩行者優先です。
50km/hを超える道路は走れない
eRideableは、制限速度が50km/hを超える道路では走行できません。「No Wheeled Devices」「No Bicycles」などの標識がある場所も利用できません。
横断歩道では降りなくてもよい
現在は、接続する歩道やパスから横断歩道へ進入する場合、自転車・eRideableとも降りずに横断できます。ただし10km/h以下で、歩行者へ道を譲る必要があります。
1人乗りのみ
2人乗り、子供や動物を一緒に乗せる行為は禁止されています。
主な罰金
2026年5月に西オーストラリア州政府が更新した主なeRideable違反の罰金は次の通りです。
| 違反 | 罰金 |
|---|---|
| 歩道で10km/hを超える | 100豪ドル |
| 道路・自転車道・シェアードパスで25km/hを超える | 100豪ドル |
| ヘルメット未着用 | 50豪ドル |
| 16歳未満がeRideableを利用 | 50豪ドル |
| 乗客・動物を乗せる | 50豪ドル |
| 携帯電話の不正使用 | 500~1,000豪ドル |
| 薬物・飲酒等で正常に操作できない状態 | 100豪ドル |
| 50km/h超の道路を走る | 100豪ドル |
| 70km/h超の道路を走る | 500豪ドル |
eRideableは法律上「車両」として扱われるため、この表以外にも一般の道路交通法が適用される場合があります。
合法なeバイク(電動アシスト付き自転車)の基準
eバイクはeRideableではなく、自転車として別の法律で扱われます。
西オーストラリア州で公道・歩道を走れるeバイクは、主に次の2種類です。
EN 15194対応のペデレック
- 最大出力250W以下
- ペダルをこぐ力をモーターが補助
- 25km/hでモーターアシストが停止
- EN 15194適合表示がある
その他のパワーアシスト自転車
- モーター合計出力200W以下
- 主な動力が人力ペダル
- 正常に機能するペダルを備える
eバイクを利用できるのは原則16歳以上です。750Wや1,000Wなどの高出力車、モーターだけで走るよう設計された車両は、合法eバイクとして公道や歩道を利用できません。
西オーストラリア州では自転車・eバイクも年齢を問わず歩道を走ることができます。歩行者優先で、歩道では一列で走行します。
レンタル自転車・eバイク
アバウト・バイク・ハイヤー
CBDで旅行者が利用しやすいのがアバウト・バイク・ハイヤー(About Bike Hire)です。
イースト・パースのポイント・フレーザー(Point Fraser)、305リバーサイド・ドライブにあり、スワン川沿いのサイクリングルートへすぐ入れます。
シティバイク、マウンテンバイク、ロードバイク、eバイク(電動アシスト付き自転車)、eマウンテンバイクなどを扱っています。
パース市内への自転車配送にも対応しています。
レンタル料金
2026年7月1日~2027年6月30日の公式料金は次の通りです。
| 車種 | 1時間 | 1~2時間 | 2~4時間 | 1日 |
|---|---|---|---|---|
| シティバイク | 18豪ドル | 25豪ドル | 32豪ドル | 39豪ドル |
| マウンテンバイク | 20豪ドル | 35豪ドル | 45豪ドル | 55豪ドル |
| ロードバイク | 20豪ドル | 35豪ドル | 45豪ドル | 55豪ドル |
| eシティバイク | 28豪ドル | 45豪ドル | 59豪ドル | 75豪ドル |
| eマウンテンバイク | 38豪ドル | 65豪ドル | 78豪ドル | 98豪ドル |
eバイクのレンタルは16歳以上です。数時間かけて川沿いやサウス・パース方面を走るなら、シェアeスクーターよりこちらの方が利用時間と費用を把握しやすいでしょう。
駐輪・充電
RACアリーナの無料スマート・バイク・ハブ
パースCBDで私有eバイクやeスクーターを使う在豪邦人に便利なのが、RACアリーナ(RAC Arena)にあるスマート・バイク・ハブ(Smart Bike Hub)です。
10台分のセキュアな駐輪スペースがあり、eバイクやeスクーターの充電にも対応しています。利用は無料で、Bikeepアプリから予約します。充電する場合は自分の充電ケーブルを持参します。
自転車は必ずロック
レンタル自転車を離れる時は、短時間でも付属ロックを利用します。フレームと固定物を一緒にロックする方が安全です。
旅行者に使いやすいルート
スワン川ループ
パースで最も走りやすい観光サイクリングの一つがスワン川(Swan River)沿いのループです。
エリザベス・キー、ポイント・フレーザー、クレイズブルック・コーブ(Claisebrook Cove)、オプタス・スタジアム、サウス・パースなどを橋でつなぐことができます。
ビジット・パースでは、橋を組み合わせた短いループなら約45分~1時間のルートとして紹介しています。
ボールー・ブリッジ
コーズウェイの新しい歩行者・自転車橋ボールー・ブリッジ(Boorloo Bridge)により、CBDとビクトリア・パーク(Victoria Park)方面のアクセスが便利になりました。
パース~フリーマントル方面
パース~フリーマントル・プリンシパル・シェアード・パス(Perth–Fremantle Principal Shared Path)は、スビアコ(Subiaco)、ウェスト・リーダービル(West Leederville)方面へつながる主要ルートです。
ミッチェル・フリーウェイ沿い
ミッチェル・フリーウェイ・プリンシパル・シェアード・パス(Mitchell Freeway PSP)は、リーダービル(Leederville)、ノース・パース方面からCBDへの自転車移動に利用されています。
キングス・パーク利用時の注意
キングス・パークはパースを代表する観光地ですが、シェアeスクーターの貸出は現在停止しています。
自分の自転車を持ち込む場合は、主要道路と指定されたシェアード・パスを利用し、園内の標識に従ってください。
キングス・パーク内には自転車やスクーターの進入が認められていない区域もあります。西オーストラリア植物園、戦争記念施設周辺などでは、必ず現地標識を確認してください。
電車・バス・フェリーとの組み合わせ
| 車両 | 電車 | バス | フェリー |
|---|---|---|---|
| 通常自転車・eバイク | 条件付き可 | 折りたたみ+専用バッグのみ | 可 |
| eスクーター | 条件付き可 | 折りたたみ時のみ | 可 |
自転車は電車へ持ち込める
オフピーク時間帯は、スペースがあれば通常自転車・eバイクを電車へ持ち込めます。
平日7:00~9:00の市内方向、16:30~18:30の郊外方向はピーク方向となり、自転車の持ち込みに制限があります。
またピーク時間帯には、パース駅(Perth Station)、パース・アンダーグラウンド(Perth Underground)、エリザベス・キー駅へ自転車で入場できません。
バスは通常自転車不可
通常の自転車・eバイクはバスへ持ち込めません。折りたたみ自転車を専用バッグに収納し、120cm×68cm×40cm以内にした場合などに限られます。
eスクーターは電車・フェリーへ持ち込み可能
eスクーターはオフピークなら電車へ持ち込み可能です。ピーク時は混雑状況によりスタッフが制限する場合があります。
フェリーには自転車・eスクーター用ラックが4台分あります。
登録・免許・保険
私有eスクーター
西オーストラリア州のeRideable基準を満たすeスクーターには、通常の自動車のような車両登録、ナンバープレート、運転免許は必要ありません。
eバイク
合法なeバイク(電動アシスト付き自転車)も自転車として扱われ、車両登録や自動車運転免許は不要です。
強制保険はない
一般的な自転車、合法eバイク、eRideableには、自動車のMotor Injury Insuranceのような強制加入保険はありません。
ただし事故で歩行者をけがさせたり他人の物を壊した場合、利用者が賠償責任を負う可能性があります。
Beam利用者の保険
シティ・オブ・スターリングの案内では、ビームは登録利用者にPersonal Accident InsuranceとThird Party Insuranceを提供しています。ただし法令・利用規約を守っていることなど条件があるため、利用前にアプリの規約を確認してください。
利用時の注意点
歩道は10km/h以下
パースではeスクーターを歩道で使えますが、最高10km/hです。歩行者が多いCBDやスカボロー海岸ではさらに速度を落としてください。
ヘルメットは必須
自転車、eバイク、eRideableとも承認されたヘルメットを着用してください。
携帯電話を触らない
eRideable走行中の携帯電話不正使用には高額な罰金があります。ナビを確認する場合は安全な場所に停止してください。
飲酒後は乗らない
eRideableには飲酒・薬物運転に関する道路交通法も適用されます。バーやレストランで飲酒した後はeスクーターを利用しないでください。
海沿いは風に注意
スカボローやトリッグ周辺は風が強い日があります。横風が強い場合は無理に速度を上げず、必要なら降りて押してください。
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パースのマイクロモビリティに関するよくある質問(FAQ)
2026年9月現在は借りられません。シティ・オブ・パースは2025年6月にシェアeスクーター事業を停止し、現在も「until further notice」となっています。
はい。スカボロー、トリッグ、ウォーターマンズ・ベイ、カリニャップ、イナルーなどシティ・オブ・スターリング内では、現在ビームのシェアeスクーターを利用できます。
はい。西オーストラリア州のeRideable基準を満たす私有eスクーターであれば利用できます。16歳以上、ヘルメット着用、歩道10km/h、対応する道路・自転車道等25km/hなどのルールがあります。
走れます。ただし最高10km/hで、歩行者へ道を譲らなければなりません。自転車や合法eバイクも西オーストラリア州では歩道を利用できます。
この記事でいうeバイクはオートバイではなく、電動アシスト付き自転車です。西オーストラリア州ではEN 15194対応の250Wペデレック、または条件を満たす200W以下のパワーアシスト自転車が合法です。
アバウト・バイク・ハイヤーでは、2026年7月~2027年6月の料金として、eシティバイクが1時間28豪ドル、2~4時間59豪ドル、1日75豪ドルです。
オフピークはスペースがあれば持ち込めます。ピーク時間帯は混雑状況により制限される場合があります。バスは折りたたみ可能なサイズに限られ、フェリーには4台分のラックがあります。
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