ウェリントン山は、標高1271メートル、ウェリントン・パーク保護区内にあるウェリントン山脈の最高峰である。地元アボリジニーのパラワ族の言葉では「クナンイ( kunanyi )」という名前で呼ばれている。

頂上へは、ホバート市内より約22km、車で30-40分でアクセスでき、また多くのトレッキングコースが存在することから、年間を通して多くの観光客が訪れる。

山頂からは、天気がいい日はホバート市内のみならず、周辺の山や海が一望できる絶景ポイントである。

また、ウェリントン山には、オルガン・パイプと呼ばれる奇岩がある。玄武岩の柱が並ぶ崖で、上級クライマーにとって人気スポットとなっている。

セント・クレア湖は、 クレイドル山=セント・クレア湖国立公園に位置する中心の湖であり、 オーストラリアで最も水深の深い(167m)自然湖である。

セント・クレア湖の周りには初心者から上級者まで楽しめるトレッキング・コース、また、森林散策、釣り、ボートなど、様々なアクティビティがある。

世界遺産の「タスマニア原生地域」にあるクレイドルマウンテン・レイクセントクレア国立公園の最深部を北から南へと縦断する、約65kmに及ぶオーバーランド・トラックは、クレイドルマウンテン北部からスタートした場合、このセント・クレア湖の南側に位置するシンシア・ベイが最終地点となっている。

東西マクドネル山脈は、オーストラリア中央部に位置するアリススプリングスをまたいで伸びる山脈で、その規模は西マクドネル山脈の方が大きい。山脈の幅は非常に広いが、標高はさほど高くなく、最高峰は ジール山の標高1,531m。山脈というよりも山地に近い。

山脈の先には、先住民族アボリジニが何千年もの間暮らしてきたシンプソン砂漠やタナミ砂漠がある。

アリススプリングスの伝統的所有者とされるアランタ族は、断崖の裂け目からこの世に現れたイェペレンイェと呼ばれる巨大な芋虫が、マクドネル山脈およびアリススプリングスに姿を変えたと信じている。

西マクドネル山脈には、いくつもの美しい渓谷や峡谷があるが、その中でもシンプソンズ渓谷には、水が枯れることのない池があり、険しい岩山にはロックワラビーが多く生息し、早朝や夕暮れ時に多く見ることができる。

スタンドレー峡谷は、高さ80メートル、幅9メートルほどの壁面の間を歩くことができる。その岩肌は、真昼の太陽の光を受け、燃えるような赤色に染まる。

エルリー・クリークのビッグ・ホールと呼ばれる自然のプールで水遊びをしたり、 オーミストン渓谷やグレンへレン、オーカピットでブッシュウォーキングを楽しむこともできる。

パーム・バレーはアリススプリングスから西へ約140km、車で2時間の フィンク・ゴージ国立公園 内にある、名前の通りヤシの木(パーム/Palm)が生えている渓谷である。パーム・バレー手前の16kmは未舗装道路で、かなりの凹凸があり、雨の後はぬかるみも生じるため、4WDでしかアクセスすることができない。

このフィンク・ゴージ国立公園内には、約3000本のヤシの木が生えているが、その種は「レッド・キャベツ・パーム(Red Cabbage Palm)」といい、地球上でこの地にのみ生息している。高さは25mものものもある。

通常のヤシの木は、比較的気候が日中・1年を通して温暖な場所にのみ生息するが、このレッド・キャベツ・パームは、耐寒性を備えており、砂漠気候において、朝晩にはマイナスになることもある冬季の気候にも十分耐え、繁殖することができる木である。

一面赤土の世界のアウトバックの中で、突如として現れるヤシの木の集まりは、まさに砂漠の中のオアシスであり、キャンプ地としても地元オージーにも人気がある。

カカドゥ国立公園は、ノーザンテリトリー(北部準州)の州都ダーウィンから東に250km、車で3時間の場所にある、ユネスコ世界複合遺産の巨大国立公園だ。その大きさは、日本の四国と同じくらいである。熱帯気候に位置するため、マングローブが生い茂る湿原が広がっており、様々な野鳥やワニ、バッファローなどが生息する動植物の楽園となっている。

気温は年間を通して30度前後だが、雨季と乾季に分かれるため、雨季(11月から3月頃)には未舗装の道が封鎖され、アクセスができなくなる場所もある。

しかし、滝や湖などは雨量が乾季よりも増し、迫力のあるカカドゥを体験できるのもまた、雨季の醍醐味でもある。逆に乾季(2月から10月頃)は、からっとした過ごしやすい気候となり、アクセスできる場所もぐっと増えるので、滝壺での水遊びやハイキングなどを思う存分多能できる。

総面積約197万5500ヘクタールの広大なカカドゥ国立公園は、約6万年以上も前からアボリジニーの人々が住んでいた形跡がある。文字を持たない彼らの古代の生活ぶりをうかがい知るには、公園内の2か所に残る壁画を訪れてみよう。

まず、ウビルーでは、全長約1kmに渡って3か所の壁画を見ることができる。有名な漁師やウミガメの壁画から、その場所がかつては雨季に川が氾濫して作られた氾濫原であったことや、文字を持たず、建設された家屋に住まない彼らがどのようにしてこの地で生活していたかなどをうかがい知ることができる。

比較的新しいと言われる「X線画法」で描かれた亀や魚のを見ることができるのもまた、ウビルーである。小高い丘の展望台からは、アーネムランドの大湿原が一望でき、ここは夕日の眺めは絶景である。

もう1か所壁画をご覧いただけるのが、ノーランジーロック。ここでは、約1.5kmに渡って、同じく3か所の壁画を見ることができる。自由に雷を操ることができる「雷男(ナマルゴン)の壁画は特に有名である。

ワラジャン・アボリジナルカルチュラルセンターでは、この地に古代から住むアボリジニーの文化や生活様式などを学ぶことができる。

カカドゥ国立公園では、季節により全く違う顔を見せる滝や川もまた、魅力の一つである。ガンロム滝やマグック渓谷では、人里離れた自然のスパでゆっくりくつろぐことができる。また、ジムジム滝やツイン滝は、滝壺での水遊びの他、ブッシュウォーキングを楽しむこともできる。雨季には乾季の際とは全く違う、迫力のある滝を見ることができる。

また、カカドゥ国立公園は約1万頭のワニが生息しており、イエローウォータークルーズでは湿地にてイリエワニや多くの野鳥を観察することができる。

トップエンドを訪れる観光客にとって、カカドゥ国立公園、リッチフィールド国立公園に次いで人気のスポットがキャサリン渓谷だ。

キャサリン渓谷は、ノーザン・テリトリー(北部準州)にあるダーウィンから南へ約300km、ニトミルク国立公園に位置する、何百万年もの侵食により作られた砂岩の渓谷である。13の渓谷と早瀬、滝から構成され、渓谷の間を流れるキャサリン川へと続く。

ニトミルク国立公園は、先住民のジャオイン族が管理しており、彼らにとって儀式などで使われるとても重要な場所である。彼らの言葉でニトミルクは「セミの夢見る場所」を意味する。

キャサリン渓谷は、内陸に位置するものの気候はトップエンドに属する。4月から10月までの乾季の間は、キャサリン川の水位が下がり、川の流れも穏やかになるので、クルーズやカヌー、または水遊びを楽しむことができる。

11月から3月までの雨季の間は、雷雨や洪水が発生する可能性がある。また、川の水位も上がることにより、イリエワニが川に入り込むと、カヌーや遊泳は禁止される。その場合は、ヘリコプターに乗って、上空から古代より侵食と隆起を繰り返してきたキャサリン渓谷の雄大さを堪能することができる。

また、ニトミルク国立公園には、キャサリン渓谷と並んで人気の観光スポット、エディス・フォールという滝があり、周辺の岩場を散策したり、滝壺で水遊びをすることができる。

リッチフィールド国立公園は、トップエンドの中でもカカドゥ国立公園に次いで人気の観光地である。ノーザンテリトリー(北部準州)の州都ダーウィンから南に130km、車で約1時間半という、アクセスしやすい場所にあるので、地元ダーウィンっ子にも日帰り観光スポットとして親しまれている。

リッチフィールド国立公園内では、モンスーンの森林での散策や、いくつかある滝の滝壺が天然のプールになっているので水遊び、または、巨大なシロアリ塚の鑑賞など、様々なアクティビティを体験することができる。

フローレンス滝は、熱帯雨林のど真ん中に位置し、高さ15mほどの滝が2つ流れ落ちており、高台に設けられた展望台からの景色は絶景である。その展望台を下っていくと、フローレンス滝の滝壺に到着する。切り立った崖から流れ落ちる2つの滝のふもとの滝壺の水は透き通っており、1年を通して気温が30度前後なので、ハイキング後のほってった体を冷やすにはちょうどいい水温だ。リッチフィールド国立公園で一番観光客をひきつけている場所である。

トルマー滝は、高さ40mの滝が緑の木々にに囲まれた褐色の崖から流れ落ちている。滝壺の付近は洞窟になっており、そこには 希少種のキクガシラコウモリが生息しているため、トルマー滝での遊泳は禁止されている。

ワンギ滝もフローレンスの滝同様、2つの滝が流れ落ちている二重滝である。高さ50メートルの滝は、雨季には水量が上がり、迫力満点。滝壺で水遊びをすることができる場所だが、雨季に水位が増すとイリエワニが侵入してくる場合があるので、注意が必要だ。

また、バレー・ロックホールは、天然のスパ。岩場に腰かけて流れてくる水の流れを感じながらリラックスするもよし、足場のつかない深い場所へ飛び込むスリルを味会うのもよし、みなそれぞれの楽しみ方に興じている。

リッチフィールド国立公園で一番目を見張るものは、何といっても巨大なシロアリ塚だろう。大きなものだと2~3mを超すこのアリ塚は、強烈な日差しを避けると同時に、朝夕の太陽熱を利用して温度調節をするために、みな同じ南北方向を向いている。

シロアリ自身の排泄物と唾液を混ぜて作られ、1年でやっと30cmという大きさになるという。古いシロアリ塚は100年ほどたっているものもある。この付近で一番大きい「カテドラル・ターマイト・マウンズ」は高さ5メートルを超える巨大アリ塚。横に立ってその大きさを実感してみよう。

写真提供:ノーザンテリトリー観光局

 

タスマニアの南東部に位置するフレシネ国立公園。この国立のハイライト、ワイングラスベイはワイングラスのように美しい曲線を描いた湾であり、純白の砂浜とターコイズカラーの海、そして真っ青な空の色が息を飲むほど素晴らしいコントラスを織りなしている。

ワイングラス・ベイには、初級コースから上級コースまで様々なハイキングコースが用意されているので、ご自身の体力に合わせて楽しむことができる。ハイキングの途中やビーチは、とても人懐っこいワラビーにも出会える。

カンガルー島内のフリンダース・チェイス国立公園最南端に位置するこの奇岩は、アドミラルズ・アーチと呼ばれ、岬の中腹が南極から吹き付ける風や波などの風化により、アーチ状に削られてぽっかりと空洞になっている。

アドミラルズ・アーチの天井からは無数の鍾乳石が垂れさがっている。付近には、約4000頭ものニュージーランド・オットセイが生息している。

写真提供:南オーストラリア観光局

カンガルー島内にあるリマーカブル・ロックスは、カンガルー島随一の景勝地である。フリンダースチェイス国立公園に位置し、約5億年もの間、南極からの風や波、そして雨などの風化で作られた花崗岩であり、自然の造形美となっている。

リマーカブル・ロックスは、見る角度や時間によって、様々な顔を見せてくれる。水平線に目を向けてみると、このはるか先は南極しかないということを改めて気づかされることだろう。

リマーカブル・ロックスの辺りにはティーツリーやユーカリの原生林が広がっているが、南極からの風の影響を受け、全て同じ方向を向いている。

写真提供:南オーストラリア観光局