ベジマイト完全ガイド|味・食べ方・オーストラリア人に愛される理由

オーストラリアを代表する食べ物の一つとして必ず名前が挙がるベジマイト(VEGEMITE)。

黒に近い濃い茶色のペーストで、オーストラリアの家庭ではトーストやサンドイッチに塗って食べられています。

一方、日本人旅行者の間では「ものすごくしょっぱい」「独特の味」「一口で無理だった」といった感想も少なくありません。

実は、初めてベジマイトを食べて苦手になる大きな理由の一つが、ジャムやチョコレートスプレッドのように厚く塗ってしまうことです。

ベジマイトはパン一面を黒くするほど塗るものではありません。バターを塗ったトーストへ、ごく少量を薄く伸ばすのが基本です。

この食べ方を知るだけで、印象が大きく変わる人もいます。

ベジマイトは1923年にメルボルンで誕生し、100年以上にわたりオーストラリアの食卓で親しまれてきました。現在はオーストラリア企業ベガ・チーズ(Bega Cheese Limited)が所有し、ポート・メルボルン(Port Melbourne)で製造されています。

この記事では、日本からオーストラリアを訪れる旅行者向けに、ベジマイトとは何なのか、どんな味なのか、失敗しにくい食べ方、原材料や栄養、マーマイトとの違い、オーストラリア人に長く愛される理由まで詳しく紹介します。




ベジマイトとは?

ベジマイトはジャムのようにパンへ塗る物ですか?
パンに塗りますが、ジャムのように厚く塗ってはいけません。バターを塗ったトーストへ、ごく少量を薄く伸ばすのが基本です。

ベジマイトは、Yeast Extract(酵母エキス)を中心に作られる濃い色のSpreadです。

原料となるYeastは、ビール醸造などに関係するBrewer’s Yeastを利用しています。

見た目はChocolate Spreadや黒蜜のようにも見えますが、甘い食品ではありません。

むしろ、

  • Salty
  • Savoury
  • Umami-rich
  • 少し苦味がある

という味です。

オーストラリアでは朝食のToast、Sandwich、Crackersなどに使われる、非常に身近な食品です。

ベジマイトはどんな味?

初めて食べる人に一言で説明するのは難しい味です。

最も分かりやすく表現すれば、非常に濃いうま味と塩味を持つ発酵食品系のSpreadです。

醤油、味噌、だし、酵母エキスなどの「濃いうま味」を連想する人もいますが、どれとも同じ味ではありません。

香りにも独特のYeast感があります。

日本人がそのままスプーンで食べると、「しょっぱい」「苦い」という印象になりやすい食品です。

「うま味」の強い食品

ベジマイトは、甘さを楽しむSpreadではありません。

少量を加えて、Bread、Butter、Cheeseなどの味をSavoury方向へ強める調味料と考えると分かりやすくなります。

そのためToastだけでなく、Stew、Gravy、Bologneseなどの料理へ少量加える使い方もあります。

初めて食べる人が失敗しやすい理由

海外旅行者の「ベジマイトはまずい」という体験で非常に多いのが、塗る量の間違いです。

ピーナッツバター、Nutella、Jamの感覚で、

パン一面が真っ黒になるまで塗る

と、塩味とYeast Flavorが強すぎます。

ベジマイトは調味料に近い感覚で使います。

初めてなら「少なすぎるかな」と思うくらいから始めるのがおすすめです。

基本の食べ方

初めてベジマイトを試すなら、次の方法がおすすめです。

  1. 食パンをToastする
  2. 温かいうちにButterをやや多めに塗る
  3. VEGEMITEをKnifeの先へ少量取る
  4. Butterの上へ薄く伸ばす
  5. そのまま食べる

ポイントは、ButterとVEGEMITEの比率です。

最初はButterを主体にして、ベジマイトはアクセント程度にしましょう。

ベジマイト・トースト

最も代表的なのがVEGEMITE on Toastです。

Toastの熱でButterが少し溶け、その上へベジマイトが混ざることで、塩味がまろやかになります。

White BreadでもWholemealでも構いません。

Sourdoughへ薄く塗ってもよく合います。

どれくらい塗ればいい?

公式のNutrition Informationでは、標準Serving Sizeは5gです。

ただし、初めて食べる人がToast一枚へ5g全部を使う必要はありません。

まずはKnifeの先へ少し付け、Toastの所々に薄茶色が見える程度に伸ばしてください。

気に入ったら徐々に量を増やしていく方が失敗しにくいでしょう。

バターとの組み合わせが重要

初めてベジマイトを食べる場合、Butterを省かないことをおすすめします。

Butterの脂肪分が塩味とYeast Flavorを和らげます。

マーガリンやPlant-based Spreadを使う人もいます。

オーストラリアの家庭では、それぞれ自分なりの「ButterとVEGEMITEの濃さ」があります。

チーズとベジマイト

ベジマイトと非常に相性がよいのがCheeseです。

ToastへButterとVEGEMITEを薄く塗り、Cheddar Cheeseなどをのせます。

そのまま食べてもよいですし、GrillしてCheeseを溶かしてもおいしく食べられます。

塩味が強くなりやすいので、ベジマイトの量は控えめがおすすめです。

アボカドとベジマイト

オーストラリアらしい食材を組み合わせるなら、Avocadoもおすすめです。

Toastへベジマイトを薄く塗り、Avocadoをのせます。

AvocadoのCreamyな味がベジマイトの濃い塩味を和らげるので、比較的食べやすい組み合わせです。

さらにPoached Eggをのせてもよく合います。

卵と組み合わせる

Scrambled Eggs、Fried Egg、Poached Eggなど、卵料理と一緒に食べる方法もあります。

Toastへベジマイトを薄く塗り、その上へEggをのせれば、別途Saltを多く加えなくても味のアクセントになります。

サンドイッチ

昔からあるシンプルな食べ方がVEGEMITE Sandwichです。

BreadへButterとベジマイトを薄く塗り、もう一枚のBreadで挟みます。

Cheeseを加えたVEGEMITE & Cheese Sandwichも定番です。

子供のSchool Lunchとして食べた経験を持つオーストラリア人も多くいます。



料理の隠し味にも使える

ベジマイトの濃いうま味を利用し、料理へ少量加える方法もあります。

公式サイトでも、

  • Bolognese
  • Gravy
  • Stew
  • Pie
  • Roast料理

など幅広いRecipeが紹介されています。

日本料理で醤油や味噌を少量加えてコクを出す感覚に少し近く、入れ過ぎないことがポイントです。

1923年にメルボルンで誕生

ベジマイトは1923年にメルボルンで誕生しました。

当時、イギリスのMarmiteがオーストラリアで販売されていました。

食品会社Fred Walker Companyのフレッド・ウォーカー(Fred Walker)は、Brewer’s Yeastを利用したオーストラリア独自の商品を作ろうと考えました。

開発したシリル・カリスター博士

1923年2月、Fred Walkerは若いChemistだったシリル・P・カリスター博士(Dr Cyril P Callister)を雇いました。

Callister博士はBrewer’s Yeastを使って研究を進め、同年中にSpreadとしての商品を完成させました。

最初の商品は「Pure Vegetable Extract」と説明されていました。

VEGEMITEという名前の由来

Fred Walker Companyは、新商品の名前を一般公募しました。

賞金を用意して応募を募り、その中からVEGEMITEという名前が選ばれました。

現在、応募した人物の名前は記録に残っていないとされています。

1923年、最初のVEGEMITEは57gのAmber Glass Jarに入れて販売されました。

一時期「Parwill」になった

意外な歴史として、1928年にVEGEMITEは一時Parwillという名前へ変更されました。

当時イギリスのMarmiteの人気が強く、VEGEMITEの販売が伸びなかったためです。

名前は、

If Ma-mite… then Pa-will.

という言葉遊びから作られました。

しかしParwillは定着せず、ブランド名は再びVEGEMITEへ戻りました。

第二次世界大戦とベジマイト

VEGEMITEが広く定着する大きなきっかけの一つが第二次世界大戦でした。

Australian Armed ForcesがVEGEMITEを大量に購入し、兵士の食料として利用しました。

一般向け商品が配給制になるほど需要が高まった時期もあります。

National Museum of Australiaも、第二次世界大戦中にAustralian ArmyへVEGEMITEが供給され、オーストラリア市場で大きく定着した経緯を紹介しています。

Happy Little Vegemites

VEGEMITEの知名度をさらに高めたのがHappy Little Vegemitesの広告です。

1954年にRadioでJingleが放送され、1956年にはTelevision Advertisementにも使われました。

オーストラリアでは何世代にもわたって知られる広告曲となり、VEGEMITEと子供時代の記憶を結び付ける大きな役割を果たしました。

現在はオーストラリア企業が所有

長い間VEGEMITEはKraftなど海外資本の企業の傘下にありました。

しかし2017年、オーストラリア企業Bega Cheese LimitedがVEGEMITEブランドを取得しました。

公式サイトでは、これによって90年以上ぶりにVEGEMITEがAustralian Ownershipへ戻ったと紹介しています。

現在もメルボルンで製造

VEGEMITEは1923年以来、ポート・メルボルンで製造されています。

つまりAustralian Ownedだけでなく、Australian Madeでもあります。

海外で販売されているVEGEMITEも、オーストラリアで製造された商品が輸出されています。




ベジマイトの原材料

現在のVEGEMITEの主なIngredientsは、

  • Yeast Extract
  • Salt
  • Mineral Salt
  • Malt Extract
  • Colour
  • Flavours
  • Niacin
  • Thiamine
  • Riboflavin
  • Folate

です。

Yeast ExtractはBarleyとWheatの上で育てたYeast由来、Malt ExtractはBarley由来です。

Brewer’s Yeastとは?

Brewer’s Yeastは、Beerなどの醸造に関係するYeastです。

VEGEMITEは、ビール産業から得られるYeastを活用して開発された食品です。

そこから成分を抽出し、SaltやMalt Extractなどを加え、独特の濃いSpreadへ仕上げます。

Beerそのものを濃縮した食品という意味ではありません。

ビタミンB群

現在のVEGEMITEには、

  • Vitamin B1(Thiamine)
  • Vitamin B2(Riboflavin)
  • Vitamin B3(Niacin)
  • Folate(Vitamin B9)

が含まれています。

公式Nutrition Informationでは、5g ServeでB1とFolateは成人のDaily Intake基準の50%、B2とB3は25%と表示されています。

ただし、VEGEMITEだけを大量に食べる必要はなく、メーカーもBalanced, Varied Dietの一部として楽しむよう案内しています。

塩分は高い?

はい。VEGEMITEはSodiumの高い食品です。

現在のNutrition Informationでは、5g ServeにSodiumが165mg含まれています。

100g換算では3,300mgです。

ただし、通常は一度に100g食べる食品ではありません。

「少量を薄く塗る」という食べ方は、味の面だけでなく、塩分を摂り過ぎない意味でも重要です。

グルテンは含まれる?

通常のVEGEMITEにはBarleyとWheatが含まれます。

そのため、Coeliac DiseaseやGlutenを避ける必要がある人は、通常のVEGEMITEを自己判断で食べないようにしてください。

商品ラベルのAllergen Statementを確認しましょう。

ベジタリアンは食べられる?

Bega Foodserviceでは、VEGEMITEをSuitable for Vegetariansとして案内しています。

名前の「Vege」から野菜そのものを主原料にしたSpreadと思われることがありますが、中心となるのはYeast Extractです。

マーマイトとの違い

VEGEMITEとよく比較されるのがMarmite(マーマイト)です。

どちらもYeast Extractを使った濃い色のSpreadで、Toastなどへ薄く塗って食べます。

しかし別商品で、味、香り、濃さ、Textureが異なります。

VEGEMITE Marmite
代表的な国 オーストラリア イギリス
主なタイプ Yeast Extract Spread Yeast Extract Spread
Texture 濃く、やや硬め 比較的なめらか
味 強い塩味とうま味 独自の甘味・香りを含む

どちらが好きかは完全に好みです。

オーストラリア旅行なら、まずVEGEMITEを試してみるのがおすすめです。

Promiteとは?

オーストラリアのスーパーでは、VEGEMITEに似た瓶としてPromiteを見ることもあります。

こちらもYeast Extract系Spreadですが、VEGEMITEとは別の商品で、よりSweetな味を感じる人もいます。

VEGEMITE、Marmite、Promiteを少量ずつ食べ比べてみるのも面白いでしょう。

現在の商品

現在のVEGEMITE公式商品ラインでは、基本となるJarタイプのVEGEMITEに加え、使いやすさを重視したVEGEMITE Squeezyがあります。

スーパーではJarのサイズ違いも販売されています。

旅行者がお土産に買うなら、大容量より小さめのJarの方が便利です。

VEGEMITE Squeezy

VEGEMITE Squeezyは、JarへKnifeを入れず、Bottleから絞り出せるタイプです。

ToastやSandwichだけでなく、料理へ少量加える時にも便利です。

味の基本はVEGEMITEですが、Nutrition Informationには通常Jarタイプと若干の違いがあります。

どこで買える?

VEGEMITEはオーストラリアを代表する食品なので、一般的なスーパーで簡単に見つけられます。

代表的なのは、

  • Woolworths
  • Coles
  • IGA
  • その他のスーパー

です。

通常はJam、Peanut Butter、HoneyなどのSpreads売場にあります。

大型スーパーではJarのサイズ違いやSqueezyも見つけられる場合があります。

ホテルの朝食でも見かける?

オーストラリアのホテルやBreakfast Buffetでは、Butter、Jam、Honeyなどと一緒にVEGEMITEの小分けPortionが置かれていることがあります。

旅行中に初めて試したいなら、スーパーでJarを一本買う前に、ホテルのPortionで食べてみるのもよいでしょう。

その場合も、全部を一度にToastへ塗らず、少量から試してください。

お土産にもおすすめ

VEGEMITEは「これぞオーストラリア」という食品のお土産として非常に分かりやすい商品です。

ChocolateやBiscuitと比べると、相手の好みはかなり分かれます。

そのため、大人数へ無難に配るお土産というより、

  • オーストラリア好きの人
  • 珍しい食品が好きな人
  • 海外の食文化に興味がある人
  • 話題性のあるお土産を渡したい人

に向いています。

日本へ持ち帰る時

一般的なJarのVEGEMITEは液体状というより濃いPasteですが、国際線利用時は航空会社・空港の手荷物ルールも確認してください。

確実なのは預け荷物へ入れる方法です。

Glass Jarの場合は、

  • ビニール袋へ入れる
  • 衣類などで包む
  • スーツケースの外側へ置かない

など、破損対策をすると安心です。



ベジマイトで使う英語

英語 意味
VEGEMITE ベジマイト
Yeast Extract 酵母エキス
Spread パンなどに塗る食品
Savoury 甘くない、塩味・うま味系
Salty 塩辛い
Toast トースト
Spread it thinly 薄く塗る
A little goes a long way. 少量で十分です
VEGEMITE on toast ベジマイト・トースト
Have you tried VEGEMITE? ベジマイトを食べたことがありますか?
How much should I use? どれくらい使えばいいですか?
Just a little, please. 少しだけお願いします。

初めて食べる人へのコツ

  • スプーンですくってそのまま食べない
  • Jamのように厚く塗らない
  • Toastをしっかり焼く
  • Butterを先に塗る
  • VEGEMITEはKnifeの先に少量だけ取る
  • 最初は薄く塗る
  • 苦手ならCheeseやAvocadoと組み合わせる
  • 塩分が高いので大量に食べない
  • Wheat・Barleyを含むのでアレルギー表示を確認する
  • ホテルの小分けPortionで試してからJarを買うのもおすすめ

VEGEMITEは、誰にでも一口で「おいしい」と感じてもらえるタイプの食品ではありません。

しかし、オーストラリア人が100年以上食べ続けてきた背景には、朝食のToastやSchool Lunchと結び付いた日常の味があります。

海外から来た人が最初から大量に塗ると、その文化を知る前に「ものすごくしょっぱい食品」で終わってしまいます。

まずはButterを塗ったToastへ、ごく少量。

そこからCheese、Avocado、Eggなど自分の好きな食材と組み合わせてみてください。

好きになるかどうかは別として、オーストラリア旅行中に一度は体験してみたい食文化であることは間違いありません。




ベジマイトに関するよくある質問(FAQ)

ベジマイトとは何ですか?

Yeast Extractを中心に作られたオーストラリアの濃いSavoury Spreadです。一般的にはButterを塗ったToastやSandwichへ少量を薄く塗って食べます。

ベジマイトはどんな味ですか?

非常に強い塩味とうま味、Yeast特有の香りがあります。甘いSpreadではありません。少量をButterと合わせると食べやすくなります。

ベジマイトはどうやって食べるのが正解ですか?

最も一般的なのは、ToastへButterを塗り、その上へVEGEMITEをごく薄く伸ばす方法です。初めてならKnifeの先へ少し取る程度から始めてください。

ベジマイトはいつ誕生しましたか?

1923年にメルボルンで誕生しました。Fred Walker Companyに雇われたChemistのDr Cyril P CallisterがBrewer’s YeastからSpreadを開発しました。

ベジマイトは現在もオーストラリア製ですか?

はい。公式情報では1923年以来Port Melbourneで製造されています。2017年からはBega Cheese Limitedがブランドを所有しています。

ベジマイトは塩分が高いですか?

はい。現在の商品では5g ServeにSodium 165mgが含まれます。そのため大量ではなく、少量を薄く塗って食べるのが基本です。

ベジマイトはグルテンフリーですか?

通常のVEGEMITEはGluten Freeではありません。Yeast ExtractはBarleyとWheatの上で育てたYeast由来で、Malt ExtractもBarley由来です。商品表示ではBarleyとWheatを含むとされています。

ベジマイトとマーマイトは同じですか?

同じではありません。どちらもYeast Extract系Spreadですが、VEGEMITEはオーストラリア、Marmiteはイギリスを代表する商品で、味、香り、Textureが異なります。

ベジマイトは日本へのお土産に向いていますか?

非常にオーストラリアらしいため、話題性のあるお土産としておすすめです。ただし味の好みが大きく分かれるので、大人数へ配る無難なお土産というより、海外の食文化が好きな人向けです。



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